ピンと喜ばしいことを思い出した。そういえば空蝉の分のチケットは格安なので席選択は発券時のはずだ。ここで塩屋に気を遣ったフリをして席を離せばいい。良かった、気兼ねなく仕事できる、と思ったのも束の間、そう上手くはいかなかった。
「隣で良くない?」
彼には察しろというのは無理な話だ。
「ですが、塩屋さんも私が隣にいると落ち着かないでしょうし」
「?なんで?空蝉なのに?」
そうだった。このクマさんは知らない人が苦手なのだ。少し考えればわかる話ではあるが、こちらが察してしまったらもう断ることはできない。
ピンと喜ばしいことを思い出した。そういえば空蝉の分のチケットは格安なので席選択は発券時のはずだ。ここで塩屋に気を遣ったフリをして席を離せばいい。良かった、気兼ねなく仕事できる、と思ったのも束の間、そう上手くはいかなかった。
「隣で良くない?」
彼には察しろというのは無理な話だ。
「ですが、塩屋さんも私が隣にいると落ち着かないでしょうし」
「?なんで?空蝉なのに?」
そうだった。このクマさんは知らない人が苦手なのだ。少し考えればわかる話ではあるが、こちらが察してしまったらもう断ることはできない。