でも、前よりかはずっと気が楽だった。死ぬまでこのままでも良いし、いつか変われたらその時に番えばいい。
四人は、四人でいられることが何よりも幸せだった。
でも、前よりかはずっと気が楽だった。死ぬまでこのままでも良いし、いつか変われたらその時に番えばいい。
四人は、四人でいられることが何よりも幸せだった。
ヒートに当てられたオ…さんを見たオレたちがどんな気持ちか知ってる? 二人は、ラ…に運命の番いが現れてもいいの? そんなことを捲し立てるド…ちゃん。ぱしん、と泣きじゃくる彼女の頬を砂の塊が叩いた。自分で出した魔法のくせに苦しそうなオ…さんがド…ちゃんを抱きしめてため息をつく。
⏳「今までも、これから先も、お前たちを手放す気はない」
💥「でもでも、運命の番が…」
⏳「現れたら、そいつを排除する。私たちにとって、邪魔でしかない」
だから、無理に変わろうとしなくて良い。
そう言われて、ご兄弟は二人のチョーカーを外した。
ヒートに当てられたオ…さんを見たオレたちがどんな気持ちか知ってる? 二人は、ラ…に運命の番いが現れてもいいの? そんなことを捲し立てるド…ちゃん。ぱしん、と泣きじゃくる彼女の頬を砂の塊が叩いた。自分で出した魔法のくせに苦しそうなオ…さんがド…ちゃんを抱きしめてため息をつく。
⏳「今までも、これから先も、お前たちを手放す気はない」
💥「でもでも、運命の番が…」
⏳「現れたら、そいつを排除する。私たちにとって、邪魔でしかない」
だから、無理に変わろうとしなくて良い。
そう言われて、ご兄弟は二人のチョーカーを外した。
何もわかってない様子のラ…くんの頭を撫でて、ワ…くんが口を開いた。
🕶️「オレの恋人は、αのラ…と、βのド…なんだ」
オレたちの好きな人を返して……と泣きそうな声で言われ、二人はようやく、自分たちがしてしまったことの重さを知る。
何もわかってない様子のラ…くんの頭を撫でて、ワ…くんが口を開いた。
🕶️「オレの恋人は、αのラ…と、βのド…なんだ」
オレたちの好きな人を返して……と泣きそうな声で言われ、二人はようやく、自分たちがしてしまったことの重さを知る。
家に帰った二人は、結局、ご兄弟にチョーカーのことをバラしてしまう。普通にファッションとしても使えるものなので、ご兄弟は二人にチョーカー付けてもらうと、似合ってるね、可愛いね、と褒めるだけ。そしたらド…ちゃんが、これ付けてる時だけは、Ωってことにして欲しいと泣きそうな声で言いだす。
家に帰った二人は、結局、ご兄弟にチョーカーのことをバラしてしまう。普通にファッションとしても使えるものなので、ご兄弟は二人にチョーカー付けてもらうと、似合ってるね、可愛いね、と褒めるだけ。そしたらド…ちゃんが、これ付けてる時だけは、Ωってことにして欲しいと泣きそうな声で言いだす。
運命の番、なんて高望みはしない。ただ、ずっと二人を好きでいたいし、好きでいて欲しいだけ。βのド…ちゃんはオ…さんに運命の番が現れてしまうことに恐怖していて、αのラ…くんはそれだけではなく、自分に運命の番が現れてしまうことにも怯えている。
運命の番、なんて高望みはしない。ただ、ずっと二人を好きでいたいし、好きでいて欲しいだけ。βのド…ちゃんはオ…さんに運命の番が現れてしまうことに恐怖していて、αのラ…くんはそれだけではなく、自分に運命の番が現れてしまうことにも怯えている。
🪐「…なっ、そんなことを言ったら、オ…さんだって同じ立場だろう!」
⏳「ほう。そいつを庇う気か?」
💥「んもー!二人とも、オレを無視して話すな!」
🕶️「あー…じゃあ、とりあえずテメェらは浮気相手連れて来い」
※そもそも浮気をしていないので、現れるわけがない。
🪐「…なっ、そんなことを言ったら、オ…さんだって同じ立場だろう!」
⏳「ほう。そいつを庇う気か?」
💥「んもー!二人とも、オレを無視して話すな!」
🕶️「あー…じゃあ、とりあえずテメェらは浮気相手連れて来い」
※そもそも浮気をしていないので、現れるわけがない。
二人の腕に残る傷跡は、もう戻せる段階をとっくに過ぎていたのだ。兄弟は一晩話し合い、重要な証拠品として二人の手を魔法きょくで保管してもらうことにした。勿論、愛を誓った指輪はその指に嵌められたまま。
またいつか、二人が兄弟と愛を誓いたいと思ったのなら、残された手に合う指輪を探そう。
二人の腕に残る傷跡は、もう戻せる段階をとっくに過ぎていたのだ。兄弟は一晩話し合い、重要な証拠品として二人の手を魔法きょくで保管してもらうことにした。勿論、愛を誓った指輪はその指に嵌められたまま。
またいつか、二人が兄弟と愛を誓いたいと思ったのなら、残された手に合う指輪を探そう。
一度だけ、病室を間違えてますよと言った。
そうしたら、二人はひどくショックを受けた顔になって、数分間黙った後にサングラスの青年が「あってるよ」と口にした。どこか震える声も、目に溜まった涙も、なぜか気になった。こんなことが気になるなんて、あの兄弟は一体は誰だろう。夕食を食べてから消灯までの間、二人は毎日、あの兄弟が誰かを推理し続けた。
一度だけ、病室を間違えてますよと言った。
そうしたら、二人はひどくショックを受けた顔になって、数分間黙った後にサングラスの青年が「あってるよ」と口にした。どこか震える声も、目に溜まった涙も、なぜか気になった。こんなことが気になるなんて、あの兄弟は一体は誰だろう。夕食を食べてから消灯までの間、二人は毎日、あの兄弟が誰かを推理し続けた。
何も知らないこいつらは、もう要らない。そう判断して手を下そうとした瞬間、砂の塊に殴られた。落ちていく視界の中で微かに見えたのは、自身を取り囲む魔法i局の人間と、腕のない二人に駆け寄るメガネの男だった。
犯罪者の、最後の抵抗。犯人は、二人の左手だけを魔法でどこかへ転送してしまった。
何も知らないこいつらは、もう要らない。そう判断して手を下そうとした瞬間、砂の塊に殴られた。落ちていく視界の中で微かに見えたのは、自身を取り囲む魔法i局の人間と、腕のない二人に駆け寄るメガネの男だった。
犯罪者の、最後の抵抗。犯人は、二人の左手だけを魔法でどこかへ転送してしまった。
朦朧とする意識の中でド…が聞くと、待ってましたと言わんばかりに犯人は高説を垂れた。なんでも、犯人の固有魔法は頭に触れた対象の記憶を辿るものだという。固有魔法を使って、恋人を特定するのだそうだ。二人は初めて明らかな動揺を見せ、か弱い生き物のように後ずさった。犯人はまた上機嫌になる。嬉しそうにした奴が血に染まった手を洗いに別室に行った隙に、ラ…とド…は額をくっつけた。
💥「…できるかな」
🪐「できる。できなくては、困る」
💥「おう…」
息を整えて、魔力を額に集めて。ゆっくりと十字のアザが浮き上がり、涙を流すドットが確かに呪文を唱える。
朦朧とする意識の中でド…が聞くと、待ってましたと言わんばかりに犯人は高説を垂れた。なんでも、犯人の固有魔法は頭に触れた対象の記憶を辿るものだという。固有魔法を使って、恋人を特定するのだそうだ。二人は初めて明らかな動揺を見せ、か弱い生き物のように後ずさった。犯人はまた上機嫌になる。嬉しそうにした奴が血に染まった手を洗いに別室に行った隙に、ラ…とド…は額をくっつけた。
💥「…できるかな」
🪐「できる。できなくては、困る」
💥「おう…」
息を整えて、魔力を額に集めて。ゆっくりと十字のアザが浮き上がり、涙を流すドットが確かに呪文を唱える。