ワンライ「布団」のときに書いてたけどXで出してないやつ
全身に纏わりつくように触れる手、鼻につく作られた猫撫で声に頭痛がしてくるほどの甘ったるい香水の匂い。その全てから逃げ去るように家をあとにして、すぐさま新鮮な空気を大きく吸った。
金色に光る小さな月を見上げながら吐き出した空気は外の空気に晒され白くなり、すぐに黒い夜空に溶けていく。もう気づけば季節は冬なのだと実感させられた。
「今日、親おらんの」
そんな誘いを受けて、ほなやることだけやろかと家についていったのが一時間半前。やることやってシャワーしたのが三十分前。帰ろうとして引き止められたのが十分前。