軟体動物多様性学会【公式】
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軟体動物多様性学会【公式】
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会の広報に加え、軟体動物学の普及啓発を目的として貝類の様々な話題を中の人(福田 宏)が縦横無尽に呟きます。分類学上の情報などは特記しない限り全て中の人の見解です。英文誌 𝘔𝘰𝘭𝘭𝘶𝘴𝘤𝘢𝘯 𝘙𝘦𝘴𝘦𝘢𝘳𝘤𝘩(MR;オーストラレイシア軟体動物学会と共同で)、和文誌 𝘔𝘰𝘭𝘭𝘶𝘴𝘤𝘢𝘯 𝘋𝘪𝘷𝘦𝘳𝘴𝘪𝘵𝘺(MD)を刊行中。
http://marine1.bio.sci.toho-u.ac.jp/md/index.html?page=/md/m
シロスソカケは今日まで新参異名とされてきた 𝙀. 𝙖𝙣𝙜𝙪𝙨𝙩𝙖 Thiele, 1915 が有効名として「繰り上げ当選」する。一方、𝘌. 𝘢𝘯𝘨𝘶𝘴𝘵𝘢 McLean, 1970(チリ産)はその新参同名でこれまた無効となるため、新置換名 𝙀. 𝙟𝙖𝙢𝙚𝙨𝙢𝙘𝙡𝙚𝙖𝙣𝙞 Fukuda, Hashimoto & Haga を今回提唱。さらに 𝙀. 𝙜𝙞𝙜𝙖𝙣𝙩𝙚𝙖 も3つの一次同名が存在する。そこで全6種の詳細な異名表を作成し、有効名を明示しました。

人は生物多様性を理解しようとしながらも勝手に混乱を増やし、話をややこしくして自然から乖離してしまうことがままあり、今回はその一例です。
December 20, 2025 at 11:24 AM
軟体部の解剖学的特徴と分子系統解析の結果、極端な形態の差異にも関わらずやはりゴマオカチグサ属の一員であり、近隣の愛知〜徳島各県の石灰洞に産する他種と近縁であることが判明しました。殻口の巨大な突起の機能や起源は全く不明で、今はただ驚くのみです。

なお関ケ原鍾乳洞は関ケ原町指定天然記念物であり、今回は関係各所から許可を得て検討標本を入手しました。

この属は洞窟ごとに異なる種が存在し、50以上の未記載種の存在が確実視されます。それらは今後順次論文公表する予定で、今も次の種の記載に着手して早期の投稿を目指しています。今回の新種に関しては次の種が記載できた際にまとめてプレスリリースを出すつもりです。
December 18, 2025 at 9:17 AM