ブーレ
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クラシックと読書の感想を中心に書き連ねていこうと思っています。
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札響定期1日目を聞いてきた。今回はデンマーク出身のダウスゴーさん指揮でお国物を中心にした選曲。ダウスゴーさんは2年前のPMFでブルックナーの第9番をSMPC完成版で演奏して大いに注目した人だ。今日あらためて聞いたが音楽の輝かしさや高揚感を見事な手腕で表現して感銘を受けた。一見、地味目の北欧音楽2曲というプログラムだったが終わってみればクールダウンのために座ったままの自分がいた。
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追記。

「差別はアカン」という人権問題で出てくるの基本コンセプトが、資本主義の根幹である市場設計でも出てくるのは多くの日本の方々にとって意外に感じるかもしれません。

というより、「多くの日本の方々にとって意外に感じるかも」と懸念を表明しなければならない状況自体、資本主義の根幹である市場設計の基本コンセプトが日本の人々に知らされていません。

気候変動対策と人権問題は根本で繋がっています。日本 (と米国) において気候変動対策がなかなか進まず、フェイクニュースや非科学ナラティブばかりが流れる理由は、カルト宗教的な強固な意思と言えるほど、人権問題の軽視が根底にあるからかもしれません。
ナボコフが短篇『「かつてアレッポで・・・」』でタイトルからして「オセロ」を引用しているのは、これは単なる引用ではなくこの作品の肝になるんだと宣言していたわけだ。そうとわかっていれば振り回されずにすんだわけで、D.リンチが「マルホランド・ドライブ」で「見たままを信じるな」といった意味がこれでわかったような気がする。医者の目撃談まで持ち出すのはどうかと思うが、そう思うほど凝った作りのすばらしい作品だ。今日のナボコフ短篇読書会「移動祝祭日」は打ちのめされ続けた3時間だったが、それでもナボコフはますます面白くなってきた。これからリベンジしたいが、たぶん返り討ちにあうのだろうな。
昨日は絶対音楽の最高峰ともいえるバッハの「音楽の捧げもの」を実演で初めて聞き、今日はバレエ「シンデレラ」をこれも初めて見るというなかなか得難い経験をした。聖俗併せ呑むというのはこういうことなのだろう(違)
ぶり大根を圧力鍋で作った。今まで作るどころか食べたこともない。面取りとか霜降りもおぼえて、食べてみたら鰤もさることながら大根に味がしみていておいしかった。
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日経新聞さん、昨日(9/28)の朝刊記事ですが…。
www.nikkei.com/article/DGXZ...

書かれている情報は間違ってないのですが、どうにもバランスが悪い記事のようでモヤモヤします。

まず、大前提として資材費高騰などを理由にコスト増になっているのは洋上風力だけではありません。道路も鉄道も火力発電も原子力発電もオリンピックも万博もみなコスト増になっている中で、なぜ洋上風力だけが相次いで「コスト増で中止」になってしまうのかという点を分析しようとしないと、チェリーピッキングになり読者に大きな誤解 (洋上風力のみ狙い撃ちにしたネガティブ印象) を与えかねません。

洋上風力発電、世界で頓挫相次ぐ 「コスト増で中止」今年はや過去2年分超 - 日本経済新聞
世界で洋上風力発電の開発中止が相次いでいる。2025年は8月までに10カ国・地域でコスト増を理由に合計発電容量22ギガ(ギガは10億)ワット規模の入札中止や延期、事業者の撤退が決まった。23〜24年の2年間の合計を超えた。開発コストの高騰は1〜2年続くとの見方もあり「脱炭素の切り札」としての期待は急速にしぼんでいる。欧州の調査会社ライスタッド・エナジーによると、1〜8月に資材費の高騰を主因に頓
www.nikkei.com
ゼルキンで検索をかけていたらこのアルバムを見つけた。バックはセルで、モーツァルトの17番と25番という組み合わせだ。セルのファンを自認しているが、このアルバムの存在を知ったのは初めてだ。私には冷泉家の蔵から源氏物語の新たな写本が見つかったくらいのインパクトがある。さっそく聞いてみた。ゼルキンのピアノが繊細で少し驚く。野暮ったいイメージを覆すようなモーツァルトだった。

classical.music.apple.com/jp/album/126...
ジョージ・セルのMozart: Piano Concerto No. 17 in G Major, K. 453 & Piano Concerto No. 25 in C Major, K. 503 - Apple Music Classical
ジョージ・セルの「Mozart: Piano Concerto No. 17 in G Major, K. 453 & Piano Concerto No. 25 in C Major, K. 503」をお聴きください。1957年。6トラック。1時間2分。
classical.music.apple.com
“Beethoven for Three”と銘打ってカヴァコス、マとアックスによるシリーズ第4弾が出たので聞いてみた。交響曲第1番の編曲と「幽霊」「街の歌」と称される本来のピアノ・トリオ2曲が入っている。このシリーズが始まっていることを知らずにいたので初めて聞く。演奏は本当にすばらしい。溜息が出るというか、あまりのテクニックに呆然とするというか、奏でられる音楽に興奮してしまうというか、ただただ感嘆するだけ。あまりのモダンな演奏に抵抗を感じる人もいるのではないかと余計な心配までしてしまう。
classical.music.apple.com/jp/album/182...
ヨーヨー・マのBeethoven for Three: Symphony No. 1 — Op. 70, No. 1
ヨーヨー・マの「Beethoven for Three: Symphony No. 1 — Op. 70, No. 1
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ホッブズ「リヴァイアサン」をなんとか読み終え、今度はジョン・ロック「統治二論」に挑む。苦行は続く。
圧力鍋で秋刀魚の梅煮を作ってみた。焼くばかりでは能がないし、違った食べ方をしたかったのだが、ちょっと煮すぎた。最初なので良しとし、次回リベンジする。
最近、イブラギモヴァのバッハ無伴奏が話題だ。そういえばこの人のバッハは聞いてなかったと思い1番のソナタとパルティータの2曲を聞いてみた。2008年から2009年にかけての録音だから現在の演奏とは違うのだろうが、基本モダン奏法でありながらかなり柔軟な歌い方をしていて興味が尽きない。この人の演奏もチョイスに入れていこうと思う。

classical.music.apple.com/jp/album/169...
アリーナ・イブラギモヴァのBach: Sonatas & Partitas for Solo Violin, BWV 1001-1006 - Apple Music Classical
アリーナ・イブラギモヴァの「Bach: Sonatas & Partitas for Solo Violin, BWV 1001-1006」をお聴きください。2009年。31トラック。2時間19分。
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最近リリースのファウスト、ベザイデンホウトとゴルツによるバッハのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集を聞いた。最初は2,3曲聞くつもりだったのだが、あまりにもすばらしくて最後まで聞いてしまった。一人ひとりの表現力が極めて高く、演奏の熱量もすごいものがあって恐れ入った。
classical.music.apple.com/jp/album/182...
イザベル・ファウストのJ. S. Bach: Sonatas for Violin and Continuo - Apple Music Classical
イザベル・ファウストの「J. S. Bach: Sonatas for Violin and Continuo」をお聴きください。2025年。19トラック。1時間1分。
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昨日の洋上風力の続きの続き。

この発電所は「築20年」です。洋上風力は決して「新しい」「これからの」技術ではなく、世界では既に実用化された技術なのです。そして、🇬🇧は(🇩🇰も🇩🇪も)京都議定書のすぐ後から行動を移しています。

また、洋上風力発電のリードタイム(計画から着工まで)は平均2.6年と、実は陸上風力より短いという実績が既に10年前に公表されています。

それなのに、それから10〜20年遅れの日本でリードタイムが5年もかかるとはどういうこと? 先行者から学んでないの? 後発者利益は何故取らないの? 日本のぐずぐず感は決して再エネの技術的課題でなく政策や制度設計の遅れにあります。

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→風力発電は本来、「電源容量を早く増やしたい」なら最も最適な手段だと国際的には認識されています。

それなのに、本来、専門家であるはずの審議会委員も既に公知の情報を知らず、思いつき・思い込みでテキトーなことを言って政策を大きく歪ませています。メディアもそれを追求してくれません。

このような情報はほとんど日本語にならず、わずかに研究者が細々と手弁当で警告を発するも、ネットやSNSのフェイクニュースの海に飲まれ、多くの人々に届きません。日本はまさに「ふんわり情報統制」の状態にあります。
札響の定期演奏会でジョン・アダムズの「ハルモニーレーレ」(1985)が演奏された。指揮の下野竜也さんの選曲だが、これが聞いていて本当に面白かった。現代曲だが難解なところはあまりなく、むしろミニマリズムと言われるところは聞いていて楽しいと思えるところさえある。曲自体はその部分と伝統的な旋律主体の部分との対比でできているのだが、曲の最後では次第に積み重なっていく楽器の音が力を増してクライマックスを築く。これが非常に強烈で陶酔すら引き起こすのだ。こういう体験はなかなかできない。指揮が見事ならオケの力量もすばらしかった。4月から札響は大編成の曲に挑んでいるが、フルオーケストラ好きにはたまらない。
ブルックナーを熱心に聞くという人ではないので今まではこの盤に関心が向かなかった。ふと思い出して聞いてみたら、なんとすばらしいではないか。以前聞いたときあまり気づかなかったのだが、テンポは結構速めだ。それにもかかわらず痩せた音楽にならずむしろ豊かに鳴っていることに驚く。ポンマー/札響は「ツァラトゥストラ」が大のお気に入りなのだが、これも加わることになる。
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定期投稿。以前も投稿しましたが、重要なことなので忘れたころに何度か投稿します。

日本では太平洋の向こう側の国の大統領の顔色ばかりを伺って、「脱炭素やってる場合じゃない」みたいな言説がここぞとばかり蔓延してますが、米国=世界ではないので、他の国も幅広く情報を収集する必要があります。

英国では2030年までに電源構成(kWhベース)における再エネ導入率を約8割にする目標を掲げています (ちなみに火力は5%程度)。欧州の他の国も比較的似たような目標や見通しが出されています。

こういう情報が日本ではほとんど流されず、「ふんわり情報統制」の状態になっているようです。
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そういえば、英国の気候変動委員会(CCC)って、日本では研究者以外には殆ど知られていないかも…と思い、ウェブ検索してみたら、なんとキャノングローバル戦略研究所の記事がヒットしましたよ。
cigs.canon/article/2023...

この記事では、スナク政権(前政権)がCCCの勧告を無視したことを誇らしげに喧伝していますが、この記事では重要なことが言及されていません。

英国ではCCCの勧告は法律上の権限を持ち、政府も簡単に無視できるものではなく、それを遵守しない場合、議会(および国民)にその理由を説明する責任がある、ということです。その説明がないと、→
先日、ドホナーニで「ヴォツェック」
を聞いた。「ルル」と同じくマーラー以後の音楽として演奏していて、現代曲というより後期ロマン派の音楽として聞いているようだ。録音が細部をよく拾っていてベルクの音楽の鳴らし方がよくわかる。シリアのマリーはちょっと気丈すぎるか?
classical.music.apple.com/jp/album/146...
ウィーン国立歌劇場合唱団のBerg: Wozzeck - Apple Music Classical
ウィーン国立歌劇場合唱団の「Berg: Wozzeck」をお聴きください。1989年。30トラック。2時間2分。
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シルヴィア・ビーチ「シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店」を読み終えた。「ユリシーズ」を出版したところだけあってジョイスの話題が豊富だ。生身の作家の姿を読むのは初めてとあって興味津々。追い詰められた「ユリシーズ」の出版を実現したくだりは驚きの連続だった。しかし、その後の著者とジョイスの関係には胸を痛める。本はパリ解放で終わるが、ジョイスの死には触れていない。
若島正先生によるナボコフ短篇読書会「移動祝祭日」の準備会に参加した。ナボコフ(というか短編小説)を読み解くキーワードが紹介されてちょっとやる気が出てきた。それまではどこまで読み解けるか全然自信がなかったので。それにしても最後のところ母親を見るニコライの思いだが、結末と合わせると「この麗しい場面で」でという表現から冷めた目で見ていたと考えたのだが、ロシア流に喉を鳴らすことやコートを床に置くことから暖かい思いでいるとの指摘はなるほどと思ったものだった。
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→そもそも存在しない「前提」を仮想敵として掲げ、それを攻撃することで自分たちが正当であるとアピールする藁人形論法は、チェリーピッキングや特称命題と全称命題のすり替えなどと共に、非科学ナラティブやフェイクニュース、科学否定論で本当によく使われる手口です。このこと知っておくと、これらの非科学的主張に引っかからないための「転ばぬ先の杖」になります。

結局のところ、この当該記事も、非論理性や非科学的手法、20年以上前の古い知識、強い思い込みや先入観を持ち出さない限り、結局は再エネを批判することができないのだな…、と改めて認識するよいサンプルであるということができるでしょう。
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先日の投稿の追記。先日はファクトチェックを主眼でしたが、今回は「非科学ナラティブ」の構造について。

当該記事には「「再エネは善である」という前提が、必ずしも無条件に成り立つものではない」という表現が結論に見られます。このような表現こそ、科学的論調と非科学ナラティブを見分けるリトマス紙になるでしょう。

そもそも学術的にも国際議論的にも「再エネは善である」という表現は使われません。気候変動緩和策に再エネの導入が最も適しているということは、様々な科学的シミュレーションから最適解として得られたものです。それを「善」というふんわりした価値判断にすり替えること自体、非科学的です。→
5月にイベリア半島で発生したブラックアウトについて、またしても質の低い非科学的記事が出ています。
agora-web.jp/archives/250...

一見専門家が書いたように装われているため多くの人が引っかかってしまいがちですが、いくつか重大な事実誤認や理解不足があり、この分野に全く精通していない方が書いたようです。以下、ファクトチェックを行います。

●検証1
記事「この変換器(インバーター)は一般的に力率一定で動作するため、無効電力に関しては供給も吸収も行わず、有効電力のみを系統に供給する」
ファクト:多くの風力・太陽光の系統連系用変換器は技術的に無効電力の供給・吸収が可能です。→
スペイン大停電の原因は過剰な再エネ依存と判明:日本にも迫る電力不安の現実:尾瀬原 清冽【アゴラ言論プラットフォーム】
2025年4月28日にスペインで発生した大規模停電は、再生可能エネルギーの急速な導入がもたらすリスクを象徴する出来事であった。太陽光や風力などの直流発電からインバーターを介して交流に変換する電源の比率が高まる中、電力系統の安定維持に不可欠な
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