ヴァイオリンがわかる!
ヴァイオリンは力のバランスを整えることで大きく響きます。そのバランス取りが長年の鍛錬を要する技術になります。

駒からのボウイングの距離、弓の速さと加速度、弓の圧力を微調整してうまく音が出るポイントを探します。良い楽器ほどピンポイントで音が出ますので難易度は高くなります。

たまにうまく音が出たらその感じを手がかりに再現できるように繰り返します。大変に地味な作業ですが重要なテクニック構築作業です。
December 29, 2025 at 10:23 PM
音色は七色の声を使い分けると言うこと以前に、きちんとヴァイオリンを鳴らす・響かせるということの方が大事です。

音色の変化なんかを細かく付けなくても、きちんとヴァイオリンが鳴っている音があれば聴けるもの。逆にあれこれ小細工しても、そもそも音が出ていなければ聴けたものではありません。

きちんとヴァイオリンを響かせる加減はかなりの鍛錬が必要ですし、楽器によっても異なります。

私事ながら自分自身も先日ヴァイオリンを買ったばかりで、響かせる事に努力している最中です。
December 28, 2025 at 11:33 PM
まっすぐに弓を動かすことよりも、まっすぐの音を出すことの方が重要です。

ヴァイオリンの技術は結局のところ適切な音が出るためのものなので、弓をまっすぐに動かすことに気を取られて、音がよろめいていては本末転倒です。

自分の音をきちんと聴くと言う事でもあります。単純な事ですが、自分の音こそ聴けていないもの。自分の音を聴くことも生涯追究するべき課題です。
December 27, 2025 at 11:38 PM
常に正しく弾けているかどうかを自問自答するのが練習です。音程よりもまずはリズム。リズムよりもまずは音色(最低限のきちんと音が出ていることのレベルでの音色です)。

概してヴァイオリンの世界では音程重視になりがちなものですが、音がきちんと出ていないのに音程もあったものではない。リズムが適切でないのに音程を過度に問題にする事は滑稽。

きちんと音を出すことこそ、生涯自問自答を続けなければいけない課題です。
December 27, 2025 at 12:33 AM
クラシック音楽は楽譜通りに弾くのが原則です。「楽譜通りなんてつまらない」なんて言う人もいますが、それは楽譜通りにすら弾けていない人の言うこと。

ヴァイオリンの場合、大体は適切な音の長さで弾けていません。適切な音の長さで弾くだけで、俄然生きた音楽になります。

某巨匠は「楽譜通り弾くように努力しています」と述べたものです。至言です。自分の自意識を排して、楽譜通り弾こうとした結果でこそ巨匠の演奏ができる。

自己満足に終わらない演奏にするには必要な姿勢です。
December 25, 2025 at 11:12 PM
ヴァイオリンの一枚板の裏板は価値がありそうにも言われますが、別に特別でも価値があるわけでもありません。音への影響も無さそうに思えます。

見た目に分かりやすい材料や希少材料は安易に価値付けされがちなものですが、材料自体よりも材料を活かした作り方、希少材料よりも材料の善し悪しだろうと思います(良い材料は希少とは言えます)。

更にオールドヴァイオリンの場合は裏板の割れは忌避されますが、割れていてもきちんと修理されていれば音はほとんど問題はありません。
December 25, 2025 at 12:24 AM
弦の張力や板の収縮などによってヴァイオリンは変形していきます。変形はそれほど古くなくても生じることで、横板の変形がよく見られます。

オールドヴァイオリンの場合は熱をかけて変形を直すこともありますし、湿度を木材に吸わせることで変形箇所を直す場合もあります。けれども、多かれ少なかれ変形しているものです。

力がかかるところは何らかの変化が見られる。当たり前のことですが、そう言った思考をできることがオールドヴァイオリンを適切に見るポイントのひとつです。
December 24, 2025 at 12:30 AM
ヴァイオリンと身体の触れる部分は長い年月をかけて摩耗していきます。

例えば、オールドヴァイオリンの多くは裏板の身体が接する箇所が摩耗して薄くなっています(使用頻度が低ければ当然摩耗しませんが)。

こういった要素で真贋の判断はできないものの、長い年月使われ続けた証拠にはなります。

ただし、よくできたレプリカはこういった要素も再現してある場合がありますので、総合的な判断が必要です。
December 21, 2025 at 12:01 AM
ヴァイオリンの古さの判断として、使うごとに摩耗する部分の整合性が取れているかを確認します。

例えばペグとペグ穴はチューニングする度に摩耗していきます。摩耗の限度を超えた場合は穴を一度埋めて開けなおします。

多く使われたヴァイオリン=大半の古いヴァイオリンはこの修理を施されています。その痕跡は写真のようにペグの穴周辺が二重三重の筋になって見えます。
December 19, 2025 at 10:45 AM
オールドヴァイオリンのラベルなんて全くあてにならないと言っても過言ではありません。「アントニオ・ストラディヴァリ」のラベルのヴァイオリンは文字通り星の数ほどもあります。

写真の「グァダニーニ」ラベルもほぼ確実にヴァイオリン本体とは異なるラベル。

ただ、ラベルが違うからと言って悪い楽器とも言い切れないもの。ストラディヴァリのラベルが貼ってあるが、アマティということもあります。これも狭い視野では「ストラディヴァリの偽物」となってしまいます。

ヴァイオリンはラベルではなく本体で評価する必要があります。
December 16, 2025 at 10:37 PM
お帰りになられた後も、ひと通りお忘れ物が無いか確認をして、次の方がいらっしゃらない時は窓を開けて換気をし、必要な場合は掃除をしてとします。

これで一回分のレッスンが完結します。
December 16, 2025 at 1:09 AM
レッスンの後、ヴァイオリンをケースにしまう様子も観察しています。弓を緩めていない、など不適切な扱いの場合はチェックを入れる必要があるためで、これもレッスン内容です。

お忘れ物がないかの確認も。特に録音にお使いになったスマホを忘れてしまわれると、自分としても連絡のしようが無くなるので注意を。

習っていた故玉置先生と同じく、自分も玄関まで行きお見送りを。教室によっては「勝手に帰れば」と言わんばかりの姿勢ですが、うちは玉置先生のなさっていたような姿勢が先生と生徒の当たり前の関係と考えています。

お帰りの前に、少しヴァイオリンについてのお話をする場合も。これも含めてレッスン内容と考えています。
December 14, 2025 at 12:06 AM
楽曲は原則的にヴァイオリンの世界でよく弾かれる曲をご提案します。すなわち変なマイナーな曲はご提案することはありません。

マイナーな曲にはそれなりに理由があるもの。曲としての魅力以前に、そもそも弾きにくかったり、ヴァイオリンが響かなかったり、がよくあるもの。

元々の作りの悪いそういう曲は努力しても、労力に見合った成果が期待しにくい。そういう意味で、可能な限り避けるようにしています。
December 12, 2025 at 12:40 AM
音階と同じく、カイザーやクロイツェルなども最初はクオリティを問わないでカイザーならなるべく早く36までたどり着くように進めて行きます。

もちろん最初からクオリティも伴っていればそれに越したことはありませんが、音を追うことで精一杯の状態でクオリティも求めるよりは、音を追うことに慣れることが先と考えます。

クオリティは余裕のある状態でないと要求はできないもの。まずある程度の余裕ができるまで進めていくのが得策と考えています。
December 11, 2025 at 7:40 AM
小野アンナにせよカールフレッシュにせよ、音階練習はまずゆっくり進めて行き、その後クオリティはさほど問わずある程度速いテンポで、その上で音程・音質ともクオリティを求めていきます。

最初から全部できる人なんていない。最初はひとつひとつの音を探るので精一杯。ただ、音階はある程度の単位でのセットで考える必要があるため、ある程度テンポを上げてひとつひとつから早めに離れる必要があります。
December 9, 2025 at 11:39 PM
3月第2週の愛知レッスン予約画面を開けることを失念しておりました。

よろしければどうぞご利用ください。大変失礼いたしました。
December 9, 2025 at 11:32 PM
レッスンではボウイングとヴィブラートの基礎練習を行った上で、段階に応じて小野アンナの音階→カイザー→クロイツェル→カール・フレッシュのスケールシステム→ローデと進めていくこと多いです。

小野アンナの重音の音階までできなければカイザーを進めることはできません(形だけならできますが無意味です)。一応、こなすことができるだけの技術を得てから、課題はお出しすることにしています。

当たり前のようなことですが、案外無理な課題を出されていることも多いものなのです。うちでは大変ではあっても無理ではない課題で力を付けて頂けるようにしています。
December 9, 2025 at 12:15 AM
多くの方にレッスンでは毎回ヴィブラートの基礎練習もやって頂きます。ダウンとアップ均等にできるようにしたいので、ダウンアップで2回ずつ四分音符で1〜4の指を。

ヴィブラートも普通にできなければいけない技術ですが、習得は困難ですし、ちょっとした加減でできなくなってしまいます。大き過ぎず小さ過ぎず、強過ぎず弱過ぎず、しかも弾く曲の国や時代に応じて変化も必要です。

ヴィブラートがあってこそのヴァイオリンの音とも言えます。うちのレッスンではかなり重視しています。
December 8, 2025 at 1:19 AM
うちのレッスンでは多くの方に基本的なボウイングの練習を最初にやって頂きます。最初は八分音符、次に四分音符、さらに二分音符のボウイング練習。ある程度できるようになったら全音符にします。

単純に「普通の音」を出すための練習ですが、これができなければ何もできません(チューニングすら)。

普通に呼吸ができて、普通に水が飲めて、と言ったことに相当するので、こういった地味な練習は無意味に思えることでしょう。でもこういう練習を怠ると、ある時呼吸も水を飲むことも上手くできなくなる。「普通」こそが重要な能力なのです。
December 6, 2025 at 12:24 AM
レッスンにお越しの方に自分でチューニングをして頂くスタイルをうちのレッスンでは採用しています。チューニングも立派な演奏技術のためです。またチューニングが合っていなければ音程のみならず音色の前提も崩れます。

チューニングの手順、ペグの回し方、ペグが回しやすい角度になっているか、チューニング時のボウイング〜ボウイング次第で音程が変わるためは指導内容ですし、チューニングの精度もチェックしています。

初歩のうちは4弦ともチューニングメーターでチューニングして頂きます。重音でのチューニングは少なくともボウイングがきちんとできてからです。
December 5, 2025 at 12:12 AM
レッスンにお越し頂いた方にヴァイオリンを準備頂きます。準備の様子はチェックしています。

弓の毛の状態、弓の張り方、松脂の塗り方、肩当ての付け方、駒の傾き具合・・・。これらの指導もレッスン内容の一部のためです。

これらは音を以前の前提になりますのでチェックは必須です。
December 3, 2025 at 11:26 PM
noteを更新しました。「ヴァイオリンは理系向き?論理的思考での演奏」のタイトルで、X(旧Twitter)の過去記事からのリライトです。

note.com/violinwakaru

ヴァイオリンを上手く弾くには情熱よりも理性、感情よりも論理です。カラフルにするより、モノトーンから最小限の色付けをしていく手順で聴ける演奏になります。
December 2, 2025 at 1:12 AM
レッスンにお越し頂きご挨拶を済ませます。世間話はうちの場合はありませんが、コンサートを控えている方、コンサートを終わったばかりの方、前回変化のあった方などお話を振って状況を伺うことがあります。

もちろんその日のレッスン、それからその先のレッスンに活かすためです。ヒアリングによって問題点の抽出、対策にしていきます。

世間話になりそうな時は・・・、冷たいようですが極力早めにお話の軌道修正してヴァイオリンの方に向けてレッスンに戻るようにしています。
December 2, 2025 at 12:20 AM
レッスン室の換気と空気の整備、楽器のチューニングや音出し、駒角度の調整など整備した上で、レッスン前15分前になって自分の身支度。

自分は衣類の見た目はこだわりがありませんが、この仕事を始めた事情もありシャツは必ず黒色を。音色にプラス+疲労軽減のため、シャツやズボンの下にはCW-Xのコンプレッションウェアを。メガネもレッスン用を。

髪の毛なんかはどうでもいいので5〜10分前。場合によってはお越しの方のチャイムが鳴ってから。自分用の譜面台に櫛を置いてあります。

これでようやくレッスンできます。
November 30, 2025 at 11:56 PM
レッスンをする30分前には自分のヴァイオリンのチューニングを予め合わせておきます。ガット弦を使っているのでたちまちチューニングがずれますが、30分その部屋の空気に置いておけばかなり安定します。

レッスンを受けていた頃は先生にチューニングして頂くスタイルだったので、チューニングが合っていると「直前に練習してきたね」と好意的に言ってもらえたもの。逆に合っていなければ「練習してねえな」という意味なのでしょう。

レッスンにお越しの方をお待たせしないためにも、また自分の気持ちの上でも、チューニングはきちんとしようとしています。
November 30, 2025 at 12:30 AM