越国〈こしのくに〉へ下向する人に詠んで遣わした歌
他所〈よそ〉にのみ恋〈こひ〉や渡らむ白山〈しらやま〉のゆき見るべくもあらぬ我が身は
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
越国〈こしのくに〉へ下向する人に詠んで遣わした歌
他所〈よそ〉にのみ恋〈こひ〉や渡らむ白山〈しらやま〉のゆき見るべくもあらぬ我が身は
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
万太郎は文壇・劇壇の花形作家で「俳句は余技」と言って憚らなかったが、洗練された洒脱な俳句を多く残した。今回再読してみて、「とは言え、やはり"文人俳句"らしさもあるな」と思った。また、天候を詠んだ句は地味ながら味わい深く、一日一日その時の一回性を大切にしていて好感が持てた。古風なところも含めて、総じて粋な句柄。
以下、多くなるが余さずに。
日向(ひなた)ぼつこ日向がいやになりにけり
砂みちの少し上(のぼ)りや冬の月
度外(どはづ)れの遅参のマスクはづしけり
東京にでなくていゝ日鷦鷯(みそさゞい)
海の日のあり〳〵しづむ冬至かな
万太郎は文壇・劇壇の花形作家で「俳句は余技」と言って憚らなかったが、洗練された洒脱な俳句を多く残した。今回再読してみて、「とは言え、やはり"文人俳句"らしさもあるな」と思った。また、天候を詠んだ句は地味ながら味わい深く、一日一日その時の一回性を大切にしていて好感が持てた。古風なところも含めて、総じて粋な句柄。
以下、多くなるが余さずに。
日向(ひなた)ぼつこ日向がいやになりにけり
砂みちの少し上(のぼ)りや冬の月
度外(どはづ)れの遅参のマスクはづしけり
東京にでなくていゝ日鷦鷯(みそさゞい)
海の日のあり〳〵しづむ冬至かな
越〈こし〉へ下向する人に詠んで遣わした歌
帰山〈かへるやま〉ありとは聞けど春霞立ち別れなば恋しかる〈こひしかる〉べし
紀利貞〈きのとしさだ〉
越〈こし〉へ下向する人に詠んで遣わした歌
帰山〈かへるやま〉ありとは聞けど春霞立ち別れなば恋しかる〈こひしかる〉べし
紀利貞〈きのとしさだ〉
前に住んでいたところで、ほととぎすが鳴いたことを聞いて詠んだ歌
昔べや今も恋しき〈こひしき〉ほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ
壬生忠岑〈みぶのただみね〉
前に住んでいたところで、ほととぎすが鳴いたことを聞いて詠んだ歌
昔べや今も恋しき〈こひしき〉ほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ
壬生忠岑〈みぶのただみね〉
前に住んでいたところで、ほととぎすが鳴いたことを聞いて詠んだ歌
昔べや今も恋しき〈こひしき〉ほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ
壬生忠岑〈みぶのただみね〉
前に住んでいたところで、ほととぎすが鳴いたことを聞いて詠んだ歌
昔べや今も恋しき〈こひしき〉ほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ
壬生忠岑〈みぶのただみね〉
桜の花が咲いたのを見に来た人に詠んで贈った歌
我が宿の花見がてらに来る人は散りなむのちぞ恋〈こひ〉しかるべき
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
桜の花が咲いたのを見に来た人に詠んで贈った歌
我が宿の花見がてらに来る人は散りなむのちぞ恋〈こひ〉しかるべき
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
題知らず
秋の野に人まつ虫の声〈こゑ〉すなり我かとゆきていざとぶらはむ
詠み人知らず
題知らず
秋の野に人まつ虫の声〈こゑ〉すなり我かとゆきていざとぶらはむ
詠み人知らず
前に住んでいたところで、ほととぎすが鳴いたことを聞いて詠んだ歌
昔べや今も恋しき〈こひしき〉ほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ
壬生忠岑〈みぶのただみね〉
前に住んでいたところで、ほととぎすが鳴いたことを聞いて詠んだ歌
昔べや今も恋しき〈こひしき〉ほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ
壬生忠岑〈みぶのただみね〉
題知らず
大空〈おほぞら〉の月の光し清ければ影見し水ぞまづ凍り〈こほり〉ける
詠み人知らず
題知らず
大空〈おほぞら〉の月の光し清ければ影見し水ぞまづ凍り〈こほり〉ける
詠み人知らず
暗部山〈くらぶやま〉で詠んだ歌
梅の花匂う〈にほふ〉春へはくらぶ山闇に越ゆれど〈こゆれど〉しるくぞありける
紀貫之
暗部山〈くらぶやま〉で詠んだ歌
梅の花匂う〈にほふ〉春へはくらぶ山闇に越ゆれど〈こゆれど〉しるくぞありける
紀貫之
桜の花が咲いたのを見に来た人に詠んで贈った歌
我が宿の花見がてらに来る人は散りなむのちぞ恋〈こひ〉しかるべき
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
桜の花が咲いたのを見に来た人に詠んで贈った歌
我が宿の花見がてらに来る人は散りなむのちぞ恋〈こひ〉しかるべき
凡河内躬恒〈おほしかふちのみつね〉
題知らず
秋の野に道も惑ひぬ松虫の声〈こゑ〉する方に宿や借らまし
詠み人知らず
題知らず
秋の野に道も惑ひぬ松虫の声〈こゑ〉する方に宿や借らまし
詠み人知らず
前に住んでいたところで、ほととぎすが鳴いたことを聞いて詠んだ歌
昔べや今も恋しき〈こひしき〉ほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ
壬生忠岑〈みぶのただみね〉
前に住んでいたところで、ほととぎすが鳴いたことを聞いて詠んだ歌
昔べや今も恋しき〈こひしき〉ほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ
壬生忠岑〈みぶのただみね〉
暗部山〈くらぶやま〉で詠んだ歌
梅の花匂う〈にほふ〉春へはくらぶ山闇に越ゆれど〈こゆれど〉しるくぞありける
紀貫之
暗部山〈くらぶやま〉で詠んだ歌
梅の花匂う〈にほふ〉春へはくらぶ山闇に越ゆれど〈こゆれど〉しるくぞありける
紀貫之
越〈こし〉へ下向する人に詠んで遣わした歌
帰山〈かへるやま〉ありとは聞けど春霞立ち別れなば恋しかる〈こひしかる〉べし
紀利貞〈きのとしさだ〉
越〈こし〉へ下向する人に詠んで遣わした歌
帰山〈かへるやま〉ありとは聞けど春霞立ち別れなば恋しかる〈こひしかる〉べし
紀利貞〈きのとしさだ〉
題知らず
ほととぎす鳴く声〈こゑ〉聞けば別れにしふるさとさへぞ恋〈こひ〉しかりける
詠み人知らず
題知らず
ほととぎす鳴く声〈こゑ〉聞けば別れにしふるさとさへぞ恋〈こひ〉しかりける
詠み人知らず
うぐいすが鳴くのを詠んだ歌
木伝へば〈こつたへば〉おのが羽風〈はかぜ〉に散る花を誰〈たれ〉に負ほせて〈おほせて〉ここら鳴くらむ
素性法師〈そせいほうし〉
うぐいすが鳴くのを詠んだ歌
木伝へば〈こつたへば〉おのが羽風〈はかぜ〉に散る花を誰〈たれ〉に負ほせて〈おほせて〉ここら鳴くらむ
素性法師〈そせいほうし〉
題知らず
大空〈おほぞら〉の月の光し清ければ影見し水ぞまづ凍り〈こほり〉ける
詠み人知らず
題知らず
大空〈おほぞら〉の月の光し清ければ影見し水ぞまづ凍り〈こほり〉ける
詠み人知らず
題知らず
野辺近く家居〈いへゐ〉しせればうぐひすの鳴くなる声〈こゑ〉は朝な朝な聴く
詠み人知らず
題知らず
野辺近く家居〈いへゐ〉しせればうぐひすの鳴くなる声〈こゑ〉は朝な朝な聴く
詠み人知らず
題知らず
秋の野に人まつ虫の声〈こゑ〉すなり我かとゆきていざとぶらはむ
詠み人知らず
題知らず
秋の野に人まつ虫の声〈こゑ〉すなり我かとゆきていざとぶらはむ
詠み人知らず
題知らず
秋の野に人まつ虫の声〈こゑ〉すなり我かとゆきていざとぶらはむ
詠み人知らず
題知らず
秋の野に人まつ虫の声〈こゑ〉すなり我かとゆきていざとぶらはむ
詠み人知らず
前に住んでいたところで、ほととぎすが鳴いたことを聞いて詠んだ歌
昔べや今も恋しき〈こひしき〉ほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ
壬生忠岑〈みぶのただみね〉
前に住んでいたところで、ほととぎすが鳴いたことを聞いて詠んだ歌
昔べや今も恋しき〈こひしき〉ほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ
壬生忠岑〈みぶのただみね〉
題知らず
秋の野に道も惑ひぬ松虫の声〈こゑ〉する方に宿や借らまし
詠み人知らず
題知らず
秋の野に道も惑ひぬ松虫の声〈こゑ〉する方に宿や借らまし
詠み人知らず
題知らず
去年〈こぞ〉の夏鳴きふるしてしほととぎすそれかあらぬか声〈こゑ〉の変はらぬ
詠み人知らず
題知らず
去年〈こぞ〉の夏鳴きふるしてしほととぎすそれかあらぬか声〈こゑ〉の変はらぬ
詠み人知らず
題知らず
秋の野に道も惑ひぬ松虫の声〈こゑ〉する方に宿や借らまし
詠み人知らず
題知らず
秋の野に道も惑ひぬ松虫の声〈こゑ〉する方に宿や借らまし
詠み人知らず