心から尊敬する ひとりのおばあさんが
庭に植えた 小さな木から
ほんのすこし すだちが採れたのだと
サイダーに入れても
お風呂に入れてもいいのだと
ふた粒だけ 持ってきてくれた
ある秋の朝の 宝石のように
#kotobanokakera
心から尊敬する ひとりのおばあさんが
庭に植えた 小さな木から
ほんのすこし すだちが採れたのだと
サイダーに入れても
お風呂に入れてもいいのだと
ふた粒だけ 持ってきてくれた
ある秋の朝の 宝石のように
#kotobanokakera
ふりおちるゆきのうらがわの
蒼くすきとおった影を見ています
ふりおちるゆきのなかにともる
蒼くふるえるほのおを見ています
やさしくあろうとすればするほど
憎まれ蔑まれた経験があります
わたしたちの喪のあとに
ふりおちるゆきを見ています
#kotobanokakera
ふりおちるゆきのうらがわの
蒼くすきとおった影を見ています
ふりおちるゆきのなかにともる
蒼くふるえるほのおを見ています
やさしくあろうとすればするほど
憎まれ蔑まれた経験があります
わたしたちの喪のあとに
ふりおちるゆきを見ています
#kotobanokakera
恋人たちを見ていました
あなたたちがふつうではないと
いったい誰が決めたの
小さな車椅子を走らせてゆく
車輪の軋みを聴いていました
あなたたちがこわれていると
いったい誰が決めたの
知らないことばの鮮やかなうたを
歌うかれらを見ていました
あなたたちを許さないなどと
いったい誰が決めたの
「やつらを高く吊るせ」と
あらゆる時代のふつうの人びとが叫ぶ
#kotobanokakera
恋人たちを見ていました
あなたたちがふつうではないと
いったい誰が決めたの
小さな車椅子を走らせてゆく
車輪の軋みを聴いていました
あなたたちがこわれていると
いったい誰が決めたの
知らないことばの鮮やかなうたを
歌うかれらを見ていました
あなたたちを許さないなどと
いったい誰が決めたの
「やつらを高く吊るせ」と
あらゆる時代のふつうの人びとが叫ぶ
#kotobanokakera
みずべに出かけましょう
(叫び声が聞こえる
炎が立ちのぼる
子供達が死んでゆく)
晴れた空の下
あなたといっしょに
みずべに出かけましょう
(叫び声がやまない
炎が立ちのぼる
子供達が死んでゆく)
わたしたちは
みずべに出かけましょう
(叫び声がやまない)
あしたが訪れないとしても
みずべに遊びましょう
#kotobanokakera
みずべに出かけましょう
(叫び声が聞こえる
炎が立ちのぼる
子供達が死んでゆく)
晴れた空の下
あなたといっしょに
みずべに出かけましょう
(叫び声がやまない
炎が立ちのぼる
子供達が死んでゆく)
わたしたちは
みずべに出かけましょう
(叫び声がやまない)
あしたが訪れないとしても
みずべに遊びましょう
#kotobanokakera
風花やはにかむ子らの髪のうへ
通学路あなたのこゑは雪のこゑ
淡雪をてのひらにのせ恋を憶ふ
午前四時深雪のまちのうすらげる
ともに病む夜盗も雪女もやさし
雪あかりわたしたちが消えたあとの
#俳句
#kotobanokakera
風花やはにかむ子らの髪のうへ
通学路あなたのこゑは雪のこゑ
淡雪をてのひらにのせ恋を憶ふ
午前四時深雪のまちのうすらげる
ともに病む夜盗も雪女もやさし
雪あかりわたしたちが消えたあとの
#俳句
#kotobanokakera
マンガやアニメを見る目でしか
世界を見ることができない
簡単に操られて戦争へ行進してゆく
大きな子供ばかりじゃないか
そんなふうにあなたが呟く
とても悔しいんだ
そう この国はもうだめかもしれない
でもそれを認めることは
いま踏みにじられている誰かに
そのまま踏みにじられていてと
言い捨てることにほかならないんだ
紅葉がいっせいに舞い散る
終わりゆく季節のなかで
そんな話をした
#kotobanokakera
マンガやアニメを見る目でしか
世界を見ることができない
簡単に操られて戦争へ行進してゆく
大きな子供ばかりじゃないか
そんなふうにあなたが呟く
とても悔しいんだ
そう この国はもうだめかもしれない
でもそれを認めることは
いま踏みにじられている誰かに
そのまま踏みにじられていてと
言い捨てることにほかならないんだ
紅葉がいっせいに舞い散る
終わりゆく季節のなかで
そんな話をした
#kotobanokakera