Ptyocephalus trilobite
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科学者による復元が尤もらしく見えるのはどういう場合か，それが荒唐無稽な復元と区別されないのはなぜか，どうして「どうせ想像でしょ」「よくわかんないけど科学者がそう言ってるんだからそうなんでしょ」と言い捨てられてしまうのか，どんな説明が足りないのか，ということにもう少し注意が払われてもいいと思うんですけども．

で，特に化石の場合，対象はあからさまに歪んだり欠損していて，しかも科学者が先回りして復元なんかしていたりするものだから，たとえ見る部位や見る向きが間違っていたとしても，それは難しい復元の前の状態なので素人目にそう見えてしまっても仕方がない，というような諦めや割り切りが発生して，適切な向きかどうかなど考えることもなく，たまたま見た向きからのその像が適切な認識であり，科学者たちはそのわけのわからない像からわけのわからない復元をしている，などと思い込んでしまう．というような状況を推察できる会話を会場で飽きるほど聞いた．

例えば今回の特別展で「サカバンバスピスを見た」と言うのに，あそこに置かれた石のどの部分が化石で，サカバンバスピス (とされる何か) のどの部分がどういう向きで見えていて，どうしてそれがサカバンバスピスに同定できるのか，というところまで要求すると，全般的に不親切な今回展示の中では標本の隣に色付きのキャストや復元模型まで置かれる群を抜いた超親切展示だったとはいえこれはなかなか難しいと思うわけですけども，いや，マジで，我々は何を見たのだね．

ようこそ！！