どうやら彼はあのΩを気に入ったらしい。
「僕じゃ彼を満足させられないでしょうから、3人で。ね?」
悩ましげな流し目に、αは思わず「ああ」と答えていた。
つまらないと思っていたこの結婚だが、一気に期待値が高まる。これで普段そっけないβを、永遠に自分の元に引き止めることができるのだ。
αは愛するβの望みを叶えるため、嗚咽を漏らしながら乱れた着物姿で立ち尽くす愛らしい花嫁をなだめようと、αは室内に足を踏み入れた。
- 完 -
どうやら彼はあのΩを気に入ったらしい。
「僕じゃ彼を満足させられないでしょうから、3人で。ね?」
悩ましげな流し目に、αは思わず「ああ」と答えていた。
つまらないと思っていたこの結婚だが、一気に期待値が高まる。これで普段そっけないβを、永遠に自分の元に引き止めることができるのだ。
αは愛するβの望みを叶えるため、嗚咽を漏らしながら乱れた着物姿で立ち尽くす愛らしい花嫁をなだめようと、αは室内に足を踏み入れた。
- 完 -
ボロボロと涙を流しながら、打掛の裾を振り乱し暴れている。
「お、男だったのか」
てっきり女性だと思っていた。いや、確かにそう紹介されていた。
「そういえばどこかの土地では、Ωの男性を女性として育てる風習があるみたいですね」
呆然としているαの横で、βがやけに興味深げにしていた。その目はΩへと釘付けになっている。
「ねえα。今日は彼と初夜なんですよね。できたら――僕を呼んでくれませんか」
その目には尋常じゃないギラつきがあり、αは思わずごくりと喉を鳴らした。βのこんな表情は初めてだった。
ボロボロと涙を流しながら、打掛の裾を振り乱し暴れている。
「お、男だったのか」
てっきり女性だと思っていた。いや、確かにそう紹介されていた。
「そういえばどこかの土地では、Ωの男性を女性として育てる風習があるみたいですね」
呆然としているαの横で、βがやけに興味深げにしていた。その目はΩへと釘付けになっている。
「ねえα。今日は彼と初夜なんですよね。できたら――僕を呼んでくれませんか」
その目には尋常じゃないギラつきがあり、αは思わずごくりと喉を鳴らした。βのこんな表情は初めてだった。
障子を開けると室内は騒然とし、せっかくの祝い御膳が机ごとひっくり返り、椀の汁が畳に染みを作っている。その原因を作った人物。それは高砂で大人しく座っていたはずの花嫁Ωだった。
「こんなん、やってられっかよ!」
これまで清楚で控えめだと思っていたΩが、角隠しをカツラごと引っぺがし、御膳の上に投げつけた。
「やっぱ俺、結婚すんのやだ!!」
αは唖然として大暴れするΩを眺めていた。Ωは女性のはずだ。だがその声はあまりにもハスキーすぎるし、はだけた打掛から覗く足は細いが筋肉質すぎる。
障子を開けると室内は騒然とし、せっかくの祝い御膳が机ごとひっくり返り、椀の汁が畳に染みを作っている。その原因を作った人物。それは高砂で大人しく座っていたはずの花嫁Ωだった。
「こんなん、やってられっかよ!」
これまで清楚で控えめだと思っていたΩが、角隠しをカツラごと引っぺがし、御膳の上に投げつけた。
「やっぱ俺、結婚すんのやだ!!」
αは唖然として大暴れするΩを眺めていた。Ωは女性のはずだ。だがその声はあまりにもハスキーすぎるし、はだけた打掛から覗く足は細いが筋肉質すぎる。
「俺が出馬するときの地固めに使うだけの結婚だ。それに俺はお前のような美人がいい」
βは線の細い美形だ。決して女顔ではないが、 憂いを帯びた表情には男とは思えない艶めかしさがある。恋人なのに無愛想で、こうしていつも塩対応なのもいい。
いつもこうしてツンと澄ましてはいるが、いざ情交では快楽に溺れて、とろとろに蕩けるのだ。そのギャップがαには堪らない。
仕立てのいいスーツのズボンの上から尻を鷲掴みにし、唇を重ねようとしたその瞬間。座敷から大きな音と怒声が聞こえ、2人は同時に座敷のほうに顔を向け、すぐに小部屋から飛び出した。
「俺が出馬するときの地固めに使うだけの結婚だ。それに俺はお前のような美人がいい」
βは線の細い美形だ。決して女顔ではないが、 憂いを帯びた表情には男とは思えない艶めかしさがある。恋人なのに無愛想で、こうしていつも塩対応なのもいい。
いつもこうしてツンと澄ましてはいるが、いざ情交では快楽に溺れて、とろとろに蕩けるのだ。そのギャップがαには堪らない。
仕立てのいいスーツのズボンの上から尻を鷲掴みにし、唇を重ねようとしたその瞬間。座敷から大きな音と怒声が聞こえ、2人は同時に座敷のほうに顔を向け、すぐに小部屋から飛び出した。