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イマワノキワというブログで、アニメの感想、TRPGのプレイレポートを書いております。
主にブログの更新通知をします。


https://lastbreath.hatenablog.com/
 ゲームシステムとして擬似的に輪廻を体験させ、流転する運命をポップに描きなおす筆致は、同じ大陸アニメである”Ringing Fate”を思い出したりしたけども。
 旧き妖精たちを主役とするこの物語には、やっぱ現代物質社会への批評的なエッセンスがかなり濃いと思うし、一見気楽で楽しい”みんなのゲーム”が、どういう質感で描かれていくのかは気になる。
 つーか大陸で放送されていた話数にも追いついてしまいそうだし、1クールのTVシリーズとしてどうまとめるか…だな。

 みんな楽しく笑って過ごしていて、とてもいい回でした。
 この肩の力が抜けた魅力を、どう駆け抜けて幕を閉じさせるのか。
 次回も楽しみです
December 12, 2025 at 9:39 PM
 ゲームのタイトルに、堂々”衆生”って入ってるのがこのアニメらしい思想文脈だなぁと、ひとしきり笑ったけども。
 フェンモーを巡る一連の冒険で示されたように、妖精の死生観は…独特というか古風というか、物質文明に身を置いている現代人からは、ちょっと縁遠い価値観で構成されている。
 明滅する生死は一つの現象に過ぎず、大きな流れの中で流転する命の一つとして自分がここにいて、個としての終わりは太元への帰還でしかない。
 その上で一回一回の生をヤケっぱちにならずやり切る真摯さが、流転する衆生に価値を生み出していく…はずなので、転生クソゲーの奥にはなんかデカい思想があるんだとは思う。
December 12, 2025 at 9:35 PM
 カリ館長謹製のVRゲーは、バランス無視の超ピーキー仕様であり、どうもゲーム以外の目的がありそうだ。
 妖精の異能をゲーミフィケーションして、人間にも体験可能なものとすることで、種族間の垣根をエンタメ方面から切り崩すのが狙い…かなぁ?
 どんな姿であってもおかしくない世界観で、様々なアバターを纏うことで妖精たちも人間との交流に前向きになり、こっちからも歩み寄りが起きる構造だとは思う。
 まぁ強くなるにはPK前提のわりに、デスペナルティが重たすぎてゲーム体験を損ねているって指摘は、全くそのとおり。
 それでも実装してんだから、死と輪廻が体験のメインテーマなのだろう。
December 12, 2025 at 9:32 PM
 シャンシンにも妖精真実を伝えられて、やっと胸のつかえが降りた感じがある。
 あのシーン、お兄ちゃんが凄くさり気なく大きな決断を促して、シャオバイちゃんも幼いなり真摯に”誠実”ということにむきあってて、このアニメらしい良さがギュッと詰まってたなぁ…。
 人語で喋るようになり、マスコット味が薄れたシャオヘイも凄く落ち着いた少年エージェント味と、今まで通りのベイビー感が同時に味あえて、脳みそ凄いことになる。
 シャオヘイが「小さな大人」ではなく、「大人の領域に踏み込んでいる子ども」として描かれ続けているのは、このお話の一番好きなところだ。
December 12, 2025 at 9:23 PM
 というわけで怒涛の勢いで暴君の仮面が引っ剥がされ、中から泣きじゃくる怪物が飛び出してくる回でした。
 こうして治安最悪になってみると、序盤のゆったり楽しい魔法の国描写が対比として効いてきて、「やっぱロクでもねーなヴィラン学園っ!」っていう、気持ちのいい納得があった。

 伝統に縛られた大人たちは、子どもが秘めた黒い泥を拭ってはくれない。
 自分たちで溢れ出した想いを殴り飛ばし、歪んだまま前に進む道を掴み取る闘いに、果たして少年たちは勝てるのか。
 つーかこのまんまリドルが、本当の自分と向き合えないまま暴れてるの見てて苦しすぎるので、破邪顕正閻魔の一刀、雄剣先輩次回マジ頼みます!
December 11, 2025 at 10:48 PM
 やっぱ溢れ出した穢れが黒い涙となって、本当は泣きたい赤ん坊の気持ちが深く刺さる。
 「僕のこと、なんも知らないくせにッ!」は、いつだって「僕のこと、本当は解って欲しい」の裏返しであるが、リドルと同い年の少年たるエースに、そういう地獄ツンデレを理解してあげる余力も道理もない。
 なーら超然と大人びた主人公こそが、そのデカい器量で泣きじゃくる赤子を抱きとめるタイミングでしょーよ! つう話よ。
 「雄剣先輩がやるしかねーッ!」という当事者性を高めるべく、程よい感じにそれ以外が状況に対応しきれてない様子をちゃんと書いていたの、このアニメらしい足元の確かさだったね。
December 11, 2025 at 10:42 PM
 思わずマインドバトル原体験を引っ張り出され、令和に「ペルソナァー!!」と絶叫するラストバトル突入であったが、やっぱ深層心理の奥の奥からバケモノを引っ張り出し、心のドラマと物理的なアクションを連動させてカタルシスを生み出す展開は、力強くて納得性が高い。
 ここに至るまでのリドルの暴挙、その背景にある痛みと孤独が結構ちゃんと書けていたので、「まーこうもなるよね…」つう納得と「殴って救おう雄剣先輩!」つう盛り上がりが、ちゃんとある最終決戦だと思う。
 諸要素グチャグチャに絡み合った面倒くさー課題なので、言葉一個で切り崩すよりも、バトルという形を経由したほうが落着を受け入れやすい……てのもある。
December 11, 2025 at 10:40 PM
 「そこら辺の情を汲み上げた上で、どーにかんなんないんすかッ!」て感じだけども、その前に心の奥底から溢れ出した異形の我と闘い、トラウマもコンプレックスも物理で殴るターンだッ!
 オーバーブロットの瞬間が凄く良い演出で作り込まれていて、クライマックス突入の勝負回に相応しい仕上がりだったのは、たいへん良かった。
 いままで不気味にかわいい魔法世界を彩っていた筆力が、リドルの赤黒い心を引き裂き、真の暴君を引きずり出すパワーを生み出している。
 (画像は”ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション シーズン1「エピソード オブ ハーツラビュル」”第7話より引用)
December 11, 2025 at 10:37 PM
 この道のりは、かつてリドルの世界に唯一空いていた窓を通し、繋がった掌に導かれている。
 それが表玄関から堂々ではなく、本来外に出るための道具ではない”窓”から広い場所へとでていかなければいけないあたりに、リドル・ローズハートの苦しさが象徴されている感じもあるけど、でも出口が本当に一個もなかったより良い。
 ここで心を繋げたからこそ、正しく己には向かった幼馴染に本気で絶望して、最後の堰が破れてしまったとは思うんだが…でもさぁ、それってそんだけ、リドルの中でトロイが大事な存在だった、てことでしょうよ。
 トロイが正しく叱責できなかったのも、幼馴染好きで大事だったからでしょうよ…。
December 11, 2025 at 10:34 PM
 だからこそ幼馴染の殺意を華やかなトランプに上書きした、トロイ先輩の”魔法”の強さと優しさも際立つんだけども。
 ここでリドルの辛さを知ればこそ、かつて守れなかった後ろめたさを抱えればこそ、ただ見守るだけで正せなかった己をひと足早く、副寮長が乗り越えていくのはアツい。
 こうして一番の友だちが率先して、これからリドルが進むべき道に踏み出してくれることで、泣きじゃくる赤ちゃんがただ正論でボコられて終わる決着より、もうちょい泥吐き出したからこそ良い未来に進み出せる希望を夢見れる。
 イケメンの面が崩壊し、ドロドロの思いを吐き出す展開が好きなのも、雨降って地固まってくれればこそだからなぁ俺は…。
December 11, 2025 at 10:31 PM
 かくして才能を殺意に変えた一撃を腹心に遮られ、思い出を砕かれた暴君は魔に堕ちる。
 この薔薇樹投擲、あまりにも”王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)”すぎて「花江くんはジークでしょッ!!」と笑ったけども、「横暴の象徴としてブン回してた個別魔法は、相当手加減してアレだったんだなぁ…」と、切なくなった。
 「魔法はイマジネーションの力」つうんなら、これで同級生を刺し殺すイメージも、この時のリドルにはしっかりあったわけだ…ヤバいね!
(画像は”ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション シーズン1「エピソード オブ ハーツラビュル」”第7話より引用
December 11, 2025 at 10:28 PM
 こんだけリドルの心に深く突き刺さってるのに/突き刺さっているからこそ、ママは顔のない影でしかなく、この非人間的なペルソナが、リドルの中の母なのだと思う。
 本当は嫌なのに、それを唯一彼が食べれる愛だと押し付け縛り付けてくるルールが、自分と世界の全部なのだと思い込むことで、リドルはなんとか生き延びた。
 しかしそこに本当の絆があるなら、思い出の中で母の顔はしっかり描かれていただろう。
 ここら辺、ママの涙を見つめたことで荒くれていた生活を見直し、自分を作り直したデュースとの対比が活きてる。
 彼も仮面優等生だし、その縛りで歪になっている部分もあるけど、他人と世界の顔は良く見えてるからな…。
December 11, 2025 at 10:24 PM
 それにしたってレシチンケーキのエグさは本当に凄くて、「教育虐待に比べ、”食”でも痛めつけてたのかよ…」と、非常に辛い気持ちになった。
 俺ァガキが目キラキラさせて食べたい食べたい言ってるもんを取り上げて、美味くもねー自分の”良かれ”を喉に押し込む大人が、いっとう許せんからな…。
 この悲惨さが、みんなで楽しくマロンパイ作ってた描写と混ざりあった時、リドルが本当は何を求め、何を掴みたかったのか(そして今、それを大事にできていないか)が鮮明になるのも、とてもいいと思う。
 本当はエース手ずからのマロンパイ食べてあげたかった/食べたかった自分を、もう抱きしめてあげて良いんだ、リドル・ローズハート…
December 11, 2025 at 10:21 PM
 エースの腰の入った一撃から異様に治安が悪化し、暴徒と化した生徒たちを雄剣主将の一喝が落ち着かせるの、主役の迫力あって良かったが。
 そこで「神聖なる戦いに赴く姿勢」を問題視するあたり、正論からちょっとズレてる剣道バカで好きだなぁ、と思う。
 フツーの感覚だとエースみたいに、成績だけ良い赤ちゃんが好き勝手暴れて迷惑かけてる現状しか見れないと思う(学生だし)けど、雄剣先輩みたくウツワがデカすぎて世間とズレてると、人間の”正解”を真っ向から叩き込み、リドルの痛みにも踏み込んでいけそうな期待が高まる。
 ここら辺、年相応のガキっぽさをグリムとか他キャラに回した、話運びの巧さだろう。
December 11, 2025 at 10:18 PM
 エースはバカなんで、なんの考えもなくマジギレして殴っただけだと思う。
 でもその一撃と激情が、親ディスられたデュースを癒やし、自分自身母のトロフィーになりかけていた現状を見つめ直させる。
 学園のルールに従って一瞬で終わった魔法決闘よりも、人間の地金が問われる殴り合いに引きずり込んだのも上手くて、そのルール破りがトロイ先輩に正しき反逆を決意させたのかな、とも感じた。
 まぁ赤黒い憤怒が世界に溢れ出して、収集の”しゅ”の字もねぇ大騒ぎだがなッ!
 (画像は”ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション シーズン1「エピソード オブ ハーツラビュル」”第7話より引用)
December 11, 2025 at 10:13 PM
 Blotは”インクのシミ”と同時に、”汚点・汚名”という意味もある。
 つまり今回リドルが溢れさせたのは、彼がずっと向き合えず吐き出せず溜め込んできた、拭うべき穢れなのだろう。 
 動詞でいえば”書き散らかす”という意味もあり、どす黒い心のインクにまみれてでも、自分の苦しみと孤独を吐き出さずにはいられないところまで、彼は追い詰められた。
 こうして暴力でなぐり書きされた心の痛みを、果たして異世界転校生は背負い切ることが出来るのか。
 雄剣先輩以外のメンバーが、いきなりぶっ放された激情と暴力の嵐に翻弄され、為すべき正解に向き合えていない様子が、主役を主役にする準備整ってて良い。
December 11, 2025 at 10:10 PM
 つーか魔法使ってるとゲキヤバ黒オーラが溜まっていくのも、魔法学生がそれ教えられてねえのも、マジでどーよ? って感じではあるけど。
 ヴィランが英雄となるTwistedなこの世界、魔法も素敵な夢を広げるディズニー正道ではなく、どす黒い感情をエネルギーに変えて発動するものなのだろう。
 つまり優秀な魔法使いであるほどオーバーブロットの危険性は高く、それだけヤバいポテンシャルを追憶に溜め込み、ストレス高く優等生しとるわけか…。
 七つの寮を巡って関係を深めていくプロットと、一番やべーのが各寮のアタマ張ってる設定が、面白く噛み合ってるなぁと感じる。
 第一章、インパクト抜群にそこ見せれたのは良いね。
December 11, 2025 at 10:07 PM
 しかしまぁ、場が荒れてなきゃドラマの種は芽吹かないし、先回りして正しい対処を大人が手渡すと、子供主役の冒険は成立しにくい。
 多種多様な差別が見え隠れする、色々問題大アリな魔法学園は、歪な心の傷とそれを生み出す純情を抱えた、青春群像のキャンバスとして優秀なセッティングだと思う。
 今回ド派手に衝突が顕在化したけど、逆にそうやって地下水脈が表に吹き出してきて、膿を出したからこそ予後が良くなる予感が暴れているのは、良いカタルシスでもあるしね。
 こういう病理から快方へのダイナミズムがあるので、乙女ジャンル特有の病んだイケメンと取っ組み合いする話は好きだ。
December 11, 2025 at 10:04 PM
 リドルくんの暴走は、母への/からの愛着(障害)とアイデンティティがべっとり癒着し、引き剥がせば死んでしまうほど結びついているところが厄介だ。
 「ガキ泣いてんだから、オメーが愛って思って押し付けてるモンは”焼き鏝”なんだよッ!」て感じであるが、それだけが魂を満たす糧であるなら、赤子は焼け石だろうと飲み干す。
 その結果心が焼けただれ、その火傷痕こそが自分でありママの愛の証だと思ってしまっているのが、今のリドルだと思う。
 悲惨だ…学校は名門だぁ伝統だぁ抜かす前に、現代基準のメンタルケアをしっかり果たして、こういう自体になる前にリドル・ローズハート一個人と向き合うべきだったと思うよマジッ!
December 11, 2025 at 10:01 PM
 その自己防衛と痛みが濃く滲むので、俺はリドルを嫌いになれない。
 つーか初登場時からツンツン可愛かったので、ようやく全部絞り出してくれてありがたいまであるけども、この暴走状態をどう殴り飛ばし、「オレたちの絆が、こっからの判断基準だ!」と隣り合ってやるのか。
 ママの望む通り、たった一人特別でいればいいと強がっていた少年が、心の奥底でずっと求めていた甘い友情を、食べられるように手渡してあげれるのか。
 クライマックスをどうまとめるか、第一章大きな山場が待っているが…まぁ雄剣先輩の人間力が非常に高いので、どーにでもなるかなという気持ちである。
 こういう時、大人っぽい主人公は強いね。
December 11, 2025 at 9:58 PM
 トロイ先輩が一足先んじて、幼馴染の魂を腐らせるだけの全肯定から対峙へと踏み出し、あるべき自分たちの形に向き合ったことで、リデルは本当に一人になってしまった。
 母に言われるままルール遵守の自己像を作り上げ、成績で掴み取った特権をブン回し、「それが正しい」と教え込まれたことを素直に押し付けていたら、回りは自分を憎んでいた。
 当たり前の常識ってのが備わっていれば、その孤立を客観視も出来るのだろうけど、レシチンたっぷり知能化ケーキだけを与えられる檻の中には、そういう物差しはない。
 ママの言うことだけが答えであり、そう思わなければ愛されていない自分を実感してしまう環境で、悪夢で自分を守ったのだ。
December 11, 2025 at 9:55 PM
 まー回りのみんなも十代の少年なわけで、ギチギチの不条理ルールと権力の押し付けの当事者になれば、自分自身の痛みで回り見るどころじゃないと思う。
 エースの殴打と痛罵は真実を抉っている部分もあって、「事情は判るが、お前がクズなのはお前のせい!」つう言葉は、裏返せば「母親の影から抜け出して、自分の足で立て!」つうエールにもなりうる。
 実際、今のリドルに必要なのはへその緒断ち切られる痛みに負けず、毒しか流し込んでこないママの乳房をなげうって、一人間として自分の足で立つ…あるいは無邪気で素直だった時代に立ち戻ることなのだろう。
 しかしまぁ、愛と癒着した自己像を捨てるのは、とても苦しく難しい。
December 11, 2025 at 9:52 PM