津軽/太宰治
小銃/小島信夫
掏摸/中村文則
飼育/大江健三郎
薬指の標本/小川洋子
ビビビ・ビ・バップ/奥泉光
濁った激流にかかる橋/伊井直行
マシアス・ギリの失脚/池澤夏樹
ねじまき鳥クロニクル/村上春樹
遠い山なみの光/カズオ・イシグロ
この前読んだ『抱擁』同様、面白く読んだけど受けた印象もほとんど同じだった。
文体のリズムの良さや描写の程よい密度感や繊細な感受性の表現だとかに強く魅せられる一方、全体としては何か物足りないという気持ちが否めない。『抱擁』の感想にも書いたけど無駄なものが出てこないので登場する人や場所やアイテムが小説的効果を生み出すための道具のようにも思えてしまった。やや不完全燃焼感の残る読書でした。
この前読んだ『抱擁』同様、面白く読んだけど受けた印象もほとんど同じだった。
文体のリズムの良さや描写の程よい密度感や繊細な感受性の表現だとかに強く魅せられる一方、全体としては何か物足りないという気持ちが否めない。『抱擁』の感想にも書いたけど無駄なものが出てこないので登場する人や場所やアイテムが小説的効果を生み出すための道具のようにも思えてしまった。やや不完全燃焼感の残る読書でした。
傑作とまではいえないかもしれないけれど、かなり面白く読めた。ひとつひとつの描写が冴えているのでストーリー以前に文体そのものに引き込まれた。内容的にはかなり村上春樹要素を感じた。館自体やそこに住む老人、若夫人、少女、家政婦たちが何かのメタファーのように感じられ内面的な世界にぐいぐいと引き摺り込まれるようだった。現実と館の対比も象徴的。不満点を挙げるとすればかなり理詰めで構築されている感があり小説的に必要なものしか出てこないので物語の広がりにかける点だろうか。もう少し脇道にそれるような要素が内包されている物語の方が個人的には好み。
傑作とまではいえないかもしれないけれど、かなり面白く読めた。ひとつひとつの描写が冴えているのでストーリー以前に文体そのものに引き込まれた。内容的にはかなり村上春樹要素を感じた。館自体やそこに住む老人、若夫人、少女、家政婦たちが何かのメタファーのように感じられ内面的な世界にぐいぐいと引き摺り込まれるようだった。現実と館の対比も象徴的。不満点を挙げるとすればかなり理詰めで構築されている感があり小説的に必要なものしか出てこないので物語の広がりにかける点だろうか。もう少し脇道にそれるような要素が内包されている物語の方が個人的には好み。
就職氷河期世代(ロスジェネ)の苦難や8050問題、引きこもりなどをテーマとした社会派ミステリーで非常に面白く読んだけどこれはシリーズものだったのか。読んだ後で他の方の感想などを見て気がついた(ここから読んでも全く問題のない作りにはなっている)シリーズの別作品も読んでみたい。
就職氷河期世代(ロスジェネ)の苦難や8050問題、引きこもりなどをテーマとした社会派ミステリーで非常に面白く読んだけどこれはシリーズものだったのか。読んだ後で他の方の感想などを見て気がついた(ここから読んでも全く問題のない作りにはなっている)シリーズの別作品も読んでみたい。
加藤典洋 『文学地図 大江と村上と二十年 〈講談社文芸文庫〉』
comingbook.honzuki.jp?detail=97840...
加藤典洋 『文学地図 大江と村上と二十年 〈講談社文芸文庫〉』
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