その言葉通り、五から見ても伊には特に問題はなさそうだった。
「ふーん……」
「あの、ご心配頂かなくても大丈夫ですよ?」
「は?誰が。心配なんてしてねーよ、何言ってんの」
「え、あっ、失礼しました……!!」伊が顔を赤くした。「はい、明後日の送迎も予定どおりできますので……」
伊はばつが悪そうに頭をかいて、気まずそうに笑っていた。そんな伊を見て、大丈夫そうだと五は確信する。
(心配はしていない、そんなやわなやつじゃないことも知っている……けど、気になるんだよな、ムカつくけど)
と五はままならない胸の内にため息をついた。
その言葉通り、五から見ても伊には特に問題はなさそうだった。
「ふーん……」
「あの、ご心配頂かなくても大丈夫ですよ?」
「は?誰が。心配なんてしてねーよ、何言ってんの」
「え、あっ、失礼しました……!!」伊が顔を赤くした。「はい、明後日の送迎も予定どおりできますので……」
伊はばつが悪そうに頭をかいて、気まずそうに笑っていた。そんな伊を見て、大丈夫そうだと五は確信する。
(心配はしていない、そんなやわなやつじゃないことも知っている……けど、気になるんだよな、ムカつくけど)
と五はままならない胸の内にため息をついた。
「何故って?任務終わったから。お土産にバームクーヘンをあげようと思って」
「は、はぁ」
「言っておくけど、オマエの分はないから」
「あっ、はい、別に私は……」
いらないですと言おうとした伊に「あ?僕の土産はいらないっての?」と五は眉を動かす。
「違います!いらないというより、皆さんでーー特に虎.杖くんや京都校の皆さんで食べていただければ……」
予想していた反応に五は、ふん、と鼻をならした。アイマスクを外し、直に伊を見た。
「オマエ怪我は?」
「いえ、私は。
「何故って?任務終わったから。お土産にバームクーヘンをあげようと思って」
「は、はぁ」
「言っておくけど、オマエの分はないから」
「あっ、はい、別に私は……」
いらないですと言おうとした伊に「あ?僕の土産はいらないっての?」と五は眉を動かす。
「違います!いらないというより、皆さんでーー特に虎.杖くんや京都校の皆さんで食べていただければ……」
予想していた反応に五は、ふん、と鼻をならした。アイマスクを外し、直に伊を見た。
「オマエ怪我は?」
「いえ、私は。
「いえ、ですが、私にはここで送り出すしかできないですから……」
「オマエは誰を送り出してんだよ……僕のときくらい、気抜いて待っとけ」
「えぇ……?なんですか、それ?」
「いいから、ご武運をとかじゃなくて、いってらっしゃい、くらいでいいの」
「は、はい?ええと、では、いってらっしゃい……です」
訳がわからなそうな伊に、五はうん、と言って帳の中に戻っていったのだった。
「いえ、ですが、私にはここで送り出すしかできないですから……」
「オマエは誰を送り出してんだよ……僕のときくらい、気抜いて待っとけ」
「えぇ……?なんですか、それ?」
「いいから、ご武運をとかじゃなくて、いってらっしゃい、くらいでいいの」
「は、はい?ええと、では、いってらっしゃい……です」
訳がわからなそうな伊に、五はうん、と言って帳の中に戻っていったのだった。