かず
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かず
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生まれて半世紀。思い出すことなどつれづれと。
蛇足だけど、郁弥の言った「年下で才能を認められる存在」というのを、わたしが持ったのは、椎名林檎「無罪モラトリアム」だと思っている。
それ以前に、年齢を気にして何かに接したことはないので、もしかするとすでに「すごいな」と思っている人が年下だった、ということはあるかもしれないけど。
November 15, 2025 at 8:33 AM
『キッチン』の主人公であるみかげが、祖母を亡くしたあとに台所にいることが安らぐというのは、家の中で「目的が明確である場所」だったからではないかと。台所は料理するところ。風呂場は入浴するところ。心が揺れているときには、そのように目的が明確な場所こそ、安らぐものなのだと。
『ムーンライト』では、みかげが有名料理家のアシスタントになっていることに、唐突感があったのだけど、「そうか、台所→料理ということか」ということに気づいたのは少し経ってからだった。安らぐ場所から活動する場所という意味で「台所」を設定したのが、あの連作の肝だったのかもしれない。
November 15, 2025 at 8:30 AM
それがきっかけで当時の町立図書館の司書(のちに「図書館のお姉さん」と呼ぶようになる)と仲良くなったのだが、それはまた別の話。しばらくして『キッチン』はわたしの番になった。正直、何がどこが良いのかわからなかった。ただパート2とされる『ムーンライト』の一節が、「ROOM」の歌詞と添っていることを確認し、終わっただけだった。

それから数年後、父が亡くなり、何か落ち着かない時に、部屋のあちこちに移動して、浴室が落ち着くことにきづいた。水を入れない浴槽にいながら、突然気づいたことがあった。→
November 15, 2025 at 8:26 AM
ようやく『キッチン』をちゃんと読もうと思ったのは、藤井郁弥のインタビューだった。チェッカーズの「ROOM」という曲が、吉本ばなな『キッチン』をベースにしたものであり、郁弥は「年下でようやく認める人間が出てきた」と言っていたからだ。高校生になっていたが、当時お小遣いはなく「なんとなく読んでみよう」で単行本を買う余裕はなかった。ので、図書館に借りに行ったのだが、まだばなな熱狂は続いており、『キッチン』は予約でいっぱいとのことだった。そこで諦めたところ、司書の方に「同じ作者の『TSUGUMI』はすぐ借りれますよ」と言われ、断るのもなんなので借りた。→
November 15, 2025 at 8:23 AM