Ranun
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Ranun
@ranun-culus.bsky.social
京都府在住、大学図書館司書、日本カズオ・イシグロ研究会会員、海外文学に関心があります。薔薇も好きだけど、ラナンキュラスが好き。
ブログ https://ranunculuslove.hatenablog.com/
「世界燃焼」という言葉を初めて知った。
文書館の書物たちはみな、
ずっとずっと、この日を待っていたのか......

キリスト教世界における最大の文書館が燃焼する瞬間、

「満たされることのなかった世界燃焼の渇きを、
いきなり癒されたことに喜んでいるかのようだった。」
(下p.355)

ここも改訳されて、夢幻的。
つい、現実から目を背けたくなる。

#薔薇の名前・完全版 
#翻訳文学試食会 #人生の宿題
January 22, 2026 at 10:44 PM
アドソの夢幻は、徐々に混沌を極めていく。
目の前に現れる幻覚の列挙(リスト、目録)の背景には、どうやら書物同士の語らいがあるようだ。

しかもその中に、
この数日修道院で死を遂げた人の霊が不意に現れる。

なんというさりげなさ。

まるでだまし絵?さがし絵?トリックアート?
をみているような感覚に陥る。

『薔薇の名前』第六日・三時課は、
記憶に残る、濃密な章である。

#薔薇の名前・完全版 
#翻訳文学試食会 #人生の宿題
January 22, 2026 at 11:39 AM
六日目三時課
死者のミサで、アドソがみた夢幻は、
わたしの想像力を掻き立ててくれる。

豪華絢爛な乙女たちの行列。
その衣装の色はさまざまで、まるで多彩な薔薇の色のようだ。

ときどき登場する<太陽ヲマトッタ>女も気になる。
ちなみに旧版では<太陽ノ模様ノ服ヲマトッタ>女だった。
より神秘的な訳になっていて、好きだなあ。

しかし一転、神秘はカオスへと変貌する。

つづく......

#薔薇の名前・完全版 
#翻訳文学試食会 #人生の宿題
January 20, 2026 at 1:20 PM
『薔薇の名前』の僧院長アッボーネが、

螺旋階段から聖トマスの遺体を降ろすことに成功し、名声を得たという。

フォッサノーヴァ修道院の螺旋階段、

実在するのかなあ、一度みてみたい。

#薔薇の名前・完全版 
#翻訳文学試食会 #人生の宿題
January 19, 2026 at 10:35 PM
『薔薇の名前』の老修道士ホルヘは、なぜ視力を失ったのでしょう。

ホルヘといえば、ボルヘスですね。

久々にまた読みたくなりました。
January 19, 2026 at 10:17 AM
みんな同じだった。

知的欲求を満たすためなら、なんでもする。

一巻の稀書を手に入れるためなら、どんな罪でもおかす。

おのれの真理を溺愛して、虚偽を破壊するためには、何をしても構わない。

手に入れた秘密は、自分だけのものにしたかった.......

#薔薇の名前・完全版 
#翻訳文学試食会 #人生の宿題
January 18, 2026 at 10:40 PM
『薔薇の名前』の舞台背景である中世ヨーロッパのキリスト教世界、とくに異端についてより理解を深められる本。

www.nhk-book.co.jp/detail/00000...
NHKブックス No.1165 異端者たちの中世ヨーロッパ | NHK出版
異端者たちが蠢く、歴史の闇の世界へヨーロッパ世界を禍々しく彩る正統と異端の物語。正統と異端の対立というドラマの外部、スポットライトから離れた歴史の薄暗がりに目を向け、中世社会の深層にある矛盾や葛藤に光…
www.nhk-book.co.jp
January 18, 2026 at 6:10 AM
『薔薇の名前』の魅力のひとつは、
ウィリアムとアドソの掛け合いだ。

その面白さ(笑い)は、いつも不意に現れる。

哲学理論を長々と語るウィリアムに、
「だんだんわからなくなってきました」 
というアドソ。

そうそう、私も同感!わからないよ!
と思ったその直後、

ウィリアムでさえ、「わたしだって同じだ」
と言った。

「もう忘れてよい」って......

#薔薇の名前・完全版 #翻訳文学試食会 #人生の宿題
January 17, 2026 at 11:33 PM
「この文書館は、この世を暗に表わしている」

老アリナルドがそう言ったとき、
特別気に留めなかったが、

最後の最後にハッとした。
この言葉が蘇る瞬間が訪れる。

#薔薇の名前・完全版 #翻訳文学試食会 #人生の宿題
January 17, 2026 at 1:25 PM
『薔薇の名前』
ヴェナンツィオが、ギリシア語からラテン語に翻訳していたという「驢馬に変身した男の物語」(「ルキオス、またはロバ」)は、こちらの書籍に収録されています。

ndlsearch.ndl.go.jp/books/R10000...

なかなかハードな展開のお話ですが、アドソが想起した、アプレイウスの「黄金のロバ」とは少し違う。

このことが殺人事件の伏線になるかどうか......

2つとも図書館で手に入りますので読み比べてみると面白いです。

ちなみに、偶然でしょうか、
「ルキオス、またはロバ」も、原本は失われているそうです。

#薔薇の名前・完全版 #翻訳文学試食会 #人生の宿題
偽預言者アレクサンドロス (西洋古典叢書 ; G076. 全集 ; 4) | NDLサーチ | 国立国会図書館
ndlsearch.ndl.go.jp
January 15, 2026 at 10:40 PM
ウィリアム、
アドソ、
ミケーレ、
ベレンガーリオ

(『薔薇の名前』)

これらの登場人物はみな、同じ名前の人物が他に登場する。
あえて同じ名前を出す意味は?

随所に散りばめられている哲学や記号論、そして創世記に触れ、深く考えさせられてしまう。

もちろん単純に、同じ名前で混乱してしまうという、迷宮物語でもある。

#薔薇の名前・完全版 #翻訳文学試食会 #人生の宿題
January 13, 2026 at 11:45 PM
4日目六時課
ウィリアム、ウベルティーノ、ミケーレの鼎談の場面は、人称代名詞のオンパレードである。

あの男、
あいつ、
彼、
あの聖職売買者、
あの古狐、
矮小な人物、
ずるがしこくてしぶといやつ、
破廉恥なやつ、

いったい誰のことを言っているのかわからなくなる。
それにしてもひどい言われよう(笑)

これこそ、エーコが読者を惑わせる仕掛けなのではないか。
出口を見つけたくて、何度も読み返した結果わかったことは、

全部同じ人だった!
(と思う)

この直前には、笑いを誘うエピソードもあって、関連性も気になるが、笑った後の迷宮は油断ならない。

#薔薇の名前・完全版 #翻訳文学試食会
January 12, 2026 at 2:27 AM
『薔薇の名前』の難解さのひとつに、会話文の複雑さがあると思う。

特に長い会話になると、誰が話し、誰のことを言っているのかわからなくなることがある。

エーコはこれを「転換補助の問題、すなわち小説家が複数の登場人物に渡すさいの技法の問題」と言っている(覚書「語り手」より)。

なるほど、これはエーコの仕掛けなのか、
罠にはまった私は、迷宮を彷徨い続ける。

#薔薇の名前・完全版 #翻訳文学試食会 #人生の宿題
January 12, 2026 at 2:08 AM
アドソは最初、
「登場人物の外貌の描写に淫するつもりはない(上p.29)」
といっていたが、
各人、けっこう詳しく書かれているよ。
エーコのイラストと照らし合わせるとおもしろい。

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
January 11, 2026 at 1:36 AM
『薔薇の名前』のウィリアムが、肌身離さず持っていたという薬草図鑑(『健康の劇場』)、かわいすぎる!
実在していて、ファクシミリなら購入も可能です。

www.facsimiles.com/facsimiles/t...

以下、説明文を簡単にご紹介↓
『Theatrum Sanitatis』は、中世ヨーロッパで広まった健康と養生に関する豪華な装飾写本。11世紀のアラブ人医師イブン・ブトラーンの著作を基に、14世紀イタリアでラテン語に翻訳・図版化され、食物や植物の効用、日常生活における衛生などを豊かな細密画とともに記したものです。

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
Theatrum Sanitatis
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January 8, 2026 at 10:50 PM
こうして付箋を眺めていると.....
もはや美しい。
多彩な宝石に見えてきた。

宝石の一つ一つが語りかけてくる言語、
記号どうしの語らい....
などなど下巻に出てきますが、

付箋の一つ一つが語りかけてくるもの、
そして付箋どうしの語らい....

を眺め、楽しんでいます。

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
January 8, 2026 at 1:23 PM
『薔薇の名前・完全版』は、旧版に比べ、改段落されている箇所が多々あって読みやすいです。

若干字も大きくなっていて、しかも印字の濃さが薄くなったので目にも優しい物語に生れ変っています。

所々削除されている部分はあるけれど、ページ数は旧版とほぼ同じという......

なんだかこれも迷宮です。

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
January 6, 2026 at 11:29 PM
『薔薇の名前』のなかで、何度か出てくる「空飛ぶ機械」って、なんのことだろう.....

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
January 5, 2026 at 10:21 PM
『薔薇の名前・完全版』は、難しい漢字にふりがながつけられていて大変助かります。それでもまだ読めない漢字は、面倒がらずに調べるのが得策です。宝石の名や、教会の祭器類は、同時に画像検索するとおもしろい!

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
January 4, 2026 at 10:51 PM
異端をつくりだすのはしばしば異端審問である…..
ありもしないことを勝手に作り上げ.....
多くの者をそのなかへ押し込んでしまう......
まことにそれは悪魔が考え出した悪循環であった。
(『薔薇の名前・完全版』上p.88)

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
January 3, 2026 at 5:53 AM
『薔薇の名前・完全版』
1日目六時課。
ウィリアムの旧友、ウベルティーノは実在した人物です。
上巻P.86で彼の著書についての言及がありますが、
「磔にされたイエスの生命の木」”Arbor vitae crucifixae Jesu”、のこととと思われます。Internet Archiveで公開中。
archive.org/details/arbo...

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
Arbor vitae crucifixae Jesu : Ubertino da Casale : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive
In-4 °, unnumbered columns 247, text on two columns, ornate drop caps, gilt cuts, marginal specimen, rear red Moroccan binding. Printed in Venice by Andrea de...
archive.org
January 3, 2026 at 5:43 AM
『薔薇の名前・完全版』
1日目六時課。
バベルの言語を操る修道士サルヴァトーレ、ついに登場。
「救世主」という名を持ちながら、何ひとつ救わない。

エーコは相反する概念を、姿形を変えて反復します。
サルヴァトーレは、そのアイロニーを一身に引き受けた人物、まさに「神聖と悪魔の合成体」である。

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
January 3, 2026 at 5:20 AM
『薔薇の名前・完全版』
1日目三時課。
ウィリアムは早くも記号について言及しています。
馬を例に挙げ、一般概念から個別性への移行についてアドソに語る。

記号は語り掛けてくるが、それははたして真実なのだろうか?

今回わたしは「名前」という語に注目して読んでいいますが、この章でも複数回出てきます。記号との関連性は興味深いです。

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
January 2, 2026 at 2:23 AM
エーコ『薔薇の名前・完全版』を読んでいます。

過去に挫折した経験のある方、又は初挑戦される方も、「2012年版への付記」と「手記だ当然のことながら」、そして「プロローグ」の3つはとばして、「第一日」から読み始めてみてはいかがでしょうか。スーッと入っていけると思います。

#薔薇の名前・完全版 #人生の宿題 #翻訳文学試食会
January 2, 2026 at 1:34 AM