「映画を公開するにあたりプロセスに問題があった」という範囲からどう考えても逸脱してるよね、伊藤さんへのバッシング。逸脱してる上に、ジャーナリストである前に、映画監督である前に、性犯罪被害者であるという点が軽んじられている。強姦魔・山口敬之への糾弾より伊藤さんへのバッシングの方が激しいってどういうことだよ。性犯罪甘くて本当にキモイ日本社会

諸々の問題は置いといて一つだけ。

加害者が不起訴処分になって、自分が遭った性犯罪被害がなかったことにされようとしてる被害者にとって、防犯カメラの映像（ホテルに連れ込まれる瞬間の映像）がどれだけ大事か、普通に考えて分からない？
裁判ではこれだけでは不十分とされたかもしれないけど（性犯罪にクソほど甘い日本の司法に信頼などないが）、映像をたくさんの人が見たら一目瞭然理解されるはずだってそれにすがりたくなる被害者の気持ち、普通に考えて分からないですか？

それを外野から「防犯カメラの映像は決定的な証拠ではない」って執拗に繰り返す人、「フェミニスト」であっても「性犯罪被害者の敵」でしょ

改めてブルーボーイ事件考察｜Tomato Hatakeno note.com/hatakeno_tom...

ブルーボーイ事件における「売春防止法の抜け穴」説についての再検討｜Tomato Hatakeno note.com/hatakeno_tom...

繋げておこう。映画を観た人はこちらも読んでほしい

あとこれがトランス男性の話だったらこんなに苛烈だっただろうかとも考えちゃうねやっぱり。世間の考える「男の役割」「女の役割」から降りようとする（ように見える）人へのバッシングは男の方が強いかもしれない（トランスジェンダーってそういう人のことではないけど）。でもわからんな。「女じゃなくてノンバイナリー」っていう人へのバッシングも激しいし。男／女の役割を放棄するなという社会の圧がすげえの何の。何だよ役割って。キショ概念すぎる

私らの立ち位置は映画の中でいう狩野弁護士の立ち位置で、弁護士という設定上殊更それが際立っていたけど。知らないと寄り添えないけど、知るためには開示してもらわないといけない。法廷での証言というシチュエーションでは、当事者への「聞く」は「暴く」とニアリーイコールに見えて辛かった。非当事者の理解を得るために自分の過去と向き合うこと自体苦しいと想像に難くないし、偏見や侮蔑の残る社会で開示することがどれほど勇気の要ることか、したくないと思う気持ちも分かるし、開示して必ずしも理解を得られるとは限らない。
非当事者が当事者と共に立つってどういうことか、分からなくなったというか、ろくに分かっていなかったかも

「空軍は何してた」に対する「我々は知っている」も、「生き残っただけだ」に対する「十分だ」も、「唾を吐きかけられるぞ」に対する群衆の歓迎も、「命あってこそ」を強調するシーンだと思う。『ダンケルク』は戦争映画・反戦映画ではないって意見当時は結構あったけど、十分反戦映画だよね

説明も登場人物の台詞も最低限なのに雄弁で、今感じている感情も行動する動機も善性も心の弱さも伝わる。人間の多面性が伝わる。戦場を舞台にした群像劇として好きだ

ヒーーーーーーーーーー
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