上尾真道
ueom.bsky.social
上尾真道
@ueom.bsky.social
哲学・思想史・精神分析・精神医学史の研究。『ラカン 真理のパトス』、編著『発達障害の時代とラカン派精神分析』、共著『フーコー研究』、『トラウマを生きる』など。そのほか翻訳いろいろ。
図書新聞の最新3704号に、エリック・ローラン『生政治の裏面』(せりか書房、2025)の書評を寄せました。https://toshoshimbun.com/news_detail?article=1757482208493x917149234949259300

ローランは、パリのラカン派精神分析家組織『フロイトの大義』派を代表する論客で、本書では、1970年代以降のいわゆる後期(最晩期)ラカンの思索の読解と応用が試みられます。その頃の論述対象であったJ.ジョイスに倣い、フランス語の多義性と戯れる議論は、なかなか読解困難ですが、興味のある方は、ぜひ手に取って中身をご確認ください。
September 18, 2025 at 8:16 AM
書店に並んでいるかと思うので、改めてお知らせです。『耐え難いもの 監獄情報グループ資料集1』(人文書院)です。

哲学者M.フーコーのイニシアチヴで知られるポスト68年の運動、”監獄情報グループ”。彼らが刊行した5つの小冊子がまとめられています。『監獄の誕生』末尾に言われる「闘いのとどろきを聞かねばならない」とは、まさにこのこと!ぜひお手にとってお確かめください。
July 1, 2025 at 10:47 PM
フィリップ・サボ『フーコー『言葉と物』を読む』(明石書店)、ご恵投いただきました!あまりにも有名な『言葉と物』ですが、読むと難しい!この夏は、この本を手引きにもう一度、『言葉と物』を読み耽るのもいいかもなど考えています。
June 20, 2025 at 9:43 AM
訳者の阿部又一郎さんからお贈りいただきました。S.ティスロン&F.トルド『ヴァーチャルに治癒される人間』(誠信書房、2025)。

ティスロンと言えば、最近では、人間-ロボットの心理学的共生を検討した『ロボットに愛される日』も興味深い内容でしたが、今回は、ネットに常時接続する人間のメンタルヘルスを扱う「サイバー心理学」が展開される模様。症例も充実。

個人的には(ほとんどラッダイト的な鬱憤から)、情報テクノロジーと人間をめぐる現状をなんとか考えたい機運が高まっているところなので、ありがたくじっくり読ませてもらいます。
May 7, 2025 at 7:39 AM
訳者のおひとり舟木徹男さんからご恵投いただきました。『フランクル初期論集1923-1942』(ミネルヴァ書房)。強制収容所の体験記(邦題『夜と霧』)や、実存分析/ロゴセラピーという精神療法の中心人物として知られるV.フランクルが、高校生からおよそ20年のあいだに書いた文章が収録されています。

いわゆる戦間期のドイツやオーストリアは、共和制下の社会改良運動が精神衛生への関心と深く結びついていました。この若い精神科医の書き物は、そうした時代の一端を垣間見せてくれそうです。
April 4, 2025 at 3:20 AM
大橋洋一・三原芳秋編『文学理論の名著50』(平凡社)が刊行されました。20世紀はじめから現在まで、多様な方面にわたる重要テクストの解説が集められ、文学理論の現代史を紐解くようでもあります。私はラカン「『盗まれた手紙』のセミネール」の解説を寄せました。機会があれば、ご笑覧ください。
April 3, 2025 at 8:09 AM
中村徳仁『シェリング政治哲学研究序説』(人文書院)。ご恵贈多謝です。国家が資本家の道具と化し、近代デモクラシーがいまにも破綻しそうな昨今、ドイツ観念論を、当時そして今の政治的文脈のうちで再検討することは意義深いことと思います。なかでも、フィヒテやヘーゲルとはまた一味違った、シェリングの「反政治」哲学の可能性がいかなるものになるのか。拝読して勉強したいと思います。
March 21, 2025 at 4:19 AM
March 21, 2025 at 2:09 AM
論集『病跡学の現在』(金原出版)が近々、刊行される模様です。日本病跡学会の雑誌論文からいくつかを改めて書籍化したもので、私の10数年前の論文も掲載していただきました。いわゆる若書きのA.ヴェルフリ論で、拙さも気になりますが、それなりにユニークな議論だとも思えるので、この折に人目に触れる機会を与えられたことも良かったかなと思っています。
March 6, 2025 at 12:41 AM
ご恵投いただきました。栗田英彦編『一九六八年と宗教』。特に68年の日本の文脈で、「政治」と「霊性」の絡み合いを歴史的に描き出す研究論集。「現代思想」や「世界システム論」なども視野に入れられており、このテーマの更なる広がりも予感させます。

個人的にも、精神分析・思想史研究などやっていると、このテーマは確かに大いに気になるところです。フロイト選集を出した日本教文社と生長の家の件は有名。世界史的にも、”アジョルナメント”の観点からポスト近代思想を考えることの重要性がある気がします。
February 27, 2025 at 1:21 AM
ちなみに山森さんのご著書『フェリックス・ガタリの哲学』は、まさに解像度をあげるという表現が相応しい、緻密で丁寧な類まれなるガタリ研究です。ガタリに関心がある人はぜひ!

ところで私はこの表紙の写真が好きで、学生時代にはじめてガタリに関心をもった頃には(前にどこかで書きましたがきっかけは『クーロンズゲート』でした)、同じような街の電線写真を撮りまくったりしていたことを思い出します。
February 24, 2025 at 3:14 PM
February 13, 2025 at 12:57 PM
2月24日(月・祝)に大阪大学にて「ガタリカンファレンス2024」が開催されるとのこと。ZOOMあり。

もっぱらG.ドゥルーズとの共著で名が知られてきたガタリでしたが、数年来、彼を独立した思想家として評価する研究機運が高まっており、昨年は一挙に複数のガタリ研究書籍が出版されました。24日はそのうち3冊を対象とした合同合評会。ガタリの思想をさまざまな角度から照らしだす、またとない機会となりそうです。

私は山森さんのご著書『フェリックス・ガタリの哲学』にコメントする予定です。
February 11, 2025 at 10:45 PM
『思想』2025年2月号はフランツ・ファノン生誕100年特集。ファノンの未邦訳文献のほかに、A.ンベンベをはじめとした興味深い論考、討議が並び、今にも続く植民地状況の再検討に欠かせない一冊となるよう思えます。
私は、ファノンにおける精神医療と哲学の交差に関する小論を寄稿しました。J.ラカン、O.マノーニとの関わりにも触れています。
お見かけの際はぜひご一読を。
January 27, 2025 at 7:26 AM