と呟こうとしたらついったーくんが死んでいたのでこっちで
と呟こうとしたらついったーくんが死んでいたのでこっちで
顔を腫らした弟が小さな膝を抱えて今の俺と同じ言葉を溢した時の出来事は未だ鮮明に覚えている。それに対して俺が吐いた言葉も。
お前は同じ言葉を返してくれないだろうという想像は、あのとき抱きしめた小さな体のぬくもりと涙でぐちゃぐちゃの笑顔と相まって氷の温度で心臓を突き刺す。
顔を腫らした弟が小さな膝を抱えて今の俺と同じ言葉を溢した時の出来事は未だ鮮明に覚えている。それに対して俺が吐いた言葉も。
お前は同じ言葉を返してくれないだろうという想像は、あのとき抱きしめた小さな体のぬくもりと涙でぐちゃぐちゃの笑顔と相まって氷の温度で心臓を突き刺す。
俺は俺がしてもらったこと、俺がして欲しかったことは全部ガユスに与えるつもりだ。
できることなら何よりもあたたかな弟を膝に乗せて、冷えて赤くなった頬や耳を手のひらで包んでやる仕事に就きたかったが。
それが永遠には続かないことを俺は知っていたから、そこを出る選択をした。ちいさな弟の手を引いて。
俺は俺がしてもらったこと、俺がして欲しかったことは全部ガユスに与えるつもりだ。
できることなら何よりもあたたかな弟を膝に乗せて、冷えて赤くなった頬や耳を手のひらで包んでやる仕事に就きたかったが。
それが永遠には続かないことを俺は知っていたから、そこを出る選択をした。ちいさな弟の手を引いて。
俺は数字の書かれておらず十二個の目盛りが均等に刻まれた円盤を顎で示した。大小二つ並んだそれは長針も短針も真上、十二の位置を指している。
「お前はこれが時計に見えるのか」
問いに対しユシスが驚愕の表情を浮かべる。俺とお前で見えているものが違うとかいうそういうホラーな話はやめろ
俺は数字の書かれておらず十二個の目盛りが均等に刻まれた円盤を顎で示した。大小二つ並んだそれは長針も短針も真上、十二の位置を指している。
「お前はこれが時計に見えるのか」
問いに対しユシスが驚愕の表情を浮かべる。俺とお前で見えているものが違うとかいうそういうホラーな話はやめろ
俺の3番目の兄、ウーディースがふとそんなことを尋ねてきた。俺達というのは2番目の兄のことだ。ユシスとウーディースは一卵性の双子として生まれ、そっくりな見た目で誰にも見分けがつかない。
俺も眼鏡をかけるようになるまで、六歳上の兄達が入れ替わっていても気付かなかったのだが。
「さあ……どこだろう」
俺を見つめる青い瞳を俺もまた見つめる。二人の相違点を探す。時折瞬く睫毛がウーディース兄の方が長いな、と思うこともあるけれど、後でユシス兄を見るとやっぱり変わらないなとも思う。
幾度聞かれた質問に今日も答えられずに首を傾げる俺に対し、兄は優しく笑んで見せた。
俺の3番目の兄、ウーディースがふとそんなことを尋ねてきた。俺達というのは2番目の兄のことだ。ユシスとウーディースは一卵性の双子として生まれ、そっくりな見た目で誰にも見分けがつかない。
俺も眼鏡をかけるようになるまで、六歳上の兄達が入れ替わっていても気付かなかったのだが。
「さあ……どこだろう」
俺を見つめる青い瞳を俺もまた見つめる。二人の相違点を探す。時折瞬く睫毛がウーディース兄の方が長いな、と思うこともあるけれど、後でユシス兄を見るとやっぱり変わらないなとも思う。
幾度聞かれた質問に今日も答えられずに首を傾げる俺に対し、兄は優しく笑んで見せた。