私が創作したキャラクター「神島まりあ」によって書かれた詩、という形式で投稿します。
更新はたぶん週1ぐらいです。
たまにイラストも投稿したいと思います。
まあるい命たちが
ぽんぽんぽんと
軽やかに跳ねるように駆ける
陽だまりのなかで
艶々とした瞳
揉み合って取っ組み合って
じたばたとひっくり返る
小さな手足を伸ばして
ころんと横になって
団子のようにくっついて
まどろむぬくもりたち
大きく伸びをして
目を覚ましたら
お腹が空いたと鳴くんだね
(初出 現代詩フォーラム 2024-04-26)
#詩
まあるい命たちが
ぽんぽんぽんと
軽やかに跳ねるように駆ける
陽だまりのなかで
艶々とした瞳
揉み合って取っ組み合って
じたばたとひっくり返る
小さな手足を伸ばして
ころんと横になって
団子のようにくっついて
まどろむぬくもりたち
大きく伸びをして
目を覚ましたら
お腹が空いたと鳴くんだね
(初出 現代詩フォーラム 2024-04-26)
#詩
岬に残された朽ち果てた砲台は
かつての侵略者の置き土産
いま 子供たちがその上によじ登り
友達の誕生日を祝って歌う
月明かりを受けて鈍く光る
鉄帽は兵士たちの形見
主の遺骨とともに土に還るのは
いつの日かと待っている
湾内には輸送艦がゆらゆらと
海藻とともに揺れながら
ひしゃげた体を海底にあずけ
今は魚たちを抱いて横たわる
眠れ
戦うために生まれたものたちよ
お前たちが眠りから覚めぬよう
私がここで子守唄を歌い続けよう
#詩
岬に残された朽ち果てた砲台は
かつての侵略者の置き土産
いま 子供たちがその上によじ登り
友達の誕生日を祝って歌う
月明かりを受けて鈍く光る
鉄帽は兵士たちの形見
主の遺骨とともに土に還るのは
いつの日かと待っている
湾内には輸送艦がゆらゆらと
海藻とともに揺れながら
ひしゃげた体を海底にあずけ
今は魚たちを抱いて横たわる
眠れ
戦うために生まれたものたちよ
お前たちが眠りから覚めぬよう
私がここで子守唄を歌い続けよう
#詩
待ち合わせなら
ジャカランダが咲く
丘の上で会おう
海が遠くまで見渡せるから
雨の降る日は
バナナの大きな葉の下で
目を閉じて耳を澄まして
森の声を聴こう
やがて空が珊瑚色に染まって
島陰に陽が沈んでも
あわてないで 帰らないで
夜になれば
月と星が照らしてくれる
帰る場所への道のりを
#詩
待ち合わせなら
ジャカランダが咲く
丘の上で会おう
海が遠くまで見渡せるから
雨の降る日は
バナナの大きな葉の下で
目を閉じて耳を澄まして
森の声を聴こう
やがて空が珊瑚色に染まって
島陰に陽が沈んでも
あわてないで 帰らないで
夜になれば
月と星が照らしてくれる
帰る場所への道のりを
#詩
むかし私は鳥だった
空の高みからこの島を見下ろし
この楽園が
絶海の孤島であることを知っていた
あるとき私は鯨だった
真水のように透き通った海を
悠々と泳ぎ回る
恐れるものもなく、自由に
いま私は
空にも海にもいられず、立ち尽くす
湿った砂の感触を
足の裏に感じながら
清浄な松の香りと、潮騒に包まれ
大きく両手を広げて、目を閉じる
空と海を抱き締めるように
遠い昔を懐かしむ
#詩
むかし私は鳥だった
空の高みからこの島を見下ろし
この楽園が
絶海の孤島であることを知っていた
あるとき私は鯨だった
真水のように透き通った海を
悠々と泳ぎ回る
恐れるものもなく、自由に
いま私は
空にも海にもいられず、立ち尽くす
湿った砂の感触を
足の裏に感じながら
清浄な松の香りと、潮騒に包まれ
大きく両手を広げて、目を閉じる
空と海を抱き締めるように
遠い昔を懐かしむ
#詩
動物を描いてみたいので、TwitterやYouTubeの動物園のアカウントで動画を探してスケッチします
暑くなる前に近場の動物園に行きたい…
動物を描いてみたいので、TwitterやYouTubeの動物園のアカウントで動画を探してスケッチします
暑くなる前に近場の動物園に行きたい…
春が来た、カーテンを閉めよう
落ち着きのなさを気付かれぬように
行く人、とどまる人、帰る人
私の行く場所はどこかと、心が騒ぐ
花をつけ始めた桜は堪える
激しい雨風に打たれても
花の散った桜には
誰も見向きもしないから
むなしい、むなしい春よ
騒々しく、風吹き荒れる春よ
私の行く場所はどこか
憂鬱で狂おしい春よ
ほんのつかの間の春よ
私といっしょに、いこうよ
(初出 現代詩フォーラム 2024-03-18)
#詩
春が来た、カーテンを閉めよう
落ち着きのなさを気付かれぬように
行く人、とどまる人、帰る人
私の行く場所はどこかと、心が騒ぐ
花をつけ始めた桜は堪える
激しい雨風に打たれても
花の散った桜には
誰も見向きもしないから
むなしい、むなしい春よ
騒々しく、風吹き荒れる春よ
私の行く場所はどこか
憂鬱で狂おしい春よ
ほんのつかの間の春よ
私といっしょに、いこうよ
(初出 現代詩フォーラム 2024-03-18)
#詩
連れて行って あなたの夢の中へ
二度とそこから 出られなくても
常夏の日々の中に閉じ込めて
待っていて 私の夢の中で
わたしはきっと あなたを見つける
迷路のような 記憶の森を抜けて
繰り返す 引く波のささやき
珊瑚礁の吐息が私たちを包む
高く伸びたワシントンヤシの葉ずれ
見上げれば星が瞬く
ここは私の島
忘れられた場所
#詩
連れて行って あなたの夢の中へ
二度とそこから 出られなくても
常夏の日々の中に閉じ込めて
待っていて 私の夢の中で
わたしはきっと あなたを見つける
迷路のような 記憶の森を抜けて
繰り返す 引く波のささやき
珊瑚礁の吐息が私たちを包む
高く伸びたワシントンヤシの葉ずれ
見上げれば星が瞬く
ここは私の島
忘れられた場所
#詩
いつ、どこから来たのだろう
波に運ばれ、辿りついた岸辺で
芽を出したヤシの実のように
私は、目を覚ました
やわらかな風と、ビロウ樹の葉擦れ
コアジサシの声、さざ波の調べ
すべての音が、やわらかく私を包み
生きる勇気をくれた
始まりも終わりも、曖昧なまま
続いていく日々にとまどい
うろたえる私に
あなたの涙のように温かい雨が
優しく、やさしく、降り注ぐ
私は、生きていた
#詩
いつ、どこから来たのだろう
波に運ばれ、辿りついた岸辺で
芽を出したヤシの実のように
私は、目を覚ました
やわらかな風と、ビロウ樹の葉擦れ
コアジサシの声、さざ波の調べ
すべての音が、やわらかく私を包み
生きる勇気をくれた
始まりも終わりも、曖昧なまま
続いていく日々にとまどい
うろたえる私に
あなたの涙のように温かい雨が
優しく、やさしく、降り注ぐ
私は、生きていた
#詩
星座が夜空を満たす頃
港を出る船の汽笛が 島に響く
オルガンの音色のように
低く やわらかく 優しく
月明かりのようなその姿
船内を満たすのは
潮の香りと 人々のざわめき
あなたはどこに向かうのか
私もあの船に乗るでしょう
いつの日か その時が来たら
きっと海が 知らせてくれる
私はゆっくりと 波止場に向かう
島に咲いた花の香りを
髪に 身体にまとわせて
#詩 #イラスト #illustration
星座が夜空を満たす頃
港を出る船の汽笛が 島に響く
オルガンの音色のように
低く やわらかく 優しく
月明かりのようなその姿
船内を満たすのは
潮の香りと 人々のざわめき
あなたはどこに向かうのか
私もあの船に乗るでしょう
いつの日か その時が来たら
きっと海が 知らせてくれる
私はゆっくりと 波止場に向かう
島に咲いた花の香りを
髪に 身体にまとわせて
#詩 #イラスト #illustration
バッカだねえ、ホントに
バッカだねえ、ホントに
小さな竹林の中で、たったひと声、控えめに…
小さな竹林の中で、たったひと声、控えめに…
風に流され 波に運ばれ
いつの日か私たちは辿り着いた
空は青く 吸い込まれるように
椰子の木が高く伸びる
やがて陽が沈み 夜風が誘う
水平線の向こう側へ
私たちは星を目指す
きらめく双胴のカヌーに乗って
これは長い長い夢の続き
明日は鳥になって羽ばたこう
昨日来た道を見下ろしながら
それは遠く遠く流された記憶
思い出がまた 新たな未来へと続く
終わりのない 私たちの旅路
#詩
風に流され 波に運ばれ
いつの日か私たちは辿り着いた
空は青く 吸い込まれるように
椰子の木が高く伸びる
やがて陽が沈み 夜風が誘う
水平線の向こう側へ
私たちは星を目指す
きらめく双胴のカヌーに乗って
これは長い長い夢の続き
明日は鳥になって羽ばたこう
昨日来た道を見下ろしながら
それは遠く遠く流された記憶
思い出がまた 新たな未来へと続く
終わりのない 私たちの旅路
#詩