藤井太洋 Taiyo Fujii
@taiyolab.com
880 followers 110 following 520 posts
Japanese SF writer, author of Gene Mapper and Orbital Cloud.
Posts Media Videos Starter Packs
Pinned
taiyolab.com
早川書房の『マン・カインド』と東京創元社の『まるで渡り鳥のように』が、第46回日本SF大賞の対象期間に入っています。
大賞に相応しい、と思われた方はぜひエントリーしてくださいませ。

docs.google.com/forms/d/e/1F...
二冊の本が立ててある。右は『マン・カインド』左は『まるで渡り鳥のように』
taiyolab.com
中国(成都)国際科幻大会に行ってきました

成都への便は16:15発の四川航空。私は午前中に奄美大島から成田空港に飛んで、出発の2時間前にチェックインカウンターの列で大森望さんと落ち合った。いつものように行列は長かったが、見た目ほど待たされずにスムーズに搭乗した。四川航空を使うのは2回目なんだけど、機内食にかけてくれる麻辣醤が美味しい。…
中国(成都)国際科幻大会に行ってきました
成都への便は16:15発の四川航空。私は午前中に奄美大島から成田空港に飛んで、出発の2時間前にチェックインカウンターの列で大森望さんと落ち合った。いつものように行列は長かったが、見た目ほど待たされずにスムーズに搭乗した。四川航空を使うのは2回目なんだけど、機内食にかけてくれる麻辣醤が美味しい。 機内では未来事務管理局から頼まれていた短編の改稿を行った。一段落したので一休みしていると、飛行機は定刻の21:15に成都に到着した。中国の、地方空港の入国審査はとんでもなく時間がかかることがある。2023年のワールドコンの時は、別便で成都に入った日本ゲストチームの入国審査が長引いて、空港の施設が閉まっても出てこなかったという椿事もあったほどだが、今回はビザ免除期間に入ったためか入国審査はスムーズに進み、大森さんと一緒に入国審査を終えることができた。係員の笑顔(苦笑かもしれないが)も引き出すことができた。 入国して大森さんと 空港で待っていてくれた科幻世界の編集者に連れられてタクシーに乗る。車はBVDの電気自動車。運転はスムーズそのもの。運転手は、AppleのCarplayのような統合コンソールは使わずにスマホでDiDi(配車アプリ)を操作しながら運転していた。ホテルに到着すると、フロントの横に科幻大会のカウンターが設置されていて、深夜近いというのに詰めているスタッフがスーベニアバッグを手渡してくれる。 スーベニアバッグの中身は、ゲストIDとハンドブック、ノートとギフト雑誌。いつもは科幻世界の特集号と画報版(Newtonみたいな雑誌)、児童版に、特別編集された短編集がつく程度なのだけど、今年は銀河賞40周年の歴史を伝えるクロニクルブックが二冊も入っていた。 ホテルに到着したのは22:40だったので夕食を食べる店がない。そこで、科幻世界の編集者が、夜食の宅配を頼んでくれた。中国版のUber Eatsみたいなサービスだ。ホテルまで届くと、ワゴンロボットが部屋まで届けてくれるという。どんなふうに動くのか楽しみにしながら部屋に入ってシャワーを浴び、服をハンガーに吊ってハンドブックを読んでいると部屋の電話が鳴った。受話器をあげると合成音声のキャラ声が流れてくる。 〈もしもし、私パンダちゃん。ハンバーガーのお届け物を持ってきたわ!〉 ドアを開けるとフロントにいたロボット目をチカチカさせていた。トレイから袋を出して「完了」ボタンを押すと〈ありがとう。おやすみなさい〉と言って、ロボットは帰っていった。エレベーターを動かす共通インターフェイスがあるのだろう。ロボットは、自分でエレベーターに乗って、一階まで降りていった。 マクドナルドでもケンタッキーでもないローカルのハンバーガーは、しっとりしたバンズと食べ応えのあるパテの組み合わせ。なかなかうまい。そしてスパイシーと書いていないチキンは痛みを感じる程度に辛く、成都に来たことを実感させてくれた。 初日 ホテルで朝食をとり(ニール・クラーク、ロデリック・レーウェンハート、ニコラス・ホワイトに、ニック・ウェルスら懐かしい面々に会って)シャトルバスに乗ると、15分ほどで会場の成都科创生態島に到着。 成都科创生态岛成都科创生态岛,位于四川天府新区兴隆湖畔园区,是四川省首批近零碳排放园区试点。成都科创生态岛由多个高度不同的圆弧形建筑构成baike.baidu.com ワールドコンのために作られた成都科幻館を使わなかった理由は「遠いから」ということらしい。成都科创生態島は、細胞を模した楕円形の建物が点在する複合施設。メインホールはジオシティックドーム風のホール。 前を歩く伊達男は友人のロデリック・レーウェンハート ステージ背面は巨大なLCDスクリーンで、同時通訳ブースも用意されていた。中国のSF大会ではよく見かけていた構成だけど、年々洗練されている気がする。 オーディエンスの席は前からVIP、重要ゲスト、招待ゲスト、ゲスト関係者、一般客。VIPと重要ゲスト、招待ゲストまは箱型のソファで、招待ゲストはクロスを巻いた椅子、一般客は普通の椅子になる。VIP席と重要ゲストの席はソファの左右に机が置いてあり、水とハンドブックとコーヒーが用意されていた。VIPには茶も出て、スタッフがお湯を注して回っていた。 VIP席でスマホを見ているのはニコラス・ホワイト2列目中央あたりに座っているのはキム・ボヨン VIP席に座るSF関係者は劉慈欣とClarksworldのニール・クラーク、ロータス誌のリザ・グローエン・トロンビー、そしてワールドコンのコンベンションランナー、ニコラスホワイト。つまり、中国SFを外に紹介してくれる人たちが何より重要ということだ。 私の席は前から二つ目の重要ゲスト(一冊も中国では本が出ていないので恐縮やるかたないのだが)。この列の半分は作家だ。私の隣はCyberpunk 2077のプロジェクトマネージャー、パウル・サスコだった。王晋康や何夕、韓松のような中国の有名な作家も同じ列に腰掛けている。キム・チョヨプさんもいたので写真を撮らせてもらった。 ステージが始まる前は劉慈欣さんのところに行って雑談。新しい小説の話をしたり、試してみているという生成AIについて話を聞いたり、私が作ってみたプログラムの話を聞いてもらったり。AIのことは熱心に話してくださった。とにかくSF仲間がいることを伝えたい。喜んでくださったのなら幸いなのだが。 開会式は科学技術協会主席の杨正林氏や四川省人民政府副省長の陈书平らのスピーチで幕を開ける。SFが科学技術の発展に寄与する、といういつもの内容なのだけど、今回は世界的な地政学的不安定さに対する人文的な価値という観点が加わってきているのが興味深い。 一通り演説が終わると、開会セレモニー。ステージに運ばれたスイッチにVIPたちが手を乗せると派手な映像が流れて開会を宣言する。日本ならテープカットをするところ。 開会したら、成都市や四川省、科幻世界の取り組みの発表へと続く。児童生徒のためのコンテスト「四川省青少年科幻创作征集活动」の発表では受賞した子どもたちも登壇する。この子たちは、この後の休憩タイムでも、彼らのヒーロー劉慈欣さんと集合写真を撮っていた。他にもSF体験館の建築デザインコンペが行われることが発表された。 オンラインのSFコンテスト「银河计划」では、プラットフォーマーの阅文集団とコンテンツ側の科幻世界の代表、そのほかの計画の関係者たちがサインするセレモニー。 中国SF海外推進連盟の発足式なんかも合わせて行われた。いつの間にやら推進委員になっていた大森望さんも、発足セレモニーで登壇していた。 中央右が大森望さん いつも思うことなんだけど、中国のSF振興策は常に小中学生をターゲットにしているところが素晴らしい。会場のそこかしこに展示されている子どもたちのSF作品を見ると、SFを作る喜びを感じる。アメリカから来ている参加者は、授業を通して子どもにアプローチすることや大学SF研究会を応援することに疑問を呈する人もいる(創作は個人的なことだろう? というのだ。それも大切な価値観だ)けど、中国の関係者の答えは明確だ。確かに9割の子どもたちは社会に出るとSFをやめる。でも、1%でもSFを続けて作家になれば大成功だし、SF創作は人生の糧になる、と答えてくれる。 ここで開会式は休憩。成都市や四川省から来ている公的な方々は会場から離れ、SF大会が始まる。 オープニングフォーラム 科幻的多重宇宙(SF MULTIVERSE)と題された高峰『サミット』式フォーラムは、作家の劉慈欣、キム・チョヨプとイゴル・サジンスキと、ネット小説プラットフォーム阅文集团の杨晨『ヤンチェン』が登壇し、科幻世界のデスク曾筱洁『ゼンシャオジエ』がモデレーターを務めた。 キムチョヨプには隆盛を極める韓国SFと想像力の根源についての質問が、そしてサジンスキには、ポーランドから世界コンテンツをぶち上げたCyberpunkのマネジメントに質問が集中していた。どうやって世界に受け入れられた設定や会話を作ったのか、という質問は、形を変えて2回行われた。期待されていた秘策はなく、いろんな人が作っていて、それぞれ尊重しているからということだった。これはこれで意味のある答えだね。 ここでも主たる問いは、中国が世界に通用する物語を作るには? というものだった。 このフォーラムで初日の午前の部は終了。銀河賞の贈賞式まで決まった予定はなかったが、ホテルに戻って昼食をとってから、会場に戻ることにした。 会場あれこれ 成都科创生態島の道路に面した広場が中国(成都)国際科幻大会のエキシジョン会場だった。ワールドコンや日本SF大会でもお馴染みの、入場券を持っていない来場者が入れるエリアだ。スポンサーになっている四川省や成都市の企業テント、コーヒーの屋台、スタッフの貴重な食料を売っている弁当屋さんと、書店やSFグッズを売っているショップ、出版社、そして大学SF研究会のテントが並んでいた。 VRゲームのプレゼンテーション ロボットの展示 小学生・中学生のSFイラストコンテスト優秀作 しかし展示会場の目玉はなんといってもサイン会場だ。 私が到着した13:00でもそれなりに並んでいたが、目を引いたのはその隣で待つ人の列。列の後ろはテントの影に隠れて見えなくなっていた。2時間先に予定されている劉慈欣のサインを待つ列だった。主催者は事態を想定していたようで、何人もの警備員と柵が用意されていたので混乱は見られない。2016年の北京で行われたSF大会のサイン会では、劉慈欣のサインを求める人の列が会場の中国航天大学の外まで伸びてしまっていたし、並ぶ人たちも適当な本を手に集まっていたのだが(あのときは小学校の教科書や紅楼夢は2回以上見たし、鄧小平の語録もあった。図書館の札がついた本を手にした人も本当に多かった)、今回並んでいた人たちは、会場の書店で本を買って並んでいた。 あとで劉慈欣にサイン会お疲れ様と話しかけると「いやあ疲れた。今日は2時間半、書き続けた。サインした本は800冊超えてたよ」と、嬉しそうに話してくれた。実はこの時、私は初めて中国語で劉慈欣に話しかけて、中国語で答えてもらったのだ。どうやら私の中国語も少しは上達しているらしい。 実は中国のSF大会では、大学SF研のテントが面白い。同人誌や新聞を配っているクラブは半数ほどで、残りはお気に入りのSFグッズを置いていたり、作品を置いていたり、カードゲームに興じていたり、果ては単なる荷物置き場にしているクラブも少なくない。SFとの付き合い方に幅があるのはいいことだ。 会場をざっと眺めた後はパネルディスカッションに参加した。 これから紙の雑誌はどうなる? というテーマだったんだけど、すでにアメリカは紙の雑誌が死滅しかけていて科幻世界の感じている危機は20年前に通り過ぎてしまっているので、具体的だったり建設的だったりする話にはならなかった。それでも楽しく聞くことができたのは、ゲストとして度々中国を訪れているニール・クラークと、科幻世界の筆頭編集者サラ・チャンの相互の信頼があるからこそ成り立つ対話のおかげだろう。 銀河賞 19:30から、銀河賞の贈賞式が始まった。 生成AIを駆使して作られたイメージ映像この婦人は科幻世界の創設者、杨潇《ヤンシャオ》さん 受賞者リストはこちら。 タイトル未設定mp.weixin.qq.com…
taiyolab.com
taiyolab.com
早川書房の『マン・カインド』と東京創元社の『まるで渡り鳥のように』が、第46回日本SF大賞の対象期間に入っています。
大賞に相応しい、と思われた方はぜひエントリーしてくださいませ。

docs.google.com/forms/d/e/1F...
二冊の本が立ててある。右は『マン・カインド』左は『まるで渡り鳥のように』
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
leeuwenhart.bsky.social
It took me a week to catch my breath and write this expansive report on Star Body winning the Galaxy Award (🏆) and Galaxycon 2025 itself!

Plus thoughts on the continuity from 2023 Chengdu Worldcon and what last week meant for Chinese SF fandom! 🐼🚀

www.roderickleeuwenhart.nl/star-body-wi...
Podium scene of your author holding a trophy and certificate during the Galaxy Award ceremony 2025 in Chengdu.
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
utou-oyama.bsky.social
この本とオマル・ハマド氏に「アンネの日記」とは違う未来が訪れてほしいです。
taiyo.ostatus.taiyolab.com.ap.brid.gy
前も投稿したことがあるかもしれない。
私は、国連憲章のが書かれた場所に行ったことがある。大統領が定宿にしていたサンフランシスコのフェアモントホテルのガーデンルームだ。とあるIT企業のパーティーにタブレットで絵を描く画家として参加したのだ。
スイートの中央にある円形の図書室には2階のキャットウォークまでびっしり本が並んでいた。この部屋のデスクで、国連憲章の第一稿が書かれた。
デスクの周囲の書棚には、たくさんののシオニズム書籍があった。ソビエトや第二次世界大戦、アジア統治に関するものよりも圧倒的に多かった。 […]

[Original post on ostatus.taiyolab.com]
円形図書室のキャットウォークを見上げている写真
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
utou-oyama.bsky.social
(の)の個人的な投稿シェアです。

「オマルの日記」というパレスチナ青年の日々の投稿を収めた本が発売されるとのこと。アンネ・フランクは亡くなってしまったけれど、オマル・ハマドは生きている。という言葉に、はっとさせられました。

パレスチナ問題に対しては、長くたくさんの人が心を痛め、働きかけもされてきましたが、この、もう瀬戸際という段になって、国家承認の動きなど、国際社会が人道的もがきを見せているように思います。
taiyo.ostatus.taiyolab.com.ap.brid.gy
アンネ・フランクは日記が出版されることを知らずに収容所で命を落としたが、オマル・ハマドは違う。
『オマルの日記』には生きた著者がいる。
停戦し、虐殺が終われば、地上の地獄を伝える圧倒的な筆力と鋭い批判の刃、類まれな詩情と彼の魂を讃えられる。読もう。この日記を『アンネの日記』にしないために。

困難な企画を通した最所篤子さん、海と月社の方にお礼申し上げます。

http://www.umitotsuki.co.jp/book/b667967.html
オマルの日記 - 有限会社 海と月社
オマルの日記詳細をご覧いただけます。
www.umitotsuki.co.jp
taiyolab.com
ご指摘ありがとうございます!
taiyolab.com
それはそうかもしれない
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
natsuhiko-kimura.bsky.social
秋の京都といえば修学旅行!9/13-9/15にかけて、京都で行われたSF作家ソンに参加してきました。日本SF作家クラブ、韓国SF作家連帯、VG+の協力で開催された企画です。

「jem」2号で韓国SFの小特集を組むため、ぜひ勉強したいと思って新幹線で馳せ参じました。韓国からゲスト作家としてミン・ジヒョンさん、ソ・ユンビンさん、ヘ・ドヨンさんが来日、メンター作家として藤井太洋さんが参加。日本在住歴の長いファン・モガさんも参加。
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
kaguya-sf.bsky.social
参加者の方々の協力、ゲスト陣の尽力もあり、様々な形で今後に繋げることのできる企画になったのではないかと思います。
ありがとうございました。

講演やディスカッションの内容はこの冬に刊行予定の『日韓SF交換日記(仮)』に収録予定です。
どうぞお楽しみに✨
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
kaguya-sf.bsky.social
イベントの合間には、各自執筆などに勤しみました。

執筆時間には、作家や編集者による相談コーナーを設置☕️☕️

メンターの藤井太洋さん、韓国からのゲストのミン・ジヒョンさん、へ・ドヨンさん、ソ・ユンビンさん、作家のファン・モガさん、Kaguya Booksの編集者が相談相手をつとめました。
机を挟んでSF作家ソンの参加者から相談を受ける藤井太洋。 机を挟んでSF作家ソンの参加者から相談を受ける藤井太洋。
taiyolab.com
銀河賞2025の参加者バッグと中身。
プログラムブックと参加者カード、科幻世界と銀河賞のための特別号(今年で40周年とのこと)。そして三体の本型ミニライトと、恒例のノート。
今年のノートは竹の表紙で、パンダのフンから作った紙が綴じ込んである成都エコロジー仕様。
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
kaguya-sf.bsky.social
9/13(土)-9/15(月・祝)の3日間、
#SF作家ソン を京都で開催します🎊

SF作家の皆さんが京都に集まり、創作と交流を楽しみます✍️
韓国からゲスト作家としてミン・ジヒョンさん、ソ・ユンビンさん、ヘ・ドヨンさんを招待、メンター作家として藤井太洋さんが参加します!

今回は初の試みということもあり、日本SF作家クラブの会員の皆様をはじめとする一部の作家さんにのみ参加の案内をお送りしております🙇
イベントの模様はSNSでお届けすると共に、書籍『日韓SF交換日記(仮)』にも収録します📕
taiyolab.com
SF作家ソンに参加します

9月13日から15日にかけての連休、京都で開催されるライターズリトリート「SF作家ソン」に参加してきます。…
SF作家ソンに参加します
9月13日から15日にかけての連休、京都で開催されるライターズリトリート「SF作家ソン」に参加してきます。 ライターズリトリートは、複数の作家が一ヶ所に集まって集中的に執筆や、執筆にまつわることを考える合宿です。SF作家ソンは日本SF作家クラブと韓国SF作家連帯、そしてVG+の協力よって実現しましたが、一回目の試みということもあって参加できる作家は声をかけられる方だけに限らせていただいています。試行一回目ではあるのですが、韓国からはゲスト作家として『僕の狂ったフェミ彼女』のミン・ジヒョンさんをはじめ、ソ・ユンビンさん、ヘ・ドヨンさんら実力派の作家を招聘しています。私はメンター作家としてオフィスアワーを開き、参加する作家たちの相談に乗ることになります。 ライターズリトリートは主流文芸の国際交流では頻繁に行われています。夏、学生寮の入れ替えの期間を利用して国内外の作家を集めてリトリートを行う形式が多いようですが、北京大学などにはリトリート専用の宿舎を設けている大学の文学部もあると聞きます。投資が活発な中国SFではライターズリトリートとSF文学賞の贈賞式を行うSF大会を一気に行うような催しも行われていて、国外の作家を招いて中国の若手作家に刺激を与えるような合宿もあるとのこと。成都に来るロデリック・レーウェンハートは、つい最近まで重慶の魚釣台SF研究所で三週間のリトリートをしていたと話してくれました。 私も一度、国外のリトリートに参加したことがあります。ベルグレン財団が2022年に行った「Vaster than Empire」プロジェクトです。リード作家は陳楸帆で、メンターがケン・リュウ。招待されたSF作家は私と郝景芳という(私を除くと)超豪華メンバーでした。ロサンゼルス郊外の「コミューン」という宿泊施設に、アメリカ、ドイツ、イギリス、バルバドス諸島、カナダから招かれた社会研究者や活動家、美術家、カメラマン、物理学者らと4泊5日のリトリートを行って、プロジェクトの成果物となる小説を書きはじめました。朝食前はカカオパーティーやヨガ、ピラティスなどのアクティビティを行ってから、ラウンジで午前の講演を聞き、意見を戦わせてから執筆に戻る。午後はメンター作家のオフィスアワーに参加して執筆する作品の骨子を固めていきました。夕食前には散歩です。右を見ても左を見ても思索と執筆に関係するものばかりという空間はやはり特別で、想像力や責任を強く感じさせる5日間でした。半数が何らかのベジタリアンでビーガンの参加者もいたので食事はサラダと穀物が中心でしたが、制約の中で変化をつけた食事も楽しみました。もっとも最終日には肉っけの多いパスタが出て、ニューヨーカーのライターとハイタッチしたものですが。 この時書きはじめた作品「三光年の孤独」は、とある大学のジャーナルに掲載される予定でしたが、トランプ政権で予算が怪しくなって宙に浮いてしまいましたが、初めて英語で書き通した小説なので、どこかで発表できないかなと考えているところです。このリトリートは人生の宝物になりました。 SF作家ソンが参加者の皆さんにとって宝物になるよう、そして新たな物語が生まれることを希望して、明日は京都に向かいます(まさか指定席が全て売り切れているとは……)。
taiyolab.com
taiyolab.com
Singularity, AGI leading to UBI—this is starting to smell like Nostradamus's prophecies or cargo cult.
The world works with AGI and UBI; people do not get by their work, but also they want it, which is the dream of Karl Marx. But visionaries don’t say so.
taiyolab.com
Good assist! I often ask somebody doesn't know either at the arriving airport 😆
taiyolab.com
on our wallet. Chinese people top up RMBs from their Chinese bank account, but we can't.
Then, I ask somebody to "send me money" to Ali-pay wallet, exchanging with real cash. It would be RMB ballance.
taiyolab.com
boud Payment, if you are talking about unstable for paying to small shops, it is not based on the phone-number.
Paying for companies who equips scanners are payment which is available for forign credit-card. But paying for small shops are not "payment" but "sending money". We need RMB ballance
taiyolab.com
Neitherland would be safe, but Japan is not. Now, our Prime Minister, who struggled to balance connection with China, quit, and the following candidates are not the person, some of them often let China anger...
The election would be held in weeks. I hope the idiot wins.
taiyolab.com
中国SF大会に行く(準備編)

中国、四川省成都市で開催される中国(成都)国際科幻大会にご招待いただきました。 中国にはいくつかの大きなSF大会が催されているのですが、銀河賞の贈賞も行われる成都の国際科幻大会は、最大規模のSF大会の一つです。会場はワールドコンも行われた成都科幻館。ザハ・ハディド事務所の手による有機的な造形の展示館です。 从成都走向世界:银河科幻大会升级归来,刘慈欣等领衔中外对话 - 中国科普网中国科普网由科技日报社主管主办,科普时报社运营。www.kepu.gov.cn…
中国SF大会に行く(準備編)
中国、四川省成都市で開催される中国(成都)国際科幻大会にご招待いただきました。 中国にはいくつかの大きなSF大会が催されているのですが、銀河賞の贈賞も行われる成都の国際科幻大会は、最大規模のSF大会の一つです。会場はワールドコンも行われた成都科幻館。ザハ・ハディド事務所の手による有機的な造形の展示館です。 从成都走向世界:银河科幻大会升级归来,刘慈欣等领衔中外对话 - 中国科普网中国科普网由科技日报社主管主办,科普时报社运营。www.kepu.gov.cn 百科参考资料百度百科是一部内容开放、自由的网络百科全书,旨在创造一个涵盖所有领域知识,服务所有互联网用户的中文知识性百科全书。在这里你baike.baidu.com さっそく大会公式でゲストを紹介したいけど、ようやく公開されました。かつて中国版Twitterと呼ばれたWeixin(微信)のページです。 中国側のゲスト作家は刘慈欣リウ・ツーシン、王晋康ワン・ジンカン、江波ジアン・ボー、宝树バオシュー、张再ジャン・ザイ、谢云宁シェ・ユンニン、阿缺ア・チュエ、灰狐フイ・フー、杨晚晴ヤン・ワンチン、分形橙子フェンシン・チェンズ、王诺诺ワン・ヌオヌオと、研究者の杨鹏ヤン・ペン。 どうやらウェブサイトで紹介されているのはパネルに出る作家だけのようで、他にもたくさんの作家が訪れるようで、同じホテルに泊まるはずなので交流が楽しみです。 中国で「SF産業」と呼ぶ実業界からはAI生成CGのインフルエンサー卡茲克カ・ジックス、AIとVRの実業家、宋东恒ソン・ドンハン、文化集団COOの白冰バイ・ビンが招待されています。おそらくオープニングの高峰サミットディスカッションで、ゲストの代表――この顔ぶれだと一人が刘慈欣、他は宝树、分形橙子、王诺诺かな――と登壇するのでしょう。2023年以前の中国SF大会ではSF産業側のゲストは映画、映像コンテンツとゲーム業界だったんですが、今年はゲスト全員が生成AI関係の事業者ですね。実業界の方々とは控室も別になることが多くあまり交流できないのですが、中国の生のAI業界について聞いてみたいところではあります。エキシビジョンホールには一般企業もたくさん出展してくるので、そこでも話を聞くことはできますが、経営者や投資家と話せる機会は貴重です。 そして最も密に、主に英語で交流することになる国外ゲストには、今年も楽しみなメンバーが揃いました。アメリカからはローカス誌の編集長、リサ・グローエン・トロンビーと中国のSF大会では常連のClarkes World主催者、ニール・クラーク。ニールは最も初期に生成AIの被害を受け、今も利用に強く反対の声をあげています。膝を突き合わせて話をするぞ。お二人には日本特集を持ちかけてみようとも考えています。韓国からは韓国を代表するSF作家キム・チョヨプと同じくベテランSF作家、キム・ボヨン。お二人に再会できるのも楽しみ。作品の感想を直接お伝えできる機会です。新鋭のチョン・イエに会うのも楽しみです。韓国SF作家連帯の紹介を見ると受賞歴と映像化まですごいキャリアの作家です。日本からのゲストは、翻訳家・編集者・そしてゲンロンSF創作講座で教育者としてもますます活躍されている大森望さんと、作家であり翻訳家、そして中国SFとの交流を支えてくださっている立原透耶さん。ダブリン大会から交流が続いているオランダのSF作家、ロデリック・レーウェンハート。オタク小説でデビューしているロデリックは、SF長編のスターボディが科幻世界からも刊行されていたり、重慶の魚釣台SF大学の執筆合宿でもメンターを務めるなど、中国での人気を確立しつつあるようです。今年はポーランドのゲストが3人やってきます。Rafat Kosikラファット・コシカ、イゴールIgor Sarzynski、パウエル・サスコ(Pawel Sasko)。ポーランド勢はサイバーパンク2077のスピンオフで繋がっているようですね。アニメは見てるけどゲーム自体を遊んでいないんですが、どこまでSFと作品について話ができるかな(Nintendo Switch2の抽選に当たってればもう遊べてたのに!)。 三泊四日の滞在ですが、同じホテルに滞在するので、朝食ビュッフェ、昼食(いつもと同じならゲスト・関係者だけが入れるビュッフェになります)、そして夜の会食――火鍋が一回は必ず入ります――など、話す機会は続くので、できるだけ多くの人たちと交流したいものです。 訪中の準備 コロナ禍以降で最も楽な訪中になりそうです。何よりビザが要らない、これはありがたい。ビザの取得に関してはどこかで書きたいところなんだけど、日本政府の外交努力には頭が下がります。中国の方々が日本に来るためにはビザが必要なのに。 QRコード決済はWeChat Payの国際カード接続。タクシーの呼び出し・支払いやPOSレジのある場所、街中のレンタル端末ではこのWeChat Payが使えます。そうでない屋台やPOSのない商店、流しのタクシーでは現金をウォレット化できるAli Pay(支付宝)からの送金。こちらも起動してアプリをオフロードし、前回の残高を確かめておきます(この辺りもどこかで書いておきたいな)。 そして携帯電話ですね。中国では、多くの公共インフラの利用にスマートフォンのSMS認証とWeChatのアプリを要求されるので通信環境、携帯電話の準備はそれなりに必要です。docomo、au、SoftBankの三大キャリアなら基本契約の国際ローミングで、通話もGoogle他との通信もできちゃうのですが、実はこのSMS認証が使えません。空港や会場、ショッピングモールの公共Wi-Fiを利用するときワンタイムパッドの送付にSMSを使うんですが、入力できる電話番号は+86で始まる中国本土の電話番号しか受け付けてくれません。また、香港・マカオの通信会社が売っている旅行用の――よく、GoogleやFacebookが使えると書いてあるSIMの電話番号は+852や+853なので、やはり使えません。中国在住の同行者が常にいるならいいんでしょうけど、私は空港からホテル、会場、市内観光までアテンドがつくようなゲストでもないので、コロナ禍が明けてからは中国の現地番号が付いているSIMと、データ通信用の香港・マカオSIMを使っていました。ところが今回、ちょっと様子が違います。 【eSIM】【チャージで延長も可能】中国電話番号付き(30分/SMS30通)!シーズンSIM 今回購入したのは上記のSIMですが、このカード、音声とSMSが中国国内仕様で、データ通信部分だけ国際ローミングのようなんですね。SMS認証は中国の現地番号を使いながら、GoogleやFacebooが使えるように書いてあります。一枚のeSIMで2回線ということになります。インドでも一枚で2回線は使ったことがあるのですが、このいいとこどりカードが思ったように使えるかどうか確かめるのが楽しみです。 通信ブロックの対処 ご存知の通り、中国からはGoogleやFacebook、Xをはじめとするアメリカのサービスに接続できません。AppleやMicrosoftには繋がるので、Bing.comで検索したりAppleの翻訳アプリを使ったりすることになります(DeepLは使えます)。小ネタですがAppleはブロックされていないので、通知は飛んで来ます。メールの題名ぐらいはチェックできるんですね。読めないけど。地味に辛いのがOpenAIとAnthoropicに繋げないことです。こればかりはどうしようもないので、gemma3:4bをローカルで使えるようにしておきます。パワーの要るツールにはDeepSeekの口を作ることにしました。APIの利用料が安いので助かります。 それでも必要になったらVPN。しかし悩ましい。緊急用に自宅のルーターに設置していますが、二度、三度とアクセスするとブロックされるので頼りにはなりません。そもそも遅いし。今回はどうしても必要になったら、現地でチケットを買って有料のVPNを使うつもりです。 それでも不安…… 何度も行っているので自分の準備はなんとかなるのですが、ビザだけは不安。今年の12月までのビザ免除が突然終わったら、今からビザをとりに行こうとするとちょっと間に合わない。出発の18日までは何事もないことを祈ります。
taiyolab.com