こりずにわるい食べもの/千早茜🥟🥟🥟"水餃子を作る行為を「兵馬俑」と呼んでいる。「兵馬俑」は原稿を書きあげて疲労困憊のときにおこなわれることが多かった。"🥟🥟🥟久しぶりに投稿をする。つい最近までパニック障害が悪化し、軽度のうつと診断されて、「あーあ」となっていた時に救われたのが料理と言葉だった。軽度のうつとは言えど、風呂に入るのは至難の業で入った日はカレンダーにシールを貼り、風呂に入れた日がいつだったか眺められるようしないといつ入ったか覚えていないレベルで、風呂に入ることは難易度が高かった。生活も昼夜逆転していたし、読書することも難しく、少し読めたとしても読破したものは最近はない。その代わりに映像作品をよく見ていた。そんな状態でも相変わらず食欲はあるし、食べることは大好きで、作ることも好きで、体調が良ければ風呂に入り、スーパーに行き買い物をし、料理を作り、食べた。これはその時の中でも120点満点をあげたいぐらい、調子がいい時。🥟🥟🥟そんな状態の時に見たのが、NHKで主に祝日の際に放送している、「平野レミの早わざレシピ！」で紹介された「サマーギョーザ」こと「セロリ餃子」だった。検索すれば分かるのだが、餃子にセロリがぶっ刺さっている。いや、それは良い、良くないけど、それは一旦置いておく。作りやすい材料ということもあり、「作りたい！！」という衝動に駆られ、スーパーに行くために風呂に入り、スーパーに行き、少し休んでから餃子作りに取り掛かった。肉は少なめでセロリが多め。餡に粘り気が出るまで練って、家族がいるので少し多めに作る。私は餃子を包むのは苦手で、ひだをどれぐらい作ればいいのかも分からず、試行錯誤しながら包み進めて行った結果、ひだ３つが個人的に作りやすく包みやすいことが分かっていった。それが解明されると楽しくなって、あっという間に包み終わった。焼いて、お酒と共に熱々の餃子を食べる。セロリの爽やかさで全く胃もたれせず、パクパクと何個も食べてしまう。目の前にあるセロリ餃子(40個以上焼いたのに…)はもうほぼない。家族で食卓を囲んだとは言えど驚異のスピードでセロリ餃子は消えていった。怖かった、食欲を掻き立てるこのセロリ餃子が。家族に「望は包むのが上手いね」と褒められ、有頂天になって、餃子を包むことが大好きになり、2回、3回とハイペースで食卓にセロリ餃子が並んだ。そんな中で「脂質を抑えよう！」ということで、餃子の皮の枚数を減らして、油揚げを皮代わりに包んでみたら、これがまだ餃子の皮とは異なるジューシーさがあって、美味しくできた。つい先日も包んだ。でもその時は心身の調子が悪かったが故に、餡がはみでたり、ひだが均等でなかったりと、餃子が上手く今までのように包めなかった。まるで餃子を包む作業は心のバロメーターみたいだなと思って家族に言ったら、「そうだね」と笑われた。そして脳裏に過ぎる一冊の本がこの「こりずにわるい食べもの」の「包んで包んで兵馬俑」だった。本棚からごそごそと出し、そのエッセイを読んだ。あ、本読めるじゃん。とにかくこの餃子を包む(作る)作業というのが個人的に最近ヒットしていて、心を無にしつつも目の前には餃子(私の兵馬俑)が出来上がり、平野レミのレシピなのでもちろん美味しく出来上がり、いつの間にかは心は落ち着き、食べて満たされる。ちなみに餃子にセロリはぶっ刺さない。みなさんも一緒に兵馬俑作りませんか？🥟#こりずにわるい食べもの #千早茜 #餃子 #日記