鈴木孔明
banner
suzukik0329.bsky.social
鈴木孔明
@suzukik0329.bsky.social
裁判を傍聴したりします
吉村萬壱さんの『CF』を読んだよ。
正直、駄作だとは思いますよ。
でも、これは書かれなければならないものだったし、これを書かせたものは何? って話です。
発想としては何も飛んでない。小説って表現になくてはならないイメージの飛躍とかは一切ない。ただ今の社会を眺めてそのまんま描いて近未来SF風にしたてただけのもの。
現実が非現実的になってるからこそできてしまった作品。普通に考えて、現実の方が圧倒的におかしいのよ。
駄作ではあるけど、駄作だからこそ異様な存在感が出ちゃってる作品。
「責任」って何なんでしょ。
感じたりはするけどだれも取らなくなった謎の概念。本当はそうじゃなかったはずなのにな。
November 15, 2025 at 11:05 AM
ブックオフに安く堕ちてたら買って読む、それが私の芥川賞受賞作品との付き合い方です。この『東京都同情塔』もそのスタンスでようやく読んだのですが…。
これはもっと早く読んどきゃよかった!!
絶対的に正しい無謬で漂白された人間が「人間」たりうるのか。
読みながらJGバラードの『殺す』をなんとなく連想しておりましたが…。
ラストで提示される「人間」のこれからのあり方に「そうだよ! そうじゃなきゃダメだよ!!」と首肯しまくっておりました。
読んだすぐあとの感想としては、村田沙耶香さんの『世界99』にも通じるようなテイストの作品だと思いました。めちゃくちゃ面白えぞこれ!!
November 2, 2025 at 1:03 PM
いつかこんな日がくるかもしれない…ということで昔BOOKOFFで100円払って仕入れてあるのです。
電車の中でチラッと読んだけど序盤からしんどいですよ。
日本人が素晴らしくてそのDNAがどうたらでどうのこうの、ついこないだ「中津川朝鮮人虐殺事件」について読んだばかりなので彼女の言う日本人の素晴らしさがより一層わからない。
October 22, 2025 at 1:20 AM
「1,2年生」の部門の『ライオンのくにのネズミ』、ガチで素晴らしい作品でした!! 子どもはもちろんのこと、大人もこぞって読んだらいいやつ!!
大人だからどういう展開になるのかはもちろん予想はつくし予想通りなんですけど、それでも最後は「よっしゃあ!!」ってなる。すげえ気持ちいいです!! そして…これを胸の内に残しておくことがどれだけ大切か、大人ならわかるはずです。わかりたくない人もいるかもしれないけども。もちろん子どもなら間違いなくわかる。
August 3, 2025 at 11:23 AM
流転の海9部作、読み終えてしまった…。
本を閉じてからなんか1時間くらい呆けてしまったよ。凄まじいものを読んでしまった。
「ひとりひとりの無名の人間のなかの壮大な生老病死の劇」を描く中で「宇宙の闇と秩序をすべての人間の内部から掘り起こそう」ってもくろみが達成されてしまっているという、他に替えることの絶対にできない稀有な作品だった。
なんかもう…「感動した」って陳腐な感想しか出てこない。それ以上にどんなに言葉を連ねてもこの作品を語るには足りない。
July 30, 2025 at 1:13 PM
今年も読書感想文の季節がやってきました。ということで…とりあえず小学校中学年の部の『たった2℃で… 地球の気温上昇がもたらす環境災害』と中学校の部の『わたしは食べるのが下手』から読んでみました。
どっちも素晴らしかったです。気候変動は否が応でも興味を持たざるを得ないテーマだし、仕事で摂食障害の人に関わる機会も多いからこれも知りたいし考えたいテーマだった…という個人的な事情もあるけど、そういうの抜きにしてもきっちり思考を促してくれる本だった。
他のも俄然楽しみになってきましたね。高校生の方のコーダの本は特に早く読みたい。
July 29, 2025 at 12:28 PM
とうとうここまで来ましたよ。流転の海シリーズのラスト、『野の春』。
読み終えてしまうのが寂しい。いつまでもこの3人はウロウロしててほしい。この先のストーリーがどういう感じになるのか、宮本輝さんの読者なんでだいたいはわかるんですけどそれでも楽しみなのです。
この9冊、何年も積ん読のままで「もうこのまま読まないんじゃなかろうか」とか思ってた時期もあるけど、読んでみたらけっこうあっという間にここまで来ちゃいましたね。
July 25, 2025 at 11:27 AM
今はようやく第4部『天の夜曲』に取りかかっております。この感じだと今年の夏どころか今年いっぱい宮本輝さん祭りをやってそう。
今読んでるのを読み終わったらとうとう宮本輝さんの『流転の海』に取りかかりますよ。いつかは読まねば…と思いながら数年経ってた。あまりのボリュームに尻込みしてたのです。
『流転の海』読んで、積読になってた長編2冊読んで、それからこないだ完結した宮本輝さん初の大河小説を読むというスケジュール。今年の夏は宮本輝さん祭りです。
June 30, 2025 at 12:32 AM
今読んでるのを読み終わったらとうとう宮本輝さんの『流転の海』に取りかかりますよ。いつかは読まねば…と思いながら数年経ってた。あまりのボリュームに尻込みしてたのです。
『流転の海』読んで、積読になってた長編2冊読んで、それからこないだ完結した宮本輝さん初の大河小説を読むというスケジュール。今年の夏は宮本輝さん祭りです。
May 30, 2025 at 12:59 PM
すごく今さらですが…李琴峰さんの『彼岸花が咲く島』読み終わりましたよ。
いや、これは面白かったです。登場人物たちの出した答えのどれが正しいのか、読み終わったのは昨日なのにいまだに考えちゃってます。どれが正解って話でもないんですけどね。
この作品は変な形で話題になってしまった感じがあるけど、いろんな人に読んでもらってみんなの考えを聞きたくなる、そういう本でした。
May 30, 2025 at 12:55 PM
少し気を抜くとこっちのアカウントを完全に放置してしまう…。
憲法記念日ってことで『あたらしい憲法のはなし』を読み返していましたよ。日本国憲法にはどういう理念があるのか、戦後すぐの時期にどう考えられていたのか、あらためて考えるにはすごくいい本。
個人的には憲法改正は必要があるならやればいいと思ってます。今の段階で必要は感じないけど。ただ、変えるにしても憲法の理念は変えてはいけない。憲法改正を声高に叫んでる人たちは理念そのものを変えたがってるように見えるんで、そんな人たちに憲法改正なんて絶対にさせちゃいけない。
May 5, 2025 at 9:57 AM
村田沙耶香さんの『世界99』、先ほど読み終えました。
なんかもう「読んではいけないものを読んでしまった」って感じがしてる。この毒は危険ですよ…。でももう読む前の自分には戻れないんで…それが一番怖いんだけれど。
まあ、すぐにもう1回また読み返しますけどね。もうこの「世界」から出られない気がする…。
April 7, 2025 at 10:17 AM
ゆっくりゆっくり読んでいる『世界99』、先ほど上巻を読み終わりました。
もうお腹いっぱいというか、すでに頭が壊れそうなんですが、まだ半分なのか…。
March 28, 2025 at 3:25 AM
村田沙耶香さんの『世界99』を読んでて電車乗り過ごす(2回目)。
ページをめくるごとに不穏が加速していくから止まんなくなっちゃうんだよ…。まだ上巻なのに。とんでもない本に出会ってしまった気がする。
March 21, 2025 at 1:37 AM
ル・グィンの『風の十二方位』、読み終わったよ。
有名な『オメラスから歩み去る人々』が入ってる短編集ですね。歩み去る、それが正解なのかどうか。それしかできないものなのか。同じような状況って生きてる中で実は何度も見てきてるんだと思う。その時に自分がどうしてたか。
あんなに短い短編なのに延々と考えちゃう。他の短編も同様にいろいろ突きつけてくる。おざなりに読める本ではないので人に勧めはしないけど、私にはとても刺さる善き本だった!
March 11, 2025 at 12:50 AM
隙間時間にポツポツ読んでた村田沙耶香さんのエッセイ集を読み終わったよ。
なんかいろいろが少しずつズレてて、でも読んでるとだんだん「そう感じる自分がズレてるんじゃないか…」ってなってきて、だんだん何にもわかんなくなっていく感覚、村田沙耶香さんだなあ。エッセイなんでそのへんのエッセンスはだいぶほのぼのですけど、やっぱりこの人の書くものは独特の存在感があって好き。
February 20, 2025 at 7:43 AM
最近は海の向こうの大国の状況を見るに、このあたりの本が必要だと思って読んでみた。あの独裁者たちはこの領域にズカズカ踏みこんできかねないので…。対抗なんてできないにせよ、きちんと歴史的な流れも頭に入れとくのは大事な気がする。
本書でもすごく強調されてるけど、優生思想って別にナチス特有のものじゃないんですよね。福祉の名目の下で各国が優生思想に基づく政策を進めていた。今は生命までも「合理化」の対象にされかねない情勢。これはアメリカだけでなく日本も決して他人事ではないので…今後も優生思想やバイオエシックスに関する本は読んでいきますよ。
February 20, 2025 at 6:39 AM
ル・グィンの『世界の誕生日』を読みましたよ。
この中の『セグリの事情』が殊の外好きでした。ものすごい男尊女卑社会を描いた作品で、男性側が得ている特権がそのまま抑圧にもなってるというお話。
時事問題に結びつけるのもちょっとイヤなんだけれども…最近目立つ男性優位な社会を志向するマッチョな方々がその願望に基づいた社会を実現させた時、その社会は自分たち自身の首を締めることになるんです。首を締められていることに気がつきすらしない人も多いかもしれないが。
February 12, 2025 at 12:47 AM
さっそく買って読みました。ピケティ、サンデルの対談本。
ピケティの言った「民主主義、民主的熟議に対するおそれ」ってフレーズが頭にこびりついて離れないです。これは左派にも突きつけられてる言葉。
こぼれ落ちた者、聖書で言うところの「迷いでた一匹の羊」をあまりにも省みないまま進んだ結果が現状の歪みなんだと思います。
この本を読んでてなんとなく連想してたのがミヒャエル・エンデの『モモ』の、後ろ向きに歩かないと進めない、っていう場面だった。「平等」という概念について2人の意見が一致している地点に到達するにはそういう視点が求められているのかな。まだ自分の意見をうまくまとめられてないけど、そんな気がする。
January 22, 2025 at 12:38 PM
肩のこらないのが読みたいよ、ということで椎名誠さんの本など読んでおりました。昔から元気が出ない時とかは椎名誠さん、という感じでやっております。
この人の文章ってとにかくエネルギーに溢れてて豪快なイメージあるけど、時折見え隠れする繊細なところがすごく好き。この本でもこれから食べる食材について昔の文献にあたったりしてちゃんと調べてから臨んでたりしてるところ、大好きです。
私もまたなんかわけのわかんないもん食べに行きたいなー。ゴカイやらイソギンチャクやら食べたいぞ。
January 19, 2025 at 5:49 AM
デイリー新潮ね…。
前々から思ってたけど、決めた。もう新潮社は幻冬舎とかKADOKAWAとか産経出版と同じ枠に入れちゃうことにします。ここの本は買わない。ここの売上に加担したくない。
どうしてもって時もブックオフ落ちするまで待つ。新刊は買わない。
伝統ある老舗出版社のブランドもすっかり地に堕ちた。残念なことです。あとは好きな作家がここから本を出さないことを祈るのみ。
January 18, 2025 at 9:16 AM
ル・グウィン『闇の左手』読み終わりましたよ。
作り込み方がすごすぎて圧倒される。本当に行って見てきたんじゃねえか、ってくらい緻密。
そして何よりこの設定ですよね。「性別」が存在しない世界。その中で「愛国とは?」なんて問いかけられた時にどう答えるか。めちゃくちゃ面白い。
January 17, 2025 at 12:29 AM
読むのに時間がかかる本に取りかかると本当にこっちがおろそかになる…。まあ別にいいんだけど。
こないだ、隙間時間にワーッて読んだこの1冊。ちっちゃいいきもの図鑑。出てくる子たちがどいつもこいつも身悶えするほどかわいいの。年末に行ったんだけど、また動物園行きたくなってきた。
January 11, 2025 at 2:29 PM
年末年始はル・グウィン祭りを開催しますよ。
ということで手始めに『空飛び猫』シリーズからスタート。
ジェーンが話せるようになったところ、思わず涙ぐんでしまったのですが…でもいっぱい「ジェーン」に象徴される人たちっているんだよね。言葉を取り戻すこともできず「HATE!」を叫び続けることしかできないでいる、そんな人たちってたくさんいる。アメリカだけじゃなくてこの国にもいるし、世界中にいる…。
完全に子供向けなのに根がしっかりしてるからしっかり考えさせられる。適当に読み流したりはできない。3冊とも素晴らしかったです。
そしてなにより…猫ちゃんかわええ!
December 17, 2024 at 2:23 AM
岸政彦さんの『街の人生』を読んだよ。
インタビュー受けてる5人は「マイノリティ」って括られがちな人たちばかりだけど、ごくごく当たり前にいる人だち。そんな普通な人の生活史の聞き取りがこんなに興味深く読めるのってなんか逆に斬新。
聞き手が変に出しゃばって誘導してない、ってのが大きいのかな。ネット記事とかだと「面白くしよう」って下心で聞き手が余計な口挟んで味気なくなってるやついっぱいあるけど、そんなのとは明らかに一線を画してる。
まだまだこういうの詠みたいっすね。小説じゃないのにすごくいい小説読んだ後みたいな読後感だった。
December 14, 2024 at 12:40 PM