#一日一膝上
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飛行機で隣りに座ったり……？
一日一善くらいではとてもゲットできませんよね(;´д｀)ﾄﾎﾎ…

( ﾟдﾟ)ﾊｯ!
飼い猫ポジションも良いですね✨
お膝の上に乗れたり？（寝言は寝てから）
April 4, 2024 at 1:49 PM
イタサス♀尻叩きその2
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「イタサス♀サンプル②」、「@k_uyuu」と記載されています。 以下は本文の内容です。 　もしもその日の朝になって唐突に海に行こうと言われたら、近所にだと思うだろう。兄が住んでいるマンションからなら、電車を乗り継いでも小一時間とかからない。或いはレンタルカーを用意しているなら、すこし足を伸ばして隣りの県に行くかもしれないとか。 　まさか飛行機に乗せられて、こんな所まで連れて来られるとは思わなかった。 　青い空青い海その二つを分けるのは緩やかに丸みを帯びた水平線。オーシャンビューのホテルのベランダへ出ると、熱を持った潮風が頬を撫でて髪を揺らす。 　日差しの強さや景色から、ここが海外なのだということは分かった。三月になったばかりの国内でこんな日差しを浴びることがあったら、異常気象も来るところまで来たという感じだろう。あり得ない。 「サスケ、日焼け止めを塗った方がいい」 　その言葉に振り返ると、室内にいる兄が普段から使っている日焼け止めを手にしている。上階のベランダがそのまま庇になっている形だから直接日差しを浴びているわけではないけれど、ちりちりと素肌が炙られる感触はすでにあった。 　乳白色のクリームを載せた兄のてのひらが二の腕から肩をなぞって、また戻って来て何度か手首までを行き交う。 「背中を向け」 「ん」 　言われた通り兄に背を向けて、わたしは海の方へと体を向ける。背中が大きく開いたワンピースの生地は薄く、強い日差しの下では透けてしまって足元に落ちる影はわずかに色が付いている。 　その影の中でわたしの背中を兄の腕がなぞっていくのを眺めた。 　幼い頃から変わらず中性的な外見をしている兄だったが、節くれた指はわたしなんかよりずっと太く大人の男らしい。ぶあついてのひらがゆっくりとわたしの背中を撫でていくのを黙って見ていた。その手が昨夜わたしにしたことを忘れない。 「今日はどこへ行こうか」 　優しく兄がそう問い掛ける。昨日はホテルのプールで一日遊んだ。一昨日はショッピングモールへ足を伸ばした。観光客向けのモールは広く、一日歩き回っても見飽きなかった。その前は海へ。古くからの建物がある旧市街に行くのも楽しいと兄は重ねる。 　出掛ける先の完璧なリサーチ済みな所は兄らしい。こんな日がいつまで続くのか、それさえわたしは教えてもらっていなかった。 「海に行きたい」 「そうか。それなら脚にも日焼け止めを塗った方かいいな」 　兄に背中を押されてベランダから室内へと移動する。海に入るのなら別にいいだろうと思ったが、そういうわけにはいかないらしい。 　室内に入ったことで一瞬暗くなった視界はまばたきを数回することですぐに落ち着いた。兄が手に持っていた日焼け止めの容器をローテーブルへ と置くから、わたしもその近くに腰を下ろした。 　白いシーツが被せられその上に白いクッションの置かれたソファへ腰掛けたわたしの前に兄が腰を下ろす。視線の位置が逆転したことにわたしは素早くまばたきを二回してから、兄の意図に気付いた。 「は？」 「脚を伸ばせ」 「っいいよ、自分でやる」 「お前に任せると塗り忘れたりするだろう」 　遠回しに塗らないで済まそうとしていたことを指摘されて口を噤む。ベランダまで追い掛けて日焼け止めを塗られたのも同じ理由なのだろう。強く抵抗できないのは兄だからというのもあるけれど、図星を突かれているのが大きい。 「自分でやるから…」 　そう言ってちらと視線を送ってみたが、片膝を着いた体勢から兄は動かない。ちっ、と小さく舌打ちをしたわたしの名前を兄は静かに呼んだ。 「サスケ」 「…はい」 　その声で素直にならないと拙いことになるのは、妹として生を受けている以上身に染みている。兄は優しい人だったけれど甘くはなく、自分の意見を曲げることもしない人だ。 　投げ出すようにして兄の前へ両脚を伸ばすと、伸びてきた兄の手が柔らかく足首を掴んだ。痛くはないし振りほどけないような強さでもない。ただちょっとだけ夜にあったことを思い出してわたしは肩を揺らした。 　でもまだそのときはそれで済んだ。 　てのひらへ日焼け止めクリームを載せた兄が、わたしの脛から膝へとゆっくりと撫でていく。抑えていたのが逆効果になったのかわたしの喉から妙な声が出てしまい、慌てて奥歯を噛んだけれど遅かった。 「ん……」 　脚を撫でるようにして動く兄の手から伏せた兄の顔へと視線を送れば、その表情に変化はない。 　横顔だからよく見える長い睫毛が揺れもしないから、きっと聞こえはしなかったのだろう。ほっとしてわたしは更に強く奥歯を噛んだ。 「強く噛むなと言っただろう」 「っうん…っ」 　顔を上げないまま兄がそう言ってぎゅっと足首を強く握るものだから、噛み殺せなかった息と一緒になった声は弾んだように口から出た。 　誰が悪いと思っているのだ。
February 15, 2025 at 1:09 PM
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(12/12)
に練習をこなして共に時間を過ごせば皆すぐに受け入れてくれた。初めて体験するゲーム形式の練習はとても楽しかったし、チームに貢献できると嬉しかった。 　部活がない日や週末の練習の後には、今まで通りじいさんと二人で練習をした。バイトはとっくに辞めていたけど、俺たちの交流は続いていた。 　三年生になると、今度は大学のバスケ部が誘いに来た。大会では大して勝てないままだったが、個人の技能なら全国に通用するレベルと見込んでのことらしかった。推薦や奨学金の話をされている間も、夢を見ているように現実感がなかった。 「先生から聞いているよ。あの流川さんが師匠なんだって？指導者を退かれてもう三十年は経つのに、随分な逸材を見つけたということかな」 　大学のスカウトマンにそんなことを言われたが、まるでピンと来なかった。あんな偏屈ジジイ、師匠だなんて呼んでやるもんか。いや、実際俺たちの関係は、六十歳も年齢差があるとは思えないようなものだった。 　孫ほどの年齢の俺に本気でぶつかってくる。上から与えてくるのではなく、隣で一緒に走っているような感覚だ。対等に接してもらえるのが、心から嬉しかった。 　努力したらそれだけ評価され、求められる。こんなことは今までの人生で初めてだった。俺はすっかりバスケの虜になっていた。 「おいジジイ」 　膝の具合が悪化して一日のほとんどをベッドで過ごすようになってから、じいさんは見る見る衰えた。枯れ枝のような手を、力いっぱい握りしめる。痛いかもしれないが、優しく労わるように触れるなんて俺たちの性に合わない。 「今度のインカレの試合、スタメンで出ることになった。ぜってえ見に来いよ。来ねえとぶっ殺す」 　かさついた手が俺の手を握り返す。ベッドから俺を見上げる目が、上等だと物語っていた。 　寝室を辞すると、娘さんがお茶を出してくれた。 「ごめんなさいね。今日は調子が悪いみたい」 　じいさんの具合が悪くなり、家まで見舞いに来るようになってからじいさんの家族とも顔見知りになった。奥さんは早くに亡くなり、娘さんが介護に訪れる以外はここで一人で過ごしていたらしい。 　すっかり見慣れたじいさんの家を改めて見回す。選手時代の賞状やトロフィーが飾られていたが、その他は殺風景なものだった。きちんと整理はされているが、あまり使われることがないのであろう本棚やタンスはどこかぼんやりと煤けていた。その中で、タ ンスに引っ掛けられたボール入れのナップザックだけがぴかぴかと光って見えた。 「桜木君と出会ってからのお父さん、今までで一番楽しそうなの。お母さんにも、私たちにも、あんな顔見せたことないわ」 　父親によく似た切れ長の瞳が伏せられる。言葉と裏腹に、その目はどこか寂しそうだった。 　ふと棚の上に並んだ家族写真の中に、今までに見たことのない写真が混ざっているのに気が付いた。一際古いそれに、思わず目を奪われる。アルバムの整理をしていたら見つけたの、と話す娘さんの声を背中に受けながら、俺は動くことが出来なかった。 　写真立ての中で、高校生くらいの少年がこちらを振り返っている。ユニフォーム姿だから、試合の最中だろうか。しなやかな筋肉をまとった身体に、動きの反動で跳ね上がった艶やかな黒い髪。若々しくぎらついた切れ長の瞳。いつか名前を検索したときにも、こんな写真は出てこなかった。きっと、アスリートとして名を知られるよりずっと前に撮られたものなのだろう。 ――練習の最中に、聞いてみたことがあった。 「おいジジイ、なんで俺なんだ？」 「なんだ藪から棒に」 「昔は大学生とかプロに教えてたって聞いたぜ。それが、バスケのこと何も知らねえ俺を捕まえて、一から仕込んで……じいさんは何のためにこんなことやってんだ？」 　ベンチに座ったままじいさんは、しばらく杖を弄んでいたかと思うと、おもむろに口を開いた。 「ガキのクセに生活のことで頭がいっぱいなまま、オメーが大人になるかと思うとムカついた。目の前で青春ムダにしてるガキがいて、見過ごせる年寄りがいるかよ」 　思いの外優しい言葉に思わず振り返ると、「って、いうのは半分で」とじいさんは続けた。 「単純に、お前みてえなやつとバスケしてみたかったと思った。知らねえなら俺が教えてやればいい。あと二十若けりゃワンオンでもしてやったのによ」 　膝をさすって顔をしかめたじいさんに、なんだそれ、と鼻で笑って練習に戻った。どうして今、そのときのことを思い出したんだろうか。 　写真に宿った妙な生々しさに、俺は思わず息を殺した。六十年前の流川楓の瞳が、画面の向こうから遥か未来の俺を捉えた気がした。
February 24, 2025 at 1:25 PM
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（1/2）セルディマ「今日がバレンタインだから」8枚
ハッピーバレンタイン💐✨

毎年当たり前のように会いに来る兄と、悩みつつも兄を待っている弟。
セルゲイは相手に期待させるのが得意だけど、なんだかんだ二人の関係を主導するのは弟かな🫠

やっぱり記念日のサプライズ訪問は危険度が高すぎる。弟が毎回神回避しているとしか思えない。
兄弟をカップリングさせることに慣れすぎて、しかもSPNの兄弟が超次元すぎて、別ジャンルの兄弟にどの程度の葛藤をさせればいいのかわからなくなっている　タブーなんですか、そうですか…？
　大規模な密猟組織の大ボスがイタリアの元貴族で現マフィアの頭だと知ったのが年末、標的の居場所を探るのに一か月かかり、それから行動パターンを追跡して暗殺の手立てを決めるまでさらに半月。真円に近い月がこうこうとワイン畑を照らす夜にセルゲイは標的の暮らす崖上の城に侵入した。酔っぱらった二人の見張りの首を折り、あと十人ほどの夜警を毒矢で動けなくして、簡単にボスの寝室に入った。大きなベッドで女三人と眠っているボスのまぶたを遠慮なくこじ開け、密猟師に殺されたゾウの体から掘り出した銃弾を突き入れた。 　ボスは大げさに叫んで起き上がった。セルゲイは胃の上を膝で押さえて元に戻した。もう片方の目はすでに大きく見開いていたので、そっちに銃弾を入れるのには苦労しなかった。ボスはますます狂ったように体をねじり、爪でセルゲイの腕を引っかこうともがいたが、触れられないうちに銃弾が脳まで届いて、指先の制御を失った。セルゲイはぶよぶよした体から離れ、けいれんする肉が動かなくなるまで観察を続けた。 　一分ほど待ってもまだ動いていたので、焦れたセルゲイはナイフを出して首に突き刺した。血しぶきが頬にかかって不愉快だったが、年代物のサイドテーブルとアンティークのランプを台無しにした量に比べればなんてことはなかった。やっと死んだ男の名前を頭の中のリストにチェックし、寝室から脱出しようとすると、扉の前で抱き合って小山のようになっている女三人が邪魔だと気づいた。 　「そこをどいてくれ、出て行けない」 　女はそれぞれブロンドとブルネットと赤毛をし ていて、髪の色に合わせたレースのランジェリーを身に着けていた。大ボスは従業員の服装規定についてこだわりがあったようだ。女たちは美人で、怯えていたが、同時にすごく怒っていた。 　「え！？　ここはバスルームの扉よ、バカ。出口はあっち！」 　「そうだが、あっちから出るとここまで来るのに殺した連中とまた顔を合わせないといけないし、遠回りになる。バスルームの窓から出て行きたいんだ」 　赤毛の女が立ち上がり、フラフラとベッドまで近づいた。セルゲイは少し警戒したが、女は血まみれの死体に向かって冷酷に汚い言葉を四つほど吐いて、「クソ、バレンタインは明日なのよ！　あと一日待てなかったの、バカな殺し屋！」と怒鳴った。 　それを皮切りにして、あとの二人も口々にセルゲイを責めた。「私に車をくれるって約束してたのに！　まだキーをもらってないのよ、死んだらバカ息子が全部持って行っちゃう！」 　「私にはコスタリカに家を買ってくれるって言った！　プライベートビーチ付きの！」 　「パンテールのゴールド！　ああ、パリに連れて行ってくれるはずだったのに！」 　セルゲイはなんとか空いた隙間からバスルームの扉を開けた。「悪かった」　彼は言った。「バレンタインが明日？　そうか、しまった。気づかなかった。忙しくて。忘れてたよ」 　女たちはすでに部屋を探し回っていた。寝室にキーの在り処や不動産証書や高級時計の金庫へのアクセスを可能にするものがなければ他の部屋を探しにいくのだろう。彼女たちが夜明けまで待つ とは思えなかったが、侵入する前に電気系統はすべて壊してしまっていたので、廊下や階段の死体に躓かないといいとセルゲイは思った。 　彼は彼で、気もそぞろのうちに窓から崖を飛び降りた。 　バレンタインが明日？　クソ。 ★ 　『仕事でロンドンに一週間ほど滞在してるんだけど、今夜は会えるかな？』 　遅く目覚めて、四割の可能性で付き合っている男のメッセージに気づいたとき、ディミトリは迷った。結局、『ごめん、今夜は父の用事をこなさなきゃいけなくて』と打って返した。 　相手から返信はすぐに返ってきた。『バレンタインなのに？』 　優しい顔の男が苦笑している姿を想像して、ディミトリも苦笑いした。 　『バレンタインなのに。そうだね』 　『君のパパのファンにはなれないな。けど、君の用事がうまくいくように応援してるよ』 　『ありがとう。君の仕事もうまくいくよう願ってる』 　メッセージアプリを閉じたディミトリは、これでこの相手と付き合っている可能性は二割に減少したなと思った。特に惜しいとは思わなかった。株を売ったり売らせたりして良心の痛まない善良なアメリカ人と、自分のような犯罪一家の息子は、はなから釣り合わないのだ。 　彼はやっとベッドから降りてシャワーを浴び、家政婦が作り置きしていったアラビアータのペン ネを冷蔵庫からレンジに移して、温まるのを待っているあいだにコーヒーを淹れた。リビングの大きな窓からキッチンにもとどく貴重な日差しが足の指をむずむずさせた。彼は用意したブランチをトレーに乗せて日の当たるバルコニーに運んだ。 　青々と茂るプランター育ちの樹木たちを眺めながら食事を終え、コーヒーを飲み、ディミトリは、自分の上をダンスしてうまく通り過ぎていった男たちについて考えをめぐらせた。 　去年の夏に知り合った自転車修理業の男性もそうだった。 　その前のクリスマスパーティーで知り合った一つ年上の貴族もそうだった（もちろん、向こうから距離を置かれた。いいセックスだったのに）。 　その前に付き合いかけたずっと年上の男は、父の同業者で、ありていに言うと父の友人だったので、彼とディミトリは釣り合うとも、釣り合わないともいえた。同居しようと言われて迷っているあいだに死んでしまったのでそれきりだった。父が友人の死に怒って漏らした言葉によると、彼は裏社会で恐れられる暗殺者に殺されたそうだ。腐りきった社会にもさらにその上のレベルでの腐敗はあるのだとディミトリは思った。自分には優しかった男が死んで、ディミトリは少し泣いた。 　暗殺者の所業を憎みつつ、自分のような半端者には、裏社会のさらに裏を生きる彼のような者がふさわしいのではないかと空想した。あるいは、彼に殺されて自由になる自分を空想して、束の間の歓びにふけった。父のクラブのお飾りでしかない自分が彼のような暗殺者に注目されることはないとわかっていたので、現実逃避でしかなかった。 　その父の友人だった男と、空想の暗殺者の前に
February 14, 2025 at 9:04 AM
shimizuakila.bsky.social
2年前に発行したにほへし本「知恵と情愛」より、秋分の話をアップします。長いこと連れ添ってた一振り目の日本号が折れた後に、しばらくして二振り目の日本号とくっついた長谷部の話。これで再録おしまい、一年間どうもでした！　1/2
#知恵と情愛
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / Photo by somephoto / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 　長谷部は、座卓に転がしたあけびの皮を見ていた。書き文字の上に落ちた水滴の中、じわっと万年筆のインクが染み出すのに似た色をしている。あれはいくつもの色が混じり合ってできた洋墨なのだとつい先だって、初めて知った。 　日本号から唐突に贈り物をされた。真っ黒で装飾も何もない、金のクリップだけがついた、けれども丁寧に作られた実用的な万年筆だ。肌身離さず持ち歩きたいような気もしたし、誰の目にもふれない場所にしまっておきたい気もした。 　忙しいと、蓋もせずにそのあたりに転がしておいてしまうものだから、仕事には使えない。個人的なことを書きつけるにしても、どうも日記をつけるという習慣が身に付かなかった。帳簿や日課報告ならば一日たりとも欠かさずに記すことができるのに、己のこととなると何を書いたものか、筆が止まる。先送りにして、そうして床に就いた頃合いになって、そういえば書きそびれたと思い出すような始末だ。 日本号は、くれてやった万年筆が使われていなくとも、一向に気にしないだろう。渡した時点で長谷部のものだ、それをどのように扱うかにとやかく言うような男ではない。初めての贈り物に、舞い上がっているのは長谷部の方なのかもしれなかった。もっとさらりと気負いもせずに遇することができたらいいのに、長谷部にとってそれはとても難しい。 　だからあんなにも織田と黒田の間で拗れたのだと、修行の旅を終えた後ならば己を俯瞰することもできるが、性根というものはそうそう変わらないようだ。大事にされるにふさわしいと思うと、不足なく扱いたくなる。それで却って手つきがおぼつかなくなって、拗れたり膠着したりする。人の身も長いのに、いつまでもままならなくて嫌になるが、投げ出すつもりもない。今はとにかく、目の前の万年筆の扱いだ。なにせ今時期の長谷部には、時間がたっぷりあった。この時期の日本号は、眠くて眠くて仕方がないからだ。 　他に大倶利伽羅や小竜長光などもそのへんに落ちて、よく寝ている。名前や来歴が生き物に由縁のあるものたちは、季節に翻弄されがちだ。あと半月もすると、 膝丸も同様にうつらうつらとし始めるし、春の訪れに目敏いのは鳥の名前を冠するものたちだ。 　今日も男は早々と寝付いてしまった。まだ眠りたくないと、でかい邪魔っけな体躯を畳に転がして、長谷部の膝に懐いていたが、さすがに自分で寝床に戻る分別はついていた。敷布団に転がるまではよかったが、肩まで布団を引き上げる間もなく沈没した。掛け布団を引っ張り上げてやって、深く眠る男を見ながら、帳面を開く。せめて日記らしいものに挑戦してみようというわけだ。 　昼間、事務室で机に転がした万年筆を眺めてまんじりともせずにいたら、山姥切長義が怪訝そうに声をかけてきた。そういえば長義は、銀に光る流線型の優雅なボールペンを胸元によく挿している。仕事以外にも使うのかと尋ねてみたら、思いがけず様々な情報が得られた。その日の食事に始まり、天気、出陣先や演練での自身の誉れの有無、急を要するわけではないがそのうち入手したいもの、読んで面白かった本の感想、思いついたより効率的な仕事の方法、気に入った献立、長谷部の想像がつくことからそうではないことまで、長義は愛用の筆記具であら ゆることを書きつけているのだった。 　そもそも記録をすることは楽しい、とばかに真剣な顔で言い切る。なるほど監査官に向いているわけだ。長谷部は、仕事だと思えば記録は苦にならないが、嗜好の範疇には入らない。長義と同じ使い方は無理だと早々にあきらめたが、その日の献立や外で食べたものを書きつけていくのは、悪くないなと思えた。 　夜、手元灯を点けて、今日の朝から食べたものを順番に書き出していく。万年筆はするすると引っ掛かりなく夜色のインクを紙に書きつけ、長谷部の今日の一日を記していく。朝、米飯二杯、塩辛、味噌汁（しいたけと豆腐）、昨日のすき焼きの残り汁に白滝と玉ねぎと麩と豆腐を入れて煮たやつ、卵豆腐、とまと、スイカ（もうあまり甘くない）。 　記録だけというのも味気ないかと思ったが、嘘偽りなく書いてみると、なかなか面白いような気がしてくる。こうして書き出してみると、朝食だけで豆腐類を三品も食べていることが判明して、自分の選り好みもあらわになってくる。調子を掴んで、十時のおやつ、昼食、三時のおやつ、夕食とどんどん書き出していっ
September 22, 2024 at 1:30 AM
masaki2494.bsky.social
一日一犬
昨日は体勢を変えつつずっと私の膝の上で過ごしていました
March 3, 2024 at 9:59 AM
crochetcandance.bsky.social
一日一猫
半月ぶりに予定がない日、いくらでも膝の上にきていいよ、と言う日に限って猫は寄ってこず、大きなあくびをして、てへ、と言う顔。
December 14, 2024 at 1:48 AM
masaki2494.bsky.social
一日一犬
寒くて毛布を被っていたら、膝の上に乗ってきた
温めてくれてるっぽい
March 2, 2024 at 5:41 AM
tire44.bsky.social
一日一呪。
本日は「商品棚の下の段を見るためにしゃがみこみ、立ち上がったら膝はポキポキ鳴るわ軽く立ち眩みするわで、買い物するぞという気力を失う」呪いです。
September 14, 2025 at 6:48 AM
crochetcandance.bsky.social
一日一猫
息子が帰ってきて、居候先の猫（ハチワレのジジ）と比べるので、機嫌が悪い三毛猫。
ジジは犬のように人懐こくて、初めての人にも甘えるし話しかけると返事するし、リモートの時は膝の上にいるしかわいいらしい。
そんな猫の矜持を忘れた奴と比べんといてくれる！とわたしにはツンデレ、他の人にはツンと憤、のうちのクロちゃん。
September 6, 2025 at 1:35 AM
risax9.bsky.social
その人の辛さなんて同じ環境や思考じゃなきゃ絶対分かりっこないし、感受性の強さにもよるんだろねぇ。私原発性リンパ浮腫という病気で膝上から片脚切断した義足ユーザーなんだけど、自分の境遇に落ち込んだことがない🤔切断手術後もあまりにケロッとしてたので主治医や看護師さんが「辛かったら泣いていいんだよ、無理したり我慢しないで」と言ってくださったけど、義足になったら何ができる？何ができない？と今後の生きやすさを考えることに集中してたから落ち込む余地が頭の中になくて。むしろ義足ってどんな感じ！？と楽しみに思ってた節さえある。実際リハビリが楽しくて一日一時間じゃ物足りなかったな。
August 29, 2023 at 11:08 AM
offton.bsky.social
今日も今日とて。

#うさぎ
#一日一膝上
June 4, 2025 at 1:23 PM
verybigchimpo.bsky.social
ストレス解消のためにアコちゃんなでなでタイムを一日一時間設けて毎日先生になでくり回されるためだけにはるばるゲヘナからやってくる死ぬほど不機嫌そうなアコちゃんを膝に乗せて頭を撫でくりまわし髪の匂いを嗅ぎまくりムラついてきたアコちゃんが思わず腰をへこへこっ❤って揺らしてズボン越しのおちんちんをお尻で刺激しようとしたらコラッ動くな💢撫でにくいでしょ💢💢って叱って気が済むまで撫でたらスンって立ち上がってあっもう帰っていいよって仕事に戻って遂に堪忍袋の緒が切れたアコちゃんに私はっ💢抱く価値もない女だってっ💢💢言うんですかっ💢💢ってマウント取られて顔面殴りまくられて泣いて許しを請いたい
August 21, 2024 at 12:57 PM
nijisousakuaka.bsky.social
ロマンスは思いついたので、一日一ロマンス昇華する。以下ロマンス(？)です！
「頼もー！」
「今日も息災で何よりだよ」
「私は聞いてきた！何かお膝の上で歌を歌うと男士がドキドキするらしい！！というわけで、よいしょ、歌います！！」(しかし、知らない歌だから歌えないなぁ。別ので良いか)「道に倒れて誰かの名を〜呼び続けたことはありますか♪(中略)わかぁれはいつもついてくる〜。幸せの後ろをついてくる〜♪どうです、ドキドキしますか！？」
「昨日の今日でそれだから、僕としても大分ドキドキはするけれど、本当にそれ膝の上で歌うよう勧められたのかい？」
「ドキドキしたならロマンス成立でいいよね！！」
おわり
April 30, 2025 at 12:46 PM