T.ポーマス
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最近の興味: 旅行、恐竜、読書、エッセー、SF、ノンフィクション、海外小説、歴史、中世史、魏晋南北朝、北魏、隋唐、文学、マンガ、チー付与、だんドーン、サンキューピッチ、新九郎奔る、川尻こだま、秦和生、ガンダムジークアクス、UC、水星の魔女、鉄血のオルフェンズ、ラランド声溜めラジオ、真空ジェシカラジ父、ベイビーワルキューレ
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Reposted by T.ポーマス
でしょ。世の中自分でやりたまえという話がまだまだ多い気がする
September 21, 2025 at 3:47 PM
でしょ。世の中自分でやりたまえという話がまだまだ多い気がする
「高句麗継承意識が弱いということは、朝鮮半島に侵攻しても領土化する志向性が弱いということである。それは二つのことを意味する。一つは、東北アジア北部が朝鮮半島と明 確に切り離され、粛慎-靺鞨-渤海の伝統を引き継ぐ女真の世界=満洲世界として自立したということである。ここに渤海に始まった東北アジアの分割が完成する。もう一つは、拡大の方向性が西しかないということであり、その結果、金は北中国を領有する。(中略)女真族の世界としての満洲世界は、金滅亡後も維持され、清の登場へとつながっていく。」
September 21, 2025 at 3:46 PM
「高句麗継承意識が弱いということは、朝鮮半島に侵攻しても領土化する志向性が弱いということである。それは二つのことを意味する。一つは、東北アジア北部が朝鮮半島と明 確に切り離され、粛慎-靺鞨-渤海の伝統を引き継ぐ女真の世界=満洲世界として自立したということである。ここに渤海に始まった東北アジアの分割が完成する。もう一つは、拡大の方向性が西しかないということであり、その結果、金は北中国を領有する。(中略)女真族の世界としての満洲世界は、金滅亡後も維持され、清の登場へとつながっていく。」
「渤海以前と以降では、東北アジア北部のあり方が大きく異なる。渤海以降、ここに興起した国家は朝鮮世界に侵攻しても領域化はせず、むしろ中国世界や遊牧世界との一体化を目指すようになるからである。その結果、この地域は現在、中国東北部という中国の一員となっている。つまり、東北アジア北部のこうした志向性の変化点が、渤海とみられるのである」
September 21, 2025 at 3:46 PM
「渤海以前と以降では、東北アジア北部のあり方が大きく異なる。渤海以降、ここに興起した国家は朝鮮世界に侵攻しても領域化はせず、むしろ中国世界や遊牧世界との一体化を目指すようになるからである。その結果、この地域は現在、中国東北部という中国の一員となっている。つまり、東北アジア北部のこうした志向性の変化点が、渤海とみられるのである」
「渤海は唐から冊封されるだけでなく、唐が新たに作り出した羈縻州による国際体制にも組み込まれ、唐からは内臣に近いながらも遠夷としての要素も持つ外地羈縻州という位置づけを受けていた、となろう。このように渤海を追ってくると、その主体性が弱く見える。しかし、冊封関係成立のためには冊封される側の主体性は父かせないし、中国的な文化も冊封による国際関係も「外被」であって、渤海の内部や対外関係にはそれとは異なる実態が存在したと思われる」
September 21, 2025 at 3:45 PM
「渤海は唐から冊封されるだけでなく、唐が新たに作り出した羈縻州による国際体制にも組み込まれ、唐からは内臣に近いながらも遠夷としての要素も持つ外地羈縻州という位置づけを受けていた、となろう。このように渤海を追ってくると、その主体性が弱く見える。しかし、冊封関係成立のためには冊封される側の主体性は父かせないし、中国的な文化も冊封による国際関係も「外被」であって、渤海の内部や対外関係にはそれとは異なる実態が存在したと思われる」
「冊封も羈縻と総称できる中国の対外政策の一形態とみなすことができた。ただ、これは中国の対外政策や帝国構造を追求するには有効だが、周辺諸国の主体性やその広域世界における周辺諸国の歴史的位置づけを考えるには有効な方法とはいえなかった。 そこで登場したのが、中国と北アジア・中央アジアを不可分な世界として一体に論じょうとする、「中央ユーラシア論」「東部ユーラシア論」などと呼ばれる考え方である。」
September 21, 2025 at 3:44 PM
「冊封も羈縻と総称できる中国の対外政策の一形態とみなすことができた。ただ、これは中国の対外政策や帝国構造を追求するには有効だが、周辺諸国の主体性やその広域世界における周辺諸国の歴史的位置づけを考えるには有効な方法とはいえなかった。 そこで登場したのが、中国と北アジア・中央アジアを不可分な世界として一体に論じょうとする、「中央ユーラシア論」「東部ユーラシア論」などと呼ばれる考え方である。」
「だが、その一方でそうした「思い」や立場を否定すべきでもないと思う。相互に、それぞれが抱える「思い」や立場を理解し、各々の歴史像をある程度容認したうえで、あくまで過去の実像を明らかにすることを最優先に議論を重ねることが、異なる「思い」や立場の研究者同士が、それらに偏った歴史像を修正していける唯一の道に思える。そのためには、他者の「思い」や立場への正確な理解と、多様な歴史像-あくまで事実に基づくことが前提である-が併存しうるという認識が必要であろう」
September 21, 2025 at 3:44 PM
「だが、その一方でそうした「思い」や立場を否定すべきでもないと思う。相互に、それぞれが抱える「思い」や立場を理解し、各々の歴史像をある程度容認したうえで、あくまで過去の実像を明らかにすることを最優先に議論を重ねることが、異なる「思い」や立場の研究者同士が、それらに偏った歴史像を修正していける唯一の道に思える。そのためには、他者の「思い」や立場への正確な理解と、多様な歴史像-あくまで事実に基づくことが前提である-が併存しうるという認識が必要であろう」
自分も含めてだが、本が好きな人であればあるほど、流し読みして読んだ気にはなっていないか。想像を広げて夢中になれていないのではないか、と衝撃をうけること必至。もっとも本に苦手意識を持っていたみくのしんが、もっとも豊かに読書をする術を知っていた。
September 13, 2025 at 10:55 PM
自分も含めてだが、本が好きな人であればあるほど、流し読みして読んだ気にはなっていないか。想像を広げて夢中になれていないのではないか、と衝撃をうけること必至。もっとも本に苦手意識を持っていたみくのしんが、もっとも豊かに読書をする術を知っていた。
「六世紀半ば、柔然にかわってモンゴリアに覇を唱えて以来、すでに半世紀以上。突厥は華北の諸王朝と和戦両様の交流を重ねる中で、南方に関する知識と対応のノウハウを着実に蓄積していった。その突厥が、可汗・設などの官称号を授けて、幾人もの群雄を遠隔操作しつつ、華北に大きな影響力を行使したのを見る時、のちの「征服王朝」登場の兆しを、早くもこの時期に見出すことができるのではなかろうか。」
September 8, 2025 at 1:26 PM
「六世紀半ば、柔然にかわってモンゴリアに覇を唱えて以来、すでに半世紀以上。突厥は華北の諸王朝と和戦両様の交流を重ねる中で、南方に関する知識と対応のノウハウを着実に蓄積していった。その突厥が、可汗・設などの官称号を授けて、幾人もの群雄を遠隔操作しつつ、華北に大きな影響力を行使したのを見る時、のちの「征服王朝」登場の兆しを、早くもこの時期に見出すことができるのではなかろうか。」
「以上見てきたとおり、煬帝の造営事業は、目的は間違っておらず、またその先見性は図抜けていた。曲がりなりにも完成にこぎ着けた実行力も、十分評価に値しよう。しかし建設計画はあまりに性急で、民に集中的な負担を強いた。それが惰と煬帝の命脈を縮め、その成果を享受することを許さなかった。さらに、そもそもこの大土木事業は帝の遊興のための暴挙である、との悪評まで蒙るわけである。」
September 8, 2025 at 1:26 PM
「以上見てきたとおり、煬帝の造営事業は、目的は間違っておらず、またその先見性は図抜けていた。曲がりなりにも完成にこぎ着けた実行力も、十分評価に値しよう。しかし建設計画はあまりに性急で、民に集中的な負担を強いた。それが惰と煬帝の命脈を縮め、その成果を享受することを許さなかった。さらに、そもそもこの大土木事業は帝の遊興のための暴挙である、との悪評まで蒙るわけである。」
「リーダーの判断が生死に直結する遊牧世界において、そのような相続方式が選択されることは、ある意味で理に適っている。北朝隋唐期に廃嫡や兄弟相続が頻々として繰り返されたことについては、やはりこの時代の社会に漂う気風、華北に多数の遊牧系の人々が移り住むことによって醸成された、遊牧社会の遺風との関係でとらえる必要がある。 そうした観点からすれば、帝位継承にまで関与した独孤皇后や武后の存在も、遊牧世界における女性の地位の相対的な高さや、可賀敦の権力の強さと通じる部分があろう。」
September 8, 2025 at 1:25 PM
「リーダーの判断が生死に直結する遊牧世界において、そのような相続方式が選択されることは、ある意味で理に適っている。北朝隋唐期に廃嫡や兄弟相続が頻々として繰り返されたことについては、やはりこの時代の社会に漂う気風、華北に多数の遊牧系の人々が移り住むことによって醸成された、遊牧社会の遺風との関係でとらえる必要がある。 そうした観点からすれば、帝位継承にまで関与した独孤皇后や武后の存在も、遊牧世界における女性の地位の相対的な高さや、可賀敦の権力の強さと通じる部分があろう。」
チンギス・カンは、一一八九年のいわゆる第一次即位直後、もとは人質や養子ながら自分に忠誠を尽くす「ネケル(ノコル)」と呼ばれる側近の部下たちを、十余りの執事班に配属し、この組織が次第に充実して「ケシク」に発展した。(中略)文献史料を丁寧に読み返し、墓誌等の新出石刻史料を丹念に押さえていくと、北魏以降も隋唐時代にかけて、ケシクに相当すると思われる官職名や人物が、複数存在することが明らかになってきた」
September 8, 2025 at 1:25 PM
チンギス・カンは、一一八九年のいわゆる第一次即位直後、もとは人質や養子ながら自分に忠誠を尽くす「ネケル(ノコル)」と呼ばれる側近の部下たちを、十余りの執事班に配属し、この組織が次第に充実して「ケシク」に発展した。(中略)文献史料を丁寧に読み返し、墓誌等の新出石刻史料を丹念に押さえていくと、北魏以降も隋唐時代にかけて、ケシクに相当すると思われる官職名や人物が、複数存在することが明らかになってきた」
他の作品も面白そうやけど邦訳が少ない。ペーパーバック版買おうかな。知能の発達した白アリたちが毛のない哺乳類の一種である人間の生態を調査して議論する「マア教授の講義」。三本脚の男バヤマスが、器用にローラースケートを繰りながら詩的・性的冒険に乗り出す「バヤマス」
September 6, 2025 at 1:06 AM
他の作品も面白そうやけど邦訳が少ない。ペーパーバック版買おうかな。知能の発達した白アリたちが毛のない哺乳類の一種である人間の生態を調査して議論する「マア教授の講義」。三本脚の男バヤマスが、器用にローラースケートを繰りながら詩的・性的冒険に乗り出す「バヤマス」
「あちこちで脱線して、マイナーな登場人物のエピソードが語られるかと思えば、ときどき、街学的・思弁的な長広舌が入る。そして物語に見え隠れする謎の男、サーディンの缶詰工場を探す「気ちがい帽子屋」(ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』の登場人物).......。 最後まで読んでも(読めばなおさら)分類不能のこんな小説、『缶詰サーディンの謎』を書いたのは、いったいどんな人物なのだろうか。」
September 6, 2025 at 1:06 AM
「あちこちで脱線して、マイナーな登場人物のエピソードが語られるかと思えば、ときどき、街学的・思弁的な長広舌が入る。そして物語に見え隠れする謎の男、サーディンの缶詰工場を探す「気ちがい帽子屋」(ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』の登場人物).......。 最後まで読んでも(読めばなおさら)分類不能のこんな小説、『缶詰サーディンの謎』を書いたのは、いったいどんな人物なのだろうか。」