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せん馬のカランダガンがジャパンカップを制した意義(国際)【開催・運営】 by ジャパン・スタッドブック・インターナショナル【◎気になったニュース▲】
せん馬のカランダガンがジャパンカップを制した意義(国際)【開催・運営】 by ジャパン・スタッドブック・インターナショナル【◎気になったニュース▲】
11月30日(日)のジャパンカップ(G1)では、カランダガンが激闘の末に歴史的な勝利をつかみ取った。しかし、フランスの競馬主催者は一抹の悔いを抱いたのではないだろうか。本来であれば全てのフランス競馬関係者が祝福ムードとなるはずだったが、フランスギャロの経営層には居心地の悪さを残すものになったようだ。 一般的にフランスで調教されているトップの中距離馬であれば、シーズンのしめくくりに凱旋門賞(G1)を選ぶだろう。しかし、カランダガンはそうではなかった。せん馬であることから、凱旋門賞への出走が認められていないのだ。その代わりに、世界一位のレーティング馬は、英チャンピオンS(G1)とジャパンカップで魅力的なパフォーマンスを披露する他なかったのだ。その活躍で両レースには箔がついた一方、凱旋門賞は割を食うことになった。 さらに今年は、カランダガンに限らず、レベルスロマンスやゴリアットもパリロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞に出走できなかったことから、フランスの看板レースが「ロンジンワールドベストレース」を逃すことは明白だ。凱旋門賞には、この表彰が創設された10年前から5回の受賞歴があるものの、レース上位4頭の公式レーティング平均値をみると、今年はジャパンカップの過去3年で2度目の受賞が確実視されている。 これはフランス競馬界にとって重要な意味を持つ。ロンジン賞の立役者が、2007年に引退するまで20年以上にわたりフランスギャロの事務総長を務めたルイ・ロマネ氏だったからだ。今年2月に凱旋門賞の「せん馬の出走制限」条項を見直していたフランスギャロ評議委員会は、その決断を先送りにした一方で、できれば世界一のレースとして凱旋門賞の返り咲きを今年から実現させたいと強い意欲を示していた。 20年ぶりに海外調教馬としてジャパンカップを制したカランダガンの偉業は、同馬やその関係者にこの上ない名誉をもたらすこととなった。日本が2,400mの世界最高の舞台であることには疑いの余地がない。カランダガンが日本に遠征して、勢ぞろいした地元のスターホース16頭を撃破したのは素晴らしい功績だ。 また、ヨーロッパで調教されるせん馬にとっても、素晴らしい1年の締めくくりとなった。統計的には偶然かもしれないが、せん馬で主要レースを制したのはカランダガンに限らず、アメリカンアフェア、カバーヨデマール、カンデラリ、キケロズギフト、エシカルダイアモンド、ゴリアット、ラザット、ネヴァーソーブレイヴ、レベルスロマンス、トローラーマンといった馬も名を連ねる。 そうそうたるメンバーが揃っているが、世界中で高額賞金の競走が次々と誕生している状況を考えると、さらに頭数は増えていくだろう。総賞金500万米ドル(約7億7,500万円)のブリーダーズカップターフを制したウィリアム・マリンズ厩舎のエシカルダイアモンドのようなタイプの馬は、種牡馬としての価値以上にレースで賞金を稼ぐことができる。こういった馬たちにとっては、去勢は進むべき道だ。 こういった比較的新しい流れは、ありがたいものだ。種牡馬価値の高騰で、カランダガンが今年成し遂げたように年間を通じて出走するような馬が減ってしまった。しかし、我々は、来年もカランダガンが同じように走ってくれることを楽しみにできるようになった。 せん馬の方が調教はしやすいという主に生産者が唱えてきた主張は、新たなファンを惹きつけることができない現状ではますます意味をなさないものになっている。競馬とは、まさに最強の競走馬たちが競馬場でぶつかり合うのをファンが目の当たりにするものだからだ。 せん馬の方が有利で不公平だと批判している生産者は、むしろそれを活用するために去勢すべきなのだ。その場合、もちろん、種牡馬としての利益を享受することはできない。二兎を追うのは不可能である。 低迷している競馬界が再生するカギは馬だ。その証拠にジャパンカップでは出走馬17頭中9頭は社台グループの生産で、その大半がその所有馬またはクラブ法人馬だった。カランダガンが出走していなければ、上位6頭が社台グループの馬だったことになる。 クールモアとダーレーという二大勢力が総力を挙げたとしても、こういった層の厚さには太刀打ちできない。ヨーロッパでは、クールモアとダーレーの独壇場である現状が平地競走の人気を陰らせているとも言われていることから、大きなタイトルは公平に分散されるべきとの声もある。しかし、社台グループが全能とも言えるほど圧倒的な力を持っている日本も同じ状況だが、それを理由に競馬場からファンの波が途絶えることはないのだ。 ジャパンカップには7万7,000人以上のファンが駆けつけた。日本のトップホースが覇権をかけて戦う姿を見届けるためで、ジャパンカップ上位7頭は全てG1 馬だった。誰が馬主なのかは関係なく、競馬ファンは純粋に選ばれし競走馬たちの力比べを自分の目で確かめたいのだ。 私はかねてからヨーロッパの大手が競馬のファン層を広げる妨げになっているという意見に異議を唱えてきた。競馬場へたまに出かけるファン層は気にするのかもしれないが、そのようなファンはおそらく、すぐに別の娯楽に移っていくだろう。 競馬は熱心なファンを惹きつける必要がある。たとえ、自分の馬券が外れたとしても、勝ち馬を称えることのできるファンが必要なのだ。馬はファンを惹きつけることができる。しかし、そのためにはもっとたくさんの人に馬を観てもらう機会を増やさなくてはならない。その点では、レベルスロマンスがいい例だ。7歳の同馬はイギリスでG1を勝っていないにも関わらず、たくさんのフォロワーを抱えている。 だからこそ、カランダガンのような馬を称えたい。今年は間違いなく、カランダガンの一年だった。たとえ、せん馬だとしてもだ。 By Julian Muscat (1米ドル=約155円) [Racing Post 2025年12月1日 「He's not permitted to dance every dance but it's Calandagan's world and we're all just living in it」]
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December 11, 2025 at 10:45 AM
オーストラリアの国際格付け降格の恐れ(オーストラリア)【開催・運営】 by ジャパン・スタッドブック・インターナショナル【◎気になったニュース▲】
オーストラリアの国際格付け降格の恐れ(オーストラリア)【開催・運営】 by ジャパン・スタッドブック・インターナショナル【◎気になったニュース▲】
オーストラリアのブラックタイプ競走の地位がマレーシア、パナマ、プエルトリコなどの国々と同列に格下げされる可能性への懸念が高まる中、レーシング・ニューサウスウェールズ(RNSW)の理事会全員が辞任すべきだという要求が提起された。 この要求は、ニューサウスウェールズ州サラブレッドブリーダーズ協会のハミッシュ・エスプリン会長から発せられた。オーストラリアのブラックタイプ問題-ニューサウスウェールズ州の一連の競走が、国内で格上げがなされたものの、アジア競馬連盟(ARF)により国際基準に即した承認が行われない―の膠着状態が続く中での動きである。 RNSWの広報担当者はエスプリン氏の要求を退けた。ARFは、オーストラリアの競走馬生産を統括するレーシングオーストラリア(RA)宛て書簡(レーシングポスト紙が入手)で、承認されたブラックタイプ管理システムを導入せず、ARFの懸念を解消しない場合には、同国がブルーブック(ブラックタイプの指定に関する公式ガイド)のパートIからパートIIへ格下げされる可能性が現実にあると明言した。 このようなシナリオでは、オーストラリアは小規模な競馬開催国と同等となり、国内の全ブラックタイプ競走は世界的にリステッド競走として見なされることになる。 ARFの正式な書簡は、オーストラリア国内のブラックタイプ競走を統括するRA宛てであったが、RNSWによる一方的な格上げが、広範な統治論争が行われる中で、最も明瞭な火種となっている。 この問題は、ARF書簡によれば、オーストラリアでは「長年にわたり適切に機能するブラックタイプ格付け管理システムが存在しない」という事実にもかかわらず、当初17競走(後に18競走に増加)がRAおよびRNSWにより最高G2まで格上げされた後に発生した。 アジアパターン委員会(APC)が格付け変更を承認していないにもかかわらず、これらの競走の大半はNSW州の格付け変更を掲げて2度開催された。この不承認は、APCの基本規則に準拠するオーストラリアのブラックタイプ委員会が存在しないことに起因する。 これに関連し、南半球最大の血統情報提供機関であるアリオンはブルーブックに倣い格上げを承認せず、その結果オセアニアのセリ名簿にも反映していない。 10月16日付の6ページに及ぶRAへの書簡で、ARFは10月3日にパリで開催された執行協議会において「オーストラリアにおけるブラックタイプ競走の格付け管理」に関する「長年の懸念事項」が議論されたと報告した。 APCは、RAが以下の2措置を採用するまで「オーストラリアからの申請を検討せず、またRAが通知する競走格付け変更を承認しない」ことを勧告したとしている。 第一に「APC基本規則に準拠した形式」で新たなブラックタイプ基準を制定すること。第二に「ブラックタイプ格付け管理を監督する全国パターン委員会、または同等の機関が稼働する」ことである。 この書簡において、APCは「満足のいく対応がなされない場合」、オーストラリアの競走に対して「効果的なブラックタイプ格付け管理を回復するための」措置を採ることを示唆した。具体的には、RA の格付けに関する申請の審査を一切とりやめ、オーストラリアでの競走のグループ格付けそのものについてAPCが決定を下す可能性があると述べている。 香港に拠点を置く ARF のアンドリュー・ハーディング事務局長が署名したこの書簡は、次のように締めくくられている。「ARFは、オーストラリアがブルーブックのパート I から格下げされることは、RAだけでなく、オーストラリア、ARF 地域、そしておそらくはそれ以上の地域における競馬および生産界全体に非常に重大な影響をもたらすと認識しています」。 エスプリン氏は、ARF の書簡と、オーストラリアがブルーブックのパート II に格下げされるという脅威を考慮すると、同国の競馬施行団体は「150 年以上の歴史の中で、オーストラリアの生産界を最も深刻な状況に陥れた」と述べた。 同氏は次のように付け加えた。「この国の競馬施行団体が、オーストラリア全土の生産牧場に関わる全員の生計、そして全オーストラリア生産馬の価値を深刻な危機に晒したことは、まさに恥ずべき行為です。我々の見解では、RNSWが我々と真摯に向き合おうとしている様子は見られません。利害関係者の意見を考慮しているとも思えません。これらの理由から、理事会の退陣を求めます」。 これに対しRNSWは声明を発表し、ブラックタイプ基準とパターン競走を巡る「広範な誤情報」の是正を求めた。 声明で次のように述べた:「RNSWは、APCが承認したブラックタイプ基準の制定およびパターン競走における全ての重要側面に対して専門的かつ公平な監督体制を確保し、オーストラリアのブラックタイプ制度の公正性、公平性、信頼性を守るための独立ブラックタイプ諮問グループの設置を強く支持します」。 さらに次のように付け加えた:「現在の状況は、RNSWによるいかなる行動の結果でもありません。むしろ、国際的に承認された改訂案を承認しないというRAの決定に起因するものです。オーストラリアで最も成功している州の競馬施行団体の理事会に辞任を求めるのは、ばかげた要求です」と広報担当者は述べた。 ARFが11月14日の期限までにRAから書面による回答を受けたかどうかは不明だが、ある情報筋によればRAは延長を求めた可能性があるという。この件に関する明確化を求めて本紙がRAのCEOポール・エリクソン氏に問い合わせたが、回答は得られなかった。 By Trevor Marshallsea/ANZ Bloodstock News (関連記事)海外競馬情報2025年 No.36 - 2「アジアパターン委員会が40以上のレース格上げを却下(オーストラリア)【開催・運営】」 [Racing Post 2025年12月3日 「'The most fraught position in 150 years' - black-type downgrade threat sparks outrage across Australian racing industry」]
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December 11, 2025 at 10:43 AM
「どんだけスゴいんだ!」1週間前に復帰のライアン・ムーアが香港の騎手招待競走を優勝 by 競馬 - nikkansports.com【◎気になったニュース▲】
「どんだけスゴいんだ!」1週間前に復帰のライアン・ムーアが香港の騎手招待競走を優勝 by 競馬 - nikkansports.com【◎気になったニュース▲】
香港のハッピーバレー競馬場で10日、騎手招待競走の「2025年ロンジン・インターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップ」が行われ、英国のライアン・ムーア騎手(42)が優勝した。 4レースの合計ポイントで争われ、第2戦と第4戦を勝利…
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December 10, 2025 at 10:15 PM
【担当者がつける名馬の通信簿・ラッキーライラック③】単勝1倍台だった桜花賞「もう少しどうにか…」 by 東スポ競馬【◎気になったニュース▲】
【担当者がつける名馬の通信簿・ラッキーライラック③】単勝1倍台だった桜花賞「もう少しどうにか…」 by 東スポ競馬【◎気になったニュース▲】
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December 10, 2025 at 1:29 PM
日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』ついにクライマックスへ “走り抜いた”キャストたちが続々オールアップ【コメント&最終話あらすじ】(オリコン) by Yahoo!ニュース【◎気になったニュース▲】
日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』ついにクライマックスへ “走り抜いた”キャストたちが続々オールアップ【コメント&最終話あらすじ】(オリコン) by Yahoo!ニュース【◎気になったニュース▲】
俳優・妻夫木聡が主演を務める、TBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(毎週日曜 後9:00)が14日に最終回(拡大SP)を迎える。約3ヶ月半に及ぶ撮影を走り抜いたキャスト陣が続々とオールアップ
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December 10, 2025 at 10:39 AM
今年もあと20日余り…薩摩錫器干支置物づくりピーク 鹿児島(MBC南日本放送) - Yahoo!ニュース by Yahoo!ニュース【◎気になったニュース▲】
今年もあと20日余り…薩摩錫器干支置物づくりピーク 鹿児島(MBC南日本放送) - Yahoo!ニュース by Yahoo!ニュース【◎気になったニュース▲】
気づけば、今年もあと20日余りです。鹿児島の伝統的工芸品に指定されている薩摩錫器の工房で、来年の干支の置き物作りがピークを迎えています。 300年以上の歴史があるとされる伝統的工芸品「薩摩錫器」。
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December 10, 2025 at 10:39 AM
オーストラリア競馬が強い理由、「競争社会」が生み出す進化の原動力に迫る by Idol Horse【◎気になったニュース▲】
オーストラリア競馬が強い理由、「競争社会」が生み出す進化の原動力に迫る by Idol Horse【◎気になったニュース▲】
ニューナム調教師は語る。私が香港でやっていることは、何も新しいことではない。豪州競馬で生き残るには当然のことだ、と。 オーストラリア出身、マーク・ニューナム調教師は、香港競馬界で早くも大きな存在感を示している。競馬場での成績も目を見張るものがあるが、彼の影響力が最も大きく表れているのは、馬主とのコミュニケーションの取り方だ。 ニューナムは毎週、担当馬の近況を複数回にわたって発信している。自ら解説を付けた短い編集動画や調教の報告、背景情報など、そうした近況報告がオーナーのスマートフォンに直接届く仕組みになっている。 香港では、こうした情報共有が「新鮮で、風通しの良い取り組みだ」と高く評価されている。 だが、ニューナム師自身は、自分がしているのは「オーストラリア競馬で成功している調教師なら誰も当たり前にやっていることなんです」と説明する。 「オーストラリア競馬では、オーナーと一年を通してコミュニケーションと透明性を保てなければ、オーナーをつなぎとめておくことはできません。それだけ競争が激しいんです」 ニューナムがこうした基準を学んだのは、シドニーのゲイ・ウォーターハウス厩舎だった。ウォーターハウスは、オーナーとの関係づくりを一変させた存在として知られる調教師だ。 この「コミュニケーションの文化」は、オーストラリア競馬では特別なことではなく、むしろ当たり前のことであり、オーストラリア競馬の根幹にある、より深い真実を映し出している。つまり、あらゆる場所に競争があり、その絶え間ないプレッシャーが産業全体のレベルを押し上げ続けているのだ。 「面倒見の良さ」は競争力 オーストラリア競馬は、人々の参加の上に成り立っている。登録された馬主の数は14万人以上にのぼり、世界でも有数の規模だ。人口およそ2700万人の国で、約191人に1人が1頭の馬の持分を持つ計算になる。競馬は一部の特権階級だけの娯楽ではなく、日常生活の一部なのだ。 これだけ多くの馬主がいれば、当然ながら期待の水準も高い。自分の馬がどこにいて、どのように調教を積み、今後どんなプランで使われるのか、人々はそれを知りたがる。そうした情報を、定期的かつ誠実に提供しない調教師は、すぐさま提供している調教師に後れを取ってしまう。 もはや「馬を扱う腕前が良い」だけでは不十分で、「プレゼン力」にも優れていなければならない。 だからこそ、ニューナム師のやり方は香港でも効果を発揮している。動画や詳細なレポートの仕組みを、アジア向けに特別に用意したのではない。オーナーに選択肢がいくつもあり、調教師同士がその支持を巡って絶えず競い合っている母国の環境で生き残るために培ってきたものだ。 その意味で、香港のオーナーたちは今、オーストラリアの馬主たちが当然のこととしてきた水準を経験し始めていると言える。 MARK NEWNHAM, SHADOW HERO / G1 Spring Champion Stakes // Randwick /// 2019 //// Photo by Mark Metcalfe 競争の源は多方面から オーストラリア競馬の競争力は、まず賞金から始まる。1レースあたりの平均賞金はおよそ5万4000豪ドル(約550万円)に達しており、年間のレース数の多さを考えれば驚くべき数字だ。 さらにその上に、賞金総額100万豪ドル(約1億円)以上のレースが今や100競走を超えて存在し、平均すれば3日に1回のペースでどこかの競馬場で、いわゆる『ミリオンレース』が行われていることになる。 ジ・エベレスト、メルボルンカップ、ゴールデンイーグル、コックスプレート、コーフィールドカップ、ゴールデンスリッパーといった大レースが番組の頂点に位置しているが、その下の層も強力な賞金水準が支えている。 過去10年で、総賞金と1レースあたりの平均賞金はいずれも、主要な競馬国の中で最も速いペースで伸びてきた。その資金がオーナー、調教師、騎手、生産者に還元され、さらなる投資とレベルアップを促している。 重要なのは、こうした仕組みが一つの競馬場や一つの主催者に集中しているわけではないという点だ。各州がそれぞれ独自の番組と明確な野心を掲げている。中でもニューサウスウェールズ州とヴィクトリア州は互いを刺激し合い、新設重賞を打ち出し、開催を充実させ、施設を整備して、一流の馬と人材を惹きつけてきた。 その他の州も、自前のボーナス制度やプロモーション、新たなアイデアで応戦している。取り残されたい州など一つもない。 その熾烈さはセリ会場でも同じだ。1歳馬セールは国中で行われ、セール会社はより魅力的なカタログを編成し、購買者向けに充実したセール出身馬限定のシリーズ競走やボーナスを用意しようと競い合う。生産者は、こうした厳しい市場の中で一歩抜きん出る馬を送り出そうと努力を重ねる。 調教師もまた、狙ったタイミングで狙いの馬を確保しなければ、ライバルが一気に先行していくのをただ見ているしかなくなると理解している。 オーナーにとっては、この競争がむしろチャンスを生み出している。賞金は従来にも増して、より広い層の馬たちに行き渡るようになった。 ここ数シーズンで見れば、オーストラリアの現役馬のおよそ43頭に1頭が生涯獲得賞金50万豪ドル(約5000万円)超を稼いでおり、およそ132頭に1頭が100万豪ドル(約1億円)の大台に到達している。他の主要競馬国と比べても際立った数字だ。 スプリンターの国、そしてその先へ 世界の舞台で、オーストラリアは長らく『短距離王国』として知られてきた。 過去20年の大半のシーズンで、豪州産馬が世界最高レートのスプリンターに選ばれており、今季も世界で複数のG1スプリントを制した4頭のうち3頭がオーストラリア産だった。ゴールデンスリッパーやクールモアスタッドステークスのようなレースは、世界中の生産者がこぞって求めるトップクラスのスピードホースを、途切れることなく送り出してきた。 2025年はスプリント女王、アスフォーラの活躍、その評価を改めて裏付けた。ヨーロッパ遠征に打って出たアスフォーラは、カルティエ賞で欧州チャンピオンスプリンターに選出され、ブラックキャビア、スタースパングルドバナーに続き、このタイトルを手にした3頭目のオーストラリア産馬となった。 その成功は、オーストラリアの『スピード力』が世界最高峰の舞台でも通用し、勝ち切れることを改めて示した。 しかし、今のオーストラリア産馬は、もはや純粋なスピードだけの存在ではない。2025年シーズンには、ステイヤーとして歴史的なパフォーマンスも生まれた。24頭立てで行われたメルボルンカップで唯一の豪州生まれの出走馬だったハーフユアーズが、同じ年にコーフィールドカップとメルボルンカップを連勝したのだ。 オーストラリア産馬がこの有名なダブルを達成したのは1939年以来であり、メルボルンカップ自体も2年連続で豪州産馬の手に渡ったことになる。 こうした結果が示しているメッセージは明快だ。オーストラリアで育成され、オーストラリア式の調教・馬主システムのもとで鍛えられた馬たちは、日本や欧州をはじめとする世界の一流どころと、さまざまな距離で互角以上に渡り合う力を備えている。 HALF YOURS, JAMIE MELHAM / G1 Melbourne Cup // Flemington /// 2025 //// Photo by Grant Courtney オーストラリア競馬の原動力 現代のオーストラリア競馬を動かしている原動力は、実にシンプルな考え方だ。賞金が競争を生み、その競争がレベルアップを生み出し、そのレベルアップがさらに多くの人と資金を呼び込む。この好循環がいったん回り始めれば、止めるのは容易ではない。 このことはオーナーたちも肌で感じている。次のスター候補を巡る争奪戦は熾烈で、有望な1歳馬の出資枠はあっという間に売り切れてしまうことがあるからだ。 調教師もまた、そうしたオーナーを引きつけ、つなぎとめるために戦わなければならず、長い目で見れば、求められるのは単なる結果だけではない。信頼と明快なコミュニケーションを継続的に届けることが欠かせないのである。 このエネルギーには、一般のファンも組み込まれている。ジ・エベレストやメルボルンカップカーニバルのような一大イベントには、若い世代のファンが次々と足を運ぶ。彼らを惹きつけているのは、ショーとしての華やかさや会場の雰囲気、そして現代的でワクワクするイベントの一部になれるという感覚だ。 新しいファンが流入する以上、競馬側もその期待に応えるために、進化を止めるわけにはいかない。 こうした絶え間ない前進への圧力こそが、オーストラリア競馬が今や世界の『トップ100・G1競走』の開催数で他国を上回る理由であり、豪州生まれの馬が国内外で成功を収め続けている理由でもある。 そしてそれこそが、香港、日本、欧州、中東のオーナーや投資家たちが次の一手を考えるとき、オーストラリアにより強く目を向けるようになっている背景でもある。 未来を見据えて オーストラリア競馬が機能しているのは、決して立ち止まらないからだ。競争は産業の隅々にまで浸透している。州境を越え、セリ会社の間で、生産牧場の馬房から、調教師や厩舎スタッフの日々の業務に至るまで、あらゆる場所に競争がある。 その結果として、オーストラリアには、厚みがあり打たれ強い競馬の仕組みが築かれた。高い賞金水準、遠征しても戦える馬づくり、そしてオーナーを長期的なパートナーとして扱う文化だ。 マーク・ニューナム師の香港での経験は、その一つの小さな例にすぎない。彼が持ち込んだ基準は、目新しさや奇抜さを狙ったものではなく、あくまで母国で生き残るために身につけざるを得なかった“習慣”なのだ。 ハーフユアーズとアスフォーラは、まったく違うタイプの馬でありながら、その環境が何を生み出し得るのかを体現してみせた。1年でコーフィールドカップとメルボルンカップを制するだけのタフさを備えたステイヤーと、ヨーロッパでG1スプリントを勝ち切る鋭さを持ったスプリンター。 この二頭は、日本や欧州など、各国の厳しいシステムをくぐり抜けてきた多くのチャンピオンたちと肩を並べる存在になっている。 世界のオーナーや生産者にとって、オーストラリアはそうした伝統に取って代わる存在ではない。あくまで新たな選択肢の一つである。競争力のある開かれた市場、規模が大きく熱心な馬主層、そして海外からの投資家とのパートナーシップを歓迎する産業。 ある人にとっては第二の拠点として機能し、別の人にとっては血統のバランスを取り、所有馬や生産拠点の構成を整えて多様化を図る手段となり得る。 そういう意味で、オーストラリアはグローバルなこのスポーツにおける「もう一つの道」にすぎないとも言える。強い競争があり、オーナーとのコミュニケーションが最優先され、新しいアイデアが歓迎される場所。 そして海外からやって来る人々が、それぞれの経験と強みを持ち寄り、ともに次の章を書き加えていくことのできる場所なのである。 アダム・ペンギリー 全力ガッツポーズが大人気、ビョルン・ベイカー調教師の「インテリ派」成功術 アダム・ペンギリー 「地方から競馬界の巨人へ」キアロン・マー調教師、躍進の裏に隠された秘密 The post オーストラリア競馬が強い理由、「競争社会」が生み出す進化の原動力に迫る appeared first on Idol Horse.
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December 10, 2025 at 10:38 AM
第26回チャンピオンズカップGI|web Furlong by web Furlong【◎気になったニュース▲】
第26回チャンピオンズカップGI|web Furlong by web Furlong【◎気になったニュース▲】
ダートグレード競走を中心としたレースハイライトや、シリーズ競走等の特集、各種連載など盛りだくさんの情報をお届けします。
www.keiba.go.jp
December 10, 2025 at 10:37 AM
浅野靖典の全国馬美味行脚|web Furlong by web Furlong【◎気になったニュース▲】
浅野靖典の全国馬美味行脚|web Furlong by web Furlong【◎気になったニュース▲】
ダートグレード競走を中心としたレースハイライトや、シリーズ競走等の特集、各種連載など盛りだくさんの情報をお届けします。
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December 10, 2025 at 10:37 AM
香港GⅠ制覇につながったレジェンド武豊の咄嗟の判断と少しの幸運とは?(平松さとし) - エキスパート by 平松さとし - Yahoo!ニュース【◎気になったニュース▲】
香港GⅠ制覇につながったレジェンド武豊の咄嗟の判断と少しの幸運とは?(平松さとし) - エキスパート by 平松さとし - Yahoo!ニュース【◎気になったニュース▲】
中距離戦に強い日本馬 今週末、香港では香港国際4競走が行われる。 芝の1200メートルから2400メートルまでの4レースが対象だが、中でもメインとなるのは2000メートルの香港カップ(GⅠ)。中距離戦
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December 10, 2025 at 10:36 AM
ファウストラーゼンは来年1・25中山のAJCC視野 by 競馬 - nikkansports.com【◎気になったニュース▲】
ファウストラーゼンは来年1・25中山のAJCC視野 by 競馬 - nikkansports.com【◎気になったニュース▲】
ダービー18着から長期休養中のファウストラーゼン(牡3、須貝)は、来年1月25日中山のAJCC(G2、芝2200メートル)を視野に入れる。 僚馬で、根岸S6着フリームファクシ(牡5)と、神無月Sを勝ったインユアパレス(牡4)は、ともに2…
www.nikkansports.com
December 10, 2025 at 10:35 AM
<ザ・ロイヤルファミリー>「落馬」の説明で一瞬映った“騎手”が話題 「もう泣きそう」「ずるいって」(MANTANWEB) by Yahoo!ニュース【◎気になったニュース▲】
<ザ・ロイヤルファミリー>「落馬」の説明で一瞬映った“騎手”が話題 「もう泣きそう」「ずるいって」(MANTANWEB) by Yahoo!ニュース【◎気になったニュース▲】
妻夫木聡さん主演のTBS系日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」(日曜午後9時)の第9話が12月7日に放送され、一瞬映った競走馬と騎手が視聴者の話題を呼んだ。
news.yahoo.co.jp
December 9, 2025 at 10:12 PM
Tomorrow Farm・アロースタッド | BOKUJOB特集 各牧場イベントブース取材インタビュー|競馬実況アナ 藤原菜々花のWe♡horses あなたのお話聞かせてください by 一般社団法人中山馬主協会【◎気になったニュース▲】
Tomorrow Farm・アロースタッド | BOKUJOB特集 各牧場イベントブース取材インタビュー|競馬実況アナ 藤原菜々花のWe♡horses あなたのお話聞かせてください by 一般社団法人中山馬主協会【◎気になったニュース▲】
Tomorrow Farm・アロースタッド | BOKUJOB特集 各牧場イベントブース取材インタビュー|競馬実況アナ 藤原菜々花のWe♡horses あなたのお話聞かせてください。 【株式会社Tomorrow Farm】栃木県芳賀郡芳賀町にある育成牧場で、900mダート周回コース、700mダート坂路コース、さらにはプール、温泉、逍遥馬道...競馬実況アナ 藤原菜々花のWe♡horses あなたのお話聞かせてください
nakayama-racehorseowners.or.jp
December 9, 2025 at 10:11 PM