兄と兄嫁が事故で亡くなり、下は奉公に出してて実質自分が継がなくちゃいけなくなり、でも兄夫婦に息子居てそいつに継がせるために必死で店を切り盛りして周囲からの信頼も得て、甥だけど息子として育てて
ってしてsmのところに
偶然ibkが店の荷台手伝いをしてくれてたところに遭遇
お互い顔みて、7年の空白が吹っ飛ぶ
走って逃げるsmを追いかけるibk
「別れたのは、俺のせいだったか？」
振り返ったsmは驚きより悲愴な顔をしていた
ibkが悪いんじゃない
怖くなって逃げたのは、俺だった

知っていても口を閉じて、見えていても目を閉じて、聞こえていても耳を塞ぐ。
世界は、知らないことの方が多いけど。

「おはようございまーす。」
世界は毎日、同じじゃない。
「おはようございます。」
「おはよー九ちゃん。」
今日も毛並みイーね。
「はよ。朝から元気すぎんだろ。」
「あよー志摩。」
今日もシュッとしててカッコイイね。

「志摩くん…」
それはどこか、熱に浮かされているような、声だった。
至近距離で見ると、顔の造形どうした？と言いたくなるぐらい整っているのがわかる。
うわ、こいつ瞳孔開いてやがる。
退路が絶たれる前にどうにかしなければならないのに、指一つ動かせない。
蛇に睨まれた蛙かよ。
（あーあ。）
どこか他人事のように諦めているのに、どこかそれに満足している自分が居る。
指は動かせないのに、首は右に傾いた。
その空いたスペースに、ハマるのがわかる。
「ん。」
最後の一歩は伊吹が縮めた。
「いーの…？」
ゼロ距離で聞くことじゃねぇな。
「いーよ。」
動くようになった腕を持ち上げて、ぽんと背中を撫でる。

すごいヤツと知り合った。
捜一の刑事、で俺とタメ！
いつも全身暗めの服で、制服の俺等とは全然違うフインキ。
ちょっと話しただけで、頭いいやつなのがわかった。すごくね？
先輩らとも対等？に話しててすげーって見てた。
「伊吹くんさ、」
「わ！え！？」
「いやこっちが驚いたんだけど…」
「ごめん！」
「いいけど、何見てたの？」
「え…と、」
「うん？」
上手く言えないのはいつものこと。
勘だって言ったら、先輩らみたく呆れられるかな…
でも、聞いてもらえるの、なんか、嬉しい。
「あっち、気になってて、」
「何かある？」
「わかんない、けど、危なそう…だから？」
「…ちょっと見に行こうか。」
「俺も！」