森 糸信(Shinobu Mori)
@morishinobu.bsky.social
160 followers 120 following 530 posts
日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」政治部記者。デジタル庁、総務省、厚生労働省、内閣府、自治体などを取材しています。時折、選挙の現場に出没します。『進撃の巨人』のリヴァイ兵士長を崇拝しています。 「しんぶん赤旗日曜版」電子版スタート👉 https://www.jcp.or.jp/akahata/n-denshi/
Posts Media Videos Starter Packs
morishinobu.bsky.social
石破首相が戦後80年所感
自民に反対論 閣議決定できず

死者を政治利用 学生の「レポート」
山口大名誉教授(日本近現代史) 纐纈厚さん

侵略戦争への反省なし 絶対的天皇制の責任不問
首相所感に田村委員長
2025年10月11日【2面】
#しんぶん赤旗
石破首相が戦後80年所感
自民に反対論 閣議決定できず
2025年10月11日【2面】

 石破茂首相は10日、官邸内で記者会見し、戦後80年にあたっての「内閣総理大臣所感」を発表しました。所感は、歴史認識に関し、歴代内閣の立場を引き継ぐと表明するだけで、日本の過去の植民地支配と侵略には一切言及していません。一方で、「なぜあの戦争を避けることができなかったのか」について記述しています。

 所感は、文民統制が失われ、進むべき針路を誤った要因について、大日本帝国憲法や政府、議会、メディア、国際・軍事情勢の情報収集のあり方など、政治システムの問題から分析。教訓として「政治は一時的な世論に迎合し、人気取り政策に動いて国益を損なうような党利党略と己の保身に走っては決してなりません」などと結論づけています。

 1940年に帝国議会で戦争の泥沼化を批判した斎藤隆夫衆院議員の「反軍演説」に言及。当時の議事録の大半が「削除されたまま」だと指摘しています。

 記者会見で石破首相は、歴代の首相談話はそれぞれ書きぶりに違いはあるとしながらも、基本的な歴史認識は違わないと主張。今回の所感は、これまでの談話が示した反省やおわびの気持ちを含め引き継いでいるとして、「これに新たなものを付け加えるものでは全くなく、そのつもりもない」と述べました。

 戦後50年と60年、70年の首相談話は、閣議決定されたもの。石破首相も当初は、閣議決定した談話の発表に意欲を持っていましたが、右翼的勢力を中心とする自民党内の反対意見を受け見送った経緯があります。首相個人としての見解についても、高市早苗新総裁は総裁選中「必要ない」と表明していました。

 戦後50年の村山富市首相談話は、過去の日本の「植民地支配と侵略」によりアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えたことに「痛切な反省」と「心からのお詫(わ)び」を表明。戦後60年の小泉純一郎首相談話は、この立場を引き継ぎましたが、安倍晋三内閣の戦後70年談話は、事実上これを破棄。日本が侵略や植民地支配を行ったことを認めず、「反省」や「お詫び」も自らの認識としては示しませんでした。

死者を政治利用 学生の「レポート」
山口大名誉教授(日本近現代史) 纐纈厚さん
2025年10月11日【2面】

 植民地支配と侵略戦争による被害を率直に認め、痛切な反省を表明した村山談話とは、随分と後退した内容に驚かされた。小泉談話を挟み、過去の反省以上に未来志向に力点を置いた安倍談話。そうした談話の延長かと思いきや、石破所感は、大学生の「近代史レポート」そのものだった。

 だが、以下の点を指摘しておきたい。

 第1に現在の「平和と繁栄」が戦死者たちの上に築かれたとする常とう句の欺瞞(ぎまん)性である。それは死者を悼むというより、死者を英霊として政治利用するものだ。死者たちは、そのために生命を失ったのではない。戦争という国家暴力の犠牲者とする視点なくして、死者を語るべきではない。

 第2に戦前の政治システムの瑕疵(かし)を繰り返し強調するが、戦後政治に生かされているかの検証がない。戦後憲法は改悪の危機にさらされ続け、政府や議会が国民生活や人権充実に機能してきたとはとても思えない。メディアも第四の権力としての役割を喪失している。

 第3は、なぜ、侵略戦争や植民地支配の責任問題に触れないのか。国内向けとはいえ、国際社会はその点に注目しているはずだ。

 以上の語りの主体も曖昧だ。石破首相個人の思いだけでは済まないはずだ。

 自民党内保守派から、この程度のものでも反発が予想される。そこには歴史を否定し、歴史事実に目を瞑(つぶ)る没歴史認識が露骨に示されることになろう。その意味で言えば、限界を多分に持った「石破レポート」は、ささやかな問題提起ほどにはなったと思いたい。

侵略戦争への反省なし 絶対的天皇制の責任不問
首相所感に田村委員長
2025年10月11日【2面】

 日本共産党の田村智子委員長は10日の記者会見で、石破茂首相が同日発表した所感「戦後80年に寄せて」には二つの大きな問題があると指摘しました。

 田村氏は一つ目に、「侵略戦争と植民地支配への反省を自らの言葉で語るべきなのに、そのことへの反省がまったく述べられていない。これは大問題だ」と指摘しました。

 二つ目に、「なぜ戦争を止められなかったのかいろいろと述べているが、あの侵略戦争を引き起こした直接の責任は、天皇絶対という政治体制、専制政治であり、ここに最も大きな責任がある」と主張。治安維持法のもと、戦争反対を唱える国民を徹底的に弾圧し、日本共産党員も弾圧で命を奪われたと指摘しました。
morishinobu.bsky.social
高市新総裁 危険と矛盾(4)
内実は新自由主義路線
2025年10月10日【2面】
#しんぶん赤旗
高市新総裁 危険と矛盾(4)
内実は新自由主義路線
2025年10月10日【2面】

 自民党の高市早苗新総裁は、目標とする政治家にマーガレット・サッチャー元英首相をあげています。同氏は1980年代、英国経済の立て直しを名目に規制緩和や社会保障の削減など新自由主義的政策を推進した人物。高市氏は言葉で“積極財政”をうたいながら、その過去の政治姿勢や発言を振り返ると、内実は社会保障を抑制する新自由主義路線にほかなりません。

 高市氏は総裁選政策で、全国の病院が深刻な赤字で、介護の倒産が過去最多になるなか、「物価高・賃上げを反映した診療・介護報酬の見直しを前倒しで行う必要がある」と主張。これ自体は早急に実現が待たれる政策です。

 一方、9月25日の報道各社のインタビューで、社会保障改革に向けて超党派の議論を呼び掛ける考えを表明。「日経」は同日付で「税と社会保険、社会保障給付を一体的に議論する国民会議を立ち上げる」などと語ったと報じています。

 自民党政権は社会保障費を高齢化など自然増の範囲内に抑える社会保障削減路線を続けてきました。仮に、高市氏が介護・診療報酬の引き上げに踏み切ったとしても、従来の患者負担増などによる給付削減をそれ以上に実施すれば、結果として国民がしわ寄せを受けます。

 石破政権で自民、公明、維新の3党は、OTC類似薬の保険適用外しや病床11万床削減などによる医療費の4兆円削減で合意。いったん「凍結」した高額療養費の患者負担増も、現在、厚生労働省が専門委員会を設置して議論しています。

バッシングも
 生活保護基準引き下げを違法とした最高裁判決からまもなく4カ月、高市氏はかつて自民党が扇動した生活保護バッシングに加担してきた一人です。2012年ごろ、お笑いタレントの母親の生活保護受給の発覚を契機に、自民党の国会議員を中心に生活保護バッシングが拡大し、同年12月の総選挙で自民党は生活保護基準の10%引き下げを公約。選挙後の13年1月には生活保護費の大幅減額が行われました。

 SNSでは過去の発言も話題になっています。高市氏は12年の自民党議員有志の会合で、「さもしい顔してもらえるものはもらおうとか弱者のふりをして少しでも得をしよう、そんな国民ばかりになったら日本国は滅びてしまう」などと生活保護を敵視。21年の総裁選出馬会見でこの発言の真意を問われると「生活保護の不正受給が非常に多かったという問題にどう取り組むのかとの議論をしていた流れでの発言だ」(21年9月8日)と釈明しました。

 しかし、実態として生活保護の不正受給はごくわずかで、自治体窓口の“水際作戦”で申請すら受けられないほど、生活保護の受給は高いハードルです。本来、同制度を受けられる生活水準にもかかわらず、実際に受けている人たちの割合(捕捉率)は1~2割にすぎません。

まるで人ごと
 生活保護裁判の原告を支援する「いのちのとりで裁判全国アクション」が総裁選候補に行ったアンケートでは「最高裁判決の趣旨及び内容を踏まえ、専門委員会の審議の結果に基づき、適切に判断すべき」だなどと、まるで人ごとの官僚答弁。自民党の生活保護バッシングが招いた保護費の大幅減額に反省の姿勢は見られません。

 石破茂首相は、安倍・菅・岸田各政権がすすめた「自己責任論」に基づく新自由主義路線を反省なくごり押し。岸田政権下でまとめた社会保障削減の「改革工程」のメニューを淡々とこなしました。いま政治に求められているのは、自公政権が破壊の限りを尽くした社会保障の立て直しです。従来の自民党政治の継続ではそれを期待できません。

 (おわり)

 (この連載は中野侃、柳澤哲哉、伊藤幸、森糸信が担当しました)
morishinobu.bsky.social
“OTC類似薬は市販薬を買え”
とんでもない保険給付外し 経団連が要求
【10月12日号】
#しんぶん赤旗日曜版
患者の負担増が70倍超の薬品も
 「同じ効能があるからドラッグストアに行って買ったらいいという話ではない。生き死にに関わる話だ」。衆院厚生労働委員会(6月18日)で日本共産党の田村貴昭議員が厳しく指摘しました。
 田村氏が示した「厚生労働省がリストアップしている(OTC類似薬の)保険外しの候補」。保湿剤のヘパリン類似物質は医療保険の窓口負担の13・7倍、たんを出しやすくするカルボシステインは同73・9倍にもなるという衝撃の数字がありました。
 OTC 「Over The Counter」(オーバー・ザ・カウンター)の略。「OTC医薬品」は薬局のカウンター越しに買える薬で、医師の処方箋は必要なく、全額自費負担です。OTC医薬品と似た効能で、医師の処方箋が必要な薬が「OTC類似薬」。国が決める薬価の1~3割負担(年齢や所得により異なる)です。
自民・公明・維新が推進 国民・参政も
 自民・公明・維新の3党合意(6月)は、OTC類似薬の保険給付見直しについて検討し、「早期に実現が可能なものについて2026年度から実行する」と明記。政府が閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に盛り込まれました。
 国民民主党、参政党も保険給付見直しを公約しています。(表)
 自公は衆参両院で少数ですが、これらの党が協力して国会を押し通す危険があります。
OTC類似薬についての各党の姿勢
日本共産党
OTC類似医薬品の保険給付外しなど、保険外医療を拡大して患者負担増と医療の市場化を進める改悪に反対
自民・公明・維新
OTC類似薬の保険給付見直しについて早期に実現可能なものを2026年度から実行する(3党合意)
維新
OTC類似薬の保険適用除外を進める(参院選マニフェスト)
国民民主
OTC類似薬について公的医療保険の対象から見直す(参院選政策)
参政
薬局で購入可能なOTC医薬品で対応可能な疾病は原則処方しない(参政党の政策、2025年)
“現役世代負担減”を口実に
 OTC類似薬の保険外しは財界団体がかねて要求してきたものです。日本経済団体連合会(経団連)は2015年の「財政健全化計画の策定に向けた提言」で「公的保険への過度な依存を見直す」として「OTC類似薬(湿布など)を保険収載から除外する」と明記。18年の「持続可能な全世代型社会保障制度の確立に向けて―当面の制度改革に関する意見―」では、「長らく市販品として定着している市販類似薬について保険償還率の引き下げや、保険給付の適用外とすべきである」としました。
 当時の経団連会長だった十倉雅和氏が会長を務める財務省の財政制度等審議会。今年5月の建議で「OTC類似薬の保険給付範囲のあり方の見直し」を求めました。
 経済同友会の新浪剛史・前代表幹事は、政府の経済財政諮問会議(7月28日)で「OTC類似薬の保険給付範囲の見直しにより、現役世代の負担を減らしていく」と発言。世代間に分断を持ち込み、自己責任を当然とする主張です。
 財界が黒幕となり、10年前から狙ってきたのがOTC類似薬の保険外しなのです。
「重症化を危惧」広がる反対
 OTC類似薬の保険適用見直しに批判の声が広がっています。
 日本医師会の定例記者会見(8月6日)で江澤和彦常任理事は、「保険適用を外すことには断固反対」と表明。患者の経済的負担が保険適用の自己負担と比べ「30倍以上にもなる」とし、「経済的な問題で国民の医療アクセスを断たれる」とのべました。
 さらに、患者が自己判断と自己責任で薬を服用しなければならず、「悪化や重症化も危惧される」と指摘。どのような市販薬を服用しているのか確認できないため、重複投与や相互作用など「診療に大きな支障を来す懸念がある」としました。
 その上で「必要かつ適切な医療は保険診療により確保するという国民皆保険制度の理念を今後とも堅持すべきだ」と強調しました。
 日本薬剤師会は、国民の医療・医薬品アクセスを阻害することがないよう「慎重かつ丁寧な議論」が不可欠としました。(6月20日)
 認定NPO法人日本アレルギー友の会など7団体は「OTC類似薬を保険適用外とすれば、生活に余裕があるとは言えない子育て世代などに長期にわたり重い負担を強いる」と強調。アレルギー疾患の標準治療で使われる薬剤・保湿剤は保険適用を除外しないよう厚労相に求めました。(6月11日)
 NPO法人日本アトピー協会は「莫大(ばくだい)な経済的負担になる」として「到底受け入れることができません」と表明(7月10日)。日本小児科医会は、「保護者の経済的負担増」や「重症化につながる」として、保険適用除外に「強く反対」する見解を出しています。(4月16日)
morishinobu.bsky.social
「ジェノサイド止めるのは私たちの責任」
グレタさんらギリシャ到着
2025年10月8日【国際】
#しんぶん赤旗
「ジェノサイド止めるのは私たちの責任」
グレタさんらギリシャ到着
2025年10月8日【国際】

 パレスチナ・ガザ地区へ向かう人道支援船団に参加し航行中にイスラエル軍に拿捕(だほ)され、拘束されていたスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんらが6日、ギリシャの首都アテネに到着しました。グレタさんは、イスラエルによるジェノサイド(集団殺害)やそれを助長する各国政府に対し声を上げ続けるよう訴えました。

 グレタさんは空港で支援者らを前に「私たちが拘束中に受けた虐待や暴力について長時間話すことはできるが、それが問題ではない」とし、「私たちの目の前でジェノサイドを拡大し民族全体を消し去ろうとする中で、イスラエルが人道支援物資搬入を妨げ、また新たな国際法違反を犯したことだ」と強調。「このジェノサイドを可能としているのは私たちの政府や企業であり、共謀をやめさせるのは私たちの責任だ」と呼びかけました。

 ギリシャ外務省によると、グレタさんを含め161人が同日にアテネの空港に到着。27人のギリシャ人と、その他20カ国の市民が含まれています。イスラエル政府は、拘束した479人のうちこれまでに341人を送還したとしています。

 解放された活動家らは、イスラエル軍に拘束されていた際に非人道的な扱いを受けたと告発。スペインの弁護士ラファエル・ボレゴさんは「殴られ、地面の上を引きずられた。目隠しをされ手足を縛られた上に檻(おり)に入れられ、侮辱をうけた」と証言しました。

 イスラエル外務省は、拘束中の虐待などに関する活動家らの証言について「完全なうそだ」と否定しています。
morishinobu.bsky.social
大深度工事 被害次々
超党派国会議連 外環道調査で住民と懇談 吉良議員が参加
2025年10月7日【政治総合】
#しんぶん赤旗
大深度工事 被害次々
超党派国会議連 外環道調査で住民と懇談 吉良議員が参加
2025年10月7日【政治総合】

 超党派の国会議員でつくる「公共事業チェックとグリーンインフラを進める会」は1日、東京外環道(関越道~東名高速間、約16キロメートル)事業の調査を行いました。日本共産党の吉良よし子参院議員、立憲民主党の山崎誠、松下玲子両衆院議員が参加しました。

 一行は、5年前に陥没事故が起き、地盤補修工事が行われている東京都調布市の現場や中央自動車道との接続部を視察した後、青梅街道インター予定地(練馬区)を訪れ一帯を調査し、住民と懇談しました。

 関越道側からの2本の大深度地下トンネル工事はちょうど同インター予定地の直下に到達しています。地域では町会ぐるみでインター反対の運動が起き、裁判もたたかわれています。

 懇談で住民は「テレビの音量を大きくしても掘進の音が聞こえてくる」「シールドマシンが動くと頭痛が起き、膝の傷が痛む。ホテルに自主避難している」と工事による被害を告発。「国などは大深度地下での工事は地上に影響はないとさんざん説明してきたが、全く違う事態」と訴えました。他地域の住民も参加し「大深度地下法は廃止に」と口々に語りました。

 吉良氏は「地上に影響が出ていることは重大。暮らしを破壊して成り立つ公共事業は、あってはならない」と強調しました。
morishinobu.bsky.social
大主教に初の女性
英国国教会
2025年10月5日【国際】
#しんぶん赤旗
大主教に初の女性
英国国教会
2025年10月5日【国際】

 【ロンドン=時事】英国国教会の最高位聖職者であるカンタベリー大主教に3日、ロンドン主教のサラ・ムラリー氏(63)が選出されました。報道によると、女性が大主教に選ばれるのは500年近い英国教会史上初めて。ムラリー氏は声明を出し、「重責」を担いつつ人々に奉仕していくと決意を述べました。

 国教会では昨年、少年虐待問題で批判を受けたウェルビー前大主教が辞任。国教会幹部らで構成される委員会が後任を決める手続きを進め、投票で選出しました。
morishinobu.bsky.social
ごみ“外国人のせい”
街頭宣伝で参政党副代表
2025年10月3日【2面】
#しんぶん赤旗
ごみ“外国人のせい”
街頭宣伝で参政党副代表
2025年10月3日【2面】

 参政党の吉川里奈副代表・衆院議員は1日夜、東京・品川駅前で行った演説で、新宿区の人口は外国人が14%を超え、「『日本人ファースト』という言葉が非常に的確。その政策を実現させていかなければならない地域の一つ」と強弁するなど、外国人を攻撃しました。

 吉川氏は、多様な国籍の人々が住む新宿区の中でコリアンタウンなどで有名な新大久保駅のある百人町を挙げ、「横へ曲がると、日本ですかと言わんばかりの場所がたくさんある」「朝、駅に立っているとごみが散らばっている」などと主張しました。

 人口減や少子化に触れ、「その穴埋めに外国人に来てくださいと言うのは違う」「正しく法律を作り、制度をつくり、郷に入れば郷に従っていただける、そういった環境をつくるのが政治の力」だと、ごみの問題があたかも外国人によるものだと決めつける発言をしました。
morishinobu.bsky.social
ガザ連帯の学生拘束「違憲」
米連邦地裁決定 政権に痛打
2025年10月2日【国際】
#しんぶん赤旗
ガザ連帯の学生拘束「違憲」
米連邦地裁決定 政権に痛打
2025年10月2日【国際】

「憲法に反し言論の自由脅かす」
 【ワシントン=柴田菜央】米東部マサチューセッツ州ボストンの連邦地裁は9月30日、トランプ政権がパレスチナに連帯する米国籍を持たない学生活動家らを拘束し送還の脅威にさらしたことは違憲だとする決定を示しました。米メディアは政権への「痛烈な非難」であり「注目に値する」と報じています。

 決定を行ったのは、1985年に共和党のレーガン大統領(当時)に任命されたウィリアム・ヤング判事。ヤング氏は、学生への仕打ちは、トランプ政権がイスラエルによるガザ地区への攻撃に抗議する市民に対して「恐怖をあおる」取り組みの一環だと指摘。政権は「憲法に反して言論の自由を脅かす」行為に着手したと結論付けました。

 ヤング氏は、訴訟は同地裁の管轄内では「おそらく今までで最も重要」だと指摘。米メディア「ポリティコ」のカイル・チェイニー記者はSNSで、決定は「トランプ時代において最も痛烈な法的非難だ」と評価しています。

 移民当局はこれまでに、ニューヨークのコロンビア大学の元大学院生マフムード・ハリル氏や、マサチューセッツ州タフツ大学の大学院生ルメイサ・オズトゥルク氏らを長期にわたり拘束しました。

 訴訟は、最初の標的となったハリル氏が拘束された3月、米大学教授協会と中東研究協会が、政権による「イデオロギーによる送還」政策は違憲だとして起こしていました。原告を代表する弁護士団体のジャミール・ジャファー事務局長は声明で、「トランプ政権の政策にただちに影響すべき歴史的な決定だ」と述べています。
morishinobu.bsky.social
地域発 共産党への答弁は“粗雑でいい” 静岡・函南町
前代未聞の議会運営
自民系には“特段の配慮”
【10月5日号】
#しんぶん赤旗日曜版
 日本共産党議員などへの議会答弁は「粗雑で構わない」―。静岡県函南(かんなみ)町で、不適切な資料を用いた勉強会が長年行われており、特定の政党・議員に対して差別的な対応を取るように促していたことが分かりました。仁科喜世志町長が「まったく知らなかった。あってはならないこと」と謝罪しましたが、第三者委員会の設置など真相究明には背を向ける姿勢に町民や議員から疑問の声が上がっています。
 東海・北陸信越総局 前田智也記者
 今回発覚した不適切な資料は、町によると「元町幹部が独断で作成したもの」だとしています。新任の課長などを対象にした議会対応勉強会で2020年度から25年度まで使用され、仁科町長は「勉強会の場所は議場で、公務時間内に行われていた」と話しました。
「嫌がらせ」を推奨
 25年度の資料には「議員の所属党派や会派によって、対応や答弁内容を『忖度(そんたく)』するのは当たり前」とする項目が。「特に、保守系会派『清風会』『自民函南』に対しては、本書に記載された内容に拘(かか)わらず、特段のご配慮をお願いします」と記載。続く文書で、「逆に、共産党などの当初予算に反対している議員への対応や答弁は、粗雑で構わない」と書かれています。
 23年度の資料のなかでは注釈として「特定の議員(共産党など)の一般質問に対して、再質問の時間を減らすために意図的に回答を長くする嫌がらせは大いにやりましょう」と記載。さらに、個人的な意見としたうえで「当初予算案に反対している議員から、事業執行についてとやかく言われる筋合いはない」と書かれていました。
民主主義の根幹が問われる
共産党が調査要求
 函南町役場で8月20日に開かれた説明会には多くの町民が集まりました。「やはり、こうしたことが議会で行われていたかという気持ち。ショックです」と語るのは、塚平育世さん(77)です。同町で19年まで日本共産党の町議を務めていました。「民主主義の根本にかかわる問題だと思います。なぜこうした問題が発生したのか、町はきちんと明らかにしてほしい」
 質疑では日本共産党の三原まき子町議が、「町長が勉強会について知らなかったとは腑(ふ)に落ちない。この資料は公文書ではないのですか」と問うと、仁科町長は「内部文書ではあるが、決裁を受けていないので公文書ではない」と述べました。
 日本共産党の、おおば桃子町議は、この問題が「しんぶん赤旗」やテレビで報じられて以降、全国の地方自治体議員などから連絡が来ていると言います。「『どういう事態なのですか』『私の所属する議会でも、そのような粗雑な対応があった』と言う連絡がたくさん来ています。函南町のように、文書が見つかったというのは前代未聞だったのではないでしょうか」と述べます。
 いま開かれている9月議会で仁科町長は、この問題についての責任として、自身の給料を減らす条例案を提出。一方で、第三者委員会の設置をはじめ、詳しい経過などについては「調べる考えはない」としています。
 おおば町議は、これは特定の政党・議員だけではなく、すべての国民にかかわる問題だと指摘し、「真相究明のため、議会内外で力を尽くします」と語っています。
◇
 町によると、資料を作成した元町幹部は定年退職をした20年から再任用職員となり、この問題が発覚した当時は会計年度任用職員として勤務。問題発覚後、本人の申し出で退職しています。
morishinobu.bsky.social
マイナ保険証 利用率低迷 8月は34%
国保など期限切れでも微増にとどまる
2025年10月1日【2面】
#しんぶん赤旗
マイナ保険証 利用率低迷 8月は34%
国保など期限切れでも微増にとどまる
2025年10月1日【2面】

 国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療の健康保険証が相次ぎ期限切れを迎えているにもかかわらず、医療機関の窓口での「マイナ保険証」の利用率が低迷しています。厚生労働省は26日、8月の利用率が34・43%にとどまったことを明らかにしました。政府は12月に被用者保険などの保険証の利用停止を強行する構えですが、医療機関で現在も続くトラブルが解消されなければ「マイナ保険証」への不信感は増すばかりです。

 政府は昨年12月に従来の保険証の新規発行を停止しましたが、発行済みの保険証は有効期限まで、最大1年利用できます。今年7月末、国保の一部(1700万人)と後期高齢者全員(2200万人)の保険証が有効期限を迎えました。ところが、8月になっても「マイナ保険証」の利用率はわずか2・89ポイントの微増にとどまっています。

 福岡資麿厚労相は30日の記者会見で、「7月末に従来の保険証の有効期限を迎えた自治体の利用率が約10%増加した一方、後期高齢者医療は約0・4%の増加にとどまった」と明かしました。後期高齢者医療の加入者には資格確認書を一律に交付していることが影響しています。

 「マイナ保険証」の利用率が低迷する原因は、国民のマイナンバーカードに対する不信が根強く残っているからです。福岡氏は「国保の保険証の切り替えでは大きな混乱はなかった」と強弁。しかし、千葉県保険医協会は17日、9割の医療機関で8月以降に「マイナ保険証」のトラブルがあったとの調査結果を明らかにしました。

 国民が安心して保険診療を受けるには、不安定な「マイナ保険証」への一本化に固執せず、従来の保険証の復活が求められます。(森糸信)
morishinobu.bsky.social
NY市長選 現職が撤退
進歩派と前州知事 一騎打ちへ
2025年9月30日【国際】
#しんぶん赤旗
NY市長選 現職が撤退
進歩派と前州知事 一騎打ちへ
2025年9月30日【国際】

 【ワシントン=柴田菜央】米国最大の都市ニューヨークのエリック・アダムズ市長は28日、11月に行われる市長選から撤退すると表明しました。これにより、選挙は民主党の予備選で勝利した進歩派で民主的社会主義者を名乗るゾーラン・マムダニ州下院議員と、同予備選で敗れ無所属で立候補しているアンドルー・クオモ前ニューヨーク州知事の事実上の一騎打ちとなります。

 マムダニ氏の勝利を恐れる共和党のトランプ政権は、保守派の票をクオモ氏に集中させ選挙戦をマムダニ氏対クオモ氏の対決に持ち込もうと圧力をかけてきました。アダムズ氏が選挙戦から撤退すればサウジアラビア大使の職を与えると示唆していることが報じられていました。アダムズ氏は民主党員ですが、汚職疑惑が浮上するなか無所属で立候補していました。

 アダムズ氏はSNSに投稿した動画で、選挙戦に必要な資金を集められなかったとして「再選のキャンペーンを続けることはできない」と表明しました。その上でマムダニ氏を念頭に、「主要な変化は歓迎だし必要だ。しかしその変化の答えがわれわれが何世代にもわたって築いてきたシステムそのものの破壊だと主張する連中には気をつけろ」と主張。「それは変化ではない。混乱だ」などと不安をあおりました。

 マムダニ氏は声明で、トランプ氏と大富豪はアダムズ氏やクオモ氏の行動を左右できるかもしれないが「選挙の結果を決定することはできない」と強調。「われわれは巨額のカネとちっぽけな考え方の政治のページをめくり、一人ひとりの市民が誇れるニューヨークをつくる」と訴えました。

 クオモ氏はアダムズ氏の決断を評価し「われわれはこの市を無能力や無知で荒らす破壊的な過激論者と対峙(たいじ)している」と主張。トランプ氏はロイター通信の取材に対しアダムズ氏の撤退を歓迎しました。
morishinobu.bsky.social
人気漫画の海賊旗 若者の間で「抵抗の象徴」
アジア各国のデモに
2025年9月29日【国際】
#しんぶん赤旗
人気漫画の海賊旗 若者の間で「抵抗の象徴」
アジア各国のデモに
2025年9月29日【国際】

 【ジャカルタ=時事】日本の人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の海賊旗が、アジア各国の抗議デモで使われています。インドネシアやネパール、東ティモール、フィリピンで確認されており、若者の間で「抵抗の象徴」として広がりつつあります。

 インドネシアでは7月、プラボウォ大統領が8月17日の独立80周年に合わせて国旗掲揚を呼び掛けたのに対し、反発した人たちがワンピースの海賊旗を掲げる動きが拡大。政府が「国旗の名誉を傷つける行為は刑事罰の対象となり得る」と警告する事態にまで発展しました。

 その後、海賊旗は国会議員の高額な住宅手当への不満をきっかけに8月25日に始まった大規模デモに登場。権力と闘う主人公の姿が共感を呼んでいるとして、国内外のメディアが「ワンピースの旗が抵抗の象徴となった」と伝えました。

 海賊旗の使用は、続くネパールや東ティモールのデモでも伝えられました。今月21日にフィリピンの首都マニラで行われた汚職への抗議デモでも確認され、旗を手に参加した男性(18)は、「インドネシアやネパールのデモに刺激を受けた」と明らかにしました。

 日本発のポップカルチャーの東南アジアへの越境や受容を研究する東京外国語大の床呂郁哉(ところ・いくや)教授は、旗が広まった背景を「インドネシアやネパールで起きた現象が、SNSで日常的に世界各地のニュースを視聴する若者の間で他の国に伝わった」と分析。海賊旗が「細かい立場の違いを超えて理解可能なメッセージを伝え得るアイコンとして機能した」と指摘しました。
morishinobu.bsky.social
核禁条約に不参加 日本の姿「悔しい」
日本被団協・田中聰司代表理事
2025年9月28日【3面】
#しんぶん赤旗
核禁条約に不参加 日本の姿「悔しい」
日本被団協・田中聰司代表理事
2025年9月28日【3面】

 【ニューヨーク=柴田菜央】日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中聰司代表理事は26日、ニューヨークの国連本部で開かれた核兵器全面廃絶国際デーを記念するハイレベル会合での演説後に記者会見しました。世界の流れに逆行し核兵器禁止条約に背を向け続ける日本政府について「非常に残念で悲しく悔しい」と述べました。

 日本政府の代表は会合で、被爆80年を迎えるなか被爆の実相への理解を促進する「努力をしてきた」と述べる一方で、核禁条約には一言も触れませんでした。同日、条約に賛同する国が世界の国々の過半数になるもとでの逆行ぶりが際立ちました。

 田中氏は記者の質問に答え、今日この場で条約を署名・批准した国々は「日本政府より先に行っている」と強調。海外へ行くと唯一の被爆国でありながら条約を批准していないことを批判され、他国に条約への参加を堂々と求められない事態になっていると訴えました。

 条約への参加国が増えることは喜ばしいことである一方、日本の現状は「情けない」と繰り返し、日本政府に対し「怒り、何をするか皆さんで一緒に考える年にしたい」と呼びかけました。

核兵器廃絶国際デー・ハイレベル会合
田中聰司日本被団協代表理事の発言
2025年9月28日【政治総合】

 26日、ニューヨークの国連本部で開かれた核兵器全面廃絶国際デーにあたってのハイレベル会合で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中聰司代表理事が「被爆者からのメッセージ」と題して発言しました。全文は次の通りです。

 人類が核時代に入って80年の国際デーを迎えました。81歳まで生き延びた被爆者の私が、今、訴えたいことは、ここにいらっしゃる皆さん方が、人類が、みんなヒバクシャになるのではないかという危機感です。核時代の原人の体感なのです。

 この80年間で、核兵器を持つ国は2けたに近づき、地球には人類を繰り返し全滅させるほどの核兵器と核被害者(グローバルヒバクシャ)が拡散しました。核を持つ国の戦争を止められず、第3次世界大戦の感があります。核兵器が使われるリスクは極限に達しました。核兵器禁止条約ができたものの、核軍拡競争が止まりません。人類は全滅の瀬戸際です。

 被爆者が10年たったらいなくなると、若者たちからしばしば心配されます。その度(たび)に私は答えます。「被爆者の余命を心配する前に、自分たちの命の方が短いことを心配しよう」と。人類最後の日までの時間を示す終末時計は89秒しかなくなったのです。日本被団協へのノーベル平和賞の授与は「被爆者の声に耳を傾けよう」との世界への発信であり、危機感の薄さへの警鐘なのです。

 でも、肝心な核保有国のリーダーの方々は残念ながら耳を貸してくれません。核に頼る社会構造をコントロールできなくなっていませんか。人間社会を早く取り戻さないと間に合わなくなります。私たちは人類が核兵器と共存できないことを命ある限り、訴え続けます。

 被爆地広島の中国新聞ジュニアライターたちが「毎日80秒、平和のためにできることは何でしょう」とのインタビューを試みました。「89秒」の運命のカギを握る核保有国のリーダーの皆さん、被爆80年にちなんだ、こどもならではの必死の取り組みを思いやってください。

 特に核大国のリーダーの皆さん、私たち被爆者と面談する機会をぜひ、設けてください。朗報をお待ちします。

 いま一度、核兵器をもつ国のリーダーの皆さん! こちらを振り向いてください!
morishinobu.bsky.social
白書にみる経済 男女共同参画白書
女性の地位の低さ、政治が固定
2025年9月27日【経済】
#しんぶん赤旗
白書にみる経済 男女共同参画白書
女性の地位の低さ、政治が固定
2025年9月27日【経済】

 内閣府の2025年版「男女共同参画白書」は、地方での“女性の活躍”に焦点をあて「魅力ある地域づくり」を特集テーマとしました。地方に根強く残る「家事・育児・介護は女性の仕事」といった固定的な性別役割分担意識を変える必要性を強調しています。

人口流出を加速
 特集では、18~39歳の男女1万人を対象に内閣府が昨年行った調査を紹介。東京圏以外から東京圏へ転出した理由は男女とも「(地元に)希望する進学先が少なかった」「やりたい仕事が少なかった」が上位でした。自公政権の地方切り捨て政策が、都市部への若年層流出を招いています。

 女性はこれらに次いで「地元から離れたかった」が26・8%と多く、男性の15・0%を大きく上回っています。白書は、男性に比べ「親や周囲の人の干渉から逃れたかった」「多様な価値観が受け入れられなそうだった」などの回答率が高いと指摘。地方での女性の社会的地位の低さが、人口流出を加速していることがうかがえます。

 一方、出身地に「愛着がある」と答えた女性は58・0%で、男性の51・6%を上回ります。白書は、「家事・育児・介護」「地域や親戚の集まりでの食事の準備やお茶出し」を女性の仕事とするような固定的な性別による役割分担意識の強さが「地元に戻ることへの心理的障壁となっている可能性がある」と分析。「地域の男女間の不平等を解消し、性別に関係なく個性と能力を発揮できる魅力的な地域づくり」を提案します。

 しかし、白書自身、若い女性が都市部に流出すると「男女別人口の不均衡が発生することから、未婚化・少子化の要因の一つともなり将来的には、都市を含む日本全体の活力の低下につながる」とするなど、女性の価値を出産や子育てに見いだす考え方から抜け出していません。

 背景には、子どもを産む・産まない、いつ何人産むかを女性が自分で決める基本的人権の問題と捉えず、労働力や経済力の問題として捉える自公政権や経済界の発想があります。自公政権が23年12月に閣議決定した「異次元の少子化対策」は「経済規模を維持するために少子化・人口減少対策を講じる」と明記しています。

正規雇用が急減
 日本は、社会的地位だけでなく女性の経済的地位の低さでも世界的に際立っています。職場で「管理的職業従事者」に就いている女性の割合は、欧米各国が軒並み3~4割台なのに対し、日本は16・3%にすぎません。(グラフ1)

 地方経済の柱である農業・漁業・林業など1次産業は、より顕著です。農業委員の女性割合は14・0%、農業協同組合役員は10・7%、土地改良区理事は1・4%、漁業協同組合役員は0・5%、森林組合役員は1・2%です。白書は、こうした分野で女性が指導的な地位に就く意義を「女性の視点が反映されにくい状況が好転し、地域における女性の暮らしにくさ・生きづらさの改善が見込まれ、女性にとって魅力的な地域へと発展を遂げることが期待できる」としています。

 また、女性の正規雇用比率は20代後半をピークに急激に低下する「L字カーブ」を描きます。出産を契機に非正規雇用化していることがうかがえます。(グラフ2)

 女性が最も多く就職している産業は「医療・福祉」です。正規の職員・従業員でみると30・0%にのぼります。特に北海道、中国、四国、九州などで高くなっています。一方で全産業平均と比べた月額賃金は、保育士6万円、介護職員は7万円も低くなっています。国が定める医療、介護、保育の公定価格が低く抑えられていることが、女性の自立を困難にしています。

 74万人いる自治体の非正規公務員(会計年度任用職員)の4分の3を女性が占めます。国と地方自治体で働く非正規職員を対象にした公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)の調査で、年収250万円未満が6割を占めるとの実態が明らかになっています。

 医療・福祉職などのケアワーカーや自治体の非正規公務員である会計年度任用職員の待遇改善は、国と自治体の裁量ですぐにでも可能です。地元に愛着を持ち、可能であれば暮らし続けたいと思っている若者・女性を都会に押し出し、地方に残れないようにしている構造を変える必要があります。(おわり)
morishinobu.bsky.social
COP30へ国連気候サミット
不参加の米国「孤立」
2025年9月26日【国際】
応分の排出削減 先進国に求める
市民団体が公開書簡
2025年9月26日【国際】
#しんぶん赤旗
COP30へ国連気候サミット
不参加の米国「孤立」
2025年9月26日【国際】

 【ニューヨーク=柴田菜央】ニューヨークの国連本部で24日、グテレス事務総長主催の気候サミットが開かれました。11月に南米ブラジルで開催予定の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)までに、パリ協定の締約国は気候変動対策の新たな行動計画を提出することになっています。サミットは、COP30を前に各国が計画を示しパリ協定の目標達成への取り組み強化を話し合う場となりました。

 世界最大の温室効果ガス排出国である中国を含め、経済全体にわたる排出量の削減目標を新たに宣言する国もありました。一方で地球温暖化を否定するトランプ米政権はサミットに参加しませんでした。世界各国が気候危機対策を重要課題に位置付けるなかで「米国の孤立が全面的に示された」(米メディア)会合となりました。

 各国の取り組み状況について報告した科学者のヨハン・ロックストローム氏は、昨年初めて世界の平均気温が産業革命前の水準を1・5度以上超えたことについて「深い懸念」を示し、温暖化の加速に危機感を表明しました。

 ブラジルのルラ大統領は、国際司法裁判所(ICJ)が勧告的意見を出したように、各国が気候変動対策の計画を示すことは選択肢ではなく義務だと指摘。ブラジルは、すべての経済分野において温室効果ガスの排出を2005年比で59~67%削減すると宣言し、30年までに森林破壊を止める取り組みを進めていると報告しました。

 中国の習近平国家主席は、ビデオ演説方式で参加し、35年までに自国の温室効果ガス排出量をピーク時から7~10%削減する新たな目標を明らかにしました。また非化石燃料の割合を30%以上に引き上げることや、風力・太陽光発電の設備容量を20年比で6倍以上に拡大する方針なども示しました。

 パラオのウィップス大統領は、小さな島国では人々は最も被害に遭いやすく、海面上昇や厳しい嵐、生態系の変化といった現実とともに日々生きていると強調。「小さな島の途上国にとって遅滞の余地はない」と訴えました。

応分の排出削減 先進国に求める
市民団体が公開書簡
2025年9月26日【国際】

 【ニューヨーク=柴田菜央】ニューヨークの国連本部で24日に開かれた気候サミットに先だって、気候変動対策に取り組む30以上の団体が連名の公開書簡を発表し、温室効果ガスを多く排出する先進国に対し、応分の気候危機対策をとるよう求めました。

 書簡は、気候変動対策の国際条約「パリ協定」に各国が署名した時には5年ごとに行動計画を出して前進させると約束したものの、10年たった今、各国の新たな行動計画は気候危機の壊滅的な影響を防ぐにははるかに足りないことが予想されると指摘。脆弱(ぜいじゃく)な国々が被害を受ける一方、歴史的に多量の温室効果ガスを排出してきた先進国は汚染を拡大し、財政面でも国際協調の面でも応分の負担をしていないと批判しました。

 各国の新たな行動計画は、化石燃料を燃やすことで富を得ている国々の責任を問い、化石燃料を段階的に廃止する公正な計画を詳しく述べるものでなければならないと強調。パリ協定は不正義や汚染、暴力に対処する力強い手段だと述べました。
morishinobu.bsky.social
iPhoneマイナ保険証 使えるはずが使えない?
2025年9月25日【2面】
#しんぶん赤旗
iPhoneマイナ保険証 使えるはずが使えない?
2025年9月25日【2面】

 米アップル社製のスマートフォン「iPhone」搭載のマイナンバーカード機能は、カードそのものを提示しなくても、スマホ1台でオンライン手続きや本人確認できるのが売りです。ところが、ほとんどの自治体の窓口では、同機能が対面による本人確認に使えず、19日に始まったスマホ搭載の「マイナ保険証」も一部の医療機関でしか使えません。問題の背景には、利用者の準備や現場の受け入れ体制もそっちのけで、デジタル技術を国民に“押し売り”する政府の強引な姿勢がありました。(森糸信)

自治体の窓口では
 iPhone搭載のマイナンバーカード機能があれば、政府サイト「マイナポータル」のログインや署名、コンビニの複合機での各種証明書発行などのオンライン手続きにマイナンバーカードそのものは必要なくなります。

 一方、対面による本人確認では、事業者(自治体側)は対面確認用のiPhoneを用意し、デジタル庁が開発した対面確認アプリを入れる必要があります。利用者と事業者の双方がiPhoneでなければアプリは動いてくれません。

 具体的には、金融機関での取引や携帯電話の契約、チケットの不正転売の防止、飲食店での年齢確認、自治体の窓口での本人確認などを想定しています。

 予算が限られた自治体の窓口で10万円超の高額スマホを購入し、ソフト更新にも対応しながら管理していくことは容易ではありません。このため、ほとんどの自治体はiPhoneによる本人確認には対応できず、マイナンバーカードそのものを持参するよう呼びかけています。

医療機関でもダメ
 医療機関で19日からスマホ搭載の「マイナ保険証」の利用も始まりました(Android製スマホも利用可)。ただし、医療機関側で専用のカードリーダーを設置する必要があります。福岡資麿厚生労働相は19日の記者会見で、スマホに対応した施設が18日時点で4万7000と、全体の2割程度にとどまっていると発表しました。

 すでにスマホしか持っていない患者がスマホ未対応の医療機関を受診する事例も出ています。厚労省は、こうした患者も政府サイト「マイナポータル」で表示される資格情報を目視で確認できれば医療費の10割負担を回避するよう、18日付事務連絡で関係団体に伝えています。

 福岡厚労相は2日の記者会見では「マイナポータル」による資格確認を認めないと答えていましたが、サービス開始前日に発言を翻した形です。必要なインフラが整備されず、保険診療のルールが医療機関に周知されないうちにサービスが始まっているのは異常事態です。そもそもスマホ未対応でも「マイナポータル」の目視確認で対応できるなら、何のためのカードリーダーなのでしょうか。

 問題はこれだけではありません。カードの「マイナ保険証」の場合、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れても3カ月はそのまま使えます。しかし、スマホに搭載された「マイナ保険証」は期限が切れたら即日、カードリーダーでの読み取りができなくなり、「マイナポータル」にもログインできません。医療機関の窓口でスマホの保険証を読み取れず、「マイナポータル」にもつながらない事態に陥ります。

政府の強引な姿勢
 平将明デジタル相は19日の記者会見で、Android製スマホへのマイナンバーカード搭載を2026年秋ごろに実現すると発表しました(電子証明書はすでに搭載可能)。自治体や医療機関でiPhoneへの対応すら滞っているなか、現場や利用者の事情を考えない、スケジュールありきの政府の暴走ばかりが目立ちます。
morishinobu.bsky.social
「資格確認書」一転、交付へ
愛知 共産党議員らの要請実る
2025年9月25日【社会】
#しんぶん赤旗
「資格確認書」一転、交付へ
愛知 共産党議員らの要請実る
2025年9月25日【社会】

 愛知県後期高齢者医療広域連合が市町村に対し、保険料滞納者への「資格確認書」交付を控えるよう求めていた通知が19日に撤回され、早期に交付するよう事務連絡を出しました。日本共産党の要請が実りました。

 この問題をめぐっては、日本共産党愛知県委員会と党所属の岡田ゆき子(名古屋市)、石田裕信(春日井市)の両広域連合議会議員が17日に広域連合に対し「マイナ保険証を持たない高齢者が医療を受ける唯一の証明である資格確認書の未送付は医療へのアクセスを妨げるものだ」と要請していました。

 事務連絡では、厚生労働省の見解で「資格確認書を留保することは望ましくない」とされ、「滞納を理由に引き渡していない市町村は速やかに交付をお願いします」と記されています。 岡田議員は、「行政の資格確認書取り上げは中止させました。同時に高い保険料の引き下げが必要です」と話しています。
morishinobu.bsky.social
意思決定参加は女性の権利
北京会議30年 国連総会が会合
2025年9月24日【国際】
#しんぶん赤旗
意思決定参加は女性の権利
北京会議30年 国連総会が会合
2025年9月24日【国際】

ジェンダー平等へ前進・課題語る
 【ニューヨーク=柴田菜央】国連総会は22日、ジェンダー平等を目指す指針を採択した1995年の第4回世界女性会議(北京会議)から30年を記念してハイレベル会合を開きました。この間のジェンダー平等に向けた前進や課題、今後の取り組みの強化について各国の代表らが語りました。

 本総会で史上5人目の女性議長となったベーアボック氏(ドイツ前外相)は、30年前にうたわれた「女性の権利は人権だ」という主張は革命的だったものの、今では女性の社会進出がすすみ当たり前の事実になっていると指摘しました。一方で、女性が自らの主張ではなく身なりを理由に攻撃されたり、女性の3人に1人が性暴力に遭っていたりする現状にふれ、「革命は終わっていない」と強調。「女性の権利はいつだって人権であり、私たちの権利であり、私たちの未来だと示そう」と呼び掛けました。

 グテレス国連事務総長は、ミソジニー(女性嫌悪)が世界で広がるなど揺り戻しが起きていると指摘。女性が意思決定に参加することは「贈り物ではなく権利だ」と強調しました。

 国連女性機関(UNウィメン)のバホウス事務局長は、北京会議の採択文書は「世界を変えた」と述べつつ、前進は十分ではないと訴え。現在も極度の貧困や飢餓に苦しむ女性や少女が多くいるとして、「別の道は可能だ」と力を込めました。

 各国代表の演説では、スリナム、ナミビア、ペルーなど女性の首脳が相次いで登壇しました。

 アイスランドのフロスタドッティル首相は、同国で1980年に世界初の民選の女性大統領が就任し女性の政治参加が広がるなかで子ども向け施策や育休が充実していったと強調。「女性が意思決定の場に入ることで規範が変わった」と語り、北京会議以降の揺り戻しを押し返し、「すべての子どもがジェンダーにかかわらず平等に育ち平等な機会を得られるよう規範を変えていくこと」を呼び掛けました。

 過激組織ISによるイラクの少数派ヤジディ教徒への性暴力の被害者で人権活動家のナディア・ムラド氏も演説しました。
morishinobu.bsky.social
自民総裁選が告示
「解党的出直し」言いながら「政治とカネ」触れず
2025年9月23日【2面】
5候補 右傾化が鮮明
2025年9月23日【2面】
#しんぶん赤旗
自民総裁選が告示
「解党的出直し」言いながら「政治とカネ」触れず
2025年9月23日【2面】

 石破茂首相の退陣表明に伴う自民党総裁選が22日告示(10月4日投開票)され、5人が立候補を届け出ました。立候補したのは、小林鷹之元経済安全保障担当相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保相、小泉進次郎農林水産相(届け出順)です。いずれも昨年の総裁選にも立候補していました。

 22日、党本部での所見発表演説では、衆参ともに与党が過半数割れした事態を受け、各候補は連立政権の枠組み拡大などに言及。小泉氏は「野党に幅広く政策協議を呼びかけ、政策や理念の一致を見極めながら、政権の枠組みのあり方についても議論を深める」と主張しました。茂木氏は「基本政策が一致する政党と連立の枠組みを広げ、政権基盤を固めたい」などと述べ、一部野党の取り込みに躍起となりました。

 一方、参院選での自民大敗の要因の一つとなった「政治とカネ」を巡っては、「解党的出直し」が必要だとしながら、党の結束などを優先する姿勢にとどまり、高市氏は「男性も女性も全世代の総力を結集して立て直す」と宣言。5人はいずれも自民党の金権腐敗を浮き彫りにした裏金問題に言及せず、無反省な姿勢をあらわにしました。

 今回の総裁選は国会議員票と党員・党友票295票の計590票の獲得を競います。第1回投票で有効票の過半数を獲得した候補がいなければ、上位2人の決選投票になります。

自民総裁選が告示
5候補 右傾化が鮮明
2025年9月23日【2面】

 自民党総裁選が22日告示され、立候補した5人が所見発表演説を行いました。いずれの候補も参院選で示された消費税減税を求める声などには背を向け、国民の切実な要求である物価高対策は示さない一方で、排外主義や改憲などを競い合い、一部野党や右派・保守層に支持、連携を広げようとする姿勢を際立ただせました。

物価高も経済も無策
 暮らしを襲う物価高への対応は急務です。しかし、告示日の所見発表演説会では、7月の参院選で多くの国民が求めた消費税減税に言及した候補は一人もいませんでした。

 小泉進次郎農林水産相は物価高対策を中心とした経済対策を検討し「補正予算を臨時国会に提出する」と表明。ガソリンの暫定税率廃止などに言及し「あらゆる選択肢を排除せず政党間の協議を進める」としましたが、消費税減税には触れませんでした。

 ほかの候補もこの間、消費税減税は「物価高対策に即効性はない」(高市早苗前経済安全保障担当相、19日の記者会見)、「簡単に減税と打ち出せるものではない」(小林鷹之元経済安保相、16日の記者会見)などと否定的な考えを相次いで表明しています。

 当面の物価高対策とともに、30年続く経済の停滞と暮らしの困難をどう打開するのかも問われています。

 各候補は所見発表で「実質賃金を1%ずつ上昇させていく」(林芳正官房長官)、「3年で1割給料が上がる状況をつくる」(茂木敏充前幹事長)などとし、物価高騰を上回る賃上げの実現を主張。しかし、長期に実質賃金が上がらない状況をつくってきた自民党政治への反省は見られません。

 各候補が打ち出した成長戦略の内容も、AIや半導体など「戦略産業に国が大胆に投資する」(小林氏)、「成長分野の地方への立地を支援」(茂木氏)など特定の大企業への投資拡大や支援を競い合う中身になっています。

 小泉氏は「国家も積極的にリスクを取ることで、企業の大胆な投資を引き出し、官民連携で投資を増やす」とし、「設備投資や研究開発促進のための減税も充実する」と主張。さらなる大企業への減税を進める考えを示しました。

 一方、中小企業への直接支援など賃上げのための実効性ある具体策は語りませんでした。経済停滞と暮らしの危機をもたらした新自由主義的な政策を転換する方向性は示さず、ますます大企業・財界応援の行き詰まった政策を競い合う姿が浮き彫りになりました。
morishinobu.bsky.social
大富豪に支払わせよう
気候・移民・平和…NYで行進
2025年9月22日【国際】
#しんぶん赤旗
大富豪に支払わせよう
気候・移民・平和…NYで行進
2025年9月22日【国際】

 【ニューヨーク=柴田菜央】米ニューヨークで20日、深刻化する気候危機や移民排斥の背景に富裕層が社会的責任を果たさず利益を優先させている現状があるとして、「大富豪に支払わせよう」と題した行動がありました。主催者発表で2万5000人が参加し、「富裕層に課税を」「必要なのはきれいな空気 新たな大富豪じゃない」と繰り返し声を上げながら、高級ビルが林立する通りを行進しました。

 行動は国連総会や気候ウィークのため世界各地からニューヨークに人が集まる時期に合わせて実施。▽大富豪を止め未来に資金を▽移民と世界の多数派を守ろう▽汚染者を止め地球を守ろう―という三つの要求を掲げています。

 行動には気候、女性、平和など幅広い分野の180を超える団体が賛同。行進に先立つ集会では、米西部、南部からの参加者を含め、気候変動による被害や先住民、移民の置かれた実態を訴える発言が続きました。

 中心団体「女性の行進」のタミカ・ミドルトンさんは、今日ここに「全ての人によりよい未来を」と求めて集まっていると指摘。生活が脅かされるなかでも人々が「力強く、つながり合い、立ち上がっている」ことを示すことが重要だと訴えました。

 ニューヨーク在住のアンドレア・コワイルさん(63)は、地球を描いた円形のプラカードを持って参加しました。トランプ大統領が石油や石炭の採掘を進める一方で再生可能エネルギーの推進を後退させ、「私たちのつくった前進を後戻りさせている」と非難。それでもトランプ氏の側よりもこうして街に繰り出している人の方が数は多いと述べ、連帯を強調しました。
morishinobu.bsky.social
「富裕層に負担求める時だ」
米進歩派議員が増税法案
2025年9月19日【国際】
#しんぶん赤旗
「富裕層に負担求める時だ」
米進歩派議員が増税法案
2025年9月19日【国際】

 【ワシントン=柴田菜央】米民主党の進歩派議員が大企業・富裕層に応分の税負担を求める法人税増税法案を提出しています。法案には多くの労働組合や市民団体が賛同。労働者の生活苦を生み出している富裕層優遇の構造を根底から変える動きです。

 サンダース上院議員とタリーブ下院議員は15日、法人税増税法案を提出しました。最高経営責任者(CEO)が一般労働者の50倍以上の報酬を得ている企業を対象に税率を引き上げるもので、前会期にも提案されていました。両氏は「富裕層に応分の負担を求める時だ」と強調しています。

 法案は、CEOが労働者の50~100倍の報酬を受け取る企業に対し税率を0・5%引き上げます。CEOの報酬が500倍以上の場合には、最大となる5%の引き上げが課されます。施行されれば10年間で1500億ドル(約22兆円)の税収増になる見込みです。

 法案は、企業が労働者の賃金(年収)の中央値を6万ドルまで引き上げ、CEOの報酬の上限を300万ドルに定めた場合、追加で課税しない仕組みになっています。

 また、企業が労働者を従業員ではなく請負業者とみなすことなどで税逃れをしないよう、財務省を通じて規制を設けるとしています。

 経済政策研究所(EPI)の報告などによると、上位350の米国大企業のCEO報酬は労働者年収の中央値の290倍に上ります。典型的なスターバックスの労働者が、CEOが昨年得た報酬と同じ9580万ドルを得るには6600年以上働く必要があるとしています。

 これらの増税が昨年施行されていた場合、追加で課される税額は、グーグルが21億6000万ドル、ウォルマートが9億2900万ドル、スターバックスが2億400万ドルなどとなっていたと指摘しています。

 サンダース氏は「収入と富の不平等が記録を更新し続けるなか、最も裕福な人、最も利益を上げている企業に応分の税負担を求めなければならない」と強調しました。

 法案は、両氏のほかに上院議員4人と下院議員22人が共同提案者になっています。また、米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)やサービス業国際労組(SEIU)、全米自動者労組(UAW)などの労組、オックスファム米国、「愛国的な百万長者」などの幅広い団体が賛同しています。
morishinobu.bsky.social
クローズアップ 生活保護申請者の財布の中身を確認
三重・鈴鹿 共産党市議が追及 自己申告制に見直し
2025年9月18日【地方総合】
#しんぶん赤旗
クローズアップ 生活保護申請者の財布の中身を確認
三重・鈴鹿 共産党市議が追及 自己申告制に見直し
2025年9月18日【地方総合】

 生活保護申請をめぐって、三重県鈴鹿市が窓口で申請者の財布の中身を確認していたことが明らかになりました。大きな問題となるなかで市は、「自己申告制」に見直すと発表。市議会でこの問題を取り上げた日本共産党の高橋さつき市議は、裁判や他市町の状況を見て対応を改める鈴鹿市の姿勢に対し、「自浄能力が足りない」と指摘しています。(中井浩紀)

 高橋市議は、6月定例議会の一般質問でこの問題をただし、市の対応には大きな問題があると指摘しました。財布の中身確認は申請者の尊厳を傷つける行為であり、人権侵害だと述べ、「財布の中身を見られることは屈辱的」「申請者を管理する姿勢」であり、自己申告制にすべきだと求めました。

 しかし市側は適正な保護の実施のために確認していると述べ、「保護費を正確に算出する上で必要」と答弁しました。

惨めな気持ちに
 実際に確認を受けた日系3世のブラジル国籍の男性(53)は、「容器に出して『全部見せてください』と言われた。空になった財布を役所の人に見せました」と語ります。持病の糖尿病が3年前からひどくなり、薬や手術の費用で生活を圧迫し、生活保護を受けようと決めて申請した時のことでした。

 食事は2食で夏場もエアコンは使用せずに節約しています。保護費では現在の家賃を払うのは難しく、引っ越し予定だといいます。「こんな生活が続くようだったら、父や兄弟がいるブラジルに戻ることも考える」と述べました。

 別の52歳の男性は、他の来庁者も近くにいるなかで、A4サイズの箱にお金を入れるように言われたと訴えます。財布には、25円しかありませんでした。

 男性は、三重県桑名市で自動車整備工場のライン工として6年ほど働いていましたが、職場の人間関係に疲れて退職しました。申請時は「家賃も払えず、すべてが嫌になり、自殺も考えていました。申請が通るか不安になるなかで、箱にお金を入れること自体が惨めな気持ちだった」と語ります。

 市は4日に、自己申告制に見直すと発表しました。経過について、「二つの裁判終結を機に見直しの必要性を検討した。県内他市の状況も確認して見直した」と説明しています。同市の生活保護行政をめぐっては、生活保護利用者の自動車保有に関する裁判が2件起こされ、いずれも市側が敗訴しています。

寄り添う行政へ
 見直し後の9月定例議会で市は、「見直しの協議で、財布の中身を確認しても全体の資産把握は難しいとの意見が出た」などとして、8日から自己申告にしたと答弁しました。

 高橋市議は、公務員として憲法に沿った人権や尊厳を守る見直しが必要であり、外部の専門的な視線が入った第三者委員会設置を求めています。

 「財布の確認が人権侵害であり、尊厳を傷つける行為だという観点が市にはありません。申請者を管理する行政ではなく、寄り添う行政に変わってほしい」
morishinobu.bsky.social
ジェンダー平等 取り組み加速を
国連が報告書
2025年9月18日【国際】
#しんぶん赤旗
ジェンダー平等 取り組み加速を
国連が報告書
2025年9月18日【国際】

 【ワシントン=柴田菜央】UNウィメンと国連経済社会局は15日、ジェンダー平等の視点から「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成状況をまとめた報告書を公表しました。2030年を目標年としながら、揺り戻しもあるなかで、各国がジェンダー平等に向けた取り組みを加速させることが緊急に必要だと強調しています。

 報告書は、「貧困をなくす」「平和と公正」「ジェンダー平等」などSDGsの17項目ごとに進展を評価。「極度の貧困」にある女性の割合は、この5年間で10%前後と変わらず、この傾向が続けば30年も依然として3億5100万人以上(8・2%)が抜け出せないと推定。紛争地の50キロ圏内で生活する女性は6億7600万人(24年)に上り、1990年代以降で最多だとしています。

 「ジェンダー平等」では、過去5年で差別を解消する99の法改正が世界各地で実現しました。出産時に母親が死亡する率は、2000年以来40%近く低下。世界的には就学率で女性が男性を上回っています。

 一方、女性や少女は引き続き、無給の家事やケア労働に従事しており、その時間は男性に比べて2・5倍に上ります。また女性に対する暴力が広がっており、この1年で女性の8人に1人以上がパートナーから身体的・性的暴力を受けているとしています。

 また、女性の国会議員の割合はわずか27・2%(25年1月時点)だと指摘。管理職の割合も30%にとどまっており、このペースでは男女同数の達成に「1世紀近くかかるだろう」と警鐘を鳴らしました。

 報告書は、トランプ米政権などが進めている女性の権利への攻撃やジェンダー平等の取り組みへの援助削減などを念頭に「ジェンダー平等はイデオロギーではない。平和と発展、人権にとっての土台だ」と強調しています。

 UNウィメン政策部門の責任者、サラ・ヘンドリックス氏は、「変化は絶対に可能だ。異なる道は私たちの前にある。政治的意思と世界中の政府の確固とした決意が必要だ」と述べました。
morishinobu.bsky.social
米政権 温室効果ガス排出量報告義務撤廃を提案
温暖化対策に逆行 環境団体が批判
2025年9月15日【3面】
#しんぶん赤旗
米政権 温室効果ガス排出量報告義務撤廃を提案
温暖化対策に逆行 環境団体が批判
2025年9月15日【3面】

 【ワシントン=柴田菜央】米環境保護局(EPA)は12日、化石燃料を活用する施設に課していた温室効果ガス排出量の報告義務の撤廃を提案しました。地球温暖化対策に逆行する動きの一つで、トランプ大統領が推し進めてきたもの。環境保護団体からは批判の声が相次いでいます。

 報告義務は2010年に民主党のオバマ元政権下で導入されました。石炭火力発電所、石油精製所、製鋼所など約8000の工業施設から温室効果ガスの排出量のデータを集め、気候変動を加速させている二酸化炭素やメタンなどのガスを探知する重要な手段となってきました。

 EPAのゼルディン長官は声明で、報告義務について「お役所的手続きにすぎず、空気の質を向上させることもない」などと主張。撤廃すれば、米企業は今後10年あまりの間、法令順守に必要な費用を最大24億ドル(約3500億円)節約できるとしています。

 これまで集められた情報は、政府の政策決定に役立てられてきました。世界的な気候変動を止める取り組みの一環として先進国に排出量の報告を求める国連にも共有されてきました。

 自然保護団体シエラクラブの環境政策を担当するパトリック・ドラップ氏は、EPAは報告義務を撤廃する正当な理由を示していないと批判。「これは気候変動の現実を否定し、市民よりも化石燃料産業と汚染企業を優先させるEPAの最新の行動だ」と述べました。

 「気候行動キャンペーン」の幹部のマーギー・アルト氏は、ゼルディン氏の主張を非難し、「汚染を測定しなければ、それに対処することはできない。情報を隠し化石燃料企業の責任を回避させることが真の目的だ」と強調しました。
morishinobu.bsky.social
パレスチナ・イスラエル2国家共存
国連総会で宣言採択
2025年9月14日【1面】
#しんぶん赤旗
パレスチナ・イスラエル2国家共存
国連総会で宣言採択
2025年9月14日【1面】

加盟国の7割超 142カ国賛成
 【ワシントン=柴田菜央】国連総会は12日、パレスチナの国家承認とイスラエルとの2国家共存を支持する「ニューヨーク宣言」を国連加盟国(193)の7割を超える142カ国の賛成多数で採択しました。イスラエルや米国など10カ国が反対し、12カ国が棄権。日本も賛成しました。

 宣言は、フランスとサウジアラビアが共催して7月末に国連本部で行った国際会合で発表され、支持が呼び掛けられていたものです。

 宣言は、戦闘の終結と2国家解決の実現は、国際法に従いイスラエル人とパレスチナ人双方の願望を満たす「唯一の道だ」と指摘。2国家共存に向けて「具体的で期限のある不可逆的な措置を講じる」と明記しています。前提となるパレスチナ国家の樹立も求めています。

 また、イスラム組織ハマスによる2023年10月の奇襲を非難し、ガザでの統治終了を要求。イスラエルによるパレスチナ人に対する暴力・扇動の即時停止、入植活動や土地強奪の中止も求めています。

 フランスの代表は、「宣言は2国家解決を実現する単一の行程表を示している」と述べました。

 パレスチナのマンスール国連大使は、ガザでの戦争を終わらせたい、人質を解放してほしい、飢餓を終わらせたい、ガザを再建してほしいなどと願う全ての人に仲間になってほしいと訴え。いまだ戦争と破壊の選択を押し進め、パレスチナ人を抹殺し土地を盗もうとしている勢力に対し、「理性の音を聞け」と呼び掛けました。

 各国からは、宣言の採択を歓迎する発言が相次ぎました。

 南アフリカ代表は、宣言は「大変重要で待たれていた」と強調。イスラエルのネタニヤフ首相がパレスチナ国家樹立を否定していることを批判し、「パレスチナの人々に対するイスラエルのジェノサイド(集団殺害)戦争を終わらせる努力から注意をそらすべきではない」と語りました。

 オランダ代表は、宣言がパレスチナ人の自決権を支持した意義などに触れた上で、「われわれはイスラエルに併合へ向かういかなる措置も講じないよう求める」と述べました。

 イスラエルのダノン国連大使は、宣言を「不公平」だと非難。米国の代表は「見当違いで時機を逸した宣伝行為」だと反発しました。