Etsuko Oshita
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translator, bookaholic, walkaholic, sleepholic 訳書『森を焼く人』(M・R・オコナー、英治出版)5月21日刊行。これまで『絶滅できない動物たち』(ダイヤモンド社、2018年)、『ようこそウェストエンドの悲喜劇へ』(論創社、2022)など訳しました。
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【『『訳書発売!】

M・R・オコナー『森を焼く人』(英治出版)、本日発売です。

著者のオコナーさんも、邦訳の刊行をとても喜んでいます。

オコナー作品を手掛けるのは第1作に続いてですが、本作で、「火」を通して彼女が自分を赤裸々に語っているのに驚き、生半可な気持ちではいかん、と居住まいを正して臨みました。一作ごとに、作品と彼女自身が進化・深化しています。女性として、母として、人間として、火とともに、火によって、彼女も変わっていきました。

彼女をはじめ、ふだんなら人生が交錯することなどないであろう人々が交わるときに発生するケミストリーや醍醐味も味わっていただけたらと思います。
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【読書日記】田畑勇樹『荒野に果実が実るまで 新卒23歳アフリカ駐在員の奮闘記』(集英社新書、2025年)

若い人が何かを成し遂げる話が好きだ。本書は京都大学農学部を卒業してNPOに就職し、上司とピザを食べながら雑談していたら1週間後にウガンダに行くことになった。この機動力と柔軟さがNPOだな、と思う。前例ややらない理由やできない理由を蹴飛ばして、いいと思ったら即実行。

自ら「援助屋」を名乗る著者は、住民がこれからもずっと野菜を収穫して食べていけるように、そして現金収入も得られるように、在来種の種をまき、作物を育てることを教える。若書きだが、志と情熱がページの端々から伝わってきた。
田畑勇樹『荒野に果実が実るまで』特設サイト
京大からアフリカへ、新卒アフリカ駐在員の著者が飢餓の大地で奇跡を起こす奮闘記。第22回 開高健ノンフィクション賞最終候補作を集英社新書より書籍化。
kouyanikajitsu.studio.site
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【映画日記】獅子文六原作『大番』(1957年)@神保町シアター

本作は、破天荒な相場師ギューちゃんこと赤羽丑之助の青春編だ。当時、加東大介は40代後半、それで18歳を演じていたので、ある場面で年齢を訊かれて「18です」と答えて「ずいぶん老けてんなあ」と返される場面で、客席のあちこちから笑い声があがった。

今回も淡島千景はかわいかった。背筋がピンと張ったしっかり者の可愛らしさを演じさせたら、この人の右に出る者はいないんじゃないか。

昭和30年代の日本橋で、昭和一桁の街並みが再現できたんだろうか。それともセットだったのかな。日本橋の獅子の青銅像は昭和初期にはすでにあったのか。
大番<東宝DVD名作セレクション>(TDV35150D)|新着ブルーレイ・DVDカテゴリー|TOHO theater STORE|
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tohotheaterstore.jp
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【読書日記】島田荘司『占星術殺人事件 改訂完全版』(講談社ノベルス、2008年)

1981年に刊行されて以来、名作の誉高いのは知っていたが未読だった。

占星術の講義が延々と続くのでちょっと中だるみするが、昭和の探偵って、こういう典型的な変人だったよなあ、と思い出させる御手洗潔のキャラクターで読ませる。この御手洗が、ホームズをけちょんけちょんにけなすのだが、どれも的を射ていておかしいのなんのって(のちに彼はホームズをけなしたせいで罰が当たる笑)。

じっとりとした情念、変人が探偵、まんまと目くらましに引っかかった爽快感、昭和の名人芸のミステリだ。
『占星術殺人事件』(島田 荘司) 製品詳細 講談社
密室で異様な死体となって発見された画家がのこした奇怪な遺言状。その内容は“肉体を支配する星座に従って、6人の若い女性から必要な各部を切り取り、新しい不滅の肉体を合成する”というものだった。そして1ヵ月後、6人の女性が行方不明となり、遺言通り次々にバラバラ死体となって発見された……。日本ミステリー史上に燦然と輝く傑作。御手洗潔(みたらいきよし)初登場!
www.kodansha.co.jp
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まちがえたい!!
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何度もRPすみません!
メタノイアさんのマンスリーサポーター募集キャンペーンが今日の23:59までとのことで、拡散だけでもしてもらえると大きなパワーになるはずです😭✨よろしくお願いします…👊
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移民やそのルーツがある子どもたちに日本語を教える活動をしている団体「メタノイア」さんの足立区・竹の塚教室に見学に行った時のレポ漫を再々掲します🔥
すでに同じ社会で懸命に学びながら成長している子供達と、それをサポートする大人たちについて知ってもらえたら嬉しいです☺️🌷

(1/3)
「難民・移民ルーツの子どもたちに日本語を教える活動をしている「認定NPO法人メタノイア」さんの足立区・竹ノ塚教室に行ってきたよ!

歩く藤見と担当・中川さん。

「子どもたちは年齢や日本語の習熟度にあわせてそれぞれのテーブルに配置」
それぞれのテーブルで教材に取り組む子どもたち。

「こんにちはっ」
挨拶をしてくれる子どもたち。
「日本語は少しずつ理解しているけど発話はまだ難しい子もいる。もう一歩だ…!」
「年長さんってこんなに小さかったのかよ〜!可愛すぎる」

「みんなで手作りの紙飛行機を飛ばしていたよ」
飛行機を飛ばす子どもたち。
「じゃあ次は“高い”と“低い”で競争してみましょう」
しゃがんだり立ち上がったりして、子供達に日本語を教えるスタッフさん。
「遊ぶの中でいろんな日本語を学んでいく」

「これ子どもたちに…川勝徳重さんと津田周平さんのシールです」
子どもたちにシールを配る中川さん。
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【読書日記】武田百合子著、武田花編『絵葉書のように』(中公文庫、2023年)

赤坂住まいの日々を切り取った文章に引き寄せられる。アークヒルズができた、という文章があって驚くが、アークヒルズの第一期(とでもいうのか)は1987年に完成していて、百合子はまだ生きていた。赤坂、六本木、西麻布のあたりは、森ビルが再開発する前は個人商店がたくさんあった。

当時の個人商店の店主や従業員、住民、すれ違った人々をよく見ているなといつもながら感心する。読者側からすると、ときに意地悪に、ときにユーモラスに描写しているように思えるが、百合子はまったく悪意がない。それだけに性質が悪い。わたしは好きだけどね。
絵葉書のように -武田百合子 著/武田花 編|中公文庫|中央公論新社
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移民やそのルーツがある子どもたちに日本語を教える活動をしている団体「メタノイア」さんの足立区・竹の塚教室に見学に行った時のレポ漫を再々掲します🔥
すでに同じ社会で懸命に学びながら成長している子供達と、それをサポートする大人たちについて知ってもらえたら嬉しいです☺️🌷

(1/3)
「難民・移民ルーツの子どもたちに日本語を教える活動をしている「認定NPO法人メタノイア」さんの足立区・竹ノ塚教室に行ってきたよ!

歩く藤見と担当・中川さん。

「子どもたちは年齢や日本語の習熟度にあわせてそれぞれのテーブルに配置」
それぞれのテーブルで教材に取り組む子どもたち。

「こんにちはっ」
挨拶をしてくれる子どもたち。
「日本語は少しずつ理解しているけど発話はまだ難しい子もいる。もう一歩だ…!」
「年長さんってこんなに小さかったのかよ〜!可愛すぎる」

「みんなで手作りの紙飛行機を飛ばしていたよ」
飛行機を飛ばす子どもたち。
「じゃあ次は“高い”と“低い”で競争してみましょう」
しゃがんだり立ち上がったりして、子供達に日本語を教えるスタッフさん。
「遊ぶの中でいろんな日本語を学んでいく」

「これ子どもたちに…川勝徳重さんと津田周平さんのシールです」
子どもたちにシールを配る中川さん。
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10月5日(日)東吾妻町セレニテさん(JR吾妻線岩島駅より徒歩数分)で開催される「岩島ものがたり」に参加します。
10月7日発売開始予定の文庫本『まっとうな人生』(河出文庫)もフライングで持っていきます。ほかにも自著のサイン本各種ございます。

14時からは、まだ誰も読んだことのない11月刊行の新刊『細長い場所』の朗読を含め、編集者(岩本太一氏・河出書房新社)とのトークを行います。会場はセレニテさんの裏の立派な蔵です。予約不要、私は10時ごろから店番しておりますのでどうぞお立ち寄りください。

セレニテさん、とてもすてきな場所です。
中之条ビエンナーレと合わせてどうぞ!
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【読書日記】梅崎春生『十一郎会事件』(中公文庫、2024年)

それぞれの作品は完全なる謎解きではなく、人間の機微や心理に焦点が当たっている。第一部はシリアスな話が集められ、第二部はなんともいえないおかしみのある話が集められ、第三部は江戸川乱歩のいう「奇妙な味」が集められている。

表題作の「十一郎会事件」は、「十一郎」という名前がついた売れない画家が、彼の絵を買い取りたいという同名の金持ちの命を受けた男の頼みを断ったばかりに、面倒に巻き込まれてしまうお話。この売れない画家もしょうもない見栄を張ったのが災いし、一枚上手の男にまんまと騙される。その男の理由もこれまたしょうもない。そこがいい。
十一郎会事件 梅崎春生ミステリ短篇集 -梅崎春生 著|中公文庫|中央公論新社
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【読書日記】武田百合子『犬が星見た』(中公文庫、1983年)

『富士日記』に輪をかけて率直な百合子の物言いが爽快だ。自慢が嫌味にならないのは羨ましい。そして、気に入らない外国人のガイドに向かって思いっきり日本語で悪口を言ってイヒヒと笑ったり、「私でない女のわる口を聞いているのが、いい気持だった」と堂々と言ってのけたり。女傑である。

この旅の影の主役は錢高老人だ。錢高組の社長だか会長だかなのだが、ひとりで参加し、相部屋に泊り、何かにつけて「ロッシャはたいした国や。わしゃよう知っとった」と口にする。ひと昔前の関西弁なので、今は錢高老人のようにしゃべる人はいないだろう。
新版 犬が星見た ロシア旅行 -武田百合子 著|中公文庫|中央公論新社
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【読書日記】田村隆一『ダンディズムについての個人的意見』(リクルート出版、1990年)

これ、なぜか↓の情報は版元は角川書店で初版は1984年に刊行されたことになっている。なんでや。

第2章の酒に関する章は、ワイン、ウイスキー、ビールなどなど、さまざま酒の飲み方や思い出が生き生きと描写されている。1960年代後半のアイオワで、国際政治学を学ぶ美女と缶ビールを飲む話が実にロマンティック。「そこでぼくは、シュリッツ、バドワイザーなどのジャーマン・ネームの缶ビールを飲みはじめたら、雨が降ってきて、美女もぼくも酔っぱらってしまって、大学へ行くのを忘れてしまってさ」の一文に止めを刺された。
ダンディズムについての個人的意見
一般書「ダンディズムについての個人的意見」のあらすじ、最新情報をKADOKAWA公式サイトより。
www.kadokawa.co.jp
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【映画日記】ウェス・アンダーソン監督『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』(2025年)@ホワイトシネクイント

ザ・ザ・コルダを演じたべニチオ・デル・トロは、最後の方の食堂のおやじ役のほうが断然はまってる(笑)。娘役のミア・スレプルトンは仏頂面がよく似合うと思っていたら、母親はケイト・ウィンスレットだった。母親も仏頂面というか不機嫌顔が迫力あっていいよね。ウェス・アンダーソンは仏頂面が似合う女優の使い方がうまい。

モノクロシーンにちょこっとビル・マーレイ、ウィレム・デフォーが出ていた。主役のザ・ザ・コルダをウィレム・デフォーが演じてもいいくらいなのに。

zsazsakorda-film.jp
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【読書日記】佐々木邦『ガラマサどん』(講談社大衆文学館、1996年)

表題作の「ガラマサどん」と「使う人使われる人」を収録。

昭和一桁ともなれば、今より主従関係がはっきりしていて上の者の命令は絶対だっただろうが、「失業の名人」で運よく?ビール会社に転がり込んだ主人公が、社長の自伝を書く係に任命されたがために、社長に振り回される。この社長が叩き上げのワンマンで、悪い人間ではないのだが、とにかく独善的。本書だと、独善的だがいい人間、として描かれているが、現代なら逆だな笑 「ガラマサどん」では素人義太夫、「使う人使われる人」は長時間の講話で、社長が従業員に迷惑をかけるのというのが、時代を感じる。
『ガラマサどん』(佐々木 邦) 製品詳細 講談社
失業の名人の私がやっともぐりこんだのは、ガラマサどんと仇名されるワンマン社長が一代で築いたビール会社。社長は立志伝を誇大に伝えようと、私を自伝作者に指名した。身近に接するガラマサどんの稚気と奇行、振り回される部下の困惑と狼狽。ユーモア小説の代表的名作に、昭和初期サラリーマンの哀歓を巧みにスケッチした『使う人使われる人』を加え、明朗小説の魅力を存分に伝える待望の一巻。 失業の名人の私がやっともぐりこ...
www.kodansha.co.jp
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Bringing back the War Department is an interesting strategy for someone desperate to win a Peace Prize.
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【読書日記】俵万智『生きる言葉』(新潮新書、2025年)

俵が、野田秀樹の稽古場で見学した「正三角関係」の台詞で、登場人物の威蕃が「形あるものはみな壊れる」と言ったのに対しウワサスキー夫人が「それは落として壊した、あなたが使う言葉じゃない」と応えたシーンで考えた、というくだりがどこかで紹介されていて手に取った。そうなんだよ、ほんとに「おい、お前、ちょっと待て」なんだよ、これは。

第4章の「言葉が拒まれるとき」の「クソリプに学ぶ」で紹介された石榴さんという方のクソリプの分類と、俵万智が提案した対処法が、的を射ていて素晴らしいし溜飲が下がる。俵万智はさすが言葉のプロだな、と笑いながら感心した。
『生きる言葉』 俵万智 | 新潮社
スマホとネットが日常の一部となり、顔の見えない人ともコミュニケーションできる現代社会は、便利な反面、やっかいでもある。言葉の力が生きる力とも言える時代に、日本語の足腰をどう鍛えるか、大切なことは何か──恋愛、子育て、ドラ
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ニューズウィーク日本版World Voiceのブログをアップしました。アガサ・クリスティが愛したデヴォンの別荘、グリーンウェイの後編は、いよいよお屋敷と広い庭をご紹介。昨日はクリスティの誕生日で、来年の大英図書館での展示も発表されて、クリスティ気分に浸っています。
www.newsweekjapan.jp/worldvoice/l...
アガサ・クリスティが愛したデヴォンの別荘、グリーンウェイ後編 クリスティの暮らしと殺人の舞台になったあの場所たち
前回はミステリの女王、アガサ・クリスティ(1890 - 1976)のデヴォンの別...
www.newsweekjapan.jp
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【読書日記】団地団(大山顕・佐藤大・速水健朗・稲田豊史・山内マリコ・妹尾朝子)『世界は団地でできている 映画のなかの集合住宅70年史』(集英社新書、2025年)読了。

この前読んだ有吉佐和子の『夕陽ヵ丘三号館』は、新築団地の社宅に住んでウキウキする妻の話だったが、初期の団地は憧れの対象であり、従来の住人からすると得体の知れない闖入者という扱いだった。それからどんどん扱いが変わる。

団地が登場する『踊る大捜査線』の話から映画はフィルムかデジタルかという議論になり、小説家の山内マリコ(フィルム派)対写真派の大山顕(デジタル派)がバッチバチに言葉の火花を散らして議論するくだりにはビリビリする。
世界は団地でできている 映画のなかの集合住宅70年史/団地団/大山 顕/佐藤 大/速水 健朗/稲田 豊史/山内 マリコ/妹尾 朝子 | 集英社 ― SHUEISHA ―
戦後の住宅インフラを支えてきた団地。日本においても、戦後すぐは先進的な生活の象徴として、現代では20世紀へのノスタルジーの対象として、70年以上にわたってあらゆる世代の人びとがこの集合住宅に想いを託してきた。そうした時代の流れは、団地が登場するフィクション=「団地作品」にも反映されている。本書では15年にわたって団地作品について語るイベントを50回開催してきた集団=「団地団」が、団地作品の歴史を通...
www.shueisha.co.jp
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【映画日記】ラジニカーント主演『銃弾と正義』(2024年)@ヒューマントラストシネマ渋谷

今回はインド映画界の重鎮アミタブ・バッチャン(ビッグB)も出演。

警官がやむを得ず射殺する”encounter”は、はたして「正義」かどうか、がテーマ。道徳から見た「正義」と法から見た「正義」が大きく乖離していると、すり合わせは難しい。道徳から「正義」を行使する警官(ラジニカーント)と、法の「正義」を重んじる判事の関係が、対立から理解と協力へと変化していく様子を描く。そこに「格差」と「教育」というテーマが絡まるから重くなるのだが、さすがインド映画、エンタテインメント性も忘れていない。
映画『銃弾と正義』公式サイト
映画『銃弾と正義』彼が放った銃弾は職権乱用か、それとも正義の鉄槌か− 2025年9月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
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【映画日記】エルンスト・ルビッチ監督『淑女超特急』(1941年)@シネマヴェーラ渋谷

パーク・アヴェニューに住み、夫はビジネスエリートの妻が、原因不明の突発性しゃっくりに悩まされ、訪れた精神科医で変人のピアニストと知り合い、恋仲になるが……。

ちょっとしたシーンで笑わされてしまう(妻が精神科医にかかって年齢を聞かれたとき「22歳」と偽るが医者に「わたしはあなたの医者なんですよ」と言われて「24歳」と訂正するも、医者のカルテには「24歳?」と大きな疑問符がついている、など)。この時代の定番の「元さや」ものではあるけれど、洗練されたユーモアと妻役のマール・オベロンの清らかな色気を楽しんだ。
映画『淑女超特急』の感想・レビュー[183件] | Filmarks
レビュー数:183件 / 平均スコア:★★★★3.9点
filmarks.com
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【映画日記】 『ユニバーサル・ランゲージ』(2024年)鑑賞@ヒューマントラストシネマ渋谷

ペルシア語とフランス語が公用語になっている架空のカナダのウィニペグが舞台。登場人物が、イラン系か否かにかかわらず変わり者ばかりだ。個人的な思い入れのある場所ばかり案内するツアーガイド、七面鳥店を営む兄弟、みんなどこか変だ。この変な人たちが、実の親子とか隣人といった関係性で、緩くつながって環になる。

薄暗いティム・モートンは、日がな一日そこで過ごしているだろうという常連ばかりだが、編み物をしている女性3人に先住民がいたりと(顎のあたりに縦に直線が入っている)、多様なカナダを映し出しているのも着目だ。
ユニバーサル・ランゲージ - 株式会社クロックワークス - THE KLOCKWORX
klockworx.com
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【読書日記】福井健太編『新・黄色い部屋 犯人当て小説傑作選』(創元推理文庫、2025年)

藤原宰太郎の犯人当ての本を濫読した子ども時代を過ごした身としては、中年になって再び「読者への挑戦状」やら犯人当てやらがまとまって収録されている本を読めるなんて、嬉しいこと極まりない。

既読の作品もいくつかあったが(高木彬光と坂口安吾の作品が既読だったのはもったいなかった)、ほかの作品も昭和の香りがぷんぷんで、安心感が半端ではない笑 トンチクイズのようなものや、こじつけと思わぬでもないものもあり、エンタテインメントとして楽しく読んだ。
新・黄色い部屋 犯人当て小説傑作選 - 陳舜臣 他/福井健太 編|東京創元社
新・黄色い部屋 犯人当て小説傑作選 ミステリ作家たちが工夫を凝らし、読者と頭脳戦を繰り広げる犯人当て小説。その傑作の数々から“読者への挑戦”ものを中心に精選、全3巻のアンソロジーに集成した。第1巻には、名探偵・神津恭介がホテルの密室殺人に遭遇する高木彬光「妖婦の宿」、黄色い窓の部屋で起きた変死事件を
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【読書日記】坂本図書『坂本図書』(バリューブックス・パブリッシング、2023年)

坂本龍一が2018年から2022年まで『婦人画報』に掲載していた広義のアーティスト(作家、映画監督、音楽家など)とその作品に関するエッセイと、ウスビ・サコ、安彦良和との対談を収録。

守備範囲の広さに驚く。エドワード・ヤンと侯孝賢の両者が取り上げられている。わたしは『ヤンヤン 夏の思い出』と『トントンの夏休み』をごっちゃにするくらいのポンコツなので、坂本がふたりの特徴を明確に指摘していて、ありがたい。大島渚のことは、イメージ通りすぐ怒る人だったが、役者のアイデアをすぐに取り入れる柔軟性もあったと評する。
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