(そういやコイツって、こういうヤツだよな…)
なんて気付いた頃には、ドッペルの影が完全に消えて、相手の知らない間に取り戻せてたりして。
そこからさらに数ヶ月後に 「まだ偽物が好きなのか」 て不機嫌にぼやいたら笑われて、余計不機嫌になった相手にキスして 「さすがにこれ以上は許してなかったけど?」 て挑発して一線を越えてほしい。
偽物が過ぎるうちは絶対に手を出さないでいたのに、偽物には出さなかった許可を出されたら、我慢もなにもない。
自分だけの痕を残して、それを見るたびに愛おし気に笑ってほしい。
(そういやコイツって、こういうヤツだよな…)
なんて気付いた頃には、ドッペルの影が完全に消えて、相手の知らない間に取り戻せてたりして。
そこからさらに数ヶ月後に 「まだ偽物が好きなのか」 て不機嫌にぼやいたら笑われて、余計不機嫌になった相手にキスして 「さすがにこれ以上は許してなかったけど?」 て挑発して一線を越えてほしい。
偽物が過ぎるうちは絶対に手を出さないでいたのに、偽物には出さなかった許可を出されたら、我慢もなにもない。
自分だけの痕を残して、それを見るたびに愛おし気に笑ってほしい。
虚像がいつのまにか実体を持ったドッペルになって、気付いたら本物よりもドッペルに心惹かれて魂が半分以上獲られてる状態から必死に取り返そうとするけど、やればやるほど 「お前(きみ)はそんなヤツじゃない」 て言われて余計頑なにドッペルに囚われるヤツ。
最後はドッペルを無理やり消滅させて、相手が泣きながら 「何するんだ!」 て怒るのを、同じく怒りながら 「偽物なんかにお前(きみ)を奪われてたまるか!!」 て怒鳴って必死に相手の中に宿ったドッペルの影を消そうと奮闘する。
虚像がいつのまにか実体を持ったドッペルになって、気付いたら本物よりもドッペルに心惹かれて魂が半分以上獲られてる状態から必死に取り返そうとするけど、やればやるほど 「お前(きみ)はそんなヤツじゃない」 て言われて余計頑なにドッペルに囚われるヤツ。
最後はドッペルを無理やり消滅させて、相手が泣きながら 「何するんだ!」 て怒るのを、同じく怒りながら 「偽物なんかにお前(きみ)を奪われてたまるか!!」 て怒鳴って必死に相手の中に宿ったドッペルの影を消そうと奮闘する。
「良いんだよ、これからずっと一緒にいるんだから。五歳児のペースに合わせてあげるのが紳士ってもんでしょ」
余裕のあるドヤ顔には腹が立つけど、ずっと一緒、なんて言われたら、何も言えなかった。
(…せめて、俺が好きでいるうちは絶対いろよな…)
まだ完全には信じきれない自分に少しだけ嫌になりながら、涙を脱ぐってジョも向かいの席に着いた。
「ヌヌヌヌヌン、ヌイヌーヌヌヌ(ロナ君、大丈夫だよ)」
「え?」
「ヌヌヌヌヌヌ、ヌンヌ、ヌヌヌヌヌ(ド様、ちゃんと好きだから)」
なぜかジョには全部お見通しな気がして、また一気に顔が熱くなった。
終。
「良いんだよ、これからずっと一緒にいるんだから。五歳児のペースに合わせてあげるのが紳士ってもんでしょ」
余裕のあるドヤ顔には腹が立つけど、ずっと一緒、なんて言われたら、何も言えなかった。
(…せめて、俺が好きでいるうちは絶対いろよな…)
まだ完全には信じきれない自分に少しだけ嫌になりながら、涙を脱ぐってジョも向かいの席に着いた。
「ヌヌヌヌヌン、ヌイヌーヌヌヌ(ロナ君、大丈夫だよ)」
「え?」
「ヌヌヌヌヌヌ、ヌンヌ、ヌヌヌヌヌ(ド様、ちゃんと好きだから)」
なぜかジョには全部お見通しな気がして、また一気に顔が熱くなった。
終。
「もうムリ…、五歳児の純粋さの破壊力がヤバい…」
「なんでーっ!?」
復活しなくなったドにパニックになって、慌ててジョを呼んだら、こっちとドを交互に見て、なぜか頷かれた。
「ヌヌーヌヌヌ…(自業自得…)」
「なんで!?」
「これ私、ぜったい悪くないのにー…」
「ヌヌヌヌヌ、ヌヌヌ(泣かしたらダメヌ)」
「いや、でもこれ、本当に泣かすのが正解で…、あ、何でもないです…」
砂のままモゴモゴと言っていたドが白旗を上げて、ようやく復活した。
「仕方ない、お詫びも兼ねてご褒美オヤツにしようか」
「ヌッヌー!」
「い、良いのか?」
「私のご飯やオヤツ、好きなんでしょ?」
「もうムリ…、五歳児の純粋さの破壊力がヤバい…」
「なんでーっ!?」
復活しなくなったドにパニックになって、慌ててジョを呼んだら、こっちとドを交互に見て、なぜか頷かれた。
「ヌヌーヌヌヌ…(自業自得…)」
「なんで!?」
「これ私、ぜったい悪くないのにー…」
「ヌヌヌヌヌ、ヌヌヌ(泣かしたらダメヌ)」
「いや、でもこれ、本当に泣かすのが正解で…、あ、何でもないです…」
砂のままモゴモゴと言っていたドが白旗を上げて、ようやく復活した。
「仕方ない、お詫びも兼ねてご褒美オヤツにしようか」
「ヌッヌー!」
「い、良いのか?」
「私のご飯やオヤツ、好きなんでしょ?」
「出ていかないって。ほら、もっと素直になれ。あと一言 言えたらご褒美あるから」
「ぅ"…、ずっと…、そばに、いろ…」
「はい、よく言えました」
まるで本当に子どもみたいな扱いして、笑いながらおでこにちゅうしてきたくせに、口にもしてくるから、もう何がなんだか分からない。
でも、こんなに甘やかされるのも、好きだって言われるのも、全部がホッとする。ずっと我慢してたのが溶かされたみたいで、なんか嬉しい。
(…手、気持ちぃ…)
顔が熱いせいで、ドの冷えた手が気持ちいい。
「ド…、もっとさわれ…」
ちょっと悔しいからむくれながら言ったら、ドが砂になってビックリした。
「出ていかないって。ほら、もっと素直になれ。あと一言 言えたらご褒美あるから」
「ぅ"…、ずっと…、そばに、いろ…」
「はい、よく言えました」
まるで本当に子どもみたいな扱いして、笑いながらおでこにちゅうしてきたくせに、口にもしてくるから、もう何がなんだか分からない。
でも、こんなに甘やかされるのも、好きだって言われるのも、全部がホッとする。ずっと我慢してたのが溶かされたみたいで、なんか嬉しい。
(…手、気持ちぃ…)
顔が熱いせいで、ドの冷えた手が気持ちいい。
「ド…、もっとさわれ…」
ちょっと悔しいからむくれながら言ったら、ドが砂になってビックリした。
「私に余裕がなかったら二人で大惨事だぞ。それより、返事はくれないの?」
「ぅ…、へ…、へん、じ…」
「言葉覚えたてのバブルドくん…、告白の返事ってわかりまちゅかね」
「分かってるよッ、うわーん」
「こらっ、いつまでも進まないだろ! きみ、私たちに出て行ってほしくないくらい好きなんだろ!? 答えなんてもう決まってるだろうが!」
「ぅう…、ぉれも、すき…」
「だから?」
「だ、から…?」
「傍にいて欲しいって言ってみろ」
「私に余裕がなかったら二人で大惨事だぞ。それより、返事はくれないの?」
「ぅ…、へ…、へん、じ…」
「言葉覚えたてのバブルドくん…、告白の返事ってわかりまちゅかね」
「分かってるよッ、うわーん」
「こらっ、いつまでも進まないだろ! きみ、私たちに出て行ってほしくないくらい好きなんだろ!? 答えなんてもう決まってるだろうが!」
「ぅう…、ぉれも、すき…」
「だから?」
「だ、から…?」
「傍にいて欲しいって言ってみろ」
「止めろ、今謝られたら私がフラれたみたいになるでしょ!」
「だって! ビックリしたから!」
「そこまでビックリするとは思わなかったよ、ごめんね!!」
「うあっ、えっと…、俺も、ごめん…」
ドに謝られてビックリして、勢いがどっか行った。…ら、どうしたらいいのか分かんなくなった。それなのにドがまた顔を挟んできたから、またやられるかと思って目を瞑って硬直した。
「この状況で目を瞑られたら、キスOKだと勘違いするんだけど…」
「えっ、ちがっ…!」
「うん、分かってるから、とりあえず落ち着け、五歳児」
「止めろ、今謝られたら私がフラれたみたいになるでしょ!」
「だって! ビックリしたから!」
「そこまでビックリするとは思わなかったよ、ごめんね!!」
「うあっ、えっと…、俺も、ごめん…」
ドに謝られてビックリして、勢いがどっか行った。…ら、どうしたらいいのか分かんなくなった。それなのにドがまた顔を挟んできたから、またやられるかと思って目を瞑って硬直した。
「この状況で目を瞑られたら、キスOKだと勘違いするんだけど…」
「えっ、ちがっ…!」
「うん、分かってるから、とりあえず落ち着け、五歳児」
ころそうかと思った瞬間、ドが額を当ててきたから、それにもビックリして固まった。
「これで信じてくれた? 私が出て行かないって」
「ぅ…、あ…」
こんなに間近でドの目を見たのが初めてで、なんて言われたのかも、なんて返せばいいのかも分からないまま、限界を迎えて思いっきり殴ってしまった。
「ブェアーーーーッ! なんで!? 今いい雰囲気だったでしょ!?」
「ぇッ、えぇ…、えっ、…ち、なのはダメだろ!?」
「今ので!? 耐性五歳児以下か!?」
ころそうかと思った瞬間、ドが額を当ててきたから、それにもビックリして固まった。
「これで信じてくれた? 私が出て行かないって」
「ぅ…、あ…」
こんなに間近でドの目を見たのが初めてで、なんて言われたのかも、なんて返せばいいのかも分からないまま、限界を迎えて思いっきり殴ってしまった。
「ブェアーーーーッ! なんで!? 今いい雰囲気だったでしょ!?」
「ぇッ、えぇ…、えっ、…ち、なのはダメだろ!?」
「今ので!? 耐性五歳児以下か!?」
笑ったドが手を伸ばして、また両手で顔を挟まれた。今日で何回目だ。
そんなことを思ってたら目尻に顔が近付いて、ちゅって音がした。
「は…? え…、なに、ド…? わっ…!」
ビックリして硬直してる間に、逆の目尻にも、閉じた瞼にも、顔中にちゅってされて、殴るのも忘れてされるがままになってた。最後に口にふにって当たって、ようやく離れたドを真っ赤になって見上げたら、やたら嬉しそうな顔で笑ってた。
「きみが好きってことだよ。好きな子の傍から離れるヤツなんて居ないでしょ」
「なッ…、ぃ、いまっ…!」
「うん、キスしたよ」
「キッ…!!」
「だから言ったでしょ、可哀そうだって」
笑ったドが手を伸ばして、また両手で顔を挟まれた。今日で何回目だ。
そんなことを思ってたら目尻に顔が近付いて、ちゅって音がした。
「は…? え…、なに、ド…? わっ…!」
ビックリして硬直してる間に、逆の目尻にも、閉じた瞼にも、顔中にちゅってされて、殴るのも忘れてされるがままになってた。最後に口にふにって当たって、ようやく離れたドを真っ赤になって見上げたら、やたら嬉しそうな顔で笑ってた。
「きみが好きってことだよ。好きな子の傍から離れるヤツなんて居ないでしょ」
「なッ…、ぃ、いまっ…!」
「うん、キスしたよ」
「キッ…!!」
「だから言ったでしょ、可哀そうだって」
「分かった、ちょっと待ってろ。それからジョを返してもらえる?」
「え、ヤダ…」
「…あとで美味しいデザート作ってあげるから」
「…あのバナナ揚げたヤツ…」
「何でも作ってやる。だから、今はジョを返して」
「ん…」
仕方なくジョを下ろしたら、ドはジョにお願いして事務所の方に行ってもらった。
「なんでジョ、あっちにやったんだよ」
「さすがに可哀そうと思ってね」
「可哀そう?」
「うん。ところでロナ君、本当にお姉さんとか誰かいない? 恋人とか、好きな人とかさ」
「いきなりなんだよ…。あとまだお姉さんネタ引きずってんのかよ、居る訳ねえだろ」
「分かった、ちょっと待ってろ。それからジョを返してもらえる?」
「え、ヤダ…」
「…あとで美味しいデザート作ってあげるから」
「…あのバナナ揚げたヤツ…」
「何でも作ってやる。だから、今はジョを返して」
「ん…」
仕方なくジョを下ろしたら、ドはジョにお願いして事務所の方に行ってもらった。
「なんでジョ、あっちにやったんだよ」
「さすがに可哀そうと思ってね」
「可哀そう?」
「うん。ところでロナ君、本当にお姉さんとか誰かいない? 恋人とか、好きな人とかさ」
「いきなりなんだよ…。あとまだお姉さんネタ引きずってんのかよ、居る訳ねえだろ」
「けど、直して欲しいなんて私は一言も言わなかったし、思ったこともない。なんでか分かるか」
「わかんねえよ…」
直してもらえるなら、すぐにでも直してもらって、城に戻れば良かっただろ。そうしたら、こんなに悩まなかったのに。
「私はここで暮らしたいんだ。もちろん新ヨコも好きだが、それ以上に、きみの側にいるから楽しいんだ。私にとって重要なのは城でも場所でもなくて、きみなんだよ」
「…俺?」
予想外の指摘に驚いて、パチパチと瞬きする。
「そう。…というかきみ、もしかしてもっとドストレートに言わないと理解できないか?」
「なにを」
「けど、直して欲しいなんて私は一言も言わなかったし、思ったこともない。なんでか分かるか」
「わかんねえよ…」
直してもらえるなら、すぐにでも直してもらって、城に戻れば良かっただろ。そうしたら、こんなに悩まなかったのに。
「私はここで暮らしたいんだ。もちろん新ヨコも好きだが、それ以上に、きみの側にいるから楽しいんだ。私にとって重要なのは城でも場所でもなくて、きみなんだよ」
「…俺?」
予想外の指摘に驚いて、パチパチと瞬きする。
「そう。…というかきみ、もしかしてもっとドストレートに言わないと理解できないか?」
「なにを」
ジョが気付いて頭を撫でてくれた。ごめんな、ギュッて抱き着いてるからお腹濡れて気持ち悪いよな。でも、いま顔上げたらドにバカにされるから、もう少しだけ許してほしい。
「ねえ、ロナ君。きみさ、新年会でのこと、忘れてない?」
「忘れる訳ねえだろ、バニーにゃん」
「なんで自分で古傷を抉るんだ、ドM過ぎるだろ。いや、そこじゃない」
新年会の記憶なんて、訴えられないよう必死になってじいさんに振り回された記憶しかない。
「私の城を破壊したことがバレても、おじいさまは怒らなかっただろ。あの時、私がおじいさまに頼めば城くらい、いくらでも直してもらえたんだぞ」
「え…?」
ジョが気付いて頭を撫でてくれた。ごめんな、ギュッて抱き着いてるからお腹濡れて気持ち悪いよな。でも、いま顔上げたらドにバカにされるから、もう少しだけ許してほしい。
「ねえ、ロナ君。きみさ、新年会でのこと、忘れてない?」
「忘れる訳ねえだろ、バニーにゃん」
「なんで自分で古傷を抉るんだ、ドM過ぎるだろ。いや、そこじゃない」
新年会の記憶なんて、訴えられないよう必死になってじいさんに振り回された記憶しかない。
「私の城を破壊したことがバレても、おじいさまは怒らなかっただろ。あの時、私がおじいさまに頼めば城くらい、いくらでも直してもらえたんだぞ」
「え…?」
「いや…、それに関してはまあ…、私も悪かったが、だからと言ってここまで信じないのもヒドクない?? さすがの私も少し泣くぞ」
「泣かねえだろ、クソ砂は」
「今までも私、けっこう色々と泣いてた気がするけど、ロナ君は全然見てなかったのかね」
「知らねえ。自分でバカやって自業自得で泣いてるのしか知らねえ」
「それもそうだけどッ!」
またドの溜め息が聞こえてきて、思わずビクッと震えた。どうせ俺なんて何やっても空回りしてダメダメだから、ドだってやっぱり面倒になって出ていくんだろうな。やばい、そう考えたらまた泣けてきた。
「いや…、それに関してはまあ…、私も悪かったが、だからと言ってここまで信じないのもヒドクない?? さすがの私も少し泣くぞ」
「泣かねえだろ、クソ砂は」
「今までも私、けっこう色々と泣いてた気がするけど、ロナ君は全然見てなかったのかね」
「知らねえ。自分でバカやって自業自得で泣いてるのしか知らねえ」
「それもそうだけどッ!」
またドの溜め息が聞こえてきて、思わずビクッと震えた。どうせ俺なんて何やっても空回りしてダメダメだから、ドだってやっぱり面倒になって出ていくんだろうな。やばい、そう考えたらまた泣けてきた。
「なんだよ、妄想暴走って!?」
「私が出ていくと勝手に思い込んで、自分の体つねってた上に、無理やりパトロールまで増やしてたのを他になんて言うんだ」
「う"ぅ"~…、だってお前、いきなり転がり込んできたから、そのうちまたいきなり居なくなるんだろうなって…」
妄想も暴走も否定できなくて、悔しいからジョのお腹に顔をうずめて泣きながら言い返したら、溜め息を吐かれた。止めろ、もっと泣いちゃうだろ。
「何回居なくならないって言ったら信じるんだ、きみは」
「お前、嘘ばっかり言うから全部信用できねえ…」
「ヌヌーヌヌヌ…(自業自得…)」
「なんだよ、妄想暴走って!?」
「私が出ていくと勝手に思い込んで、自分の体つねってた上に、無理やりパトロールまで増やしてたのを他になんて言うんだ」
「う"ぅ"~…、だってお前、いきなり転がり込んできたから、そのうちまたいきなり居なくなるんだろうなって…」
妄想も暴走も否定できなくて、悔しいからジョのお腹に顔をうずめて泣きながら言い返したら、溜め息を吐かれた。止めろ、もっと泣いちゃうだろ。
「何回居なくならないって言ったら信じるんだ、きみは」
「お前、嘘ばっかり言うから全部信用できねえ…」
「ヌヌーヌヌヌ…(自業自得…)」
「まだ新しい痕もあるから、とりあえず冷やすぞ。それと明日からはパトロールも事務所も少し休んでよね」
「は? なんでだよ」
「さっき痛いって言ってただろうが! しかも最近は朝まで無理やりパトロールしてたって白状もしただろ! マスターには私から言っておくから休め! ほら、ジョだって心配してるだろ!」
「ぅっ…、ジョ、ごめんな~!」
ドを避けてたから、ジョのことも一緒に避けてたせいで、なんだかジョを抱っこするのも久しぶりな気がする。その温かさにホッとして、少し泣けてきた。
「まだ新しい痕もあるから、とりあえず冷やすぞ。それと明日からはパトロールも事務所も少し休んでよね」
「は? なんでだよ」
「さっき痛いって言ってただろうが! しかも最近は朝まで無理やりパトロールしてたって白状もしただろ! マスターには私から言っておくから休め! ほら、ジョだって心配してるだろ!」
「ぅっ…、ジョ、ごめんな~!」
ドを避けてたから、ジョのことも一緒に避けてたせいで、なんだかジョを抱っこするのも久しぶりな気がする。その温かさにホッとして、少し泣けてきた。
砂の中から指差す手を殴って砂に戻し、ちょっと考えてみる。
「俺、そんなぶつけてたか?」
「私の棺にもよくぶつけてるし、半くんが仕掛けたセロリ罠で大暴れしてぶつけまくってるだろ」
「それか…」
確かにそれは心当たりしかない。
「その時の痕と、前に見た腕の痕が少し違ったから、気になってちょっと調べてみたんだ」
そういえば、前に腕のつねった痕がバレた時があったな。その時に心配かけたから化粧買って隠すようにしてたが、まさかあの時からもうバレていたとは。
「あの時はどうせトイレの我慢とか、くだらないことで つねったんだろって思ってたけど、まさかずっと つねってたなんて思わんわ…」
砂の中から指差す手を殴って砂に戻し、ちょっと考えてみる。
「俺、そんなぶつけてたか?」
「私の棺にもよくぶつけてるし、半くんが仕掛けたセロリ罠で大暴れしてぶつけまくってるだろ」
「それか…」
確かにそれは心当たりしかない。
「その時の痕と、前に見た腕の痕が少し違ったから、気になってちょっと調べてみたんだ」
そういえば、前に腕のつねった痕がバレた時があったな。その時に心配かけたから化粧買って隠すようにしてたが、まさかあの時からもうバレていたとは。
「あの時はどうせトイレの我慢とか、くだらないことで つねったんだろって思ってたけど、まさかずっと つねってたなんて思わんわ…」
「ひえっ、痣が合体して打撲みたいな痕になってる…」
また砂になったドに呆れて、ふと気になってたことを聞いた。
「そういやお前、さっき打撲と痕が違うって言ってたけど、なんで知ってんだ? お前しぬから痕とか残らねえじゃん」
「きみのせいだよッ」
「俺?」
驚いて自分を指差すが、全く心当たりがない。
「きみ、退治の時はともかく、プライベートだとけっこうポンコツだろ。よくそこら辺に足ぶつけたりして痣作ってたでしょうが」
「ひえっ、痣が合体して打撲みたいな痕になってる…」
また砂になったドに呆れて、ふと気になってたことを聞いた。
「そういやお前、さっき打撲と痕が違うって言ってたけど、なんで知ってんだ? お前しぬから痕とか残らねえじゃん」
「きみのせいだよッ」
「俺?」
驚いて自分を指差すが、全く心当たりがない。
「きみ、退治の時はともかく、プライベートだとけっこうポンコツだろ。よくそこら辺に足ぶつけたりして痣作ってたでしょうが」
「別に、怖いならこのままでも…」
「何言ってルドくん!? このまま放置とか余計ムリに決まってるでしょ! もうつねったとこ全部出して!!」
震える砂から手だけ復活させて、ビシッと指さされる。少し迷ったけど、最近はずっと痛くなってきてたから、仕方ないかと諦めてズボンを脱いだ。
「いや、なんで脱ぐんだ。本当にどこまでつねって…?」
「太ももと、ふくらはぎも少し。あんま見てないけど結構痛くなってきて走りづらくなってきたから」
「はあーーッ!? ゴリラが走りづらくなるほどつねってたの!? こわいこわい!!」
「別に、怖いならこのままでも…」
「何言ってルドくん!? このまま放置とか余計ムリに決まってるでしょ! もうつねったとこ全部出して!!」
震える砂から手だけ復活させて、ビシッと指さされる。少し迷ったけど、最近はずっと痛くなってきてたから、仕方ないかと諦めてズボンを脱いだ。
「いや、なんで脱ぐんだ。本当にどこまでつねって…?」
「太ももと、ふくらはぎも少し。あんま見てないけど結構痛くなってきて走りづらくなってきたから」
「はあーーッ!? ゴリラが走りづらくなるほどつねってたの!? こわいこわい!!」
「お前、なんでそんな化粧に詳しいの?」
「これも紳士の嗜みの一つだろうが。女性の化粧は大変なんだぞ。知らないと無礼どころか、呆れられて溜め息吐かれるぞ」
「え、そんなに…?」
「まあ、童貞ルドくんには縁のない話…、て、ギャーーーッ!! なにこの腕!? 痣だらけ過ぎない!?」
会話しながらティッシュでクリームを拭き取ったドが、痣だらけの腕を見てしんだ。
「だから、ずっとつねってたって…」
「限度ってものがあるだろ!! まさか逆の腕もこうだとか言わないよね!?」
「いや、腕じゃなくて足…」
「お前、なんでそんな化粧に詳しいの?」
「これも紳士の嗜みの一つだろうが。女性の化粧は大変なんだぞ。知らないと無礼どころか、呆れられて溜め息吐かれるぞ」
「え、そんなに…?」
「まあ、童貞ルドくんには縁のない話…、て、ギャーーーッ!! なにこの腕!? 痣だらけ過ぎない!?」
会話しながらティッシュでクリームを拭き取ったドが、痣だらけの腕を見てしんだ。
「だから、ずっとつねってたって…」
「限度ってものがあるだろ!! まさか逆の腕もこうだとか言わないよね!?」
「いや、腕じゃなくて足…」