「異端の奇才──ビアズリー」展が、2月15日から三菱一号館美術館で開催されます。25歳で世を去った画家オーブリー・ビアズリー（Aubrey Beardsley, 1872-1898）。この英国の異才は、ろうそくの光をたよりに、精緻な線描や大胆な白と黒の色面からなる、きわめて洗練された作品を描きつづけました。本展覧会は、19世紀末の欧米を騒然とさせたビアズリーの歩みをたどる、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館（V&A）との共同企画です。出世作のマロリー著『アーサー王の死』（1893-94）や日本でもよく知られるワイルド著『サロメ』（1894）、後期の傑作ゴーティエ著『モーパン嬢』（1898）をはじめとする、初期から晩年までの挿絵や希少な直筆の素描にくわえて、彩色されたポスターや同時代の装飾など、約220点を通じてビアズリーの芸術を展覧します。「異端の奇才──ビアズリー」展会場：三菱一号館美術館（東京都千代田区丸の内2-6-2）会期：：2025年2月15日（土）～5月11日（日）開館時間：10：00 ～18：00※祝日を除く金曜日と会期最終週平日、 第2水曜日、4/5は20時まで※最終入館は閉館時間の30分前まで休館日：月曜日（但し2/24・3/31・4/28、5/5 は開館）観覧料：一般2,300（2,100）円／大学生1,300（1,000）円／高校生1,000円※（）内は前売券。～2月14日までオンラインにて販売※障害者手帳をお持ちの方は半額、付き添いの方1名まで無料※平日限定チケット：1,900円　利用可能日：2/18（火）～3/14（金）の平日。オンラインにて販売※ビアズリー偏愛パス：5,000円　1名のみ、会期中何度でも利用可能。オンラインにて販売問い合わせ先：050 –5541–8600（ハローダイヤル）詳しくは展覧会公式サイトへオーブリー・ビアズリーとは？オーブリー・ビアズリー《サロメの化粧Ⅱ》1907年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, Londonオーブリー・ビアズリーとはどんな人物だったのでしょうか。本展に先駆けて、彼の生涯に少し触れてみましょう。ビアズリーは1872年8月、イギリスのブライトンで誕生しました。宝石職人の息子だった父は財産を使い果たし、軍医の娘であった母がフランス語やピアノを教えて家計を支えていました。彼は16歳でロンドンに出て、保険会社などで働くかたわら、夜間に独学で絵を描きつづけます。マロリー著『アーサー王の死』（1893-94）やワイルド著『サロメ』（1894）の挿絵で成功してからも、厚いカーテンで日光を遮断し、蝋燭の光で制作することを好んだのは、その名残といえるでしょう。1895年にワイルドの同性愛裁判が起こると、その余波で文芸雑誌『イエロー・ブック』の美術編集を解任され、仕事を失ってしまいます。季刊誌『サヴォイ』創刊やゴーティエ著『モーパン嬢』（1898）の挿絵で新境地を見せますが、持病の結核が悪化し、1898年3月に他界。わずか25歳でした。オーブリー・ビアズリー《孔雀の裳裾》1907年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London生きざま含めて全部を見せるビアズリー展　その見どころは？オーブリー・ビアズリー《クライマックス》1893年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London多くの方が一度は目にしたことがあるであろう『サロメ』の挿画《クライマックス》。しかし、それを描いたビアズリーを詳しく知っているかというと、必ずしもそうではないかもしれません。本展はビアズリーの初期から晩年の作品、約220点を網羅した展覧会。そのうち貴重な直筆は約50点にのぼります。しかも作品だけではありません。彼の生きざま含めて、全てを見せる大回顧展でもあるのです。ミステリアスな絵を残した画家の、作品以上にミステリアスな素顔とは？　学術監修に河村錠一郎氏を迎え、傑作誕生の裏側に迫ります。さらには世界有数のビアズリーコレクションを有する、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館（V&A）が全面協力！　なんと英国から、150点もの作品が一挙来日します。６つの章でめぐる激動の生涯オーブリー・ビアズリー《「キーノーツ叢書」の宣伝ポスター》1966年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London展覧会は画家の幼少期から最晩年、そして早逝するまでを全６章で紹介します。彗星の如くあらわれ時代の寵児となるも、予期せぬできごとから早すぎる転落へ。再起をはかり円熟期へ向かおうとしますが、道半ばで奇しくも病に倒れてしまうといった激動の人生を送ったビアズリー。その生涯を優品と共に追う構成は、ファンならずとも必見です。また、会場では制作環境の一部が再現されたり、『サロメ』の挿絵に描かれたアングロ＝ジャパニーズ様式の調度とともに作品が展示されたりと、空間も凝ったものになるようです。そのほかギュスターヴ・モローや、チャールズ・リケッツなど関連作家と並べて作風を掘り下げるなど、踏み込んだ内容にも期待がもたれます。ギュスターヴ・モロー《牢獄のサロメ》1873-76年頃、国立西洋美術館 松方コレクションチャールズ・リケッツ《サロメ》1925年、ブラッドフォード地区美術博物館 Photo: Bradford Museum & Galleries/Bridgeman Imagesあわせて楽しみたいタイアップメニューと、黒が効いたグッズたち三菱一号館美術館に併設するミュージアムカフェ・バー「Café 1894」、ミュージアム ショップ「Store 1894」では、本展の会期中限定で、展覧会にちなんだメニュー、グッズが販売されます。再開館以降も行列ができるほどの人気を誇る「Café 1894」からは、ランチコースのほかに、14時から17時までのカフェタイムデザート、そして17時から楽しめるディナーデザートが登場します。営業時間など詳しい情報はカフェの公式サイトをご覧ください。【カフェタイムデザート】異端のティラミス 1,400 円（税込）／販売時間 14:00～17:00「Store 1894」では、ビアズリー作品が放つ印象的な黒を活かしたさまざまなオリジナルグッズが並びます。こちらはビアズリーが美術編集を務めた『イエロー・ブック』第1巻の表紙にちなみ、黄色に仕上げたマグカップ。インテリアにもなりそうな佇まいが素敵です。マグカップ 2,500円（税込）　※グッズデザインはイメージ、価格は予定です。今後変更になる場合があります。 Image © Victoria and Albert Museum, London今なお多くの人を虜にしてやまないビアズリーの世界。夭折の画家の軌跡をたどる展覧会は、もうすぐ開幕です。（美術展ナビ）◆あわせて読みたい

こんにちは、momoです 11月〜12月にかけて展示会参加が続くのですが、11/16(土)からの【Cutie room】について告知させていただきます🌟 Gallery glad.様の【Cutie room】に、 ・新作原画5点 （透明水彩4点（うち額装2点）、コピック（額装）1点） ・ポストカード（単品・セット） にて参加いたします✨ （Box<Mサイズ>参...