山田シャイロックってやっぱ良くてぇ…… そして｢月に焦がれて｣をありがとう……

あとまほステってやっぱ安定感あるよね……もちろん当時より今の方が遥かにパワーアップしてるのは確かなんだけど、それでも常に芯は感じるというか土台がしっかりしているというかそういう印象 手堅さとも言えるかも 一点突破型じゃなく総合点で勝負してくる感じ

話は飛ぶが1章、加藤大悟のヒースクリフが可愛すぎて声出た いや、すごいるんるんで｢魔法と心｣歌ってたのは覚えてたし、常に愛嬌があるタイプのヒースだったけど、ここまでの可愛らしさはこの後あんま出てこない気がして新鮮さが……

あとまほやくって多分ずっとケアの倫理で言うところのケアの話をしている 傷だらけで壊れかけた世界を維持するためにひとつひとつ修復していく、文脈依存的で個別的な対処の繰り返し ここで問題となるのは全ての事柄に適用できるような絶対的で抽象的な理念に基づく正義のもと判別することじゃなくて、個々のニーズに目を向け、耳を傾けて調整していくような作業を続けること

それこそヴィンセントが｢大いなる厄災がもたらした被害の大きさに人々は絶望することになるだろう｣って言うけれど、死者や傷病者が何人も出るような深刻な状況におかれた人が必ずしも自己の安全・利益を追求するために他者と敵対しあうわけではなく、むしろ自分にできることを探して他者を救おうとし、そこに喜びを見出すことだって珍しくはないのだ、というのは｢暗闇のなかの希望｣にある通りだし、危機を他者への加害や排斥に利用しようとする政治家は狡猾にそれを進めるので注意しなきゃいけない……

あと原作の読解解釈を経ていることを感じさせるミュージカルならではの新鮮な作りでゾクゾク来てしまった 原作読んだことあるのに｢星の王子さまって、こんな話だったんだ！？知らなかった！！｣になるのが楽しくて仕方ない もちろん｢いや、私は原作をそうは読まなかったし読まないけど…｣ってとこもあったけど、その部分も｢いや、でも今回はそう読んでこう作ったのね、オッケー、なるほど…｣になるというか、作品として土台の安定感が感じられて良かったですね…… キラキラしてるのに骨太…すごくいい

スタンディングの話はこちら
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(続き)いや、舞台見たときに｢どうせ私は三好みたいなキャラが好きだよ………｣とは思ったけどなんかこう、似たテンションで別方向に好きというか…
しかしこれ、どう舞台にしたんですか！？！？という気分になる小説だね(観たのでは？)いや、どうアニメにしたんですか？？？とも思うけど…めちゃくちゃ小説が上手い 情報の削ぎ落とし方が良くて 私二次創作でもこういう外から語る形式中心の短編集みたいなのめちゃくちゃ好きなんだよな…

天気も悪そうだし諦めるか………晴れならカイロと防寒具で耐えるのもワンチャンあったけどあちこちビショビショなのはさすがにな…

それはそれとして全体にツッコミどころには溢れてたし、私向きでもないとは思う というか多分題材自体があんまり非キリスト教圏、というか、具体的にはキリスト教の実践に馴染みがない観客が多い地域に向いてないのを役者の魅力と疾走感込の圧でどうにか成り立たせてる作品…つか商売だな、の感じ 私自身がキリスト教に馴染みないのもあるけど、とはいえ馴染みある人ならもっと楽しめたかと言うとどうかな…演者も観客も基本キリスト教徒なのが前提、とかならともかくそういう風にやってないときにこれが安心して楽しめるものかは疑問が残る 内輪ネタで仲間内では楽しめても外から笑われて愉快かは別問題じゃん？的な…

ということで割と元々目当てだったのが横山さんのマークだったので(原曲聞いたら横山さんすぎたしレインボーに輝く十字架はまあどっちかといえば見たいでしょだったので)そこは楽しめて良かったです 醜聞Repriseでも思ったけれど、相変わらず歌い出しでハッとするような素敵な歌でしたね…… あと百名アブラハムだったんですが、お芝居が上手いんだな……とぐっと納得させられた感じがある なんかこう、全体のトーンからして期待していた精度をなんでもないことかのように軽く飛び越えてくる謎の良さがあり……

なんなら曲自体は英語版音源でそれなりに聞いてから行ったので内容は知ってたし、彼がゲイなのも分かってたんだけどさ……でもワイルドの言葉を引いて話すような子が歌ってるってことは知らなかったから…… もうなんかそんなんもはや、｢生きててよかったね…｣になっちゃうじゃん…… 彼が彼自身と皆に向けてプライドについて語るのは裁判所でも牢獄でもなくステージなんだよ……