憂理
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憂理
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君と私で月に帰る。言葉を散らして月光を摘み取る。詩の死骸を掻き集める。
今年も一年、ありがとうございました。来年も楽しく言葉を紡いでいけたらと思います。
皆さん良いお年をお迎えください。
December 31, 2025 at 11:48 AM
夜の街を裸足で駆け抜ける。流れ星の匂いが髪に絡む。君の名前を呟くたび、過去が砕ける。かわいい声でなく天使は鳥籠の中で幸せを掴んだ。甘いチョコレートを齧ると、小さな罪が血を流すから、もう留まることをゆるして。そういれば私はまだ恋を知らない。世界を呪いながら、君の影を踏みつけて踊る。
December 28, 2025 at 9:54 AM
誰かの代わりじゃない愛がほしい。古い手紙がぱらりと鳴り、蝶の影が僕の心を縫いとめる。世界は壊れやすく、僕はその端で小さく震える欠片みたいに沈黙している。もう誰もいない部屋で後片付けをしていると寂しい気分になる、顧みられない塵が光に煌めいて綺麗だった。そして、今も満たされなかった。
December 25, 2025 at 10:17 PM
言葉が泡となった先に、何度も私に寄りかかっていいよ。「私は真に朽ち果てるまで、あなたの味方だよ」愛玩と慈悲の間で揺れる価値なんて速やかに破り捨てよう。成功も失敗も何も与えられなかった子供は今どうしている?静かに微笑む体温は、なぜだか天使の形をしている。誰のものにもならないように。
December 22, 2025 at 1:54 PM
正当化するのは私が穏やかな平和主義だからだよ。夜に置いてきた子守唄がまだ胸を掻き乱すから、流行りの声をまとって平気なふりをした。あなたの残したやさしい痛みだけが規則的に息をするように沈殿して、聞こえないのに離れなくて困るんだよ。悶える孤独を緩和して。保護されない血肉を慈しんで。
December 19, 2025 at 10:38 PM
夜の底で蹲る名前は水音のように淡く震え、オフィーリアが花を手放した川辺の記憶をひとしずく映しこむ。あなたの声にゆっくり沈んでいく、面影を追いながら、触れれば逃げる気配を胸にしまう。浮かび上がる光を信じて、いつか水面のように澄んだ日々を夢見て。そう、本当は乾いた愛だった、始まりは。
December 17, 2025 at 6:31 AM
花の亡骸みたいに誰にも見せたくない気持ちが、今日も胸の奥でじりじり燃えてる。綺麗な瞬間を切り取って私がまだ終わってないことを教えてくれる。世界に置いていかれても、好きだと思ったものだけは掴んだまま、生きたい方向へ向かって歩いていく。この血は私で終わらせて。繋がらないほうがいい。
December 14, 2025 at 9:52 AM
お大事に、休んでね。普通の言葉があなたをなぞるたび世界が遠くなる。あなたが逃した星が瞬く。海と空のあいだで色だけが残ってる。名前を呼ぶことも忘れて、ただ息をしていた。静かな青の中で生きていた、過去も未来も見つめないようにして。儚い、という沈黙。あなたのための暗い饒舌が萎れていく。
December 11, 2025 at 9:58 AM
どうやって君に相談したらいいんだっけ。声が出ない、毎日。灰に沈む君の気配だけが甘い毒みたいに残って、逃げようとしても足がゆがむ。求めるほど歪んでいくのは私の方で、壊れた呼吸の隙間からその名ばかり零れ落ちる。そんな私でもまだ。生きる気力を補給したくして、光を放つ君の賢さが羨ましい。
December 9, 2025 at 4:58 AM
真実から目を逸らせない、これは病気だ。きみの言葉はいつも透明すぎる。私を通り抜けて遠くへ流れていく。頭痛薬とともに飲み干した、きみが笑った記憶。どうしてこんなに体温が冷たいの、真っ白な隣をなぞる。朽ちた約束を思い出すたび、世界は眩しすぎる。どこかへいってしまいたい、これも病気だ。
December 6, 2025 at 12:36 PM
差し出されたハンカチの白さが眩しかった、君も僕も傷つきながら踊る影。捨てたはずの光がまだ胸で疼く。醜い大人になっていく痛みを、そっと確かめ合うために手を取った。君の瞳が弱々しく揺れるたび、壊れた未来の片隅に名前のない希望が生まれる。手当をしてあげたい、夢が失敗に溺れてもいいから。
December 4, 2025 at 9:09 AM
海の色は写真でしか知らない。私の名前を呼ぶ声、帰れないという言葉を、優しく包む。誰かの夢の残骸を避けて歩きながら、あなたはただ日常を重ねて燃やす。世界はあなたを見ていないのに、あなたは世界を見ていた。泣くことも笑うことも同じ光の中で、遠く、遠くに溶けていく。本物の波に触れたい。
December 1, 2025 at 9:54 AM
あなたは誰にも、許されないで。けれど私の奥底まで踏み荒らして。あなたの指先で全部壊して。花びらなんて散っても構わないから、魂ごと抱きしめて、逃げられない場所まで愛して。詩なんて必要なかったのよ。心情描写を並べて伏線回収するよりも、瞬く間に喪失するのが愛なのだから。罪の指が綺麗ね。
November 29, 2025 at 5:41 AM
私たちはとうに透明な壁にぶつかり、ひび割れから命の光が漏れている。私の手が君の肌を摩っても銀河みたいに冷たいのに、君は秘密の病名を囁き続ける。生きていく約束を破った亡霊となって停滞した私たちを、不条理が天使の羽のように包み込んでいる。淘汰された、と分かったから抵抗しなかった。
November 26, 2025 at 11:35 AM
「助けてって言えないって知っていたよ」黒い羊は夜の群れからこぼれた。星がひとつ迷子になったみたいに、正しい場所を知らないまま歩き続ける。白い夢を抱けず、名前のない色で、明日の輪郭を汚していく。黒い羊はひそやかに未来へ噛みついた。何も変わらず痛みを選んで生きていく、光も手放して。
November 24, 2025 at 9:39 AM
希望を一つ砕いた夜に、あなたはまだ光のように歩いていた。私以外は誰も見ていないのに、煌めく風はあなたの名前を撫でていった。世界が終わる音がしたから、罪も罰もきっと朝には溶ける。泣くことは悪くないよ。希望を生むことが痛くても、あなたが生きていることは、それ以上に静かな奇跡なんだよ。
November 20, 2025 at 2:12 PM
悲劇の花を見た気がして、目を閉じた。甘い香りが胸の奥でほどけていく。遠くで硝子が割れる音、それが夢か分からない。眠りと目覚めの境目で、世界は優しく、少し毒がある。触れたら痛いほど冷たい手を差し出されるたびに、私は生まれ直すふりをする。永遠とはきっと、綺麗に息を止める練習のこと。
November 18, 2025 at 8:56 AM
あなたの声が、少し遅れて胸の奥で壊れる。木の葉がひとつ、未来のように落ちた。風が僅かに冷たくて気が滅入る。心の不規則さを労うように、夕焼けは哀れみを照らしている。ねえ、それでもあなたは、どうしてそんな顔で泣くの。見ないようにしても見えてしまう。秋の始まりは、光よりも重たい。
November 15, 2025 at 10:57 PM
青い野原に白い光が落ちた。遠くに立つ電柱みたいな希望は誰のものだったのだろう。身体は冷たすぎて痣をなぞっても、もう痛くない。地平線は背景になる、私が悲しむのはもう最後にしよう、何度も思った。世界はこれから始まるように花のふりをして色を掻き集める。この静けさの全部が嘘だと叫びたい。
November 12, 2025 at 12:30 PM
普通になりたい、と言えなかった。無意識の歩行、風に撫でられて形を失くすたび、あなたの言葉が遠くで微笑んだ。異質な強さなんて欲しくなかった、ただここで空気を吸って、同じ光を見て、花の色を分け合いたかった。世界は静かに回り続け、時間を止めてくれなかった誰かを恨んだ。弱くて、惨めだ。
November 9, 2025 at 4:06 PM
エメラルドの夢は息をしている。風よりも静かに、心臓よりも確かに。朝の光をほどいて、葉の影を優しく撫でる。羨望より沈黙で満たされた世界、それがこの色の中だ。冷たくもあたたかくもない、ただ生命を許す光。誰かの涙が落ちても、全てを包みこむようにゆらめいている、祈りよりも美しい沈黙だ。
November 6, 2025 at 3:24 PM
大丈夫って言って欲しい、こんなに行き詰まった私を見ても、貴方には優しくして欲しいと希望を抱いていた。素っ気なく輝き続ける星では足りない夜。早く全てから消えて無くならないと、なんて思う私の真面目な義務感を誉めてよ。ほら居場所は無い。何も解釈する余地なく、二人で逃げよう、そう言って。
November 4, 2025 at 7:05 AM
湖は息をせず、ただ光だけが揺れている。指先で触れたら壊れてしまう。やさしい冷たさ。空の色が溶けて境目が消える。静けさの奥に、まだ言葉になる前の記憶が沈んでいる。誰のものでもない青が混ざって、世界は透き通っていく。私はただ、それを見ている。眼差しは音のない祈りみたいに怯えていた。
November 1, 2025 at 11:44 PM
映画館の暗闇で、私たちはまだ誰でもなかった。光が流れ、知らない人生の涙が頬を通過する。拍手のない夢。エンドロールはまるで人生みたいに長くて、名前の知らない人が次々と消失する。出口の明かりが世界を少しずつ思い出させ、風の音が台詞みたいに響くなかで、私はやっと、物語の外で呼吸をする。
October 30, 2025 at 3:36 AM
無音の中で、誰かが私の世界を裏返している。風景が透けて、私はその影に座る、何かを待つ。呼吸のたびに悲しみは粒子になって離れていく。ようやく名前を呼ばれたとき、空気が純白に輝いた気がして私は微笑んだ。記憶の端が焦げて、最後に痛みがあったことを忘れた指先が、まだ幼い未練を探している。
October 27, 2025 at 10:19 PM