「できるけど、おったらラッキーくらいやな」
「いついらっしゃいますか」
「忙しいひとやから」
「豆の買い付けとかですか」
「いや、刀作ってる」
「え」
驚くと、男が「これは趣味」と目を細めた。
「刀づくりが趣味ですか」
「ちゃうちゃう。珈琲のほう」
「この店が趣味?」
「そう、趣味やなかったらやってられへんてこんな偏屈な商売」
そこで奥の初老の客が「でもしばくんの淹れた珈琲がいちばんうまいからね」というのに、男――しばくん、だから名字がしばだろうか――が「そらどうも」と軽く返す。いろいろ聞きたいことがありすぎて絶句していると、男が云った。
「できるけど、おったらラッキーくらいやな」
「いついらっしゃいますか」
「忙しいひとやから」
「豆の買い付けとかですか」
「いや、刀作ってる」
「え」
驚くと、男が「これは趣味」と目を細めた。
「刀づくりが趣味ですか」
「ちゃうちゃう。珈琲のほう」
「この店が趣味?」
「そう、趣味やなかったらやってられへんてこんな偏屈な商売」
そこで奥の初老の客が「でもしばくんの淹れた珈琲がいちばんうまいからね」というのに、男――しばくん、だから名字がしばだろうか――が「そらどうも」と軽く返す。いろいろ聞きたいことがありすぎて絶句していると、男が云った。