⚠腐

「ほら、熱い酒だ。飲めるか？」
方多病は李蓮花の身体を抱き起こし、口元に酒器を当てる。だがぐったりとした李蓮花は微かに口を開けるものの、傾けた酒器から溢れる酒の一滴も飲み込むことが出来ない。
「頼む、飲んでくれ。ああ、どうすればいいんだ！」
その時、今日二人目の蓮花楼への訪問者が現れた。
「笛飛声！」
「それを飲ませたいのか？」
ちらりと李蓮花の顔を見てから長身の男は問うた。
「凍えているから酒で身体を温める必要がある。だが、今の李蓮花は自力で飲めない」
唇を濡らすだけの酒に苛立つ。
すると笛飛声はにやりとして言い放った。
「口移しで飲ませればいい」
そして方多病の手から酒器を奪った。

⚠腐

果たして蓮花楼は移動することなくその場所にあった。馬たちが僅かな草を食むその周りをウロウロしていた狐狸精が、方多病をみつけるとワン！と一声鳴いた。
肉にはありつけたのだろうかと犬の頭を撫でると、静けさに不安を覚えながら中に入った。
何の用だと咎める声も呆れる声もなく、薄暗い部屋の中を探れば片隅に蠢く影があった。
蓮花楼の主以外に、誰が居ようか。
そのただならぬ様子に方多病が駆け寄ると李蓮花は蒼白な顔で震えていた。
「寒いのか？！」
すぐさま方多病は火を起こし、手際よく酒と酒器をみつける。
李蓮花に対して疑念を持った時に一通り調べておいて正解だった。どこに何があるのか大凡はわかるからだ。

界って急に異世界みたいなことに笑
中華街だよ笑い

都合上、金子軒氏には少し年齢を上げさせていただいております。
現代だと相応に歳を取ると思うので、成長したあーりんとの絡みを考えますと……。