ホッタタカシ
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古本屋や名画座を徘徊しています。映像関係の仕事もします。
ブログ「星虹堂通信」 http://goldenpicnics.hatenablog.com
野村芳太郎監督『配達されない三通の手紙』(1979)を新文芸坐で観た。
クイーンの『災厄の町』を中学生で読んで以来、映画化も観てみたいと思って数十年。ようやく観賞できました。さすがに犯人は覚えていたものの、やはり『八つ墓村』なみのアレンジがほしかったところ。

佐分利信と乙羽信子が主人の洋館に、招待客が渡瀬恒彦と小沢栄太郎、令嬢が栗原小巻で許嫁が片岡孝夫、勘当娘に小川真由美、謎の女が松坂慶子という豪華キャストだが、赤毛ものの舞台を観てる感じで画面が弾まない。
しかし芥川也寸志はなんで音楽にグリーグの「ホルベアの時代から」を選んだんだろ?
November 13, 2025 at 3:18 PM
ロバート・レッドフォードでもう一本、バリー・レヴィンソン監督『ナチュラル』(1983)も観てきた。実は初見。

いろんな人が絶賛するだけあって、野球に心底興味がない私でも楽しめるザ・アメリカ映画な作品だが、細部でよくわからん点も多く、これは一種のファンタジーなんだろうと思っていたらリアルな話だったのでちょっと驚いた。原作はバーナード・マラマッドなのか!

冒頭、どう見てもベーブ・ルースな“強打者”の野球選手に、今年亡くなったジョー・ドン・ベイカーが扮していて(なぜか右打ちだったが)、やはり巧かったねぇ。
November 13, 2025 at 3:13 PM
シドニー・ポラック監督『追憶』の4K版観てきた。

金髪ハンサムのスポーツ万能な上に文才も豊かなノンポリ男と、陰キャで不器量で才能は乏しいが、平和と平等を愛する意識高い系女子がなぜか惹かれあって結婚する。が、やっぱりうまくいきませんでしたな話。若い頃はレッドフォードが酷い男だと思ったが、今観ても最低だと思ったよ、この男。

参加者が「マルクス兄弟のコスプレ」で集まるパーティーというのが出てくるが、案の定、グルーチョとハーポだらけでチコはもちろんゼッポも見かけない。政治活動家のケイティ(ストライサンド)は、「君は“カール”になったら?」とからかわれるが、字幕には書かれてなかった。残念。
November 13, 2025 at 3:12 PM
追悼・仲代達矢として観たのは、未見の豊田四郎監督『四谷怪談』(1965)。仲代達矢の伊右衛門がもう最悪の悪党で最高。ただし、ホラーでも表現主義でもなく、マジメな文芸映画のタッチ。岡田茉莉子のお岩は幽霊になっても綺麗。

お岩が妖怪化して復讐するのではなく、悪党は悪党ゆえに自滅してゆく物語として解釈された『四谷怪談』。出演者もセットも豪華だが、小林正樹や勅使河原宏のような「作家」の眼が入らないと、映像が武満徹の音楽に負けてしまう気がした。

伊右衛門が背負っていた赤ん坊が、いつの間にか息絶えていた突然のアップがいちばんビックリさせられたぜ
November 13, 2025 at 3:10 PM
担当した松江城の番組が、明日(2日)NHK-BSで再放送されます。お昼の12:00~13:00。

朝ドラ『ばけばけ』にも松江城が登場したけれど、来日したヘブン先生はトキと共に松江城天守を訪問するのだろうか?
番組でも触れていますが、『神々の国の首都』に松江城の印象も詳述しているラフカディオ・ハーン(小泉八雲)。しかし、彼が見た天守は明治の修復が入る前の、ボロボロに崩れた姿だったはず……。
【BSP4K/BS】10/25(土)・11/2(日) 「松江城」再放送! - 番組からのお知らせ - 絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城 - NHK
日本の城の魅力を、最新の研究成果とともに紹介する人気シリーズの新作。今回は島根県の松江城。現存する国宝天守に隠された数々の謎とは?城のミステリーを解き明かす!
www.nhk.jp
November 1, 2025 at 1:17 PM
>公房だけでなく、作家で元文化庁長官の三浦朱門、「ハードボイルド小説の先駆者」と呼ばれる結城昌治らの作品の装丁も並び、手にとって見ることができる。豊後高田市に住む真知の弟が所蔵している真知の少女時代の絵の掛け軸も展示し、若い頃から秀でた才能があったことを感じさせる。

東京でも開催してください。
芥川賞作家・安部公房の妻で装丁・装画家の安部真知は「オープンカーに乗るようなかっこいいおばあさん」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
「壁」「砂の女」などで知られる芥川賞作家・安部公房(1924~93年)の妻で、装丁・装画家の安部真知(26~93年)がデザインを手がけた本の展示会が、出身地の大分県豊後高田市で開かれている。会場の
news.yahoo.co.jp
October 24, 2025 at 4:51 PM
>公房だけでなく、作家で元文化庁長官の三浦朱門、「ハードボイルド小説の先駆者」と呼ばれる結城昌治らの作品の装丁も並び、手にとって見ることができる。豊後高田市に住む真知の弟が所蔵している真知の少女時代の絵の掛け軸も展示し、若い頃から秀でた才能があったことを感じさせる。

東京でも開催してくだされ。
芥川賞作家・安部公房の妻で装丁・装画家の安部真知は「オープンカーに乗るようなかっこいいおばあさん」
【読売新聞】 「壁」「砂の女」などで知られる芥川賞作家・安部公房(1924~93年)の妻で、装丁・装画家の安部真知(26~93年)がデザインを手がけた本の展示会が、出身地の大分県豊後高田市で開かれている。会場の市立図書館に約60冊を
www.yomiuri.co.jp
October 24, 2025 at 4:44 PM
ふらっと入った書店で見かけたマリアーナ・エンリケス『秘儀』。これなんか評判いいよな、と手に取ったら解説が杉江松恋さんで、その熱いツカミにあてられて購入決定。年内には読みたい。
October 24, 2025 at 4:39 PM
収録が終わって、本格編集が始まる前に2日ほど時間ができたので、石川慶監督『遠い山なみの光』、呉美保監督『ふつうの子ども』、大友啓史監督『宝島』、デヴィッド・ギルモアのライブ映画『LIVE AT THE CIRCUS MAXIMUS』、ポール・トーマス・アンダーソン監督『ワン・バトル・アフター・アナザー』をあわてて観て回ってきた。

飛び抜けて面白かったのは、『ワン・バトル・アフター・アナザー』。公開直後の大絶賛でちょっと警戒していたが、なるほど『ザ・マスター』以来のオモシロPTA映画でした(『リコリス・ピザ』はいい映画だったけど、私はあまりノレなんだ)。
映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』特別映像(テンパる革命パパ編)|大ヒット上映中
YouTube video by ワーナー ブラザース 公式チャンネル
www.youtube.com
October 19, 2025 at 6:44 AM
『Shall We ダンス?』の周防正行、『ウォーターボーイズ』の矢口史靖の製作母体のような印象があった、アルタミラピクチャーズ。最近はヒット作聞かなかったからなぁ……。

と思っていたら、こないだ製作中止になった周防監督の新作もアルタミラ製作だったらしい。しかもテーマは青春・小津安二郎。悲願の企画だったろうに気の毒だ。
しかし中国では今、小津は「戦争加害を隠匿した人物」とされているそうで、これには少し驚いた。日本では戦後の小津が戦争体験を直截に作品化しなかったことを、作家としての美意識の表れと捉える向きが多かったように思うのだが。
目黒蓮の降板が決定打か、周防正行監督の映画製作会社アルタミラピクチャーズが破産『ウォーターボーイズ』など手がける | 週刊女性PRIME
10月8日、映画『Shall we ダンス?』や『ウォーターボーイズ』など、数多くの人気映画を手がけた製作会社『アルタミラピクチャーズ』が東京地裁から破産開始決定を受けた。破産直前には目黒蓮が主演を降板したという報道もあり、それが決め手になったのでは? と映画関係者の間で囁かれているという。
www.jprime.jp
October 16, 2025 at 4:46 PM
『LIVE AT THE CIRCUS MAXIMUS,ROME』、アンコール上映で観られた。

デヴィッド・ギルモアのバンドでピンク・フロイド曲をやられると、ギターが前面に出過ぎな違和感があったが、今回はギルモアフロイドとソロ曲が中心なので、しっくりきた。純粋にギターとエコーの響きに陶酔したい人向けのライブ。一方、ロジャー・ウォーターズのは音楽の力で社会にカドを立てるための総合的なパフォーマンス・ショー。

それにしてもソニーさん、ロジャーの『ディス・イズ・ノット・ア・ドリル』映像版には、歌詞に日本語字幕入れてくれたのに、なんでこっちはナシなんですか。せめてMCパートぐらいつけてもええやろ。
David Gilmour - Luck and Strange (Live at the Circus Maximus, Rome)
YouTube video by David Gilmour
www.youtube.com
October 16, 2025 at 2:50 AM
忙しい中、読み進めていた崔盛旭『今井正 戦時と戦後のあいだ』を読了。
2013年の出版。面白い評論集を読み逃していたものだ。

共産党員で逮捕歴があり、戦時中には国策映画の監督として活躍、戦後は民主主義の啓蒙者として国民的監督に変貌した今井から、韓国人研究者が「転向」ではなく「一貫する視線」を見い出す試み。
1948年〜1959年の間ににキネ旬ベストワン5回という今井正は、作品の優等生ぶりから「転向民主主義者の癖に白々しい」といった非難をインテリから投げかけられることが多かった。しかし国策映画への協力と朝鮮での映画体験が戦後の作品群に大きな影を落としていたことを、丁寧に読み解いてゆく。
卒業生の著書の紹介
大学院研究科を知る 大学院生の活動 卒業生の著書の紹介 # 修了生のアクティビティー 崔盛旭著『今井正 戦時と戦後のあいだ』 2013年8月発売 クレイン 定価:本体2500円+税 ISBN:9784906681389 日本を問い続けた映画監督・今井正の初の本格研究。 こんな時代だからこそ、 いまあらためて、今井正作品を観るために読む! 映画監督・今井正はフィルムを通して何を訴えたかったのか。 戦...
www.meijigakuin.ac.jp
October 12, 2025 at 7:49 AM
ダイアン・キートン死去。
ちょっと前にウォーレン・ベイティの『レッズ』を再見したばかり。彼女のルイーズ・ブライアントも意識高い志と可愛らしさの同居がぴったりだった。

ただ、『レッズ』はさっさとスケジュールをこなす必要でもあったのか、ワンショットの切り返し演出が多くて、ヴィットリオ・ストラーロの撮影をもってしてもやや薄味な印象……。この辺、デヴィッド・リーンの『ドクトル・ジバゴ』だと、お話がどれだけ馬鹿げた内容でも、映像の豪華さだけで圧倒させられてしまうんだけどね。
Reds (1981) - Louisa & Eugene Scene (4/10) | Movieclips
YouTube video by Movieclips
www.youtube.com
October 12, 2025 at 7:36 AM
安部公房夫人である安部真知の展覧会「安部眞知装画(装丁)本展-豊後高田は晴れ。わたし、いま、帰ってきました-」が大分県豊後高田市立図書館にて開催中。

画像では9/28までとありますが、10/30(木)までやってるようです。入場無料。東京でもやってほしいですね。
September 27, 2025 at 9:06 AM
豊後高田市立図書館にて開催中の、「安部眞知装画(装丁)本展-豊後高田は晴れ。わたし、いま、帰ってきました-」に、安部公房・安部真知夫妻の孫娘・里沙さんも来場と記事になってますね。

実は、私が撮影した取り壊し直前の安部公房邸の写真も展示されているのですよ。
www.city.bungotakada.oita.jp/site/dekigot...
September 27, 2025 at 9:05 AM
ああ、「ポラロイドGIRL」出した頃ですな。ジュリー全盛期は幼少期の記憶だけど、この頃ははっきり意識して歌番組を見ていた。
NHK BS『伝説のコンサート~沢田研二』10月9日放送 JAZZ MASTERとの89年ライヴを最新リマスターで - amass
NHK BS『伝説のコンサート~沢田研二』が10月9日放送。沢田研二が89年10月、JAZZ MASTER(ベース:吉田建、ドラムス:村上“ポンタ”秀一、ギター:柴山和彦、キーボード:朝本浩文)とともにステージに立ったライヴを最新リマスター映像で放送
amass.jp
September 26, 2025 at 1:05 PM
仕事で、2年半ぶりの浜松城へ。

前回は二の丸で発掘された堀尾吉晴期石垣の取材だったのだけど(元小学校の土地)、今では整備されて立派な「どうする家康」大河ドラマ館が建っていた。しかしそこも今は空き家で解体を待つばかりとはもったいない。

しかし、なんで浜松でエヴァンゲリオンとのコラボが熱心に行われているのかと思えば、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の第3村に出てきた駅が、天竜二俣駅をモデルにしてるんだとか。城内アナウンスで「エヴァンゲリオンスタンプは〜」と連呼されるのは驚いた。
September 25, 2025 at 12:00 PM
紹介される、横堀幸司の『ぼくは女優と恋をしたい〜すばらしき映画作りの仲間たち』は、80年代に松竹に入社した本木克英、朝原雄三ら新人助監督が主人公モデルで、作者の横堀氏は先輩のチーフ助監督として登場するのが変わっていた。横堀氏、アメリカで映画制作を志すが、出資者に騙されすってんてんになったそうで、そんな苦い事情も明かされて実に夢のないお仕事小説だった。
『塀の中の懲りない面々』シリーズの現場では、森崎東は称揚され、東映から来た鈴木則文には辛口なのも印象的。

「おっさん、殺したろか」と思わせた「社員のひと言」…金子修介、三池崇史、小林久三らが“助監督”時代に味わった屈辱的な体験
「おっさん、殺したろか」と思わせた「社員のひと言」…金子修介、三池崇史、小林久三らが“助監督”時代に味わった屈辱的な体験
映画監督の金子修介氏は、助監督時代の苦労や屈辱を綴った回想録『無能助監督日記』を発表した。この書籍は、コロナ禍を契機にウェブ上で連載された日記を基にしており、監督昇進までの6年半を振り返る内容となっている。金子氏は、助監督としての経験や、映画業界の困難な実態を描写し、業界の新しい風を感じさせる作品となっている。
gendai.media
September 15, 2025 at 4:47 AM
公開中の『鬼滅の刃』ユーザーレビューを眺めていたら、「日本人でよかった」と書いてる人が数名いて、そんな内容だっけ? と思って観てみたが、どの辺でそう思ったのかよくわからない。『国宝』のレビューでも見かけたんだよな。
どうも時代劇や歌舞伎にあまり触れたことのない世代が、『鬼滅』や『国宝』を見ることで“ネイション”の自覚を発動されるようだ。彼らは『シグルイ』とか『切腹』とか観たらどう思うかな。

【歴史的快挙】『鬼滅の刃 無限城編』が北米でアニメ映画史上No.1のオープニング興収を記録! hotakasugi-jp.com/2025/09/14/a...
【歴史的快挙】『鬼滅の刃 無限城編』が北米でアニメ映画史上No.1のオープニング興収を記録! - Film Goes with Net
日本のアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が、北米の週末興行収入で歴史的な記録を打ち立てたと報じられている。現地時間2025年9月13日の集計によると、本作は日本のアニメ映画として史上最高のオープRead more...
hotakasugi-jp.com
September 15, 2025 at 4:32 AM
映画『佐賀のがばいばあちゃん』の現場でご一緒した、吉行和子さん逝去。
いつも明るく元気で、かつ淡々と仕事をこなしていた。あまり周囲とベタベタとした付き合いをされない方で、その辺の距離感も付き合いやすかった記憶がある。
映画ではやはり今村昌平『にあんちゃん』と大島渚『愛の亡霊』。NHKドラマ『新宿鮫/屍蘭』の殺し屋役も印象深い。
俳優 吉行和子さん死去 90歳 映画やテレビドラマで活躍 | NHK
【NHK】NHKの連続テレビ小説をはじめ多くの映画やテレビドラマ、舞台で活躍した、俳優でエッセイストの吉行和子さんが今月2日、肺炎…
www3.nhk.or.jp
September 9, 2025 at 1:31 AM
老母の検査結果を聞くために、豊橋まで日帰りで行ってきた。
その後、駅近くの「黒やなぎ」で、母に卒寿祝いを振る舞う。
コースをすべて平らげ、酒もグイグイ飲んでいたので元気なんだろう。
名物の麦とろをようやく食べられた。胡麻豆腐も美味だった。
September 8, 2025 at 4:20 PM
『ジョニーは戦場へ行った』4K版を観た。
ダルトン・トランボが1939年(33歳)に発表して発禁になった小説を、1971年(65歳)に自ら脚本・監督で映画化。学生の頃にビデオで観ているが、なぜかモールス信号が通じるところでラストだと記憶していた。こんなに絶望的な結末だったとは!

黒澤明は戦争映画で戦場の悲惨さや被害状況をリアルに描写することには否定的で、反戦映画の最高傑作として挙げていたのが、『ジョニーは戦場へ行った』と『遠い雷鳴』だった。サタジット・レイの方も再上映してほしい。
August 28, 2025 at 4:12 AM