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ネロ(寝ろ)

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

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ネロと申します。🟥🏴‍☠️推し。📕多めの夢書きです。20後半。無断転載ダメ、絶対。

りっとりんく
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ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

なぜか画像化が上手くいかなかったので、スクショしてました💦
📕お相手年上彼女シリーズ。お題見てこれしか思い浮かばなかった。
お題【考える】【現実】【寒気】
#OP夢1d1w
@opdream-1h.bsky.social

October 11, 2025 at 2:37 PM

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

📕お相手
いつも通りの遅刻失礼します。最近こういう純愛ものを書いてなかったので、楽しかったです。
お題【初恋】【愛でる】
@opdream-1h.bsky.social
#OP夢1d1w

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「@ネロ」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / Photo by Gabriele Motter on Unsplash / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

いつも騒がしい船が寝静まった頃。ランタンを手に厨房へとやって来ると、極力音を立てないようにボウルや泡立て器、スケールに食材を用意する。漣だけが聞こえる、真夜中の密会。その相手はもう少ししたら来るはずだ。

「よっ。もう始めてたのか」
「いらっしゃいホンゴウ」
「今日はなに作ってんだ？」
「プリン・ア・ラ・モードだよ。ルウからあんまり卵使うなって言われてるんだけどね」

私が食べたいから作る。そう笑えば、後で怒られても知らねェぞとホンゴウも笑った。

私を拾って、赤髪海賊団へ仲間入り出来るよう掛け合ってくれたのはホンゴウだった。私にとって彼は仲間であり、兄のような存在。
お菓子作りが趣味な私は最初こそ１人でひっそりと楽しんでいたのだが、いつの間にかホンゴウに知られていて。他のみんなには内緒で秘密のお茶会を始めたのはもう何年も前の話である。

「はい、でーきた」
「おー。今回も美味そうだな」
「えへへ。さ、食べよ！」

カウンターで待っていたホンゴウに、プリン・ア・ラ・モードを差し出す。ガラスの器に盛られたプリンと飾り切りしたフルーツ、ほんの少しのホイップクリーム。きらきらと輝くそれをひと口食べれば、優しい甘さが広がった。

「ん。美味い」
「よかった」

ホンゴウから美味しいと言ってもらえて、今日も大満足。そんな満ち足りた気持ちで食べ進めようとするが、ふとその手は止まってしまった。

「……そんなに見られちゃ食べづらいんだけど」
「んー？気にすんなって」
「えー……？」

頬杖付いて、私に優しい眼差しを向けてくるホンゴウ。それがむず痒くて視線を逸らしていると、今度は頭を撫でられた。頭を撫でられるなんて初めてではないけど、なんだかホンゴウの様子がいつもと違う気がする。

「ねぇ、どうしたの？」
「隠すのはもうやめようと思ってな。今までの関係を壊しちまうのも、悪くねェかなって」
「それ、どういう……？」

今までの関係を壊す？それは、いいように捉えていいのだろうか。隠していたこの気持ちが、まさかホンゴウも同じだったなんて、そんなこと。
ぐっと迫ってくるホンゴウの体。それが嫌だと思わない時点で、私の気持ちなんて伝わってしまっているのかもしれない。

「好きなんだよ。お前のことが。仲間としてとかじゃなくて、１人の女として。お前はそう思ってねェかもしれないけどな」
「えっと、その……」

「なァ。お前はどうなんだ？」

「………ホンゴウが初恋だって言ったら、笑う？」

なんて弱々しい声。でも、これが精一杯。恐る恐る視線を持ち上げると、自信満々だったホンゴウの顔が、余裕なさそうに真っ赤に染っている。
そして、こつん。熱を測る時みたいに、額をくっつけてきた。

「いや。すっげェ嬉しい」
「バレないように必死だったのにぃ……」
「確信は持ってたんだけどなァ。まさか初恋だったなんて」
「ねぇホンゴウ。これから私達、恋人同士？」

私の質問に、ホンゴウは目をぱちくりさせる。それからふっと息を吐いて、ニヤリと笑った。

「これから嫌ってほど愛してやる。覚悟しとけ」

October 4, 2025 at 3:02 PM

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

久しぶりのワンドロ参加、久しぶりの🔫お相手。ちょい遅刻ですみません。
お題【揺らぐ】【彼方】
@opdream-1h.bsky.social
#OP夢1d1w

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「【揺らぐ】【彼方】」、「@ネロ」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / Photo by Zoltan Tasi on Unsplash / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

突然だけど、優先順位について話をしようと思う。
赤髪海賊団に所属する限り、私が一番に優先すべきはお頭だ。お頭の矛となり、盾となり、この身をもって守り抜く。文字通り、命を懸けて。そんなのお頭は望んでなんかいないって知っているけど、私は彼らの仲間入りを果たした時からそう決めている。
じゃあその次は、勿論自分自身？
そんなわけない。我が身が可愛い時だってあるけど、もう１人、私の全てを捧げた人がいるから。その人のためなら、なんだってするよ。お頭に誓ったのと同じように、その人にも命を懸けていい。
知らなかったでしょ。私、あなたに対してこんなにも真剣なの。あなたが私を目一杯愛してくれるから、そのお返し。
……でも、ごめんね。ちゃんと愛しているし、ちゃんと覚悟だって決めたはずだった。それなのに、あの一瞬は揺らいじゃったの。お頭を庇わないといけなかったのに、自分の命が惜しいと思ってしまった。まだ、あなたと、みんなと生きたいと願ってしまった。
これは報いなのかもしれないね。覚悟の足りなさ。海賊に綺麗な終わり方なんて、求めちゃいけなかったのかな。

「………っ」

ぼんやりとした視界。今は夜だろうか。寝ぼけ眼には月明かりが眩しい。
ゆっくりと体を起こしてみれば、部屋には誰もいなかった。その代わり、サイドテーブルに水の

入ったコップとメモ紙が置いてある。起きたら水分とっとけ、だって。さすが、うちの船医様は優秀だ。
撃ち抜かれた腹の傷は、今は痛み止めが効いていて大人しくしている。それよりも、隣のベッドで眠る彼の方が満身創痍だ。包帯だらけ、太い腕に似合わない点滴。規則正しい寝息だけが、私を安心させてくれる。

「ねぇベック。月が、綺麗だよ」

そっとカーテンを開けて、窓の外にある月を見た。手が届きそうな距離なのに、その存在はとても、とても遠い。まるで、今の私達みたいだ。
数日前の戦闘で、武装色の覇気を纏った銃弾がお頭の命を狙った。ほんの僅かな判断ミスが命取りになるというのに、お頭の一番近くにいた私はその一歩を踏みとどまってしまう。理由は簡単。どう頑張っても、弾道は私の急所以外有り得なかったから。だから、怖くなった。赤髪海賊団として生きていけなくなるのかもしれない。恋人のベックと、今生の別れになってしまうのかもしれない。そう思うと、怖くて動けなかった。
そんな私の前が、真っ黒になった。煙草の匂いがして、それだけはダメだと、無理やり足を動かして。
１秒にも満たない僅かな時間の中で起きた出来事の結末。それは、ベックと私の２人がお頭を庇って銃弾に倒れたことだった。

「………遠いなぁ」

私は先に目を覚まして、ベックはまだ眠っている。一命は取り留めたと聞いたけど、いつ起きるかはわからない、とも。
覚えているかな。いつかの宴で、ベックはお月様みたいだねって話したこと。みんなが寝静まった頃、１人だけ遠くから見守ってくれる。そんな、冷たくて優しい人。

「遠いよ……ベック………！」

手を伸ばせば触れられる。けれど、彼は目を覚まさない。そんなの、いないのと同じだ。

「………月を、見ていたのか」

声が聞こえた。振り返ると、さっきまで眠っていたベックが目を開けている。ぽろぽろと流れる雫をそのままにベックの傍に行けば、緩やかな仕草で拭ってくれた。

「うん……。あなたを、見ていた」
「宴の時に、言っていたやつか。おれが、月に似ているって」
「ふふっ。覚えていたんだ」
「おれのことを、あんなにも綺麗に言ってくれたのは、お前が初めてだったからな」

低い声。まだ夢現なのか、とろりとした瞳。でも、ちゃんと私が映っている。

「……お前が無事でよかった」

そう言うと、ベックはまた寝息を立て始めた。心底幸せそうな、安心したような顔は、きっとお互い様だ。

「やっぱり似ているよ、ベック」

近くて遠い、私だけのお月様。
今はどうか、安寧のひと時を。

September 27, 2025 at 2:23 PM

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

以前投稿した📕の年上彼女をシリーズ化しました。ホットドッグが無性に食べたくなったのでこんなお話に。
お題【紅茶】【ご褒美】
#OP夢1d1w
@opdream-1h.bsky.social

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「お題【紅茶】【ご褒美】」、「@ネロ」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / Photo by Harli Marten on Unsplash / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

ぷつりと破れた皮から溢れる肉汁。口の端から溢れるそれを親指で拭って、もぐもぐと咀嚼する。柔らかくも歯触りの良いキャベツと、ボリューム満点のソーセージ。ケチャップとマスタードの酸味と風味が鼻から抜けるのも心地良い。
３分の１ほど齧ってから一旦膝の上に乗せて、自分の右側に置いていたカップの蓋も開ける。ふわりと立ち上る湯気と、優しいコンソメの香り。じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、ベーコン、ブロッコリーがゴロゴロと入って、どれも柔らかく煮込まれている。１口スープを啜って、じゃがいもを口に入れる。まだしっかりと熱を持っていたじゃがいもを、はふはふ冷ましながら飲み込んだ。そして空を見上げて、一息。

「………はぁ～……おいしい」

ほっと吐いた息は白く、青い空に溶けていく。頬には大きなガーゼ、頭や首や腕に腹に足といった全身に包帯が巻かれ、誰がどう見ても怪我人である。本当なら船で大人しくしていなければいけないのだろうが…頑張った自分へのご褒美くらい許して欲しい。
数日前に船上で交戦し、まだ戦いに不慣れな新人を庇いながら無茶をした結果がこれだ。血塗れで怪我の手当てを頼めば、ホンゴウくんが血相を変えて医務室に放り込んだっけ。いやぁ、あの時の必死な形相はさすがに申し訳なくなったな。
そんな彼や、お頭達にでさえ内緒で船から飛び出してきたのだ。上陸したこの島は食べ物がとにかく美味しい。適当にぶらついて目に入った屋台で買った、ホットドッグとポトフ。あまりの美味しさに、ぼーっとしながらでも食べるては止まらず

あっという間に平らげてしまった。
空は青く、鳥が優雅に羽ばたき、街ゆく人々の賑やかで平和な声がこだまする。穏やかだなぁ、と思う反面。

「そろそろ戻らないとなぁ…」
「どっかの船医様が青筋立てて待ってるだろうなぁ」
「ォア」

背後に突然現れた怒気と、頭上から降ってくるドスの効いた声。思わず見上げると、こめかみに青筋をくっきりと浮かべたホンゴウくんの姿。驚き過ぎて変な鳴き声を出してしまったことすら拾ってくれないのだから、相当お怒りのようだ。
だいたいお前は…。その一言から始まったホンゴウくんのお説教。今回に関しては全面的に私が悪いのだけど、律儀に聞くこともない。ホンゴウくんには悪いけど、右から左だ。

「そもそもそんな怪我で出歩くなんて、」
「アイスティー飲む？」
「………………飲む」

はい、どうぞ。そう言って手渡したアイスティーは、しっとりと汗をかいてコンクリートの上を濡らす。たっぷりの間を空けてこくりと頷いたホンゴウくんが可愛らしくて、にへっと笑って頭を撫でると拗ねてしまった。
やれやれ、素直じゃないなぁ。

「心配してくれてるんだよね。ありがとう」

「……心臓に悪ぃから、急にいなくなるな」
「うん。善処する」

隣に座ったホンゴウくんは、こてん、と私の肩に頭を預ける。
ぽたり、ぽたり。コンクリートの上を濡らす雫は止まらない。

July 5, 2025 at 2:32 PM

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

上げ直し。
船大工な主と、理系男子📕＆🐍のアホなノリ

お題【電i伝虫】
#OP夢1d1w
@opdream-1h.bsky.social

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「【電i伝虫】」、「ネロ」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / Image by ぱんじ / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

３人は机の上で居眠りをしている電伝虫とにらめっこをしていた。すよすよと安心した様子で眠るこの電伝虫は、今上陸中の無人島で捕まえた野生の個体だ。
まだ未改造の個体。言い換えれば、これからどう改造しようが自由な個体。

「さて…どうしたモンか」

分解魔ホンゴウが腕を組み悩む。スネイクは工学に明るくはないが、なにやら面白そうなことを企てているホンゴウとナマエを見かけて、一緒になって楽しんでいた。

「普通に改造してもおもしろくないですもんね」

くるりと手元でスパナを回し、ナマエが口を尖らせる。船大工である彼女がありったけの工具と材料をこっそり持ち出してきたお陰で、資源だけは困らない。

「とりあえず方向性だけでも決めようぜ。通信用なのか、映像用なのか」
「うちに通信用って何匹いましたっけ？」
「確か…５、６匹ってところじゃなかったか？維持費もバカにならねェからって」
「あくまでも生物だからなァ。ホンゴウ、お前はどんな機能が備わった電伝虫が欲しい？」

ぴん、と思いついたスネイクがホンゴウに投げかける。通信用でも、映像用でもない。まったく新しい機能を搭載した電伝虫の開発だって夢じゃな

いのだ。
スネイクの質問に、ホンゴウは悩むことなく即答した。

「レントゲン機能が欲しい」
「放射線の用意は無理ですねぇ！」
「だよなァ。ナマエは？」
「私ですか？そうだなぁ…。あ、盗聴とか出来たら楽しそうですね！」
「盗聴てお前…。何に使うつもりだよ」
「えー？潜入の時とか便利じゃないですか。あと、下っ端クルー達の恋バナとか」
「いや恋バナなんてしねぇだろアイツら」
「えー？夜寝る前に〝お前アイツのこと好きなんじゃねーのかよ！〟〝バカ、声がデケェ！〟みたいな会話しないんですか？〝せーので好きなヤツの名前言おうぜ。せーの……言えよぉ！！〟みたいなのとかないんですか？」
「思春期男子の解像度高ぇなお前」
「そもそもこの船、女はナマエしかいねェだろうが」
「……そういえばそうでした」

自分の理想を語れば、それは勿論現実離れしているもの。それがわかっていても諦めきれないのか、理想の機能を語る２人はとても饒舌だ。

「まったく。実用的かつロマンたっぷりなものがあるだろ？」
「えー、そんなのあります？」
「勿体ぶらねェで教えろよ」
「それはだな││││」

ここをこうして、素材はこっちの方が軽くて丈夫だからこれを使って、長さはこれくらいで…。
コソコソと作業を進める３人は、時間が経つのも忘れて没頭した。

数日後の戦闘時。スネイクはいつもの双剣ではなく、あの日３人で改造した電伝虫片手に戦いに臨んだ。その掌に乗る電伝虫は頭に大砲、両目にはビームが放出されるゴーグル、殻には超小型マシンガンまで搭載されている。まさに武器庫のような改造っぷりに、敵味方両方を驚かせた。シャンクスは瞳を輝かせて興奮し、ベックマンは呆れて煙草を落としていることにも気づかない。
そんな魔改造された電伝虫は、大砲を一発放っただけで殻を爆発させてしまった。

「なァ……おれらってそんな悪いことしたか？」
「んー。強いて言うなら生命への冒涜？」
「じゃあこの仕打ちも仕方ないですねぇ」

戦闘後。船縁からロープで逆さ吊りにされるホンゴウ、スネイク、ナマエの姿が。
そんな彼らを見下ろしながら、殻のなくなった電伝虫は優雅に欠伸をした。

June 21, 2025 at 3:23 PM

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

もう一本のほうが美味しそうではあったけども…
ライムという単語に惹かれまして😊

June 16, 2025 at 10:58 PM

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

6/6

気予報見てなかったの？」
「見てねぇ」
「コイツが見るわけねぇだろ」
「うん、そうだったね」
「なんでオレが悪者みてぇになってんの」

どうせ朝はギリギリまで寝て、カバンの中身なんて数日前から変わってないんだろう。だから折り畳み傘が入りっぱなしになっているんだ。そう言ってやれば、舌打ちされた。図星だ。

「つーかお前、キャミ透けてんぞ」
「ん？あー、濡れたからね」

雨で濡れたブラウスのせいで、下に着ているキャミソールまでくっきりと見えてしまっている。ホンゴウから借りたタオルでマシにはなっているのだろうが、拭く前は肌も張りついてセクシーなことになっていたに違いない。
そこではたと気づく。ホンゴウはそんな私を他の人の視線に晒させないように、タオルを貸してくれたんだ。自分は使わずに、持っている中で出来るだけ大きなやつで体を隠して。
私がホンゴウを見上げると、彼はまた口を尖らせて視線を逸らす。そんなホンゴウの気遣いが嬉しくて、私は笑顔を浮かべた。

「ありがとうホンゴウ………っくしょい！」
「おい、大丈夫か？」
「うん。へいきへいき。…あ、そうだ。いいこと思いついた」
「は？」

「お前のそういう時の考えは信用出来ねぇ」

ポンっと手を叩けば、ホンゴウがキョトンとする一方でライムは顔を顰める。

「３人でライムの傘使って帰ろう！」
「はァ？！？」
「バッカじゃねぇの！！…っおい！引っつくな濡れる！！」

１人用の折り畳み傘に３人。しかもホンゴウとライムはそれなりに体格も大きいから、ほぼ全員が濡れて帰ることになる。でもどうせ待ってたって止む気配ないし、そっちの方が楽しそうだし、私達の家は隣同士だから近いし。いいよね？

「ほーら、ホンゴウもおいでよー！」
「おいマジで離れろって！」
「ったく仕方ねェな」
「なにが仕方ないんだよ？！ホンゴウまで来んな！！！」

ライムの腰にしっかりと抱き着いた私は、ぐいぐいと頬を押されるも負けじと腕に力を込める。そこにホンゴウも加われば、抵抗していたライムも大人しくなるしかなかった。
真ん中にライム、右に私がいたのだが、肩を抱き寄せられて場所を入れ替えさせられる。折り畳み傘を持つのは私になって、濡れていなかったライムの右肩は既にびしょ濡れだ。

「ライムいいの？肩凄いことになってるけど」

「いーよもう、諦めた。お前がそれ持ってろ」
「素直じゃねェなァライム。心配の一言くらい言えばいいのによ」
「うるせぇムッツリスケベ」
「誰がムッツリだ」
「ほらもう喧嘩しないの！」

ライムの折り畳み傘を両手で持って、少し高い位置に掲げる。そこにホンゴウとライムが頭を寄せて、それぞれが半身を濡らして。家に着くまで２人の口論は続いたけど、いつものことだから気にしない。
だって、これが〝私達〟なのだから。

次の日。３人仲良く風邪をひいて寝込んだことも、ただの笑い話だ。

June 7, 2025 at 2:12 PM

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

お題【雨宿り】
📕、🍹三角関係っぽいもの(現パロ)3/6

初の現パロ挑戦。お題どこいった感半端ないっす。
@opdream-1h.bsky.social
#OP夢1d1w

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「【雨宿り】」、「@ネロ」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / Photo by Inge Maria on Unsplash / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

帰る頃になってざっと降ってきた大粒の雨。今日は一日中晴れるって朝の天気予報で言っていたのに、大嘘つきめ。
背負っていたリュックで頭を覆い、とにかく走る。濡れたアスファルトを蹴る度に靴下とローファーが湿って、もうぐちゃぐちゃだ。

「……うへぇ」

上から下までびっしょりと濡れた私は、なんとか店の軒先で雨宿りをする。とっくに潰れてしまった喫茶店の跡地であるため、ここで雨が止むのを待ってみても怒られないだろう。
私と同じかそれ以上に濡れてしまったリュックからタオルかハンカチを取り出そうと漁るが、触れるのはノートと筆記用具、ポーチに丸まったなにかのゴミ。肝心の体を拭くものは一切出てこない。

「うっそ……忘れてきてる……」

それもそうだ。だって今日は晴れ予報だったし、体育の授業もない日だし。スカートのポケットをまさぐってもハンカチすら出てこず、私はがっくりと肩を落とした。
体だけは頑丈なのだから風邪をひくことはないだろうが…。それにしたって、気分は最悪だ。意味はないけど、濡れた顔をシャツの裾で拭っておく。

どれくらい待ってみただろうか。雨は止むどころか激しさを増していき、バケツをひっくり返したような豪雨となった。

どうしよう。親に迎えを頼んだところでまだ仕事中だろうし、このまま走って帰ろうか。
うんうんと唸って考えていると、遠くから私と同じようにカバンで頭だけ守って走ってくる学生が見えた。その姿はどこか見覚えがあって。というか、私の幼なじみの１人で。

「ホンゴウ？」
「あ？」

そのまま私の前を走り抜けようとするホンゴウを呼び止めると、彼は立ち止まってこちらを見た。最初こそ不機嫌そうに睨んできたけど、呼び止めたのが私だとわかった途端に驚きへ変わっていく。

「お前なんでこんなとこにいんだよ。つーか傘は？」
「帰ってる途中に降ってきたから、止むまで雨宿り中。ホンゴウだって朝の天気予報見たからそうなってるんでしょ？」
「あー…まァ、そうだな」

私と一緒のくせに。そういたずらっぽく言えば、ホンゴウはへにゃりと笑った。と、思えばすぐに視線を逸らす。

「ホンゴウ顔赤いよ？どうしたの？」
「な、なんでもねェよ！！それより、これ使って早く体拭け」
「わっ」

全力で否定してきたホンゴウはカバンからスポー

ツタオルを取り出すと私に投げてきた。少し湿っているが、まだふんわりと柔らかい。ホンゴウの家の匂いがして、少し安心してしまった。
ありがたく使わせてもらって体を拭き、ホンゴウへ返す。しかしそれすらも突っぱねられてしまって。今日のホンゴウ、なんか変だ。

「ホンゴウも体拭かなきゃ風邪ひくよ」
「おれはいいんだよ。それ肩にでも掛けとけって」

でも、だって。そう説得してみるがホンゴウの意思は揺るがず、視線もどこか違う方を見たまま。それがなんとなく納得いかなくて、私はホンゴウの腕を引っ張ったりタオルで無理やり拭こうとしたり。

「なにやってんだお前ら」

傍から見れば子犬同士の喧嘩だと言ってきたのは誰だったか。突然聞こえた雨音以外の聞き慣れた声にぱっと２人して向いてみれば、呆れ顔のライムがいた。彼もまた幼なじみの１人で、私達３人は幼い頃から遊んできた仲だ。
そんなライムは珍しく折り畳み傘なんて差していて。びしょ濡れの私とホンゴウへ憐れみの目を向けてきた。

「うわ…。お前らひでぇカッコだな」
「いやほんとな」
「オレは〝お前ら〟って言ったんだよ聞こえなかったか？」
「ライムなんで折り畳み傘なんて持ってんの。天

June 7, 2025 at 2:12 PM

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

ちょい遅刻しました💦
たまにはかっこいい(当作品比)🍶を目指しまして。

お題【ドレス】【キス】
@opdream-1h.bsky.social
#OP夢1d1w

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「【ドレス】【キス】」、「@ネロ」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

ロジャー船長の元で、オーロ・ジャクソン号に乗っていた頃。ある島に上陸してすぐ、私よりも少し年上の少年が〝ついてきて〟と言って手を引っ張った。

「わぁ…きれい……」

かつて灯台守がいたという、今は誰もいない灯台に忍び込む。吹きさらしの天辺から見える夕焼けが街を照らし、遠くに自分達が乗る船も見えた。幼心にその絶景に目を奪われ夢中になっている私の横で、少年が嬉しそうに、恥ずかしそうに頬を掻く。

「この景色をお前に見せたかったんだ」
「うん。すっごくきれい。連れてきてくれてありがとう」
「……あのさ。その…キスって、してもいいか？」
「え？」

髪の色に負けないくらい顔を赤くした少年が、いつになく緊張した面持ちで言う。まるで心臓の音まで聞こえてきそうな静寂の中、私は右の頬を指で差した。

「ここならいいよ」
「えっ…」
「口にしようとしたでしょ。それはね、いつか出会う大事な人とのためにとっておきなさいって、レイリーさんが言ってた」

絵本で読んだ、王子様がお姫様にキスをする場面。

純粋無垢な子どもはこの場面に憧れを抱き、いつかこんな王子様と出会いたいなんて話す。それを聞いた、保護者みたいな彼は苦笑いして私に説いたのだ。
私の言葉に少年は麦わら帽子を下げて顔を隠す。その時の私達は、ただ手を繋いで、同じ船に帰ることしか出来なかったけど。

「…………ふふっ。そんなこともあったね」
「あァ。懐かしい話だ」

あれから時は流れ、私達は大人になった。紆余曲折あって今じゃ恋人という関係に落ち着いた私達だったが、互いの心地良さはあの頃からなにも変わらない。
船はオーロ・ジャクソン号じゃなくなったけど。自慢の船で立ち寄った島はとても懐かしい場所で、２人で忍び込んだ灯台も健在していた。仲間達に内緒で待ち合わせをして、なぜかドレスコードをしてこいと指示され。持っていたワインレッドのパーティードレスに身を包んだ私が向かったのは、あの吹きさらしの天辺だ。そこには同じくドレスコードをした彼が立っていて。もう少年なんて呼べない、立派な男が私に愛おしそうな視線を向けてくる。

「随分時間が経っちまったが。もういいだろう？」

なにが、なんて愚問だ。体の半分をオレンジ色に染めて、私は自分の唇を人差し指で示す。

重なる影に、あの頃の私達が映っていた。

May 31, 2025 at 3:17 PM

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

少しずつこちらの方にもお話投稿出来たらなと思う今日この頃。
不安はないけど不満はある。そんなこと、よくありますよね。子どもみたいな欲張り彼女と、それを超える激重感情を抱いていた🔫の話。
#OP夢 #OPプラス

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「Merry me！」、「@ネロ」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

余裕のある大人の女になれたのならよかった。男の火遊びも軽く笑って、『最後にはわたしの元へ帰ってくるのよ』って、言えたらよかった。真っ赤なルージュの似合う、妖艶な女に憧れた時期もあった。

「だめ。この人はわたしのものなの」

街を歩いていると、綺麗な女の人に言い寄られているベックを見つけた。女好きのスケコマシ。ベックがそんな男だってのはわかってるし、そのうえで恋人を名乗っている。けれど、大好きで愛おしい人が他の女性の元へ行ってしまうのはどうしても許せなかった。
彼はわたしのもの。誰にも渡さない。そんな、わがままで重たい視線を、彼女は忌々しそうに見つめ返してくる。

「なによこの子。こんな子があなたの恋人？」
「そう「恋人どころか、わたし彼と結婚するの。だからあなたなんてお呼びじゃない」……だそうだ」
「趣味わっる」

戯言を吐き捨てて高いヒールを不機嫌に鳴らしながら、彼女は人混みの中へ消えていった。
ベックの腕に絡みついていたわたしは、ムスッとした顔のまま彼を見上げる。

「ベックのバカ。浮気者」
「馬鹿言ってんのはそっちだろう。俺がお前を手放すとでも思っているのか？」

「ぜんぜん。でも、他の人に言い寄られてる姿は好きじゃない」

愛されている自信がない？浮気してしまうか不安？そんなものありはしない。ただ、わたしがまだお子ちゃまで、ヤキモチなんて可愛らしいものじゃ済まない激重感情を抱いているというだけの話。この話をした時のお頭の顔と言ったら。

「そりゃ悪かった。これで機嫌直してくれねェか？」

ふぅ、と煙を吐き出し、ベックが私の左手を取る。右から４本の指にはめてくれたリングに、わたしは驚いた。
マヌケな顔。そう言って喉を鳴らすベックは、心底幸せそうで。

「まさかお前に先越されちまうとは思わなかったが…。結婚するか」
「…ふふっ。そうだね、結婚しよう」

ロマンチックも欠片もない、こんな道端で世間話をするかのような。子どもの口約束のような。そんなものでも満たされてしまうほど、わたしは彼からの愛を理解している。

May 25, 2025 at 4:57 AM

ネロ(寝ろ)

@neronro.bsky.social

なかなか参加出来なかったワンライ、久しぶりに投稿です。
📕夢。お相手は年上彼女。

お題【斜陽】
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印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「お題【斜陽】」、「@ネロ」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

この船に乗る紅一点の彼女はおれの恋人である。彼女はおれよりも早く赤髪海賊団の一員となっていた古株で、おれと同じく大幹部と呼ばれる１人でもあった。

「姐さんお疲れさまです！」
「次はオレと稽古をお願いしますっ！」
「おい抜け駆けなんてずりぃぞ！オレとも組み手してくださいよー！」

今日も今日とて、青空の下にある甲板で彼女は下っ端達に囲まれている。少し前までおれと健康診断の予定について話していたのだが、彼女のことを見かけたクルー達がまるで子犬のように群がった。盛り上がるその輪から弾き出されたおれは、ちょっと納得いかない。

「わかった。少しホンゴウと予定の確認をしなくちゃいけないから、それが終わったらやろうか」

ふっと微笑んだ彼女の言葉に、下っ端達は歓喜に湧く。そんな彼らをにこにこと手を振って見送る彼女は、またおれの近くへとやってきて話の続きを促した。

彼女のことを一言で表すのならば、〝王子様系〟だろう。中性的で整った顔立ち、振る舞い、強さ、賢さ。線は細いがしなやかな筋肉が必要なだけついている体も魅力の一つ。欠点なんて一つもない彼女の舎弟になりたいという下っ端は多く、いつの間にか姐さん呼びまで定着していた。
そう。赤髪海賊団の誰もが。彼女のもう一つの姿を知らない。

「あ”～～～つかれたぁ～～」

自室でシャワーを浴びてきた彼女が医務室へとやってくる。部屋に入った時はいつも通り余裕のある顔をしていたが、おれしかいないことに気づいた途端に破顔してベッドへ倒れ込んだ。首にはタオルが掛けられ、髪にはまだ水滴が残っている。彼女はベッドのシーツが濡れるのも構わないと言わんばかりに仰向けになって、意味もなく大きく広げた両手足をばたつかせた。

「おい、先に髪乾かしてこいよ」
「やだよめんどくさい」
「風邪引いても知らねェ」
「風邪なんかひきませーん」
「髪傷むぞ」
「私の髪はそんなヤワじゃないからへーきへーき」

もう腕が上がらない。そう言ってそのまま眠ろうとする彼女に、おれは呆れながらも彼女を起き上がらせ首に掛かっていたタオルで髪を拭いてやる。

「あ、乾かしてくれんの？ホンゴウくんやっさしー」
「最初からおれにやらせる気だったんだろ？」
「うん。ふふふ、あたり」

ふにゃふにゃ、へらへら。いつもの〝王子様系〟はどこへやら。おれと２人きりになると彼女は必ずこうなる。こんな彼女の姿は、おれ以外誰も知らない。

「つーかその格好でここまで来たのか？」
「そうだよ？」
「あのな、いつも言ってるだろ。この船は野郎ばかりなんだから、そんな格好で歩き回るなって。…ほら、これ着とけ」

黒いホルターネックのノースリーブにラフなショートパンツ。おれより年上のはずなのに、そこら辺の若手と並んでも同年代に見える彼女。すらりとした長い足も、ホルターネックから覗く白い首筋も、ほどよく柔らかそうな二の腕も。全部全部誰にも見せたくなくて、おれは自分の着ていた上着を彼女に渡した。

「…ホンゴウの匂いだぁ」

おれの上着は彼女の体よりも遥かに大きく、そんなだぼだぼの布に包まれたままごろりと寝転ぶ。服の匂いを嗅いで幸せそうに笑う彼女に、どこか遠くにあるなにかがぷつりと切れた。

「もう我慢できねェ。いいだろ？」
「こらこらホンゴウくん。私今そういう気分じゃない」
「お前がそうじゃなくても、おれがシたい」
「やーなこった」

覆いかぶさろうとすれば、彼女は器用に体を捩ってベッドの上を転がり下りる。西日に照らされた狭い医務室でちょこまかと逃げる彼女を追いかける今の姿は、普段絶対に見られない光景だ。

「おーいホンゴウ。ちょっといい……か…」
「あ」
「あれれー？ホンゴウくんもうお終い………あ」

恋人の特権、おれの優越感、２人だけの秘密。
それらは呆気なく、赤髪の男にバレてしまうのだった。

May 24, 2025 at 2:52 PM

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📕夢
お題【ネックレス】
#OP夢1d1w
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印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「お題【ネックレス】」、「@ネロ」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / Photo by somephoto / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

「ねぇキミひとり？よかったらさ│││」

数メートル先にある光景に、溜め息しか出ない。少し目を離した隙にこれだ。おれは小脇に挟んでいた分厚い医学書の角を太腿に叩きつけながら、大股で近寄る。
ごっ、と鈍い音と共に、情けない呻き声が聞こえた。

「わぁ」
「わぁ、じゃねェ。行くぞ」

頭を抱えて蹲る男を放っておいて、おれは彼女の手を引いた。
小柄だけど戦うと滅法強い彼女はおれの恋人。腕っ節に自信があるのは結構だが、こうして毎回ナンパされても抵抗せずにこにことしているのも如何なものかと思う。

「ホンゴウ、どこ行くの？」
「いいから」

右手には医学書。左手には彼女の細っこい手首。今度こそ離れないようにしっかりと握ってやって来たのは、上陸したその日から目をつけていたジュエリーショップだ。
きょとんと立ち止まる彼女を少し笑って、上品な店内へと入る。ショーケースの中にはリングやネックレスといった装飾品が、選ばれるのを待っているかのように陳列されていた。

「注文していたネックレスを受け取りに来た」

店員に言えば、スムーズに頼んでおいた物を用意してくれる。ショーケースに両手を置いて呆気に取られる彼女の前に、箱に入ったネックレスが置かれた。
細い金のチェーンに繋がれた、小さな瑠璃色。

「きれい…」
「背中向けろ。つけてやるよ」
「え？わたしに？」
「他に誰がいるってんだ」

いいからほら。そう促せば、驚きながらもこちらに背を向ける。箱からネックレスを取り出して彼女につけてやれば、やっぱりおれの見立て通り。

「うん。よく似合ってる」

彼女の瞳と同じ、ラピスラズリの小さな石が胸元で輝いている。気の利く店員が鏡を用意してくれて、そこに映った姿に彼女も笑う。

「んへへ。これ、マーキング？」
「だとしたら？」
「センスいいね。気に入った」

金と瑠璃、概念ネックレスってやつだ。そう言ってはにかむ彼女に、また愛しさが募る。

April 26, 2025 at 2:29 PM

ネロ(寝ろ)

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📕夢
遅くなりましたが初めて参加します。久しぶりのOP夢。
#OP夢1d1w
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🍹「コイツらこれで付き合ってないんだぜ？」 #新書ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/shinsho/shinsho_bg.php

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「【遅刻】【チョコレート】」、「@ネロ」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / Photo by Manuel Will on Unsplash / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

ぼんやりとカウンターを照らすランプに、生演奏のサックス。薄暗いそこはいかにも大人な世界であり、私のような小娘はどこにも見当たらない。最初の注文だって、テンパってカクテルの名前を読み間違えるという、いかにもバー初心者を前面に押し出してしまった。恥ずかしすぎて頭から湯気が出てたんじゃないだろうか。

「…おそい」

ポツリと出てきた不満。バーテンダーは無言でグラスを拭き、聞いていませんよとアピールをしている。
私がどうしてこんな洒落た店に一人でいるのか。それには理由があった。お頭達と一緒に酒場で過ごすはずだったのに、ホンゴウにこの店で待ち合わせしようと誘われたのだ。断る理由も無かったから了承したというのに、食らったのは待ちぼうけ。薄着だから店の外にいるのも肌寒かったし、中で待っていようとしたのが数十分も前。ちびちびと飲み進めていたカクテルも、残り半分となってしまった。
すると、バーテンダーが注文もしていない飲み物と小皿に乗ったチョコレートを出してきた。きょとんとする私に、彼は目を伏せて穏やかに示す。所謂、あちらのお客様からです、というやつ。おお、初めて体験した。

「やっ。キミ一人で寂しそうだったから」
「はぁ」

片手を挙げて微笑んだ男は、世間一般で言うイケ

メンという部類に入るだろう。むず痒くなりそうなセリフもさらっと言いのけて、彼は私の隣へ移動した。

「お酒は好き？これ、オレのオススメなんだけど」
「はぁ、まぁ。あの、このチョコレートは？」
「ほら、ハッピーバレンタインってやつ」

それって女が好きな男にチョコレートを送るのでは？いや、最近はなんでもありなのか。うんうんと頷く私は、一向に彼オススメの酒もチョコレートも手をつけない。彼も不思議に思ったようで、今度は心配そうな顔を向けてきた。

「もしかして、チョコレート嫌いだった？」
「いや、そういうわけじゃないんですけど…」
「なんだ。じゃあ遠慮しなくていいのに」

むっとへの字に口を曲げる彼には申し訳ないが、私は彼からの好意をいただくことは出来ない。だって││││。

「だって、知らない人から貰ったモノは食べちゃダメって言われてるから」
「え？誰から？」

「おれから」

急に視界がキャメル色になったかと思えば、聞き覚えのある声がする。目の前にあるのはどうやら背中らしい。彼と私を隔てるように割り込んだホンゴウは、それはもう溢れ出る殺気を隠すことな

く話しかけていた。

「おれはコイツの面倒みるのも仕事なんでな。変なモン食わせようとしないでくれよ？オニーサン」

行くぞ。そう言って手を引かれ、私とホンゴウは店を後にする。カクテル代を先にテーブルの上に置いておいて良かった。ちらりと振り返れば、彼はにこやかな顔で手を振っていた。変な輩ではなかったらしい。

「ねぇホンゴウ、どこ行くの？」
「││││だーーーもーーーッ！！」
「っ！？急になに？」

勢いよく頭を抱えてしゃがみ込んだかと思えば、せっかく練ったプランがーとか、おれカッコわりぃとか。何が何だかさっぱりわからないが、そこでようやく彼が紙袋を持っていたことに気づいた。

「ね、ね、ホンゴウ。これなに？」
「あ？あー……これな。いや、こんな状況で渡すつもりじゃなかったんだけどよ…」

もごもごと言い訳にならない言葉を連ねながら、ホンゴウは紙袋の中身を取り出す。それは綺麗にリボンが巻かれた箱だった。これだけ見せられれば、中身が何かなんて聞かなくてもわかる。

「チョコレート？」
「……おう。その、バレンタインだし。お前チョ

コ好きだろ」
「うん、好きだよ」
「清酒と一緒に食べると美味いんだ。だからバーに誘ったってのに、お前がナンパなんかされてるから」
「いっこ言っていい？遅刻した方が悪いと思う」
「…すんませんでした」

聞けば、時間通りに着きそうだったのに肝心のチョコレートを船に忘れてしまったのだとか。ホンゴウにもそんなうっかりがあるんだな、なんて笑い飛ばせば、ようやく彼も緩やかな笑みを浮かべてくれた。
飲み直そう。どちらが言うわけでもなく、私達の足は勝手にお頭達のいる酒場の方へ。
結局、居心地がいいと感じるのは慣れ親しんだ仲間のいる場所なのだ。

February 15, 2025 at 3:20 PM

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8/8

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「Are you for real？」、「@ネロ」と記載されています。
以下は本文の内容です。

「あらら、拗ねちゃった」

言いようのない苛立ちが募って、浴びるように飲んでいた酒も不味く思えてきた。今日はもう寝てしまおう。そう思ってジョッキを乱暴に叩きつけて立ち上がる。

「あ、これだけ言っとくわ。手加減してやれよ？」
「はァ？」

背中を向けるおれへ投げかけたヤソップの言葉の意味は、よくわからない。同じく状況を理解していないライムジュースへヤソップが耳打ちし、２人してニヤニヤとおれを見送っていたなんて知る由もなかった。

今日は最悪な１日だった。明日のおれは🌸へ変わらない態度で接することが出来るのだろうか。いや、正直自信ない。

「はァ……」
「！ホ、ホンゴウさん…。おかえりなさい」
「…………は？」

溜め息と共に開けた自室の扉。そこから聞こえるはずのない、恋人の声。素っ頓狂な声しか出なかったおれは、きっと正しいはずだ。
だってそこにいたのは、バニーガールの姿をした🌸なのだから。

「えっ、は？なに、どうした？！」
「～～～っ！」

ゆっくりと近づいて、目を擦ってよく見る。頭には黒い耳と小ぶりな花飾り。首元にはシャツの襟の部分しかなく、肩や鎖骨は素肌が丸見えだ。胸から腹を覆う黒い布はシースルーで肌が透けて見え、ふわふわのシフォンスカートから伸びる太腿にはガーターベルトが覗いている。そんな大胆な格好をした🌸は、耳まで

赤くしてベッドの上に座っていた。

「🌸、その格好は…」
「そのっ、ホンゴウさんに喜んでほしくて…。ヤソップさんに相談して、今日買ってきたんです…」
「じゃあ昼間のは、」
「み、見てたんですか！？」
「あぁいやそうじゃなくて！おれはてっきり、ヤソップとお前がデートしてるのかと…」

どうやらおれは盛大に誤解していたらしい。その証拠に、🌸はぶんぶんと首を振って否定する。
それよりもなんだ、おれに喜んでほしいって。何を思ってその結論に至ったのか、🌸の考えがさっぱりわからない。

「あと、他にも理由がありまして…」
「なんだ？」
「……ホンゴウさん、に、だっ…抱いて、ほしいので」

最後の方は小さ過ぎて聞き取りづらいが、おれの耳は全て拾い上げた。
恥ずかしがり屋で控えめで、そういった事も不慣れだと言っていたから。だから、おれも気を遣って🌸のペースに合わせていたのに。

「……勘弁してくれ」
「へ？」
「その作戦、大成功ってことだよ」

悪いヤソップ。手加減出来そうにねェわ。

December 7, 2024 at 2:16 PM

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🟥🏴‍☠️中心に「おい、マジかよ」なシリーズ。第3段は📕。
#OP夢 #OPプラス
4/8

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「Are you for real？」、「@ネロ」と記載されています。
以下は本文の内容です。

おれの可愛い恋人はとても控えめで恥ずかしがり屋な性格をしている。耳元で愛を囁いただけで顔を赤らめ、街で手を繋げば一度は高速で手を離されるからしっかりと握らなければならない。宴でも船の端の方にちょこんと座って酒を飲み、いつの間にか姿を消す。

「あ、🌸。これから街に行くけどヒマなら、」
「ごっ、ごごごめんなさい！今日は用事があって…その、失礼します！」
「お、おう…」

ある日、上陸した島がなかなか賑わっていると聞いたおれは🌸を誘った。ここ最近は忙しくて彼女とデートらしいことが出来ていなかったこともあり誘うが、彼女はおれの誘いを断ってそそくさと姿を消す。いつもなら嬉しそうにはにかんで一緒に出掛けるというのに、今までになかった拒否の仕方で謎は深まる。
考えても仕方ないと頭を切りかえ、おれは街へと出掛けた。本屋で目当ての医学書と小説の新刊を購入し、恋人への手土産としてスイーツ店で焼き菓子をいくつ

か買う。夜はゆっくり過ごせるだろうと、ついでにコーヒー豆でも見ていくかとスイーツ店を出た時だ。

「……は？」

おれの誘いを断った🌸がいた。その隣にはヤソップの姿。２人は手を繋いで楽しそうに笑っている。てっきり船で仕事でもしているのかと思っていたのに、目に飛び込んできたのは受け入れ難い光景で。
２人はそのままとある店に入っていく。追いかけるなんて気も起きず、おれは船へと戻った。自分がまともに歩けていたかなんて、覚えていない。

その日の夜は船の甲板で宴が開かれた。昼間の光景を忘れるように酒を飲み、普段は絶対に乗らないお頭との飲み比べにも参加してやる。まァ、勝てるわけねェけど。

「珍しいじゃねェかホンゴウ。お前がこんなに飲むなんて」
「うるせェ。おれだってたまには酔い潰れてェんだよ」
「船医が二日酔いなんて笑えるな」

お頭との飲み比べが終わると、ライムジュースが話しかけてきた。こいつはおれとお頭の飲み比べでお頭が勝つ方に賭けていたらしい。懐が潤って嬉しいかよ、クソが。
ヤケになって酒を煽り、ふとライムジュースから視線を外せばその先には🌸とヤソップの姿。今一番見たくない光景だというのに、どうしても目が離せなかった。
恥ずかしそうに笑う顔も。緩やかに振る手も。小さな口で呼んでくれる名前も。全部全部おれのものにしたいのに。

「どこ見てんだ？」
「…別に、なんでもねェ」

「ふぅん。🌸、どっか行っちまうけど誘わねェの？」
「アイツはヤソップと楽しくやるみてェだからな」
「は？なんでヤソップ？」

おれとライムジュースの視線に気づいたヤソップは、🌸に手を振って見送ったあとおれ達の方へやって来た。

「どうしたんだよホンゴウ。昼間も熱烈な視線くれちゃってよォ」
「気づいてたのかよ…」

さすが追撃者の異名を持つ男。昼間おれが２人を見ていたことに、ヤソップは気づいていたらしい。気づいていて、この男は人の恋人と２人きりだったわけだ。

「気になってんだろ？あの時オレと🌸が一緒にいた理由」
「ンなもん興味ねェ。…もう寝る」

December 7, 2024 at 2:14 PM

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5/5

December 1, 2024 at 1:17 PM

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🟥🏴‍☠️中心に「おい、マジかよ」なシリーズ。第2弾は🔫。
#OP夢 #OPプラス
4/5 #文庫ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/bunko/index.php

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「Are you for real？」、「@ネロ」と記載されています。
以下は本文の内容です。

赤髪海賊団副船長であり、俺の右腕でもあるベン・ベックマンには恋人がいる。島に降りては女を取っかえ引っ変えして大人の遊びを楽しむこいつが、特定の女を作ったと知った時はえらく驚いたモンだ。
目の前で書類を捌くベックに、ふと問いかける。

「なァベック。お前って🌸のどこに惚れたんだ？」
「…なんだ、藪から棒に」
「だーってお前ら、ぜんっぜん恋人っぽくねェからよ」

そう。片や女好きのプレイボーイで、片や冷静沈着で表情が乏しい女。彼女は非常に優秀で仕事も戦闘も掃除でも何でもこなせるが、如何せん可愛げがない。喜怒哀楽どこいった？というくらい常に無表情だ。仕事柄ベックといる時間がとても長く、そこから付き合いが始まったのは想像出来るが。この２人が甘い空気を出している場面を見たことがないのは、きっと俺だけではないはず。

「そんなモン、人前ですることじゃねェだろ」
「そりゃそうだが…。あ、じゃあ可愛いって思う仕草は？」
「全部」
「んん…。じゃあじゃあ、チャームポイントは？」
「全部」
「……。乱れた時に一番興奮するセリフは？」
「全部」

ベックの野郎、何がなんでも俺に言わねェつもりだな。

「雑談はここまでだ。お頭、あと全部目ェ通しとけよ」
「え…は！？これ全部か！？！」

ドンッと置かれた書類の山。ベックがチェックを入れてくれているから、あとは俺のサインだけでいいはず…だが、この量はおかしいだろ。

抗議の目をベックに向けるが、アイツは手を軽く振って部屋を出ていった。チクショウ。

小一時間ほど作業を進めるが、書類の山はやっと半分終わったくらい。

「だーっ！！もうやってられっか！」

ぽいっと羽根ペンを放り投げて、俺は気分転換に甲板へ向かう。そこはえらく盛り上がっていて、何事かと覗いてみれば珍しい光景が広がっていた。

「…ベックと🌸の手合わせか」
「おっ。お頭やっと来たか！珍しい組み合わせだろ。他の奴らは賭けまで始めてやがる」

なるほど。それでこの騒ぎか。ヤソップの言う通り、ギャラリーの大半が札を握り締めている。
それより注目すべきは彼らの手合わせだ。武器はなし、組み手のみで相手が降参するまで終わらない。ベックの重い蹴りを軽やかに躱す🌸は、一見追い詰められているようで違う。虎視眈々とチャンスをうかがって││ほら、隙を見逃さずに一撃入れた。

「アイツと組み手で張り合うなんざ、🌸くらいなモンだな」
「…そうだな」

ヤソップの言う通り。腕っ節に自信がある野郎でも、ベックには到底敵わない。それぐらいアイツは強い。そんなアイツの息をあげさせるのなんて、🌸くらいなものだ。縦横無尽に決められた範囲内を移動し、２人の組み手は続いていく。
│││そこで気づいた。ベックが🌸に惚れた理由。

December 1, 2024 at 1:11 PM

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6/6

November 16, 2024 at 4:05 PM

ネロ(寝ろ)

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🟥🏴‍☠️中心に「おい、マジかよ」なシリーズ。第1弾は🍶。
#OP夢 #OPプラス
4/6

November 16, 2024 at 3:58 PM