そもそも12年間入管に拘束されているというのはなんなんだろうか。

差別はやめろと至極あたりまえのことを言う宇多丸さんに対して「じゃあアレはどうなんだ」「コレはどうすんだ」あるいは「恵まれてるからそんなことが言える」等々揚げ足をとったり因縁をつけたり。あたりまえで真面目なことを発言する人がなんとなく許せないという心性の現れだろう。そうやっていろいろ言って、結果的に差別を容認している。結果的どころか頭っからという場合もある。醜い。

昨夜のBLACKHOLEでも取り上げました『どうすればよかったか？』がまだ全然わたくしの心のなかでグルグルと渦巻いています。あまりに重大な問題をいっさい見ないことにして、家族なるものを成立させることが最大のプライオリティになってしまうヤバさ。行きあたりばったりの継ぎ接ぎだらけでも、それが何とかなってしまう（ように見える）ことのもっとヤバさ。自分自身の過去現在を考えるほどに他人ごととは思えない。そういう方は多いんだろうと思います。

オバマだって100%立派な人だとは全く思わないのですが、少なくとも彼が大統領になった時には何というか、アメリカという国にはそれなりに映画とか漫画みたいな夢というか希望というか、そういうものがあるんだなあと思ったものです。不可能が可能になるというか……。いろいろ不幸やら納得いかないような現実やらが重なった挙句に、しかしたぶんフィクションでしか起きえないような何かが起きるというような。そんなことを勝手に、今回も期待していたのでしょう。