ゆきのふ
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なんかめちゃくちゃ楽しそう
December 3, 2024 at 10:12 AM
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ぐだマシュ
藤丸立香「わたしの願いは、好きな人とパン屋を開くことです！」
ウチの職場にはおやつ時になるとパン屋が来る。藤丸立香という人が奥さんと二人でやってるローカルパン屋だが、これがめちゃくちゃ美味い。特にクロワッサンがマジで美味い。 今日もパン屋の到着と同時にダッシュで向かう。私の顔を見た途端、藤丸さんは「いつものですね！」とクロワッサンパスから流れるようなマシュさんの会計。息ピッタリだ。きっと仲が良いのだろう。 パンはあっという間に売り切れて、藤丸さん達は笑顔で帰っていた。 早速インスタントコーヒーを淹れて、買ったばかりのクロワッサンを味わう。 サクッとバターが香しい。その上焼き立てともなれば、頬が落ちても仕方ない。 そんなクソ美味クロワッサンを、後輩はやけに神妙な顔で齧っていた。 「先輩。あの人たち、どこから売りに来てるんですかね」 数秒、沈黙。 南極基地の気象観測室には、ブリザードの音だけがびょうびょうと響いた。 「…それは聞かない事になってる。おやつが無くなったら困るからな」 「それもそっすね」
June 9, 2024 at 1:05 PM
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まほよコラボへの感謝から出来た有珠さんと願い星箱
それは彼女が作りだした最新の童話 飴玉輝く願い星箱 星屑つめたキャンディマシン たった一つの、一番の、願いを叶える願望機 組み上げたプロイを前にして、最後の魔女は悩みます 魔術式もデザインも渾身の出来 それでも本当に願いが叶うかどうかは、試してみないとわかりません 叶える願いが必要です 試しに出すほどちっぽけで、願い星箱が起動するくらいには一番で そんな願いがあるのでしょうか ───いいえ、本当は知っているのです　願うべきが何なのか でも認めるだけの勇気がなくて、願いは舌の上を転がるばかり 口を噤んだ彼女の元に、口喧しい駒鳥一羽 「いやあ楽しみッスねえ！ジブン、初めての後輩ッス！あ、試しに何か願ってみてもいいッスか？う～ん、じゃあ～、マイ天使がもっとジブンに優しく」 「えい」 人差し指で弾いたら、青い駒鳥地に落ちる 大きなため息一つ吐いて、ようやく覚悟を決めました さあ、願いを叶えましょう たった一つで一番の、胸に輝く願いごと 小さな声で、密やかに、それでも確固と唱えます 「静希くんが、会いに来てくれますように」 それはあまりにささやかで、けれども確かに一番で 年に一度の訪いが、今年は二度ならいいなあと ときめく　きらめく　ゆらめく　くるめく　めくるめく 胸でいっとう輝く願いは、きっと世界で唯一の 『検証　却下　重複した願いです』 あれ？ ころんと落ちた小さな星は、黒くくすんで消えました 願いごとの残骸を、有珠は茫然と眺めます 私以外のどこかの誰かも、彼のことを待っている？ 胸の内でいっとう輝く、願いを誰かも持っている？ それはｓｄｆ私ｇｈはｊｋｌｌ ｑｗ特別ｒｔｙでは ｚｘないｃｖｂｎｍの？ 失敗 失敗しました 完膚なきまで過ちました 結果は何より雄弁で、だから有珠は気付きます 胸で輝くこの思いは、狂おしいほどのこの願いは あまりにありふれているのだと 空に輝く無数の星の様にありきたり この世でただ一つの、一番の願いは存在しない 私以外のどこかの誰かも、彼のことを待っている？ 胸の内でいっとう輝く、願いを誰かも持っている？ それは■■■■■■■■■ら■■■■■ ■■■■■■■りにも■■■■■■か■ ■■■の■■■特■■■■■■■い■？ 失敗 失敗しました 完膚なきまで過ちました 結果は何より雄弁で、だから有珠は気付きます 胸で輝くこの思いは、狂おしいほどのこの願いは あまりにありふれているのだと 空に輝く無数の星の様にありきたり この世でただ一つの、一番の願いは存在しない
May 26, 2024 at 10:23 AM
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いくらか年をとったからといって、そういう抹香臭いことを言い出す姿は想像も出来なかった。 さて、邪魔者もいなくなったし食事に戻ろうかと箸を構えたところで、再びどこかから羽音が聞こえてきた。周囲を見回しても虫はいない。だが、近くにいるとしか思えないほど大きな羽音だ。原因を探している内に、音はどんどん大きくなる。 ばち、とテントに小さな塊がぶつかった。それはすぐさま数を増し、テントの膜に豪雨の様な音を立てて降り注いだ。 虫の群れが明らかな意思をもって、テントに攻撃を仕掛けてきていた。ビニール一枚隔てた外側は、もはや真っ黒に染まっている。 『敵性反応確認！外です！』 伊織が真っ先に、続いて立香がテントから飛び出した。 外に居たのは蝿だった。ただし、全長が5ｍはある。赤い複眼を輝かせながら、しきりに羽を擦り合わせている。その周囲には、何万匹もの蠅が黒い嵐の様に渦を巻いて飛び回っている。 「おお………」「うわあ……」 二人は一瞬茫然となる。だがそこは慣れたもの、すぐに気を取り直して臨戦体制をとった。 「流石にこれは箸じゃ無理だね」 立香を背後に庇いながら、伊織は箸の代わりの二刀を抜く。 「道場で流行っていた蝿取りだが、師匠の一言で沈静化してな」 「武蔵ちゃ…武蔵さん、何て？」 「『蝿を箸で摘まむ？何で？切った方が早くない？』」 「虫の命はどこに行ったんだよ！」 「師の言葉を教条的に受け入れるのではなく、場に応じた対応が必要だと伝えたかったのだろう」 「伊織は真面目だなあ」 両手で顔を庇いながら、藤丸立香は声をあげて笑った。あんまりな前言撤回なのに、あっけらかんとしてて憎めない。いくつになっても、武蔵ちゃんは武蔵ちゃんなんだ。口に飛び込んで来た蠅を吐き出して、また笑う。もう年をとらなくなってしまった彼女が、立香にはひどく懐かしかった。
May 19, 2024 at 12:15 PM
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宮本伊織と藤丸立香と蝿
虫の多い島だった。 藪を掻き分けると、空気は三次元的に黒く染まる。地鳴りと紛う羽音は、絶える事無く立香の耳を苛んだ。詩才に溢れるサーヴァントなら、あるいは『点描の藪』と形容するだろう。口の悪い作家であれば、『全生物が自殺してから十日後の夜』とでも言うかもしれない。 三重にした虫避けの礼装のおかげで、立香の周りだけは辛うじて虫の密度が薄い。それでも、迂闊に口を開ければ一匹二匹が飛び込んでくる。しっかりと口を噤み、両手で耳を塞ぎ、眼を薄く開けて、なんとかかんとか前に進む。いっそ鼻も閉じれたらなあ、と立香は口の内でため息をついた。 小一時間ほど歩くと、ようやく藪と呼ばずに済みそうな場所に出た。周囲の虫たちも随分少ない。 随伴のサーヴァントに周囲の草を薙いでもらい、簡易テントを立てる。広げたテントの中にも羽虫が当然のように入り込んで来たので、立香達はそれなりの時間と労力をかけて一匹ずつ外に追い出した。ようやく虫達から遮断されたテントの内で、立香はぐったりと横たわる。 『お、お疲れ様でした、先輩！』 「…ここの虫、聖杯のせいかな？」 『いや、残念ながら自然現象だね。汎人類史も、同じくらい虫で一杯なはずさ』 「oh…地球広い」 立香は濁った眼で虚空を見つめる。自然に打ち勝ち、人類の生存圏を切り開いてきた先人たちには感謝しかない。 一先ずの身の安全が確保できると、次は空腹が気になってくる。 立香はもったりと起き上がって、腰のポーチを開く。内側の圧縮空間を探って、弁当箱を取り出した。同行サーヴァントの分も、もちろん用意してある。 圧縮空間に保温効果はない。弁当箱はとうに冷めきっていたが、多種多様なおかずの彩りは、疲れ切った心を浮き立たせてくれる。そしておかずと同量詰め込まれた米は、無限の闘志を呼び覚ます。 両手を合わせて、箸を構える。 「いただきまっす！」 その量、ざっと１L。今の藤丸立香なら腹８分目といったところだ。 口に入れれば、頬が蕩けるほどに美味い。疲れ切った体に、栄養と幸福が染みわたっていく。 二口めを飲み込んだあたりで、どこかから低い羽音が聞こえてくるのに気が付いた。外からではない、もっと近く。音の源を探すと、一匹の蝿がテントの内側を飛び回っていた。 全部追い出したつもりだったのにな。立香は弁当箱に寄って来た蠅を手で払う。巻き起こる風をものともせず、蝿は弁当箱の周りをふらふらと漂った。 折角のお弁当に飛び込まれるのは嫌だ。捕まえてやろうと手を伸ばすが、動きが早くて指先さえも掠らない。 これではいつまでたってもお弁当が食べられない。思い余った立香は、指鉄砲を作って蝿に向けた。 「ガン───」 呪いを発射するより早く、伸びてきた箸先が蠅を捉えた。 伊織は摘まんだ蠅をテントの外に放ると、先端を一寸ばかり袖で拭って何事もなかったかのように昼食を再開する。 伊織は摘まんだ蠅をテントの外に放ると、先端を一寸ばかり袖で拭って何事もなかったかのように昼食を再開する。 「お見事！」 「ん？ああ、昔取った杵柄だが、役に立ったのなら何よりだ」 『そういえば、伊織さんの師である武蔵さんは、箸で蠅を摘まんだ逸話が有名でしたね』 「こちらではそんなことになっているのか…。俺の所では、師匠がやってみせたので、道場で流行ったという程度だが」 「へえ、伊織でも流行に乗ることがあるんだ」 「…俺も幼かった。師匠を悉くを真似れば、強くなれるやもと思っていた時期があったのだ」 何やらバツが悪そうに言い訳をする伊織。大層珍しい物を見たと、立香は小さく笑った。 「今思えば、本当に重要だったのは小手先の技術ではなく『虫とても命がある。無暗な殺生をするべきでない』という師の言葉の方だったのだろう」 伊織は懐かし気に言う。だが、立香としては首を傾げざるを得ない。 立香の知っている武蔵といえば、抜身の刀のような侍だった。
May 19, 2024 at 12:14 PM
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March 31, 2024 at 1:10 AM
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March 31, 2024 at 1:10 AM
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宮本伊織とサバフェスと無知シチュ
March 31, 2024 at 1:09 AM
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ぐだキャス
服と表情がお揃いでかわいい
March 9, 2024 at 10:54 AM
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これはバレンタインの宮本伊織
毘沙門天が一つ、これで200文。 大日如来が一つ、これで200文。 出来が良ければもう僅かばかり色が付く。 当世の物価は知らないが、積み上げれば夕食代くらいにはなるだろう。 不思議と、今は剣を持ちたいという欲も湧いてこない。 ひとつ彫ってはマスターのため。ふたつ彫ってはマスターのため。みっつ… 滑った手先が誤って仏像の手先を落とす。集中力が切れつつあるようだ。己の未熟を痛感しつつ、卓上に手を伸ばす。今朝がたマスターが持ってきた、葵葉型のチョコレートを一つ口に放り込んだ。 舌の上で蕩ける甘味は粗食に慣れた口には激烈で、当世の豊かさを思い知らされる。反射的に浮かんだ濃茶が欲しいという欲求は、形になる前に捻り潰した。こういうのを口が奢ると言うのだろう。 チョコレートを呑み込んで、再び鑿を手に取った。マスターに渡す甘味の礼を彫らなければならない。もっと気の利いた礼を返せればいいのだが、生憎俺に出来るのは剣の他には彫仏くらいしかない。 カルデアには数百に及ぶ英霊がいる。 柳生宗矩。宝蔵院胤舜。技で名を成した兵がいる。 渡辺綱。ヤマトタケル。伝説そのものの剣士がいる。 綺羅星の如く輝く英霊達の内にあって、俺のような取るに足らない『がらんどう』にまで心を配る。マスターの在り方は、とても尊いものだ。 どれだけの仏を積み上げれば、その心根に報いることができるだろうか。 「あ…」 無心の鑿が削り出したのは、手のひら大の半跏思惟。心の内が滲み出たのか、その顔立ちは甘味をくれた当人に似てしまっていた。 「…これは、売り物にはならないな」 出来は決して悪くないが、造形があまりに個人的過ぎる。 他の仏像から避けて畳に置いて、思い直して取り上げる。 組んだ覚えのない工房の奥、据えた覚えのない棚の隅。そこに仏像を安置した。 特に意味があるのではない。ただ、適当な隙間がそこにあっただけ。 伽藍洞を埋めるものがこれであれば良いと、そう思っただけだ。
February 17, 2024 at 12:52 AM
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February 7, 2024 at 10:44 AM
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宮本伊織と佐々木的な老人
風流が身に付かない
February 7, 2024 at 10:44 AM