Otake, S., Kanazawa, Y., & Kamenická, J. (2025, December 6). Picture-promoted creative discussion and vocabulary acquisition: Epistemic emotion vs. positive emotion [Paper presentation]. JAAL in JACET 2025 Conference, Ritsumeikan University OIC, Osaka, Japan.

「(AIの)時代にあってこそ、人間が体験に基づいて感情を伝え合い、五感を働かせて共感を育むことの意義が一層高まっている。また、複数の「書く型」から多様な論理と思考法を学び、他者と協働する力を養うことも、これからの時代の人間にとってますます重要となっている」(p. 181)

「近代では「遅れた」と見なされたものが、パラダイムシフトが起こるとそれが強みに変わる」(p. 178)

「ポスト近代においては、科学や数学、論理学に代表される形式的な論理以上に、それぞれの共同体が持つ「価値観の論理＝実質的な論理」を理解することが、より安全で秩序ある世界の構築に貢献すると考えられる」(p. 172)

「常識となった近代の知――物心二元論、個人主義、普遍主義（中心主義、進歩史観）、還元主義（分析主義）、啓蒙主義（合理主義）、機能主義など――と、ポスト近代の知――多元主義、脱中心化、システム思考、複雑系、創発性など――の概念を高校生に対比させながら理解を促すのは、次のパラダイムへの移行を明らかに後押しする。そのような媒体としても小論文は機能する」(p. 141)

「小学校で養った共感的利他性を意見文と感想文で保持しながら、中学校では論理的接続語と英語の授業で「主張」の表現を学ぶことで、共同体の外の論理に触れさせる。そして、高校での複数の論理の習得への準備を行う」(p. 129)

「価値の多元化が起こるポスト近代においては、多元的に思考することが共存の鍵になる」(p. 113)

「共感的利他主義は、近現代の経済原理の利己主義に代わるポスト近代の中心的価値観となる」(p. 113)

「共感的利他主義は近代の資本主義を修正する力を持っているが、そのためには相手の土俵も知らなければならない」(p. 113)

「利他に価値を置けば、利他の行為を行うこと自体が喜びになる。 ... ここにあるのは近代の目的合理性ではなく、価値合理性である」(p. 111)

「日常で積み上げられた利他の行為が信頼を醸成し、それが社会秩序の基盤となる。 ... 心学でいうところの「正直」の実践である。評価や報酬にかかわらず誰も見ていないところでも、正直に行えることが、教育による子どもの社会化の成功である」(pp. 110-111)

「縁起的な自己とは、相互関係の中で自己も他者もも影響を受けながら変化していくことを前提にしている。縁起的な自己は、自己の意思や主張・判断の限界、計算と理性の限界を知っている自己である。未来の目的から考えず、遠い過去から連綿と続く偶然の積み重ねの一つの現れ方として現在を考えるのである。この考えに立つと、利他の機会も過去のご縁によってもたらされるものになる。とすれば、その機会に遭遇した時には、計算や目的なしに、思わず利他の行為に導かれることになる。」(p. 110)

「利己主義に基づいた「利他」の限界」(p. 104)と、それを克服するための「共感的・縁起的利他主義」(p. 101)

「プロテスタントの倫理と(石門)心学の倫理は、資本主義の成立に必須の「勤勉」と「倹約」において共通点がある。しかし、心学においてはここに「正直」が加わることで、西洋型の近代資本主義とは異なる資本主義の精神を持つことになった ... ここでいう正直とは「本当のことをいう」という意味ではなく、「私欲」のなさを意味する。私欲なく仕事に励み人と交わることで人々の間に「和合」が生まれる。この理想的な「和合」を妨げるものが私欲である」(p. 40)

"An intriguing possibility is that each seemingly ‘distributed’ signal is not simply replicated in different structures but instead rendered in a variety of formats" (p. 10).