しっかりと目を見てそう言う母。武と同じうっすらとした揺れる波色。双子なのにどこも似ていない自分たち。それでも武の瞳の色は確実に母親の瞳を受け継いでいた。万はふと、そう思った…
「あたりまえだろ!武みちは絶対に俺が守るよ」そう言って母の手を力強く掴んだマ。
この後、この〝第二性〟に双子の仲が引き裂かれる事になろうとは……今の万次/郎と武/道には知る由もなかったのだったーー
(一章おわり)
二章▶︎Ωと初ヒート編
しっかりと目を見てそう言う母。武と同じうっすらとした揺れる波色。双子なのにどこも似ていない自分たち。それでも武の瞳の色は確実に母親の瞳を受け継いでいた。万はふと、そう思った…
「あたりまえだろ!武みちは絶対に俺が守るよ」そう言って母の手を力強く掴んだマ。
この後、この〝第二性〟に双子の仲が引き裂かれる事になろうとは……今の万次/郎と武/道には知る由もなかったのだったーー
(一章おわり)
二章▶︎Ωと初ヒート編
「おかえり二人とも、どうしたの?そんなに慌てて」
「これ見て!俺と武/道αとΩだったんだ!」
武の持つ紙を取り上げて二つ並べて母に掲げる。それをじっと見つめた母親は次の瞬間に表情を歪ませた。
「な…んで、たけみ…ち」
信じられない。なぜ武なの、そうブツブツと言葉を吐く。聡い武には母の感情がすぐに読み取れた。が、マは何故かずっとはしゃいだように喜んでまるで子供みたいだった。
「万次/郎!」そう真剣な顔で兄を呼んだ母
「武/道を……〝弟〟を守ってあげて。武みちにはこれから人生で何度も悲しい思いをしたり苦労する事がたくさん起こる…だからその時はお兄ちゃんの万じ郎が
「おかえり二人とも、どうしたの?そんなに慌てて」
「これ見て!俺と武/道αとΩだったんだ!」
武の持つ紙を取り上げて二つ並べて母に掲げる。それをじっと見つめた母親は次の瞬間に表情を歪ませた。
「な…んで、たけみ…ち」
信じられない。なぜ武なの、そうブツブツと言葉を吐く。聡い武には母の感情がすぐに読み取れた。が、マは何故かずっとはしゃいだように喜んでまるで子供みたいだった。
「万次/郎!」そう真剣な顔で兄を呼んだ母
「武/道を……〝弟〟を守ってあげて。武みちにはこれから人生で何度も悲しい思いをしたり苦労する事がたくさん起こる…だからその時はお兄ちゃんの万じ郎が
「いやだよ…俺万次/郎みたいなすごい結果じゃないもん」
「? βだったの?別に普通じゃん」
「……」
「? βじゃねぇの?」
「……」
「もしかして…Ω…だったの…?」
「……っ」
嘘がつけない武。黙っていても双子のマにはその些細な表情の変化を見れば全てお見通しだ。武がΩだと確信したマ、動揺や嫌悪感を向けられると思った武は怯えたように俯いた。それなのにーー
「最高じゃん!!俺たち〝α〟と〝Ω〟なんじゃん!」
武の両肩を強く握って目を輝かせるマ。「え?」と見上げればそのまま手を引っ張られ走り出した。
「いやだよ…俺万次/郎みたいなすごい結果じゃないもん」
「? βだったの?別に普通じゃん」
「……」
「? βじゃねぇの?」
「……」
「もしかして…Ω…だったの…?」
「……っ」
嘘がつけない武。黙っていても双子のマにはその些細な表情の変化を見れば全てお見通しだ。武がΩだと確信したマ、動揺や嫌悪感を向けられると思った武は怯えたように俯いた。それなのにーー
「最高じゃん!!俺たち〝α〟と〝Ω〟なんじゃん!」
武の両肩を強く握って目を輝かせるマ。「え?」と見上げればそのまま手を引っ張られ走り出した。
「ま、まんじろっ…おれ」
「もしかして武も〝α〟だったのか⁉︎」
「へ…?ある、ふぁ…?」
こっちを向いたマの手にある書類。そこに見えるαという文字。
…え、万次/郎がα?
あり得ない。いいや逆だ。だからなんだ。αだからマはこんなにも魅力的で何でも出来て人から愛される人間なんだ…俺はΩだから、劣等性だから…だからマと全然違うんだ。しっくりときた。ずっと悩んでいた、双子なのになんでこうも違うんだと。簡単な事だ。マは神様に選ばれた特別な人間なんだ。そして自分は逆に神様に嫌われた人間なんだと武はそう思った。
「なんで隠すんだよ」
武は検査結果の書類を後ろに隠しながら苦笑いする
「ま、まんじろっ…おれ」
「もしかして武も〝α〟だったのか⁉︎」
「へ…?ある、ふぁ…?」
こっちを向いたマの手にある書類。そこに見えるαという文字。
…え、万次/郎がα?
あり得ない。いいや逆だ。だからなんだ。αだからマはこんなにも魅力的で何でも出来て人から愛される人間なんだ…俺はΩだから、劣等性だから…だからマと全然違うんだ。しっくりときた。ずっと悩んでいた、双子なのになんでこうも違うんだと。簡単な事だ。マは神様に選ばれた特別な人間なんだ。そして自分は逆に神様に嫌われた人間なんだと武はそう思った。
「なんで隠すんだよ」
武は検査結果の書類を後ろに隠しながら苦笑いする
中学二年になるとバース検査が義務付けられていた。オメガバースは遺伝性が強い。花垣の血筋には「α」はいなかった。だから自分たちもきっとベータなんだろうと思っていた。……が─︎─︎
「……え、、なん、で……?」
武は自分の結果を見て目を疑った。その書類には「Ω」とはっきり書かれていたからだ。
中学二年になるとバース検査が義務付けられていた。オメガバースは遺伝性が強い。花垣の血筋には「α」はいなかった。だから自分たちもきっとベータなんだろうと思っていた。……が─︎─︎
「……え、、なん、で……?」
武は自分の結果を見て目を疑った。その書類には「Ω」とはっきり書かれていたからだ。
「武/道はあぶねーから集会にきちゃダメ」
「なんでさ万/次郎!俺だって立派な不良だよ!」
「俺がダメって言ったらダメなんだよ。かーちゃん心配すんだから今日も留守番な。喧嘩終わったら帰ってくっから布団で待ってて」
真っ黒の特攻服に身を包み颯爽と部屋を出ていくマの背中はかっこよく双子なのに自分とは違う雰囲気を持った兄に惹かれるのだった
「武/道はあぶねーから集会にきちゃダメ」
「なんでさ万/次郎!俺だって立派な不良だよ!」
「俺がダメって言ったらダメなんだよ。かーちゃん心配すんだから今日も留守番な。喧嘩終わったら帰ってくっから布団で待ってて」
真っ黒の特攻服に身を包み颯爽と部屋を出ていくマの背中はかっこよく双子なのに自分とは違う雰囲気を持った兄に惹かれるのだった
「オマエが寂しくなんねーように毎日ちょっとでも会いに来るから!オマエをいじめる奴がいたら海まで潜って蹴り飛ばしてやるし花だってもっといっぱい持ってきてやるよ!だから…泣くな」
ぽろぽろと涙が出てしまったのは寂しいからじゃない。自分を必死に励まそうと声をかけてくれたマイの優しさが嬉しかったからだ。
「ありがとう……マイ/キー君…!」
履き物が濡れるのも気にせず武のいる海に入って手を取るマイに『ありがとう』と何度も感謝の言葉をおくった武
「オマエが寂しくなんねーように毎日ちょっとでも会いに来るから!オマエをいじめる奴がいたら海まで潜って蹴り飛ばしてやるし花だってもっといっぱい持ってきてやるよ!だから…泣くな」
ぽろぽろと涙が出てしまったのは寂しいからじゃない。自分を必死に励まそうと声をかけてくれたマイの優しさが嬉しかったからだ。
「ありがとう……マイ/キー君…!」
履き物が濡れるのも気にせず武のいる海に入って手を取るマイに『ありがとう』と何度も感謝の言葉をおくった武
人から愛されるマには大切な家族、親しい友人、したってくれる村の人たち。人に囲まれ何不自由なく生きてきた。でも武は仲間から見捨てられたった一人で生きていた。だからマの今日からダチだって言葉は特別で涙が出るほどに嬉しかったのだった。
だから毎日このほとりに来てマイを待っている。いつ来るかな、まだ来ないかな。日が落ちて星がキラキラと空を覆ってもそれを見上げながらなおもマイを待っていた。下手くそな唄を口ずさんでも魚の一匹だって寄ってきてはくれないのにそれはまるで人魚の本能みたいに、無意識に奏でた己の音でまた落ち込んでいる。
人から愛されるマには大切な家族、親しい友人、したってくれる村の人たち。人に囲まれ何不自由なく生きてきた。でも武は仲間から見捨てられたった一人で生きていた。だからマの今日からダチだって言葉は特別で涙が出るほどに嬉しかったのだった。
だから毎日このほとりに来てマイを待っている。いつ来るかな、まだ来ないかな。日が落ちて星がキラキラと空を覆ってもそれを見上げながらなおもマイを待っていた。下手くそな唄を口ずさんでも魚の一匹だって寄ってきてはくれないのにそれはまるで人魚の本能みたいに、無意識に奏でた己の音でまた落ち込んでいる。
「そんな事は…自由できれいで。海の生き物もみんな優しくしてくれるし深海も不思議な生き物が沢山いますよ」
楽しそうじゃん!と答えるマに眉を下げる武
「…でも🎋ちは楽しくねーの?」
「…オレ…〝はみ出しもの〟なんです。本来ならどの人魚も持ってる唄のスキルがてんでダメで」
「…唄?」
「ふふ、〝人魚の唄〟を聞いた船人は海に引き摺り込まれるって聞いた事ないですか?あれは人魚の狩りで人魚は生まれつき皆唄が上手いんです」
武は生まれながらに酷い音痴で一族からは煙たがられていた。友人と呼べる仲間はおらず自分よりもずっと地位の低い魚やイルカたちだけが武の相手をしてくれていた。
「そんな事は…自由できれいで。海の生き物もみんな優しくしてくれるし深海も不思議な生き物が沢山いますよ」
楽しそうじゃん!と答えるマに眉を下げる武
「…でも🎋ちは楽しくねーの?」
「…オレ…〝はみ出しもの〟なんです。本来ならどの人魚も持ってる唄のスキルがてんでダメで」
「…唄?」
「ふふ、〝人魚の唄〟を聞いた船人は海に引き摺り込まれるって聞いた事ないですか?あれは人魚の狩りで人魚は生まれつき皆唄が上手いんです」
武は生まれながらに酷い音痴で一族からは煙たがられていた。友人と呼べる仲間はおらず自分よりもずっと地位の低い魚やイルカたちだけが武の相手をしてくれていた。
「あ、🌾君!こんにちは」
「今日もいんじゃん。ほらこの間言ってたの持ってきたよ!」
「わぁ!これが〝花〟ですか?すごくキレイっすね」
「オレにはよく分かんねーけどエマ…妹に聞いて摘んで来たんだよ。他にもいっぱい、そこら中に咲いてるよ」
陸に一度も武の為にマは海にはない自然や生き物を持っていって見せてあげていた。マの持ってくるものは取り留めのないものでも武にとっては初めて見るものばかりで青い目をキラキラと輝かせながらそれを見たり触ったりしていた。嬉しそうな表情を見るとマも幸せな気持ちになった。
「…いいなぁオレも🌾君と花を見にいきたいです」
少しだけ悲しそうな顔をする武にマは聞く
「あ、🌾君!こんにちは」
「今日もいんじゃん。ほらこの間言ってたの持ってきたよ!」
「わぁ!これが〝花〟ですか?すごくキレイっすね」
「オレにはよく分かんねーけどエマ…妹に聞いて摘んで来たんだよ。他にもいっぱい、そこら中に咲いてるよ」
陸に一度も武の為にマは海にはない自然や生き物を持っていって見せてあげていた。マの持ってくるものは取り留めのないものでも武にとっては初めて見るものばかりで青い目をキラキラと輝かせながらそれを見たり触ったりしていた。嬉しそうな表情を見るとマも幸せな気持ちになった。
「…いいなぁオレも🌾君と花を見にいきたいです」
少しだけ悲しそうな顔をする武にマは聞く
辛そうな顔をして言う人魚に唖然とした。自分がずっと聞かされていた人魚の話とは随分と印象が違ったからだ。同時に決めつけて酷い事を言った自分に幻滅するマ「本当にごめん」と謝った後にもう一度人魚に聞いた。
「オマエ名前は?」
「え、と…タケ/ミチです」
「そっか!……🎋っち!」
「え?タケミ…」
「そう!🎋っち!今日から俺のダチ!な」
村の端の端っこ。誰も近寄らない海のほとりで人間のマイと人魚のタケは誰も知られない『友達』になったのだったーー
出会い編【完】
次回▶︎逢引き編
辛そうな顔をして言う人魚に唖然とした。自分がずっと聞かされていた人魚の話とは随分と印象が違ったからだ。同時に決めつけて酷い事を言った自分に幻滅するマ「本当にごめん」と謝った後にもう一度人魚に聞いた。
「オマエ名前は?」
「え、と…タケ/ミチです」
「そっか!……🎋っち!」
「え?タケミ…」
「そう!🎋っち!今日から俺のダチ!な」
村の端の端っこ。誰も近寄らない海のほとりで人間のマイと人魚のタケは誰も知られない『友達』になったのだったーー
出会い編【完】
次回▶︎逢引き編
「…じゃぁ、おまえ本当に…」
「うっぐ…!」
苦しい顔をする人魚にハッとなり掴んでいた尾びれを離した。真っ赤になった尾びれが弱々しく傾く。
「あ、ごめっ…」
「ううん、大丈夫です!あなたが無事でよかったです!村の漁師さんの事…お気の毒だと思います。今あの辺りの海は荒れていて小さな船で沖に出るのは危険です」
確かに静かに見えていた海は実際は泳げれないくらいに荒れていた。こいつが助けてくれなかったら自分もきっと生きてはいなかった。
「…じゃぁ、おまえ本当に…」
「うっぐ…!」
苦しい顔をする人魚にハッとなり掴んでいた尾びれを離した。真っ赤になった尾びれが弱々しく傾く。
「あ、ごめっ…」
「ううん、大丈夫です!あなたが無事でよかったです!村の漁師さんの事…お気の毒だと思います。今あの辺りの海は荒れていて小さな船で沖に出るのは危険です」
確かに静かに見えていた海は実際は泳げれないくらいに荒れていた。こいつが助けてくれなかったら自分もきっと生きてはいなかった。
「〝人魚〟は足が速ぇ残酷な生きモンだってじぃちゃんが言ってた」
人魚の言い伝えは諸説あるが一般的に好奇心が強く愛情深い。キレイな歌声で意中の人間を引き寄せて細く鋭い牙で首元に齧り付き海の底まで引っ張って自分のものにしてしまう。美しい見た目とは反して凶暴で残酷なんだと教え込まれていた。
「てめぇは『男型』の人魚なんだろ。狙いはエマか!」
「ち、違います!そんな人知らなっ」
「うるせぇ!嘘つくな。オレの大事なモン傷つけやがって…タダで許すと思うなよ」
ヒレをぎちっと握って陸へ引っ張り上げようとした。
「違います!俺は海であなたが溺れてるのを見て浜に連れてきただけです!」
「〝人魚〟は足が速ぇ残酷な生きモンだってじぃちゃんが言ってた」
人魚の言い伝えは諸説あるが一般的に好奇心が強く愛情深い。キレイな歌声で意中の人間を引き寄せて細く鋭い牙で首元に齧り付き海の底まで引っ張って自分のものにしてしまう。美しい見た目とは反して凶暴で残酷なんだと教え込まれていた。
「てめぇは『男型』の人魚なんだろ。狙いはエマか!」
「ち、違います!そんな人知らなっ」
「うるせぇ!嘘つくな。オレの大事なモン傷つけやがって…タダで許すと思うなよ」
ヒレをぎちっと握って陸へ引っ張り上げようとした。
「違います!俺は海であなたが溺れてるのを見て浜に連れてきただけです!」
いや…人…なのだろうか…?よくよく見ればその生き物は腰から下が半分魚のような形になっている事に気付いた。グッと目を開いて声を上げずに驚く。と自分の顔を真っ直ぐに見た生き物が口を開く。
「よかった…無事で…」
「は…誰だおまえ。そのヒレ…〝人魚〟か」
「あっ…すみません、びっくりしますよね。俺まだ人間型になれなくて…」
「てめぇか…」
「え」
「てめーがエマを…村の漁師たちを喰った魔物か」
「えっ、なに?!」
「どうやってしにてぇ?」
ぎろりと目の前の生き物を睨みつけるマ、慌てて誤解だと言い返すが
いや…人…なのだろうか…?よくよく見ればその生き物は腰から下が半分魚のような形になっている事に気付いた。グッと目を開いて声を上げずに驚く。と自分の顔を真っ直ぐに見た生き物が口を開く。
「よかった…無事で…」
「は…誰だおまえ。そのヒレ…〝人魚〟か」
「あっ…すみません、びっくりしますよね。俺まだ人間型になれなくて…」
「てめぇか…」
「え」
「てめーがエマを…村の漁師たちを喰った魔物か」
「えっ、なに?!」
「どうやってしにてぇ?」
ぎろりと目の前の生き物を睨みつけるマ、慌てて誤解だと言い返すが
ガシッと何かに手を握られたような感覚がしたのだった。
だれ、だーー? ヒラヒラ…して……?
大きなヒレ、キラキラ光る鱗。一瞬覗き込んできた瞳は青くて大きな、まるで海の色をした宝石のような景色だった。そのまま身体の浮遊感を感じながら意識はどんどんと遠のいていくーー
『……きて』
『おき……て』
「しなないでください!」
ガシッと何かに手を握られたような感覚がしたのだった。
だれ、だーー? ヒラヒラ…して……?
大きなヒレ、キラキラ光る鱗。一瞬覗き込んできた瞳は青くて大きな、まるで海の色をした宝石のような景色だった。そのまま身体の浮遊感を感じながら意識はどんどんと遠のいていくーー
『……きて』
『おき……て』
「しなないでください!」
「マイ/キー!!」
叫んだのは今しがた生贄に捧げたはずのエマだった。
海へ飛び込んだのは妹の身代わりになったマ最愛の妹が生贄になる事が許せなかったマはその根本である存在するかも分からない『魔物』とやらをぶっ飛ばしてやろうと髪色や背丈があまり変わらないのをいいことに家族にすら何も言わずに勝手な行動を取ったのだった。
海の中はまるで渦が巻いているように荒れていた。マが考えていたような魔物や未知の生物が海の中に潜んでいる様子はなかった。
自分は犬死にする為に妹の身代わりになったんじゃない。
「マイ/キー!!」
叫んだのは今しがた生贄に捧げたはずのエマだった。
海へ飛び込んだのは妹の身代わりになったマ最愛の妹が生贄になる事が許せなかったマはその根本である存在するかも分からない『魔物』とやらをぶっ飛ばしてやろうと髪色や背丈があまり変わらないのをいいことに家族にすら何も言わずに勝手な行動を取ったのだった。
海の中はまるで渦が巻いているように荒れていた。マが考えていたような魔物や未知の生物が海の中に潜んでいる様子はなかった。
自分は犬死にする為に妹の身代わりになったんじゃない。