縦軸には家族の崩壊ドラマ、横軸には都市の再開発計画への批評的視座が配置されている。かなり冷たい質感の作品だ。成長のため末枝を落とすことを是とする社会、その象徴として排除アートベンチと宮下パークが登場する。再開発のため公共空間からホームレスが追い出される問題、それを「水掛け論だ」として短絡的に結論に至るその危うい姿勢が議論の出発点。家族の崩壊後、主人公の蓮は止まることを知らず働き続け、姉は結婚し前を向いて歩き出す。「崩壊からの再生」と聞こえは良いが、本当に良いことなのだろうか?
縦軸には家族の崩壊ドラマ、横軸には都市の再開発計画への批評的視座が配置されている。かなり冷たい質感の作品だ。成長のため末枝を落とすことを是とする社会、その象徴として排除アートベンチと宮下パークが登場する。再開発のため公共空間からホームレスが追い出される問題、それを「水掛け論だ」として短絡的に結論に至るその危うい姿勢が議論の出発点。家族の崩壊後、主人公の蓮は止まることを知らず働き続け、姉は結婚し前を向いて歩き出す。「崩壊からの再生」と聞こえは良いが、本当に良いことなのだろうか?
凄まじく複雑で難しい、今年で1番。というのも映画自体が理解を拒むような作りで、観光映画的な触れ込みから惹き付けたが最後、意図的に捻れた映像表現や音響デザインが鑑賞側の時間的・空間的認識を半ば強制的に破壊させる。混乱が落ち着く間もなく、その認識の乖離が起きた隙間に文脈を忍ばせ、オリエンタリズムへの鋭い批判を展開。外界を安易に理解したつもりにさせるメディアの強大な力にも釘を刺す。カンヌ監督賞も納得の奇抜で重厚な作品。
凄まじく複雑で難しい、今年で1番。というのも映画自体が理解を拒むような作りで、観光映画的な触れ込みから惹き付けたが最後、意図的に捻れた映像表現や音響デザインが鑑賞側の時間的・空間的認識を半ば強制的に破壊させる。混乱が落ち着く間もなく、その認識の乖離が起きた隙間に文脈を忍ばせ、オリエンタリズムへの鋭い批判を展開。外界を安易に理解したつもりにさせるメディアの強大な力にも釘を刺す。カンヌ監督賞も納得の奇抜で重厚な作品。
まず、そもそもこの物語がハムレットなのかそうでないのか、それが問題だ。争いではなく対話を、死より生を、と何度も直接的なセリフを連打する結論前提で進み続けるストーリーは、復讐の妥当性や道徳的ジレンマを探求する原作を名作たらしめる要素がほとんど排除され、恐ろしい程に単純化されている。復讐に飢えたスカーレットは聖の説得で新しい生を見つけるが、クローディアスや通り魔に対する両者の因縁は微妙な差異をもって間接的に果たされ、カタルシスを生み出そうとし、殺傷の責任の所在を有耶無耶にする。
まず、そもそもこの物語がハムレットなのかそうでないのか、それが問題だ。争いではなく対話を、死より生を、と何度も直接的なセリフを連打する結論前提で進み続けるストーリーは、復讐の妥当性や道徳的ジレンマを探求する原作を名作たらしめる要素がほとんど排除され、恐ろしい程に単純化されている。復讐に飢えたスカーレットは聖の説得で新しい生を見つけるが、クローディアスや通り魔に対する両者の因縁は微妙な差異をもって間接的に果たされ、カタルシスを生み出そうとし、殺傷の責任の所在を有耶無耶にする。
ザ・プレイは個人的に結構面白いと思ってるが、一般層にはエンタメ方面で評価されてないらしいので、芸術と商業のバランスは永遠の課題だなと思う
劇場公開をかけるとなると訴求力としてアクションと家族のテンプレートが引用されがちなんだろうな〜と思ったり、でもダン監督はもっとやれるはず
ザ・プレイは個人的に結構面白いと思ってるが、一般層にはエンタメ方面で評価されてないらしいので、芸術と商業のバランスは永遠の課題だなと思う
劇場公開をかけるとなると訴求力としてアクションと家族のテンプレートが引用されがちなんだろうな〜と思ったり、でもダン監督はもっとやれるはず
挑戦的な映画構造と重層的なテーマ、エンタメ性に長け、″主張する″「ロズ」。
画面運動と暗喩の応酬、芸術性に長け、″問いかける″「Flow」。
オスカーが後者を選択するのも納得がいく。
自分はどちらかというとらクリス・サンダースのアニメという虚構への造詣の深さに感嘆した「ロズ」派。
挑戦的な映画構造と重層的なテーマ、エンタメ性に長け、″主張する″「ロズ」。
画面運動と暗喩の応酬、芸術性に長け、″問いかける″「Flow」。
オスカーが後者を選択するのも納得がいく。
自分はどちらかというとらクリス・サンダースのアニメという虚構への造詣の深さに感嘆した「ロズ」派。
水面上昇により沈没した世界をまたにかけた悲壮感溢れるマジックリアリズムな大冒険。
ノア不在の方舟に乗った種の異なる動物達のドラマは読み手の幅広い解釈を受け入れるが、黙示録的作劇がそのメッセージを強調し、一貫して喫緊の課題を言語の壁を超えて問いかける。
水面上昇により沈没した世界をまたにかけた悲壮感溢れるマジックリアリズムな大冒険。
ノア不在の方舟に乗った種の異なる動物達のドラマは読み手の幅広い解釈を受け入れるが、黙示録的作劇がそのメッセージを強調し、一貫して喫緊の課題を言語の壁を超えて問いかける。
″人に勧めるホラー″にしたい作品がなかなか出てこない。
「ミーガン」はだいぶいい線いってるのに大衆の評判が中の下ぐらいだからなぁ〜、なかなか過小評価じゃないか?🥹でも人気あるから良し
″人に勧めるホラー″にしたい作品がなかなか出てこない。
「ミーガン」はだいぶいい線いってるのに大衆の評判が中の下ぐらいだからなぁ〜、なかなか過小評価じゃないか?🥹でも人気あるから良し
ニコラス・ケイジの狂演とユニークな脚本がカルト的魅惑を醸すホラーサスペンス。
抜群のビジュアル、音響が喉元に刃物を泳がすような悪寒を産む。
誤魔化しのない立派なホラー作品
かなり好み
ニコラス・ケイジの狂演とユニークな脚本がカルト的魅惑を醸すホラーサスペンス。
抜群のビジュアル、音響が喉元に刃物を泳がすような悪寒を産む。
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かなり好み
本日見た映画はこちら😼
「ロングレッグス(Longlegs)」
「Flow」
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