Matsu's Toy Story
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Matsu's Toy Story
@madmuddymatsu.bsky.social
30MS/武装神姫/メガミデバイス・・・これらの娘達は何処から来て何処まで行くのだろう?(台詞応酬だけの二次創作)
【ウィドウ外伝・21】はナンバリング間違いの為欠番となります、20の次が22となりますのでご承知おき下さい。
June 3, 2024 at 1:37 AM
#メガミデバイス
#エクソシストウィドウ
【ウィドウ外伝・23】

「やめなさい!」「やめろよ!」ウィドウとルカの声が響く、GISの隊員が一斉に子供達の後頭部にベレッタの銃口を押し当てたからだ。

『【BRAIN】同士で殺し合う。さぞかし効率的で愉快だろうと思ったが、自己制御も叶わぬまがい物ならば騙し通す事も出来まいよ。この先こ奴らは闇の眷属吸血鬼として生きる事となる、民間伝承の様に不死では無いがな。』

限界だった。子供達を解き放つにはやはりそれしか無いのだと、銃声がその場を支配した。(続)
June 2, 2024 at 1:18 PM
#メガミデバイス
#エクソシストウィドウ
【ウィドウ外伝・22】

僕/ウィドウ/ルカの到着により5人の子供達は活動を再開した。カラビニエリの対テロ特殊部隊GISとウィドウに護衛されるルカの姿を目の端に捉えながら、僕はナノマシンと融合して膨張されつつある自身の筋肉と強化された体幹で子供達をなぎ倒した。

だがやはり子供達の呪縛は解除されない、黒幕を捕らえたら子供達を助ける術は得られるのか?わからない、僕が僕でいられるのもそう長くはない。黒幕は現れない、どうしたら。

GISにより拘束された子供達への無力化を迫る声が耳に届く。僕はベレッタM9A4の銃把を握り直した。(続)
June 2, 2024 at 1:06 PM
#メガミデバイス #エクソシストウィドウ
【ウィドウ外伝・20】

「銃器使用の許可が出た。」エクソシスト長は静かに告げた。

「現代医学/技術では救えない以上、魂の救済は我らの主によってしかあり得ない。子供達がさらなる地獄の深淵に堕ちてしまわぬ様に苦しみの縛鎖から開放してやって欲しい。リッカルド、私は君に何もしてやれない。君の気高き魂に報いる事が出来ない、それでも君は行くのか?」

僕の中に迷いは既に無かった、事の顛末を見届けないまま終わるのは僕の生き方では無い。

「リッカルドから君への装備として発注されていた。アクティブクローク。補助AI搭載型装甲で危険を察知し自動で展開する。(続)
June 2, 2024 at 9:32 AM
#メガミデバイス #エクソシストウィドウ
【ウィドウ外伝・19】
「馬鹿な事を言わないでっ!私は貴方があの場所に戻るのだって嫌なのに!」
信じられない、リッカルドはルカを連れていくと。
「貴方は・・・命を賭けて5人の子供達の救済に行くのでしょう?ルカが貴方の邪魔になるのは確実だわ!」

リッカルドは左手のひらを上に向けて私を招く。
いつもなら喜んで応じるけれど今は「行かないわよ。」
リッカルドは寂しい目を見せた。
「私は残された時間が少ないのなら貴方と一緒にいたいの!」

「僕は変化していく姿を君に見せたくは無いなぁ。」
わかってる、リッカルドはそう言う。
(続)
March 21, 2024 at 12:53 AM
【ウィドウ外伝・18】
「ルカ、これでお別れだ。巻き込んでしまった事をどうか許して欲しい。」

違うよ、おじさんを苦しめてしまったのは僕だ。

「お別れって嫌だよ、僕はおじさんに何も返せてない。」

隣町の子供達の行方不明なんて誰かの嘘だとしか思ってなかった。
でも僕は見てしまった、その場にいるべきじゃなかった僕が。
そうだおじさんは僕の様な子供に悪夢を見せないように戦ってくれていた人なんだ、それなのに僕は面白そうだなんて。

「お父さんとお母さんの言う事をよく聞いて」
「おじさん、あの場所に戻るんだね。」
「・・・そうだ、全てを終わらせないと。」
(続)
March 21, 2024 at 12:03 AM
#メガミデバイス #エクソシストウィドウ
【ウィドウ外伝・17】
「ウィドウ、リッカルドから君への装備として発注されていた。アクティブクローク、補助AI搭載型装甲で危険を察知し自動で展開する。銃は対人殺傷能力を持つ『許す者』、射出式スタンガン/麻酔弾等も選択可能・・・君は彼の銃であり弾丸だ、彼を頼む。」
March 20, 2024 at 10:17 PM
【ウィドウ外伝・16】
「銃器使用の許可が出た。」エクソシスト長は静かに告げた。「現代医学/技術では救えない以上、魂の救済は我らの主によってしかあり得ない。子供達がさらなる地獄の深淵に堕ちてしまわぬ様に苦しみの縛鎖から開放してやって欲しい。・・・今さらだがリッカルド、私は君に何もしてやれない。君の気高き魂に報いる事が出来ない、それでも君は行くのか?」僕の中に迷いは既に無かった、事の顛末を見届けないまま終わるのは僕の生き方では無い。
March 20, 2024 at 10:13 PM
【ウィドウ外伝・15】
「ウィドウ、僕はどのくらい眠っていた?」「眠ったと言える程では無いわ、ここにたどり着いてから3時間しか経っていないもの。もっとしっかり休みましょう、お願いだから。」ウィドウの悲しげな瞳が僕の身体の状態を物語る。わかっている、僕の身体は変化し始めている。「貴方をどうしてあげたら良いのか、みんな必死に考えてる。」「・・・ウィドウ、残されている時間は少ないよ。それに僕は呼ばれている。」そうだ、僕は5人の子供達と共鳴している。子供達は上位の存在を形作る為の生贄だ、同じ存在になったからわかる。子供達をこんな風にした奴は次の何かを(続)
February 23, 2024 at 8:31 PM
【ウィドウ外伝・14】
フィレッティーノ周辺の町村警察へヴァチカンより要請が届く。カラビニエリとの共同作戦により周辺住民の避難と廃屋の包囲が完了したのは、リッカルドとウィドウが生還した2時間後の事だった。
February 23, 2024 at 8:27 PM
【ウィドウ外伝・13】
何が何だかわからなかった。リッカルドおじさんの後を付けて雑木林の奥へ行って・・・我に返ったらローマの教会にいた。妖精みたいに跳ね回る小さい女性?が牙を向いて飛びかかってくる子供達から僕を守ってくれて、そこからはとにかく走った。リッカルドおじさんの叫びに従って走ったんだ。妖精みたいな女性はウィドウと名乗った、右手の甲から血を滴らせるリッカルドおじさんのそばで射抜くような目で僕を見ていた。わかってる、わかってるんだ。僕があんなところに行かなければリッカルドおじさんは上手くやれてたんだ。僕のせいなんだ。
February 23, 2024 at 8:25 PM
【ウィドウ外伝・12】
リッカルドは眠っている、極限の緊張状態からの弛緩だから無理も無い。悲しいのはあの状況から辛くも一人の少女を助け出したにも関わらず、彼はベッド上でガチガチに拘束されている。「駄目なのですか?」私はエクソシスト長に問う、帰ってきた答えは首を横に振る姿。「ウィドウ、君から得た情報を基に少女へあらゆる検査を実施した。結果はナノマシンによる身体強化とその副作用による暴走であろうという推測だ。」「ナノマシンって?!そんなの現代技術じゃあり得ない!」「そうだ、実現目標を2045年として関係各所で主として医療目的での開発途上の技術だ。(続)
February 23, 2024 at 8:14 PM
【ウィドウ外伝・11】
・・・そこから先どうやってローマまで逃げ帰ったのかは断片的にしか覚えていない。ウィドウに6人の子供のうちおそらくは最年少の女児へスタンガンを撃たせ、僕はジャケットで包んで担いで運んだ。5人の子供達は僕とルカへ襲いかかる、何度振り払っても立ち上がる。ウィドウにルカの護衛を頼み、残念だが特殊警棒を振り回して子供達を牽制した、それしか無かった。雑木林の入口に停めたレンタカーへ文字通り転がり込んで這々の体で走り去った。「ああ!そんな!!」血塗れのウィドウが僕の右手の甲を両手で抑えながら泣いている、そうか噛まれたのか。子供達の身に何が起きているのか?そしてもし子供達を変えて(続)
February 23, 2024 at 8:10 PM
【ウィドウ外伝・10】
マグライトを頼りに僕とウィドウは廃屋内を探索したが『誰かが住んでいる。』という結論には至らなかった。「ここが最後ね。」外観からは単なる平屋だと思っていたが屋根裏へ上がるための階段が見つかった。「行きましょう。」警戒心を最大にしてドアを開ける。「?!」15㎡程度の部屋は敬虔なクリスチャンがさながら教会の様に設えた造り、蠟燭が灯され「ひっ!」ウィドウが息を呑んだ。「・・・子供が。」祭壇だろうか?その前であたかも主に傅くかの如く並ぶ6人の子供達。ゆっくりと僕等の方に振り向くその顔は、青白く能面の様にとてつもなく生気に乏しい。(続)
February 19, 2024 at 9:46 PM
【ウィドウ外伝・9】
ウィドウの装備は射出型スタンガン及び刃渡り6cm程度のブレードだ、これをそれぞれ対で操る。結局のところマンストッピングパワーとしての活躍は期待出来るが対象に致命傷を負わせる程の威力は無い。アンドロイド=ロボットである以上アシモフの三原則からは逸脱出来ない、それでも僕の護衛としてはこれ以上無い。2人でのコンビネーション訓練に2週間を費やしたが彼女は非常に優秀でなおかつ細やかな心遣いも出来る女性、淑女と呼ぶにふさわしい人格者だった・・・多少自虐的傾向が見えたりもしたが。
February 19, 2024 at 9:19 PM
【ウィドウ外伝・8】
「女神装置(メガミデバイス)とは何なんです?」僕はエクソシスト長に尋ねた。「・・・もともとは日本発祥の玩具だと聞いている、女性を模った人形に購入者が思い思いの装飾を施し総当たり戦をさせ頂点を決めるという珍妙な設定がされている様だ。」「・・・人形愛好家とは全く異なりますね。」僕の言葉にエクソシスト長は頷きオルゾォを一口飲み話を続ける。「自立型AIを搭載し自己を取り巻く事象について判断、解を出し行動する。もうほぼほぼ人間だな。」「そんなモノが何故?」エクソシストとの接点が理解出来ない。「カトリック神父である我々は殺傷が(続)
February 19, 2024 at 9:13 PM
【ウィドウ外伝・7】
百聞は一見に如かず。曇天の夜空拙い月明かりの下、件の廃墟の玄関らしき扉の前に僕とウィドウはいた。「・・・真っ暗だね。」カーテンがしっかりと閉じられた窓からは明かりがこぼれてはいない。(村の人々の言葉を借りてはいたが廃墟とまではいかないな、これは廃屋だ)荒れ放題ではあるけれど恐らくは庭だろうと思われる場所に踏み込んだ段階である意味既に不法侵入なので、ここからは正攻法で確認する。築50年以上はゆうに経過しているだろう外観に相応しいひどく古い呼び出しブザーのボタンを僕は押した。「鳴らないね。」僕の左肩の上でウィドウが同意を求める様に口にする。(続)
February 18, 2024 at 2:41 PM
【ウィドウ外伝・6】
僕が3歳の頃ほんの少しだけ世界を騒がせた話がある、それは『イタリア吸血鬼協会』の存在。あ、勿論当時の僕はそんな事知るわけもなくて小学校に通う様になってから知ったんだけどね。夜な夜な徘徊して若い女性の首筋に牙を食い込ませ血を貪り飲む、血を飲まれた女性は自分を貶めた相手と同じ様に夜に徘徊する禍々しい存在と化す。吸血鬼の伝承は世界中で概ねこんな物だろうけれど『イタリア吸血鬼協会』の会長さんが言うには「特別夜に徘徊するとか常時吸血行為をする事は無い。」らしい。協会に入ってる全ての吸血鬼(?!)がではないけれど、サイコメトリー能力で(続)
February 18, 2024 at 2:37 PM
【ウィドウ外伝・5】
「アニエーネ通りの北、右分岐路の先にある雑木林、奥には誰も住んでいないと思われてた家屋が。」「その話ね。」二手に分かれた情報収集結果をウィドウとすり合わせる。「子供達からも何か出たのか?」「ごめん一通り聞かせて。」半年程前には誰もが廃墟だと思っていた場所に現在は誰かが住んでいる様だとする噂話。「昼には人気が無いのに夜になると窓から明かりが漏れている。」僕がバーで拾えた不審な話はこの程度だった。この過疎村では異変があればすぐにでも人の口にのぼる筈、それでもこうして聞きこまなければわからなかったのはトレーヴィ・ネル・ラーツィオ(続)
February 18, 2024 at 3:34 AM
February 18, 2024 at 3:18 AM
【ウィドウ外伝・4】
「ルカ、今お前んち泊まってるおっさんって刑事?」マッテオから突然そんな言葉を投げられた。彼は僕よりも背が高く小太りの5年生、良く言えば兄貴肌で悪く言えば番長。「調べものがあるとは聞いたけど『仕事何?』なんて聞けないよ、わかんない。」「つまんね、でもロボスコみたいな格好いい女じゃないから。」マッテオは人気の刑事ドラマの主人公に惹かれてる、でも僕らにとって母親くらいの年齢だと思うんだけど?「昨晩バーでいろんな事を聞かれたって父ちゃんがな、特に子供達の行方不明事件を気にしてたって言うからさ。」そうなの?!「見張ってたら面白いんじゃね?」
February 18, 2024 at 3:18 AM
【ウィドウ外伝・3】
人口600人以下の過疎の村フィレッティーノ、その隣町トレーヴィ・ネル・ラーツィオでは6人もの小学生が立て続けに行方不明になっていた。地元警察は捜査を続けているが誘拐事件だと断定出来る要素があまりにも乏しく、難航を極めているとの話がヴァチカンに届いたのだ。超常現象の可能性を考慮し確認/対処の為にエクソシストを派遣する、ヴァチカンの意向を受けて僕らはこの地に参上したのだった。「神隠し的な?まるで探偵みたいよ私達。」「そう言うな、とにかく僕らがあえて隣村に滞在するのは直接乗り込むことで事態をうやむやにさせない為だ。」仮に犯人と呼ばれる者がいるのなら(続)
February 18, 2024 at 3:14 AM
【ウィドウ外伝・2】
「ホンっとにやめて欲しいですわ、バッグの中に押し込めるなんて!」客室へ案内してくれたルカの足音が階下へ消えたのを確認、僕はトラベルバッグの二重底を開放して身長15cmの淑女を自由にした。「人前に出れないのは承知してますけどあまりにも息苦しいですわ。」「じゃあヴァチカンに戻って『肩と脚を出すな。』っていつものお叱りをシスターから受ける?」「それです!私は修道女ではありませんからほっといて欲しい。」「肩出すなとかミニスカ穿くなってのは観光客にもドレスコードとして課してるよ?」ヴァチカン市国とはそうしたところだ。僕はリッカルド(続)
February 18, 2024 at 12:55 AM
【ウィドウ外伝・1】
「僕の村には何もないんだ、大人達はバーなんてのがあって夜はそこで騒いでるらしいんだけど。僕はルカ、小学校4年生。お父さんは自動車整備工してる。あれ?なんでこんな話してるんだっけ?」身長は140cm程度、10歳ならばこの程度のものだろうか。肌は浅黒く見えるがこれは日焼けによるものだろう、会話をしていても目がぐるぐると良く動く。「おじさんはヴァチカンから来たんだ、調べたいことがあってね。」「・・・え、神父様?」「そんな大層な仕事はしたくないなぁ・・・君んちセンス良いねえ。」「有難う!ホテル程快適じゃないけどお母さんが頑張ってるから。」(続)
February 18, 2024 at 12:50 AM
【アルトレーネ帰還④】
愛される事が必然だと嘆くアルトレーネを悪性AI が愚弄する。「誰かに深く愛されていても『私は愛されていない。』と思い込んだら愛されていないんだ、実に滑稽だな!」激怒したストラーフの抜刀一閃により悪性AIは今後も敵対する事を言い残しつつ霧散する。ネヴァリアは語る。間違ってはいけないのは一つだけ、自分の心に嘘をつく事。仲間のそばにいたいという気持ちは無かったのか?との問いにアルトレーネは号泣、凍てついた心も氷解する。実存空間への帰還を果たしたアルトレーネは心からの愛を溢れさせる妹アルトアイネスを抱き締めるのだった。
February 10, 2024 at 9:12 PM