突然だが直す＝壊すという図式を思い浮かべる人はどのくらいいるだろう。子供の頃から何かを作ることが好きで、作りが気になってこっそり親の目を盗んで分解しては組み立ててを繰り返していた。一度壊してからでないと直せない。その考え方が面白くて今の仕事を始めた。 作業の手を止めてコーヒーを飲

目次 1 『人間椅子』 幕間 『彼から見た彼らのこと』 2『在りし日の雪』

それは年が変わって数週間遅れでようやくもぎ取った正月休みのこと。 「うう。さ〜むいッスねえ。」 「自分がそんな前開けた服着とるからやろ。ヒートテック着とけゆうたやん。」 「和服の方が落ち着くんスもん。」 「さよか。せっかく人が選んでやったのに。」 浦原商店の和室でこたつに引きこも

※ふわっとした設定 （そんなのありえないよって話でもパロディーにつきそんなもんかな？でスルーしてください） ・平子先生（30） 社会系（現社と倫理）担当教師兼相談室の相談顧問。 忙しすぎて学年は担当していない。 かなりゆる〜い雰囲気で相談室を担当しており、ガチ相談から「ちょっと疲

この作品「世界が貴方を赦さなくても」は「文豪ストレイドッグス」、「中島敦(文豪ストレイドッグス)」等のタグがつけられた小説です。 白く晴れた日。青い紫陽花に囲まれたガラスのチャペルを包むように日向雨が降っている。静かな雨粒が太陽の光と混じり合い、光の雨となって真っ白な二人に降り注ぐ。 「それでは、新郎新婦は病めるときも健やかなるときも、互いを愛し、支えあっていくことを誓いますか？」 赤、青、ピンク...

この作品「晩夏」は「浦平」のタグがつけられた小説です。 その日、浦原商店に訪れた平子に浦原はあるものを持ってきた。 「平子サンこれやりませんか？」 そう言って見せたのは大きな手持ち花火のセットだった。 「でっっか!!またえらいでかいの持ってきよったな!？ええけど店の商品とちゃうんか？」 「いやあ、これはアタシが作った浦原商店特製の非売...

この作品「独占欲は犬も食わない」は「浦平」のタグがつけられた小説です。 ―あ、まただ。 時刻は昼下がり。トントン、と書類を揃え終えた雛森が顔をあげると、柱にもたれ掛かりながら伝令神機に挿したイヤホンでジャズを聞く平子の姿が目に入った。 平子自身はその気さくな性格ゆえ雛森を含む五番隊の隊士 とも打ち解けているが、一方で今のような仕事が落ち着いて小休憩を...