さんそそそa.k.a.博田 米
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さんそそそa.k.a.博田 米
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さんそそそじゃよ
ツイテァで相互だとわかる人はなるべくぶっフォロしてます
AI学習やめてね
『舌先で文字を書く』
※シナリオのボツネタというか、このシチュ見たかっただけすぎて何も背景が思い浮かばなかったネタ供養
November 13, 2025 at 10:04 PM
じりじり、ざらざら。
命を使って、頭の中の言葉を目前に紡いでいく。
それがあなたの結論だった。

最後の一文字を書き終え、ようやく頭を離した。
すべての骨や肉が限界を思い出し、倒れ込む間際に出来栄えを確かめた。

文字と呼ぶには不格好極まりないそれは、紛れもない祈りであった。
それと同時に。

……青の混ざった灰色の天井が、あなたの意識をゆっくりとから引き上げた。
カーテンの向こうの朝を知り始めた色も、よく休んでいたのだろう肉体も、今の気分を除けば『100点満点』でそこにある。

せいぜい、お気に召したのだろう。
少し荒っぽく寝返りをうち、布団をかけ直した。
November 13, 2025 at 10:04 PM
ぶつん。

身体で一番硬い部位で、身体で唯一骨が繋がらない肉を浅く貫く。
生きていれば必ずどこかで味わう赤の味が、徐々に濃くなっていく。

痛みはない。
あるのかもしれないが、無視できていた。

筆記の最小単位は、首から上さえあればいい。
即ち、血に潤う舌は文字を書くペンたり得る。
November 13, 2025 at 10:04 PM
……悲しいかな、あなたは違った。
彼女がいかに意地が悪いかを、あなたは知っている。

恐らくこれは、『おまえはここでおわり』という宣言ではない。

あいつはきっと。
『わたしをたのしませろ』、と。
そう笑いかけているのだ。

気に食わない。
娯楽として消費されているような、不可視の運命に唾を吐くように、鋭くひとつ息を吐く。

腹を立てている暇はない。
冷静さを取り戻す余裕もない。
挙句の果てには筆記具も、それを持つ腕すらも取り上げられている。

さて、どうしたものか。
ほんの少しだけ宙に目を滑らせ、今更常人のふりをする。
アドレナリンとあなたの思考が齎した結論は、ここに辿り着く前から出ていた。
November 13, 2025 at 10:04 PM