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人生丸ゴト握ッテ回ス 裸足で行かざるを得ない
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映画化を機に、つげ義春先生の原作「ほんやら洞のべんさん」のよさがもっとワーワー騒がれてもよかったけれど、「ワーワー」には向かない作品かもしれません。夜半に不意の客が来たときの宿の主人の「酔い痴れた」ありさまと、夜明けとともにおもてなしスイッチが入って忙しなく働きはじめる勢いが、やがて「(便所に)火鉢を入れといたぜ」「ゆっくりウンコをするといいよ」の神がかったせりふに至る緩急の呼吸が、話芸であり名詩であり、という感じで。映画には火鉢のくだりはなかったけれど、便所、ご不浄、雪隠にあたる設備は出しても良かったかもしれません。
December 23, 2025 at 11:13 PM
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こちらの公開時レビューに、『旅と日々』の堤真一の役の料理の手際が玄人らしくないというか、長い間ひとりで切り回してきたはずの宿の台所に慣れていない感じが、先行するうどん屋のご主人の手慣れた所作と比べて、だいぶ気になる、というようなことを書きかけてやめたのですが、電化されていない古い台所で、慣れた様子で手際よく料理しているように見せられたら、それはありとあらゆる演技賞に値するかもしれず、とにかく実写の劇映画の家事描写は難しいみたいです。 www.nobodymag.com/interview/ta...
「日々の層へと分け入る旅」鷲谷花 | 特集『旅と日々』| nobodymag
www.nobodymag.com
December 23, 2025 at 11:06 PM
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ちなみに細谷松太氏は関東大震災発生時にはロンドンに向かう貨物船に乗り込んでいて、船上では日本の全休火山が一度に爆発したとか小笠原諸島が陥没したとか噂が飛び交い、ロンドンに着いてみたら、早くも市中で震災救済募金運動が始まっていて、映画館には震災実況映画がかかり、「ビールスタンドにたって金を払おうとすると、その手はおさえられてそばの人がはらってくれる」「夜店の屋台でコーヒーを飲むと、そこでもコーヒー屋のばあさんが、震災の日本人からは金をもらわないという」ありさまだったという話も、まことに見聞が広く、ヘーベルの「暦物語」的でもありますね。
December 23, 2025 at 12:43 AM
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晴れて合法政党になった日本共産党の肝入りで産別会議を立ち上げるにあたり、進駐軍内部の左翼シンパに協力してもらって、CIO(アメリカ産別組合会議)の元オルグの軍曹に、組織や規約の作り方の教えを受けたりしたという話も、細谷松太著作集には出てくるので、つまり、身分の高い有名人じゃないアメリカ人の男女の役も仰山作れるということですよ、『実録・総評ー』。スコセッシ・カモーン!
December 22, 2025 at 11:57 PM
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でも妄想映画企画『実録・総評ー』(とりあえずマーティン・スコセッシに監督オファーする気になってます。マッカーサー元帥以下、アメリカ人の役も仰山あるからな!)は実現しないし、『細谷松太著作集』ハードカバー2冊と国会図書館デジタルで読める著作を読んでインプットした結果、論文中にアウトプットされる分量は100字に満たなかったりしがちですが、ザッツライフ
December 22, 2025 at 11:35 PM
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細谷松太氏は、尋常小学校卒でガラス工場に奉公して少年工哀史を体験し、あまりの虐待に逃げ出して転々とした後に船乗りになって世界の港をめぐり、海員組合(大揺れの歴史を経つつも位置づけとしては右派)から労働運動に入って、総同盟→革反→全協/日本共産党で地下活動→刑務所と、とにかく見聞が広くていらっしゃるのですが、「福本イズム」にも「日本資本主義論争」にも冷淡な感じが、アカデミアとは無縁の労働運動家と、アカデミックな革命家の間の疎隔を窺わせるようでもあります。とりあえず著作集をタネに映画が5本くらい作れそうな。
December 22, 2025 at 11:25 PM
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党中央の専横に異議を申し立ててまもなく、彼女は過労で倒れて療養生活に入り、やがて病死したということで、「彼女の碑名は、なんとしるされるか知らない。しかし、無名の方がよい。彼女は、わたしが労働運動に身を入れてから、過労、獄中、テロにたおれた数多くの無名の闘士のうち、もっとも忘れがたい一人なのだから。」(細谷松太『ものがたり労働運動史』)
December 21, 2025 at 9:44 PM
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国会図書館デジタルで読める細谷松太『ものがたり労働運動史』(1952)に、野坂参三以下共産党幹部が産別中央フラクメンバーを集め、細谷氏を産別事務局から外して党本部に服務させる是非(産別は労働組合、共産党は政党、建前上は独立した別組織なので、産別の人事を党中央が決めるのは「専横」というやつですね)について意見を問いただしたところ、経理事務担当の女性ひとりが、「細谷さんがひかなければいけない理由に納得できない」と、党中央幹部を相手に異議を申し立てた、という回想があり、調べれば女性の役は見つかるものですね。
December 21, 2025 at 9:39 PM
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古典的なロマンティック・コメディの究極の目標は婚姻、古典的な吸血鬼は婚姻と生殖をめぐる神聖な掟を否定し脅かすモンスターで「新妻の寝室」を狙いがち、一方メロドラマでは婚姻はヒロインの自由と財産を奪うための危険な罠、では『吸血鬼すぐ死ぬ』は・・・?「独身性癖コメディ」?(なんかスタンリー・カヴェル先生に分類しにきて欲しなったわ)
November 25, 2025 at 5:06 AM
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「私たちは、地上の事ども、特にまた結婚の結びつきを、とかく非常に長持ちのするものだと考えたがります。この結婚という点に関して言えば、私たちが劇場でいつもくり返し見ている喜劇が私たちをそういう間違った考えに導くのですが、こうした考えはこの世界の本来の歩みとは一致していないのです。喜劇においては結婚は最終目標であり、私たちがそこで見るのは、さまざまな障害で幾幕にもわたって引きのばされたあげく、その願いが実現するまでのいきさつです。その目標が達せられた瞬間、幕が下り、そのあと暫しの満足の思いがこちらの気持に残るという訳です。が、現実界ではそうではありません」(ゲーテ『親和力』、柴田翔訳)
古典的なロマンティック・コメディの究極の目標は婚姻、古典的な吸血鬼は婚姻と生殖をめぐる神聖な掟を否定し脅かすモンスターで「新妻の寝室」を狙いがち、一方メロドラマでは婚姻はヒロインの自由と財産を奪うための危険な罠、では『吸血鬼すぐ死ぬ』は・・・?「独身性癖コメディ」?(なんかスタンリー・カヴェル先生に分類しにきて欲しなったわ)
November 27, 2025 at 11:32 AM
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nobodymag『旅と日々』特集に約7000字の論考を寄稿しました。 www.nobodymag.com/interview/ta...
特集『旅と日々』| nobodymag
www.nobodymag.com
November 7, 2025 at 9:49 PM
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『月刊ホン・サンス』第1号のアンケートに回答しています。 mimosafilms.com/gekkan-hongs...
ホン・サンス監督30周年記念「月刊ホン・サンス」公式サイト
「月刊ホン・サンス」2025年11月1日(土)より、ユーロスペースほかにて新作を5カ月連続で順次公開
mimosafilms.com
November 6, 2025 at 11:57 PM
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中央大学出版部『中央評論』の映画特集号「映画を批評する」に、1930年代前半の『令女界』の読者投稿欄のスターのひとりで、『キネマ旬報』の読者投稿映画評欄に7本の映画評が掲載され、映画監督を志してJO〜東宝でスクリプターを務めた、名前がいくつもある女性についての文章を寄稿しました。伊藤洋司先生責任編集の『中央評論』映画特集号には、これまでたびたび豪華メンバーの間に混ぜていただきましたが、伊藤先生は本333号を最後に『中央評論』編集を退かれるということです。映画について好きなように長文を書いていい貴重な場を提供していただいたことに、改めて感謝申し上げたいです。
November 1, 2025 at 9:24 AM
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「昭和残侠伝」シリーズの池部良の役名「風間重吉」は、戦前にソ連のクートヴェ留学から帰って日本共産党中央委員長になった風間丈吉と、漢字も読みがなも一字ちがい、というのがなんだか気になってたのですが、笠原和夫脚本「実録・共産党」の映画化が実現していたら、池部氏が風間丈吉役だったりした・・・?と、『実録・総評左転』の構想を練るついでにふと思うものの、〆切に向けて地に足をつけた仕事をするべき自分!
October 12, 2025 at 12:32 AM
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黒澤明監督作品「おもしれー男」枠というと、『用心棒』の権爺(東野英治郎)は、実際おもしろいかおもしろくないかはともかく、三十郎(三船敏郎)には「へっへっへ、全くおもしれー男だぜ手前はよ」と言われてそうな感じはあります。権爺のヒロイン力には、(「べ、別にあんたの心配してるわけじゃないんだからね」ってほぼ言った!)(ちょっとだけスペシャルな手料理出してきた!)(さらわれて人質だと?!)と、要所要所で戦慄
October 6, 2025 at 12:01 PM
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日本映画史「おもしれー男」の元祖は、若い頃の佐分利信じゃないかなあ、と思っていましたが、『七人の侍』の平八(千秋実)も、「おもしれー男」枠でスカウトされ、「おもしれー」ポテンシャルを発揮する前の突発事故で戦死して惜しまれるあたりも含め、重要人物らしいです。
October 6, 2025 at 8:31 AM
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『大原社会問題研究所雑誌』第802号もオンライン無料公開が始まりました。拙稿「「1950年代の「ニコヨン」映像文化史」 ほか、前号と続けてお読みいただければ。 oisr-org.ws.hosei.ac.jp/oz/contents/...
大原社会問題研究所雑誌 詳細ページ |
oisr-org.ws.hosei.ac.jp
October 4, 2025 at 3:00 AM
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「失対労働者とその運動(1)」特集ほか801号の掲載論文はpdfが無料公開されました。802号も来月あたり公開されると思います。 oisr-org.ws.hosei.ac.jp/oz/contents/...
大原社会問題研究所雑誌 詳細ページ |
oisr-org.ws.hosei.ac.jp
September 17, 2025 at 7:13 AM
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『台北ストーリー』の中文題『青梅竹馬』の元になった李白《長干行》と、映画の内容を対照すると、悲哀の情がいっそう腸を断つ仕掛けがあったりするかもしれない、などとも。『牯嶺街少年殺人事件』と『戦争と平和』とか、楊德昌監督作品のアダプテーション要素をまとめた評論なり批評なり研究なり、あるかしら。
September 15, 2025 at 11:06 AM
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『台北ストーリー』のダーツバーの場面はすごすぎて、あと3回くらい観ないと言語処理能力が追っつかずに何も記述できそうにないですが、それはそうと、侯孝賢の役はジーパン穿きがちだし、実は『太陽にほえろ!』を意識した展開だったり?ともちょっと思いました。資生堂ビコーズのCMの石原裕次郎もしっかり映るし。
September 15, 2025 at 10:55 AM
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東京都写真美術館ホールで「ペドロ・コスタ カルト・ブランシュ」特集のフリッツ・ラング監督『真人間』も観てきましたが、ディズニーの『白雪姫』が1937年、本作が1938年、ハワード・ホークス監督『教授と美女』が1939年、ついでにデトルフ・ジールク監督『第九交響楽』が1936年で、明らかに「白雪姫」映画化ブームが来てた様子。どの作品の「白雪姫」もしたたかで、アメリカの「白雪姫」たちは、いずれも七人ないしは八人の男どもを手玉にとり、「男だけのほうが万事うまくいく、女はいらん」という心得違いを正すわけで、世界大戦の迫る時代に求められるタフなヒロインだったらしいです
September 5, 2025 at 12:12 AM
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『キャット・ピープル』がいつの間に かアマゾンプライムビデオ見放題に入っていて、ほか『過去を逃れて』、『星を持つ男』と、じわじわジャック・ターナー監督作品が見やすくなってきた気がします。『星を持つ男』の沼地でのんびり釣りをしていると、ふいに異音が聞こえはじめ、次のショットで悪い資本家の馬車が橋をガタガタいわせながら近づいてくるあたり、『キャット・ピープル』のバスふたたびという感もあり、怖い画と音をふいに放り込む呼吸があざやか。 www.amazon.co.jp/gp/video/det...
Amazon.co.jp: キャット・ピープルを観る | Prime Video
セルビアのある村に伝わる猫族の邪悪な伝説。猫族の血を引き苦悩する娘を、渡米後のフランス女優S・シモンが好演。J・ターナー監督の代表作でもある古典ホラーの傑作!
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September 4, 2025 at 2:21 AM
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フリッツ・ラング監督『激怒』が1936年、ウィリアム・A. ウェルマン監督『牛泥棒』が1943年、ジャック・ターナー監督『星を持つ男』が1950年、7年ごとに反リンチ映画が作られるサイクルを見つけてしまった!とか言いたくなるところですが、その間にもだいぶあるんだろうとも思います。ただ、『牛泥棒』と『星を持つ男』は、いずれもクライマックスが「リンチ」&「遺書」で、『牛泥棒』では遺書が読まれるのが「遅すぎた!」のに対し、『星を持つ男』では「間に合った!」であるからには、この2作の間には確実に繋がりはありそうです。
September 2, 2025 at 11:08 AM
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同号に黒澤明の助監督時代の『馬』の話題もいくつか出ていて、スクリプターだった沼崎梅子は「監督に猛然と食ってかかる助監督は初めて見た」と語り、藤原釜足は「われわれには言わないが、監督を色々つっつく」と語り、総じて下にはやさしく上に対して当たりが強いので一目置かれた、ということのようですが、そこは山本嘉次郎監督の器も大きかったのかも。
August 21, 2025 at 12:59 AM
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『キネマ旬報』の『デルス・ウザーラ』特集増刊号に載ってる、『素晴らしき日曜日』ごろの黒澤明は、長身でハンサムでやさしかったので所内でモテモテ、飯田蝶子も大ファンで、用事はなくても黒澤組のセットをのぞきに来ては、「いい男だねえ。アタシゃ大好きだよ」とため息をついていた、という中北千枝子さんの証言、語ってくれた方も聞いてくれた方もありがとう、と、思い出すたび手を合わせたい心になりますね。飯田蝶子さんがそう仰るなら、そりゃあ確かにいい男だったんだろう、と。
August 20, 2025 at 9:41 PM