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つかさ

@harutoomi.bsky.social

ポッキーの日かーと思いましたが、なんもネタがなかったので、手持ちを出す。
ロイアイのワンライ過去お題チャレンジ
お題は独り言
大佐中尉で多分つきあってない。少尉Sの会話。平和。

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。

画像情報：generated by 新書ページメーカー / Photo by somephoto / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

「なあ、４５かける８って何」
　自席に戻ってきたハボックがやおら聞いてくる。えっと、とブレダは一瞬視線を浮かせた。
「３６０だな。４５０ひく９０だから」
「え？　まあともかく５００は多いよな」
「そりゃそうだろ」
　そんなものは計算するまでもなくわかる。
「大佐ね？」
　声を挟んだのはホークアイ中尉だった。ハボックは顔をそちらに向けると、そうっすよと軽く言う。
「４５かける８だから５００で～とかなんか言ってました。調子悪いんですか、大佐」
「違うわよ。次の演習の概算出されてるんだと思うわ。ああもう、急ぎの山はこっちですって言ったのに！」
　ちょっと私行ってくるわねとホークアイは慌ただしく部屋を出ていった。
　ハボックはブレダに視線を戻す。
「何アレ」
「あー、多分、大佐は計算途中を口に出したんだと思う。で、何の計算してるか中尉は心当たりがあったんだろ。そうすると大佐が仕事の優先順位を間違えている可能性が浮上したと」
「計算途中？　ああ、さっきブレさんが口にした４５０引く９０とかそういう」
　言っただろうかと一瞬ブレダは考えた。
「この場合は全部言ってるだろ。４５０だから３６０だなとか、そういう飛ばし方だと思うぞ」
「俺からすると４５０がどっから出てきたってな

るんだよ。や、振り返ればわかんだけどさ。今のだと４５は５０足らずなんだから、８をかけても４００より少ねえよなって先に思うから」
「ああ」
　そういえばおおよそをつかむのは早い男だった。均質な正確さをブレダは優先するが、ハボックはとりあえずで処理する。
　大佐は頭から計算して、それでも速そうな気がした。
「前に中尉が言ってたよな。先回りで動けるのは、大佐は考えてることを口に出すからだって」
「ああ。そういや言ってたかも」
　時々大佐はぽつりと思考の欠片をのぞかせて、中尉はそれに合わせて先回りして動く。ブレダもハボックもそんなのすっかり慣れきっていて、今更中尉の仕事の速さには驚かない。
　ハボックはタバコを取り出す。
「あれでわかんのは中尉だけだけどな」
「夫婦みたいなやり取りしてるよな」
　まあ、とブレダは呟く。その次のふたりの声はそろっていた。
「今更だけど」

November 11, 2025 at 6:55 AM

11E

@rii143.bsky.social

#新書ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/shinsho.php

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
以下は本文の内容です。

＊＊＊

ｅｎｃｏｕｎｔｅｒ　―　たばこの煙の先に

　夜の街並みはいつもより静かに感じた。人が少ないわけではない。ただ、自分の鼓動にすら耳が慣れすぎて、周囲の喧騒が、遠く薄くぼやけて見えるのだ。

　烏丸悠真――２７歳。
　ＩＴベンチャーの広報という肩書きはあるが、胸の奥は仕事以上に、別のことでいっぱいだった。

　３年付き合った彼女と別れた翌日。

「ここ、たまには行ってみろってさ。気分変わるかも」
　そう言って、友人のそら（伏見蒼空）が差し出した招待カード。
　縁取りの金箔がやけに目立つ、黒い厚紙。
　カードには、＊＊〝ｅｎｃｏｕｎｔｅｒ〟＊＊という文字が控えめに光っていた。

　そらがいうには、限られた人間だけが入れる会員制相席ラウンジで、静かに過ごす人もいれば、語り合いに来る者もいるのだとか。

　――癒されるには、ちょうどいいかもしれない。

　そんな淡い期待と、少しの不安を胸に、階段を降りた。

◆

　扉を押すと、深い青の灯りが満ちた空間が広がった。
　香ばしいシーシャの香り、柔らかなジャズ。

ひどく落ち着く。初めて来たはずなのに、なぜか懐かしい。

　受付に近づくと、女性が穏やかに笑った。

「こんばんは。会員制相席ラウンジ〝ｅｎｃｏｕｎｔｅｒ〟へようこそ。
　会員カードはお持ちでしょうか。」

「あ、はい。えっと……少々お待ちください。」

　蒼空に貰った会員カードを探すために、軽く頭を下げる。
　想像より落ち着いていたが、次の瞬間、ポケットを探り――青ざめた。

「……財布、なくて」

　そう、やってしまった。
　いつも通り、肝心なものを持っていない。

　だが、女性スタッフは慣れた様子で言った。

「会員様のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。」

「あ、えっと。すみません．．．！烏丸悠真です。」

「烏丸悠真様．．．ですね。ご安心ください。蒼空くんよりお預かりしております。
　〝悠真が絶対忘れるのでよろしく〟と」

「……いや、なんでわかってんだあいつ」

　苦笑しか出ない。
　自分の知ったかぶりで失敗し、忘れ物癖で失敗し、

人生の節々でやらかしてきた。
　そのすべてが、ここでも顔を出す。

◆

「こちらのお席にておくつろぎください。」

　案内された席は、広めのソファだった。
　濃い茶色の革張り。身体が吸い込まれるように沈む。
　普段よく行く居酒屋とは比べ物にならないほどの静寂と独特な香りに酔いながら席に着いた。

「ご注文はいかがなさいますか。」

　気取った言葉を返しそうになるのをこらえる。
　お酒はあまり得意じゃない。
「実はお酒が弱くって…あと、シーシャ吸えるって聞いたんですが．．．」
　そう伝えると、女性スタッフは少し考え――
「では、こちらの方でご用意させていただきますね。」
　とやさしく提案してくれた。

　最近、シーシャにハマっている。
　それを言うと、彼女は控えめに笑った。

「では、ゆっくり楽しんでくださいね」

　サーブされたクラフトビールは、ほのかに柑橘の香りがした。
　喉を通るたびに、胸の奥のざらつきが少しずつ溶けていく。

　――もう、戻れないんだよな。

別れ話の最後、元彼女の泣きそうな顔が浮かぶ。
　互いに悪くはなかった。
　でも、合わせられなかった。
　仕事も、価値観も、未来の速度も。

　シーシャを吸い込む。
　煙が淡く漂い、青い照明に溶けていった。

◆

「ここ、初めて？」

　隣の席から声がした。
　見知らぬ男――涼しげな目元で、グラスを傾けている。胸元には名札が着いていた。Ｍｉｙｏｓｈｉ．．．三好という男らしい。

「あ、はい。友人の紹介で」

「伏見のやつ？」

「え、あ、知ってるんですか」

「まぁな。オーナーとあいつと俺でよくここで飲んでるしな。
　……てか、お前、財布忘れたろ？」

「はい。なんでわかるんですか」

「有名だよ、お前の忘れ物。さっきオーナーも言ってたし。
　あと、酒弱いのに強いの飲んで潰れるって」

　言葉に詰まる。

November 9, 2025 at 11:01 AM

11E

@rii143.bsky.social

#新書ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/shinsho.php

November 9, 2025 at 11:00 AM

璃々丸

@clalalily.bsky.social

　#青空横丁_噂話
#Picrew #悪い男メーカ
この見た目でiQOSとか吸ってるの想像したら可愛いですねﾟ+.(･∀･)ﾟ+.ﾟ

若かりし頃(外資系営業)やってた頃はお洒落な煙草吸ってたら良いな(人･∀･)

November 5, 2025 at 10:00 PM

ノブ🎨オハラ☘️完全断酒50日超えました

@k-o-hara01.bsky.social

戦後に「ダイエー」を創った社長のモットーは「「よい品をどんどん安く消費者に提供する」だった。それはメーカーとの軋轢も生み、自社ブランドも作った。闇市を見てきた男の言葉なので安易に否定できない。

たしかに私は今すぐダイソーやユニクロを手放せない。
でも資本主義の悪い部分はいつか、数世代先かもしれないが少しずつ改良されてほしい。ラディカルな革命ではなく地道なマイナーアップデートの積み重ねで。貧乏になると即効性のある劇薬を欲しがるのが世の常です。
ダメだった場合のプランB. C.Dぐらい保持しておいてほしい。

視野狭窄すぎて怖いよ。

October 28, 2025 at 12:15 PM

璃々丸

@clalalily.bsky.social

#青空横丁_噂話
#Picrew #悪い男メーカー
重慶の店は開店が遅くて12時から。
その代わり、夜0時までやっていて、17時頃からワインやビールと食べたくなるような惣菜パンが並び始める。
生ハムやドライトマト、ブルーチーズやゴーダチーズやら使ったハード系パンの惣菜パンや、気紛れで並ぶ和洋中、色々な味付けの唐揚げや牛のカツサンドも密かに人気があるとかないとか。
後はラム酒たっぷりのカヌレもこの時間帯に並ぶ。

October 26, 2025 at 12:45 PM

赤尾ノスリ

@akaonosuri.bsky.social

公式だと男主／女主でキョウヤ／セイカだそうで。
たしかに公式サイトとかPVに出てた名前がそんな感じだった気がするけど。
日本人風だな～と思ってたらデフォルトも日本人名なんだ。とくに男主はトウヤくん＋キョウヘイくんでＢＷ成分じゃないって思った。
海外版は海外版でデフォルトネームあるんでしょうけど。

セイカちゃんも悪くないけど、私にはその名前は星矢のお姉ちゃんが被っちゃう。もしくはキッズ時代お世話になった塗り絵・きせかえの文具メーカーというか。

October 16, 2025 at 12:25 PM

璃々丸

@clalalily.bsky.social

#青空横丁_住人名簿
#青空横丁_噂話

#Picrew #悪い男メーカー
高江重慶(たかえ　じゅうけい)49歳
脱サラしてパン屋さんになった。
店名はIn bocca al lupo (イン・ボッカ・アル・ルーポ)
大○明夫の声帯で喋るよ！（笑）
気さくなおじさんだよ(人･∀･)

October 16, 2025 at 11:17 AM

璃々丸

@clalalily.bsky.social

#青空横丁_住人名簿
#青空横丁_噂話

Picrewの「悪い男メーカー」でつくったよ！ picrew.me/share?cd=75V... #Picrew #悪い男メーカー
パン屋。
人がひとりふたりしか入れないような小さな店内にはエンガーディナーやカヌレ、バタービスケットやフォカッチャなどの素朴なパンや全粒粉のハード系のパンなどを置いてる。
今はチェダーチーズのビスケットやカボチャのカヌレ、かぼちゃと玉ねぎのフォカッチャを置いてます。

と、言うのを一先ず。
名前と店名はそのうち←

October 14, 2025 at 3:41 AM

たかな

@kanabook925.bsky.social

1/2(全6ページ)
今年のハロウィンは鬼殺隊側がオオカミになってましたね。オオカミなしのぶちゃんが可愛かったので、今年も赤ずきんちゃんパロを書きました。童しの童。
#童しの

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「赤ずきんさん」、「かな」と記載されています。
画像情報：generated by 文庫ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

　赤ずきんさん
　むかしむかしあるところに、小柄で可愛らしいオオカミがおりました。
　オオカミらしく鋭い爪を持っていましたが、彼女の一番の武器は賢さでした。賢い者はいたずらに乱暴をはたらきません。ときに森ではぐれた恋人たちを引き合わせたり、病人のいる家に薬草を渡したりと、人と共生し糧を得ていました。
　
　ある秋のことです。珍しくお腹を空かせたオオカミは、ご馳走の匂いを嗅ぎつけました。匂いを辿ると可愛らしい小さな家に行き着きます。
　窓からそっと中を覗くと、丸坊主の男がせっせと料理の皿を並べていました。どうやら彼の推しの『赤ずきんちゃん様』とやらがやってくるようです。
　部屋のご馳走にペコペコのお腹は小さく鳴り、オオカミは考えました。
　どうにかしてあのご馳走を分けてもらえないかしら？
　しかし強火の赤ずきん信者らしい坊主が、推しのために用意したご馳走をくれるとはとても思えません。

そこで彼女は小石を拾うと窓をコツンと叩き、歌を歌い出しました。
「あぁ、可哀想な赤ずきん。風邪を引いても誰もいない。家で１人苦しんでいる。あぁ、可哀想な赤ずきん、赤ずきん」
「な、なんですって！？」
　慌てた丸坊主の男は、皿拭きもそこそこに飛び出していきました。
「フッ」
　オオカミは悪い笑みを浮かべると、静かに扉を押し開け中を覗きます。
　……いい匂い。
　テーブルの上には食べきれない程のご馳走がズラリと並んでいました。牛肉の煮込みに鶏肉の丸焼き、舌平目のムニエルに、海老のテリーヌ、ポタージュスープに、ケーキも数種類……などなど。
　とても二人分の食事とは思えません。まさに飽食。
「こんなにあるんだもの。少しずついただけば平気でしょう。……大丈夫、バレないようにやればいいんですよ」
　彼女は色とりどりのお皿から、ほんの一口ずつ取り分け頂戴していきました。

そうしてお腹いっぱいになったオオカミは、今度は眠くなってきました。
「うーん、少しだけ。少しだけ横になりましょう」
　そう言うとふかふかのベッドに横たわり、すぐに寝息をたて始めるのでした。
　
　どれくらい経ったでしょう。
　眠っていたオオカミはギィと開く扉の音で目を覚ましました。思いのほか重い足音に、そっと掛け布団から顔を出し……急いで頭を引っ込めます。
　外の夕日を背に立っていたのは、血のような赤い頭巾を被った１８７センチ８６キロの『赤ずきんさん』でした。
「おやぁ？　ネズミが入り込んだかな？」
　穏やかな声でした。重い足音が一歩、また一歩と近づいてきます。小さなオオカミは、ベッドの中でさらに小さくなり身を潜めていました。しかしついに目の前でピタリと止まってしまいます。キルトの膨らみに、赤ずきんは穏やかに優しく喋りかけました。
「君は、誰かな？」

「私は……あなたの信者ですよ。赤ずきんさん」
　オオカミが精一杯低い声で答えますと「そうか」と一言返ってきました。
　案外あっさりと騙せたものだとホッとしているうちに、なんとベッドの縁に腰をかけ、キルト越しに語りかけてきました。
「ねぇ、どうしてそんなに声が高いの？」
「か、風邪をひいてしまったからです」
　オオカミがゴホンゴホンと咳をしてみせると、赤ずきんは笑いをかみ殺しました。心配するそぶりで声をかけます。
「それは可哀想に！　それにずいぶん小さくなってしまったね」
「食事が摂れず痩せてしまったのです」
　赤ずきんはますます楽しげに膨らみを見つめました。
「ところで……どうしてこんなに鋭い爪をしているの？」
　布団の端を掴む手は人のものではありませんでした。その手が布団を握るたび、爪がキルトに食い込んでいます。
「それは……」

October 12, 2025 at 1:51 AM

こめ屋

@okomelawzo.bsky.social

🐯誕生日おめっとう！！
ずっと待ってるんやで！！！
お祝い感なしやけどわこれが⚔️くんからの最大のお祝いだよ！！
‪🐯⚔️だよ

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付記に「月見酒」、「ロー誕生日 2025/10/06」と記載されています。
画像情報：generated by 文庫ページメーカー / Photo by Zoltan Tasi on Unsplash / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

随分と、明るい月が顔を見せていた。
煌々と照らす月明かりに、まるで照れてしまったかのように夜空に他に光は見えない。この間見上げた空には、溢れんばかりの星が埋めつくしていたような気がしたのに。
それはそれとして、こんな名月を放っておく訳にはいかない。月見酒でもしなければ失礼というものだろう。せっかくならちゃんとやろうか、と思い立ち、キッチンからグラスを拝借してくる。晩飯の片付けをしていたぐるまゆは、酒蔵に向かわないおれには特に警戒することもないのか、飲みすぎるなよー、とだけ声をかけてきた。任せろ、と返事を返しておく。剣士たるもの酒に飲まれるような間抜けなことをおれがするわけないだろ。
グラスを掴んで展望台に戻ると、奥の棚を漁る。確か前にここら辺に入れておいたような。記憶を頼りに簡素な棚を、指先で探る。お、あったあった。目当ての瓶を引き出して、つい口角が上がる。深い色をした北の海産の酒が、月光を照り返して鮮やかに光った。
力を込めてボトルを開けると、特徴的な甘い燻るような香りが鼻腔を擽る。うー

ん、これはいい酒だ。我ながらいい選択。早く飲みてぇ。グラスに注ぎ込めば、橙色が顔を見せる。その水面を、月が大きな氷のように浮かぶ。
「ん？」
その光景に、既視感。
「んん？」
何処かで見たような、そんな感覚。もっとよく思い出そうと、グラスに顔を寄せる。くらり、と甘く香ばしい匂いが思考を掠める。とりあえず一口。
「うん、美味い。」
つい、追いかけるように酒に濡れた自分の唇を舐め上げる。酒の湖面がゆらり、と揺れた。それを目にした時。
「あ。」
すこん、と納得いった。そうか、この月。似てんだ、あいつの目に。深海を行くあの船の、キャプテンの男の瞳に。
「あ～…」
思い至ってなんだか恥ずかしくなってきた。なんなんだおれは。月を見上げて、

風流だと嘯いて、グラスまで持ち出して、取っておきの酒の封を開けて。もう、誰がどう見ても上機嫌だとわかりやすいぐらいわかる態度で。
好いた男を、思い起こさせるからなどと。
「…まあ、いいか。」
気分がいいのは嘘では無い。好いた男を想うことも、まあ悪いことでは無い。己が恋慕を肴に一杯も、まあそれはそれで良いではないか。
グラスを持ち直し、もう一度月を見上げ直す。月の光は冷たいと、何処かで聞いたことがあったが、そんなもんは嘘だな。酒の甘さが増しそうなほど柔らかな光は、緩く微笑むあいつによく似ている。
そっと、グラスを持ち上げる。乾杯するように。
この月の下で、この広い海の中で、あいつが今日も生きていることに。
決して口には出さないが、想うぐらいは許されよう。
恋人の安寧を願うことを。
あいつが、トラ男が、トラファルガー・ローが、今日もあいつらしく進んでいますように。

言葉の代わりに、グラスの酒を一気に飲み干した。臓腑が炎に嘗められる感触。鼻に抜ける馨しい香り。下に乗るまろやかな味。
「美味い。」
声は、海風に乗って消えた。
おれは知らない。遥か遠い海の中の恋人の窮地を。知ることも許されない。それでいいのだ。それでも、おれはあいつを想う。今日も、気が向けば明日も。きっと、この生涯続く限り。

October 5, 2025 at 3:06 PM

とりいとうか

@gearfoxoo.bsky.social

【TKaH】アイスクリームトラックの話、或いは胸元にあった社名の刺繡は切り裂かれている制服の話でもある。

#とりいとらいぶらり

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「Three Killers at Home」、「とりいとうか」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / Photo by Jason Blackeye on Unsplash / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

　夕暮れ時にだってキラーはいる。いつだって、どこにでも。だってキラーはキラーだから。でも、夕暮時には殺人犯もいる。だって夕暮れ時はどこもかしこも薄暗くて、隠し事をするのにぴったりだから。

『ＡＣＴ２４　ＢＩＴＴＥＲ　ＢＬＯＯＤ　ＳＷＥＥＴ　２』

　そんな薄暗い住宅街の細い路地を、フレッドは歩いていた。今日は一人だ。エリアスはコテージに帰ってきた気配もなかったし、アンソニーは学会がどうとか言っていた。キラーを参加させてくれる学会ってあるのだろうか、とフレッドは首を傾げたが、まぁアンソニーがそう言うならそうなのだろうと思っている。
　と、そこでオルゴールの音が耳に入った。先日、この少し先の広場で見かけたアイスクリームトラックがかけていた曲だ。時間も場所も、どこか調子外れなそれを不審に思ったフレッドが辺りを見回した、その時。

「……ア？」

　ギラギラと、夕日を反射して不気味に輝くアイスクリームトラック。その後方、化け物の口のようにぽっかりと開いた車体の奥に、少年を引きずり込もうとしているのはあの時見たトラックの主。少年は意識を失っているのかぐったりしていて、あぁ、オレも最期はあんな風に運ばれて、と思った瞬間にはもう駆け出していた。

「ハロー、クソサイコ、ご機嫌いかがァ？」

　辛うじてそんな台詞を捻り出せたのは、フレッドがキラーとしての矜持をギリギリで保ったから。しかし、その後はもうダメだった。普段なら自作の凶器を紹介して、観客ウケするよう派手に楽しく殺すのに。フレッドの拳が男の顔面に叩きつけられ、男は思わず少年の腕を離してしまった。
　だから、フレッドはそのまま男を車体の外へ蹴り出した。チラと見えたその奥には、無数の証拠が積まれている。子どもの服の切れ端やら、赤茶色に染まった鋸やら。気分が悪い、とても。これだからサイコ野郎は殺さなきゃいけないんだ。フレッドは地面に転がる男に似合いの道具はどれだろうと思いながら、一番手近にあった金槌を手にした。
　男はヒィヒィ泣きながら、腕だけで這って逃げようとしている。どうやら腰が抜けてしまったらしい。そんな男の、頭に一発。と思っていたのに男がジタバタ暴れていたせいで肩に当たってしまった。ゴキンと鈍い感触、男の絶叫。うるせェな、と思ったのでもう一度頭を狙って金槌を振り上げる。

「黙って死んでろ、変態野郎」

　しかしこちらを向いた男の目を見て、あ、と思った。コイツ、キラーになる。ってことはオレが親になンの？　男の血走った、濁った、それでいてギラギラと輝く目は人殺しをする時のキラーにとてもよく似ている。けれど、勢いよく振り下ろした金槌を止めるつもりはなかった。だって、

クソサイコは殺さなきゃいけない。だって、「フレッド」はサイコ野郎に殺されたのだから。

「……えい」

　バシンと横からの衝撃を受けて、フレッドはたたらを踏んだ。次いで、目の前で噴き上がった鮮血。何が、と思ってよくよく見れば、店主の頭がグチャグチャに潰れている。ぬち、と嫌な音とともに引き上げられたブーツ、から、視線を上げていけば、清掃員の制服を着たエリアスがいた。

「……汚い、もうこのブーツは捨てなきゃ」
「イヤイヤイヤ、待てよお前！？　マナーっつーかルール違反だろうがッ！！」

　靴の裏にこびりついた脳ミソの欠片を、心底嫌そうに見詰めていたエリアスに食ってかかるフレッド。そう、これはルール違反だ。複数のキラーが同じ場所にいるなら、先に殺し始めた方に獲物の優先権がある。それを横入りして殺すなんて、とんでもないことだ。
　しかし、エリアスはぶんぶんと首を横に振った。そうして腕を上げ、遠くを指差す。何だ、とその指の先を見てみれば、店主に引きずり込まれそうになっていた少年が悲鳴を上げて逃げていく所だった。

「……あの子から「おじさんを助けて」って言われた」
「ハ？」
「……だから、おじさんを助けた」

「ヤ、オレ二十六だし、まだおじさんじゃねェし」
「……俺が二十五だからおじさんだよ」
「それおかしくね？　まだまだ全然おじさんじゃねェよ」

　なんてやり取りを続ける間に、頭の中をのたくっていた怒りが消えてしまったフレッドは改めて男の死体を見下ろす。そう、死体だ。完全に死んでいる。キラーにはならなかった、否、なれなかった。そうこうする内に遠くから警察車両のサイレンが聞こえてきて、フレッドは肩を落としてその場を立ち去ることにしたのであった。

October 4, 2025 at 3:02 AM

シェル紫

@10000byakuren.bsky.social

#dkmn夢
皇紀さんとエージェントと、時々偽物。
似非バイオレンス。
偽物なんて壊し甲斐のないものは壊す。 #文庫ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/bunko/index.php

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「@10000byakuren」と記載されています。
以下は本文の内容です。

　つまらない世界
　
　
　気が付いたら、この両手はエージェントの首を絞めていた。
　
　冷静に状況を整理する。
　皇紀は商業地区と娯楽地区の境の道で怪しい雰囲気のする男を見かけ、最近エージェントから上がっていたカオストーンを所持している可能性がある人物ではないかと睨んだことで後を付けた。路地裏に付いていけば男の姿はなく、代わりにカオスワールドの入り口。
　エージェントも含まれているウィズダムのトークルームに簡潔な連絡だけ入れ、迷わず単独で入る。
　最後の記憶はそこまで。
「(これがこのカオスワールドの特性か……)」
　自分の格好を確認するが、服装に変化はなかった。第一世代のカオストーン、

ウィズダムシンクスの回収対象。
　しかしながらこの眼前の彼女。これは本物……ではない。この時間、シフトで仮面カフェにいるはずの彼女が自分と同じタイミングで商業地区のカオスワールドにいるわけがないし、そもそも彼の勘がこれは偽物だと告げている。それでも。
「(……よく出来ている)」
　手触り、温度、漏れ出る苦悶……その全てが彼のよく知る彼女の似姿だった。記憶を読み取って再現しているのだろうか。皇紀は手から力を抜いて彼女を解放しようとするが、出来ない。完全に動きを制限されていた。
「(仮面ライダーにエージェントを殺させる……もしくは、見知った顔の奴を。そういうカオスワールドか)」
　大体は理解できた。あとはこの状況をどうするか。
　知人の首を折ること、例え偽物であってもそれは耐えがたい苦痛だろう……と、この世界の主は想定したのだろうか。
　普通はそうなんだろう、と皇紀は考える。世間一般の『常識』は一応頭に入れているので、これが異常事態である、ことはわかる。しかしながらそれは、皇紀

の思考回路も世間一般と同じくしている場合に限った精神攻撃の有効性だった。
「……この似せただけの人形を、俺が壊せないとでも思ったか」
　皇紀は迷いなくその首を折った。するとエージェントの姿をしていたものは、黒い霧となり、世界に消えていった。気色の悪いノイズのような笑い声が世界に響く、が。そんなもの皇紀には関係なかった。こういう演出で神経を衰弱させるのが狙いなのだろうけれども、生憎と皇紀には通用しない。
「……今すぐ解体してやる」
　こんなもの所詮生ぬるいアトラクション以下、ただのごっこ遊び。本気でやるならばこう、といったギリギリのラインを、引きずり出したカオスワールドの主に施した。
　首の骨は流石に宗雲が煩い。仕込みの時間が迫るので、骸を片付ける手間も面倒。運の良い奴……冷めた目で男を見下ろした。
「次に俺の視界に入った時は、その首を折る」
「……！」
　なので、捕まえた肉質の悪い男の肩の骨を鳴らすだけにして、世界から放り投

げた。カオスワールドの崩壊が始まったことを確認して、この件を解決と見なす。皇紀はこの世界を出て元の路地裏に戻った。男は逃げたようで、誰もいなかった。足元に落ちていたカオストーンを回収する。終わった一報だけでもメッセージにして送付し終えたところで、こちらに向かってぱたぱたと走ってくる足音がした。振り返る。
「……皇紀さんっ！　ご無事ですか？」
　エージェントが息を切らせて駆け寄ってきた。皇紀は思わず怪訝な顔になる。
「お前……仮面カフェはどうした」
「え～っと……話すとややこしいんですけど……」
　視線をさ迷わせたエージェントは、一度頭の中で話を整理して口を開いた。
「まず、レイドイベント真っ最中のルーイさんから気付けコーヒーの注文があったので配達した帰りに、商業地区の道端でマジックショーの呼び込みバイトをしていたフラリオさんに引きずり込まれてショーの助手を終えたところで、皇紀さんのメッセージをいただきまして……」
　近かったので走って来ました！　と汗の滲む細い首筋。九月に入ったとは言え

September 27, 2025 at 3:01 PM

タオ

@taos-0408.bsky.social

本日のツキフレで配布させていただきましたはるれです。(1/3)
お手にとってくださった皆様ありがとうございました！ #文庫ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/bunko.html

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
以下は本文の内容です。

「……眠れない」

　目を閉じればぐるぐると思考が巡って騒がしい。体調管理をできなかった自分の不甲斐なさや仕事に穴を開けてしまったことへの申し訳なさ。そして俺の代わりに穴を埋めてくれたメンバーたちへの感謝と、やはりそれ以上の申し訳なさ。今日一日だけでもいろいろとかけてしまった迷惑を思えば一刻でも早く眠って体力を回復させた方がいいんだろうが、散々眠った後では薬を飲んでもすぐには眠くならなかった。よくなっている証拠なのだとは思うけれど、いっそ考える隙もないくらい眠りに落としてほしかった。
　明日は働けますと上月さんに連絡したのだが、大事をとって明日の予定は全てリスケしてもらったそうで今しなければいけない準備も特にない。ジグソーパズルのように二日分の仕事を別日に嵌めてくれた優秀なマネージャーにも感謝して、また目を閉じる。無駄だとは思いつつ、一応努力はすべきだろう。普段なら何もせずぼうっとする時間は得意だけれど、こういった日のこういう時間は苦手だ。
　同じことをぐるぐると考えては目を開けて、カーテン越しの月明かりのみで照らされた薄暗い部屋を眺めては目を閉じてを繰り返す。やはりここはいっそ寝るのを諦めて起きた方がいいんだろうか。

そんなことを考えながらまた宙をぼんやりと眺めていたらガチャリと扉の開く音がした。視線をそのまま向ければ緑色が見える。おそらく玲司さんだろう。玲司さんはそっと扉を閉めると足音を忍ばせて俺の近くまで来る。その様子をじっと眺めていたらぱちりと目が合った。

「うわ！！」

　驚いたように大きな声を上げる玲司さんに俺も心臓をバクバクとさせていれば、少し呼吸を整えた玲司さんが再びこちらを見た。

「お前起きてんならリアクションとれ！　ってもしかして俺が起こしたのか！？　だったら悪い！」
「いえ、元から起きてました。玲司さんが息を潜めてらっしゃったので、俺もそれに倣い」
「いや俺がこっそりするのは当たり前だろうが……！　と、悪い、いつもの癖で大声が。病人に出す声量じゃねーな」

細かな表情まではわからないけれど、玲司さんは申し訳なさそうな顔で頬をかく。だが俺としては一人で鬱々としていたところだったので寧ろお礼を言いたいくらいだ。

「とんでもないです。玲司さんの声で部屋が明るくなった気がします」
「はは。ま、ならよかったけど？　どう、体調は」
「はい、もうだいぶ。今日一日休ませていただきましたので」
「ならよかった。明日も休みなんだろ？　治ったとか油断しないで最後までしっかり休めよ」

　それなのに、『明日も』という部分に勝手に引っ掛かりを覚えてまた少し気持ちが沈む。玲司さんに他意がないのはわかっているけれど、元々休みだったわけではないのだ。今日の休みも明日の休みも、たくさんの人のスケジュールを巻き込んで得たものである。

「ありがとう、ございます。ご迷惑お掛けしてしまいすみません」
「いや、俺は別に仕事代わったわけでもねーし。何もしてないけど？」
「いえ、こうしてわざわざ貴重な時間を割いてお見舞いに来ていただいてるじゃないで

すか。それに今日は本来であれば居酒屋岳の営業日……玲司さん楽しみにしていましたよね」

　共有ルームのボードに書き込まれた岳さんの予定とそれを見て喜んでいた玲司さんを思い出す。だが岳さんが俺の代わりに番組収録に出てくれることとなったから、居酒屋岳の今日の営業はなくなってしまった。

「お前さぁ……」

　俺を見下ろした玲司さんはそこで言葉を区切ると、大きくため息をついて腰を下ろした。お腹の辺りのベッドが沈む。

「俺がそんなことで迷惑だって思うと思ってんの？　んな小さい男だと思われてることこそ迷惑なんですけど」
「いえそんな。小さい男だと思っているわけでは……ただ、せっかくの楽しみを奪ってしまったなと」

September 21, 2025 at 3:07 PM

ちよ

@chiyosan1.bsky.social

３１日　２２．腰／水父 https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/bunko/bunko_bg.php

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「３１日　２２．腰／水父（4/4）」、「@chiyosan1」と記載されています。
画像情報：generated by 文庫ページメーカー / Photo by Jeff Rodgers on Unsplash / フォント：しっぽり明朝Regular

以下は本文の内容です。

　絶好の洗濯日和。
　このところ曇りがちだったので、ここぞとばかりに洗濯物を一斉に片付け、庭に干す。
　そんな中、所在無げに縁側に佇む男が一人。ゲゲ郎だった。
「服に着られてんなぁ」
　ニヤニヤしながらそう声をかけると、どことなく着心地悪そうに、ゲゲ郎がその服の袖を摘んだ。
「……やはり儂は、洋装は苦手じゃ。どうにも息苦しい感じがする」
「襟なら、そんなにしっかり締めることはないだろ。一番上の鈕を留めると、窮屈そうだもんな、ほら」
　言いながら一番上の鈕を外してやると、少し楽になったのか、ゲゲ郎がほう、と息を吐いた。
「鬼太郎は平気そうなのにな」
「お主ら親子が、早い段階で洋装に慣れさせてくれたからのう。生まれてこの方、ほぼ一張羅で過ごしてきた儂には、慣れるのに少々時間が掛かりそうじゃ」
「…………」
「なんじゃ？」

急に黙り込んだ俺を訝しむように、ゲゲ郎がこちらを見る。
「いや、慣れようとしてくれるのか、と」
「それは……」
　口を開き、何かを言いかけて。けれど、ゲゲ郎はその後、暫く黙り込み、口を噤んだ。
「なんだよ、気になるだろ」
「暫くお主と過ごすのなら、その、慣れた方が良いのじゃろうと。いつまでもというわけには、いかぬじゃろうが」
　そう。俺たちはいつまでも共に過ごすことはできない。それは以前からわかっていた。
　けれど、今のゲゲ郎の言葉は、逆に言えば、いつか別れなければならないその日までは共にいようと。
　そう言ってくれたのだということに気がついて、今度は自分が惚けてしまった。
「俺にも、鬼太郎が成長するのを、一緒に見させてもらえるのか」
「……当然じゃ。お主は、鬼太郎のもう一人の『父』じゃぞ」
　庭先で母さんに抱かれて、風にたなびく衣服に手を伸ばしている鬼太郎の姿に目を細めながら、ゲゲ郎が言った。
「そ、か……。……ああ、そうだ。……そうだな」

いつまでだとか、確約をもらったわけではない。けれど、自分の意志でここにいることを選んだのだと、そう聞かされて、じわりと胸が熱くなった。

「脱げぬ」
　夜、風呂場に行って暫くしてから部屋に戻ってきたゲゲ郎が、開口一番そう言った。
　見れば肩のところでシャツが丸まって腕が抜けなくなっているのがわかる。
「元々、肩の部分がキツそうだったものな」
　思わず込み上げる笑いを喉元に留めて、立ち上がる。
「ゲゲ郎、万歳だ」
「ん？　うむ？」
　言われるがままにゲゲ郎が腕を上げる。
「そのまま上半身を前に倒す」
　俺の言葉に従い、体を倒したゲゲ郎の袖を掴むとそのまま腕の伸ばされた方向へと引っ張った。
　そうして、あともう少しで腕から袖が抜ける、というところで、俺はその動きを止め

る。
「水木？」
　シャツに覆われていて顔を上げられないゲゲ郎が訝しげな声を上げるのに構わず、その露わになって腰にそっと口を付けた。
「っ！　これ、水木！　戯れはよさぬか！」
「戯れじゃない」
　言いながら、シャツを一気に引き抜いてやると、上半身裸になったゲゲ郎が体を起こし、こちらに何かを言い募ろうと振り向いたものの、結局口をモゴモゴと動かしたまま自分の体を隠すようにすると、こちらに背を向けて「水木の、助平」とだけ言い残して、風呂場へと駆けていった。
　そんなにもあからさまだっただろうか、と。ふと、部屋の片隅の三面鏡に映る自分の姿を見て、ああ成程、と納得した。
「これは、獣の顔だな」

September 17, 2025 at 11:23 AM

マオル

@maorur.bsky.social

やったーみずいこできたよー(*^^*)
いさん結婚式（相手はオリジナルモブ女）、年齢操作あり、雑大阪弁注意です

(3/9) #文庫ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/bunko/index.php

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以下は本文の内容です。

界境防衛的新作落シ噺「無題」

　えー、本日はお日柄もよく、新郎、新婦ならびにご両家の皆さまに心よりお祝いを申し上げます。本日はめでたい席にお招きいただき恐悦至極に存じます。ただいまご紹介に預かりました水上敏志でございます。
　ご存じの通り新郎の達人さんは界境防衛機関ボーダーに勤めておられまして、わたくしは防衛隊員時代のチームメイトでした。出会いはわたくしが高校一年生、白皙の美少年であった冬。夢破れて流れ着いた三門市で達人さんに導かれ、いま、ここに立っています。わたくしは彼のおかげで新しい夢を、己の天分を見つけました。達人さんは偉大な恩師であり、頼れる隊長であり、かけがえのない友人です。達人さんはご結婚を期にボーダーを退役され、ご実家の道場を継がれるとのことですが、我々の友情は永遠であると信じております。
　さて、達人さんは友人のわたくしから見てたいへんパーフェクトなお方ではありますが、そんな彼にも迷走した時期があります。具体的に申し上げますと、女

性にモテたくてギターを始める、料理に凝る、ＳＮＳ映えを意識して脚長写真を撮るなどの奇行に走りました。思春期の男はみなかかるはしかのようなものです。あのまま突き進めばいまごろは仏門に入り、悟りを開いていたかと思いますが、その前にすてきな人と巡り会えて本当によかった。新婦の✕✕さんもピアノをやっておられるということですから、セッションを奏でるように、ふたりで幸せな家庭を築いてください。
　イコさん。本日は誠に、誠に、おめでとうございます。
　││なんて具合に披露宴やら終わりましたけど、スピーチも二次会の司会も心臓に悪かったわ。やっぱ俺は人前に立つようにできてへん。だってほら、ビンゴ大会とか、ほんまにハラハラしたやろ。嵐山さん、当たり前のように特賞引くし、当たり前のようにイコさんとハワイ旅行行く気やったし。柿崎さんがおってくれて助かったわ。弓場さんも迅さんもガチ泣きしとって止めるどころやなかったもんな。
　なんでって、海、こういうのは特賞獲った人がなんかうまいこと言うて新郎新婦にお返しすると決まっとる。一種のプロレスやな。え？　古い？　そう言いな

や、マリオちゃん。参加者はビンゴで楽しめる、当たった人は気風のよさを示せる、新郎新婦は確実に新婚旅行に行ける。三方よしの最高の手管やで、四角い仁鶴がまあるくおさめまっせ、てな。知らんけど。
　って、こら隠岐、寝るな。まだ一杯しか飲んどらんやろ。ああ、まあ、こいつ、披露宴でしこたま注がれとったか。愛想がええのも考えもんやな。それに、よく見たらもうええ時間やったわ。そろそろしまいにするか、長い三次会になっててもうたな。いまタクシー呼んだから││そう、アプリで││三人で宿まで帰りや。俺は歩きたい気分なんで歩きます。ほな。
　ああ、月がきれいやな。秋風にたなびく雲の絶えまより……、やな。光が川面に映ってきらきらしとる。京都いうても鴨川らへんと違おて人がおらんから居心地がええわ。住宅街だけどごみごみしてへんし、あの式場選んだ奥さん、ええ趣味してはる。さすがイコさんを見つけたお人やで。
　しかし引出物はなにこれ、顔写真入りの絵皿て。これはイコさんのセンスやろ。俺もイコさんも感覚が昭和やな。年輩の方と過ごすことが多かったせいかな。そのへんは奥さんより気が合うとこやな。

September 17, 2025 at 1:47 AM

ちよ

@chiyosan1.bsky.social

３１日　２０．腿／水父（4/4） https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/bunko/bunko_bg.php

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「３１日　２０．腿／水父（4/4）」、「@chiyosan1」と記載されています。
画像情報：generated by 文庫ページメーカー / Photo by Jill Wellington on pixabay / フォント：しっぽり明朝Regular

以下は本文の内容です。

「水木よ、今日はその、立ったままでも良いか？」
「ん、どうした急に」
　例の『アレ』についてだということは水木も察したようだが、こちらの意図には気づかなかったようだった。
「その、……座ってやるのは、水木がやりづらいのではないかと思って」
「……あ、」
　どうやら伝わったらしく、声を上げて、その手で額を覆ってからこちらの肩をポンポンと叩く。承知した、と言うことらしい。
『腿』。自分が座ったままとなると、水木は這いつくばり、自分の足に跨るような姿勢になる。その体勢には少し抵抗があった。水木もまた、自分と同じように感じているらしい。
　意識するとどんどん羞恥が増すので、できるだけ早く済ませてしまおうと立ち上がる。
「……ほれ、」
　言いながら着流しの裾を割って、左の腿を露わにする。
「少し触るぞ」
　水木はそう言ってその無骨な右手で腿を掴むと、その内側の皮膚の柔らかいところに

唇を当てた。
　ちゅ、と小さく濡れた音がして、思わずびくりと足が震えた。
「みず、き……、」
　捲っていた裾を握りしめながら、咎めるようにその名を呼ぶと、水木は「悪い」とだけ言って、またその腿に唇を押し当てた。そして、少しだけ強く吸われる感触に、今度は全身が震える。水木の唇が、その肉を食むように吸って、離れる瞬間に微かにぬるりとした舌の感触が掠める。情欲を向けられているということが、この身を苛むのか。ひどく居た堪れなくて、恥ずかしくて、なのに、もっと触れて欲しいと感じている自分がいた。
　浅ましいと思う。自分に向けられる、その剥き出しの欲の色に染まった目を見て、心はどこか湧き立ち、体はそのひたむきなまでの熱を欲していた。
　大きく口を開けた水木が、その肉に歯を立てる。
「……っつ、ぅ……ッ！」
　甘い痛みが走る、耐えきれない、こんなの。
　痛みによるものではない涙が、微かに込み上げてくる。
「みじゅ、めーなの！」

唐突に聞こえた幼い声に、一気に現実へと引き戻される。
「っ……鬼太郎！？」
「めぇ、なの……」
　先ほどまで眠っていたはずの鬼太郎が、寝返りをうった状態で、半端に体を起こしてこちらにそう訴えたかと思うと、這いずりそうな格好のまま、突っ伏してしまった。本当に一時的な、軽い覚醒だったらしい。
「……このままでは顎が痛くなってしまう」
　水木から身を離して裾を直すと、鬼太郎を元のとおり仰向けに寝かせる。
「ゲゲ郎、悪い……俺、」
　背にかけられる申し訳なさそうな声を遮るように、言った。
「よい。……お主を拒まぬ儂にも、責がある」
　水木が、姿勢を正して背を向ける気配がした。
　背後のその男に、決して聞こえぬように密やかに息を吐く。
　もし、求めるような言葉を聞かされていたら、自分はこの男を拒むことはできなかっただろう。
　否、自らこの手を伸ばしてしまったかもしれない。

もう目を逸らすことなどできない。自分は、はっきりとこの男に、懸想している。
　その手に触れられたいと、願っている。

September 15, 2025 at 10:15 AM

璃々丸

@clalalily.bsky.social

Picrewの「悪い男メーカー」でつくったよ！ picrew.me/share?cd=WVQ... #Picrew #悪い男メーカー
果心居士。佐助からはじいじと呼ばれ、甚八から師匠。才蔵からは糞爺呼ばわりされている(　・３・)
ちな、じいじは甚八の事は甚、と呼んでる。
年齢不詳、謎の呪術師。

September 12, 2025 at 11:58 AM

ゆずこしょー

@bbyuzu-kosyo50.bsky.social

🍶夢
灼熱/友達/宵越し
ワンライガチャお借りしました。
30分くらいの極々短いお話。
3つのワードを一文で入れてみたかった。
(@opdream-1h.bsky.social)

「……え？」
「やめた。まどろっこしいのは性に合わん」

そう言い切ったお頭は髪に触れていた手をそのまま後頭部に回してグイッと引き寄せる。
行き着く先、待ち構えるのは勿論彼の整った顔。
中年の男のモノではない艶ののったピンクの唇。
あ。と大きく広げられたソレに息つく暇なく食べられる。
陽の光がある中では初めて――なんて思っていればすぐにいつもと同じく差し込まれる舌。
そこでやっと現実に引き戻される。
――ここ、談話室！――
急にクリアになった思考で、抵抗しなきゃと慌ててできたのは彼の胸板を押す事だけ。
勿論、うんともすんとも言うわけがなくビクともしない。そして抵抗虚しく角度を変え、夜の情事を思い出すような激しいキスを贈られる。
気が済んだのかお頭の顔が僅かに離れても銀糸で繋がったまま。極至近距離で射抜くように見つめる赤銅の瞳。遂には全身から力がが抜け、私を食べた張本人へ凭れ掛かるようにピタリと寄り添ってしまう。

「逃げるのは許さん。他の男を追うのもダメだ。お前を余すとこなく喰べていいのは俺だけだ」

「やっぱり我慢できなかったな」
「誰だ、お頭に賭けたやつ」
「うわぁ、お頭信じてたのに」
「……ったく」

September 11, 2025 at 12:04 AM

璃々丸

@clalalily.bsky.social

Picrewの「悪い男メーカー」でつくったよ！ picrew.me/share?cd=PTL... #Picrew #悪い男メーカー
やだー何着ても似合うなー⁽⁽꜀(:3꜂ ꜆)꜄⁾⁾♡︎♡︎
悪悪親父はやっぱり伊達男じゃないとねー
(｡･ω･)(･ω･｡)ﾈｰ

September 7, 2025 at 11:25 AM

シェル紫

@10000byakuren.bsky.social

#dkmn夢
皇紀さんとエージェントと、時々阿形。
阿形誕生日おめでとう。
皇紀さんのコメント……どうしようね。 #文庫ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/bunko/index.php

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「@10000byakuren」と記載されています。
以下は本文の内容です。

　祝祭の後に
　
　
　九月五日、皇紀は早朝に行ったウィズダムシンクスとしての秘密裏の調査帰りに、仮面カフェに寄った。時間帯はモーニングが始まったぐらい。報告も終えた仕事終わりに朝食を取るのも悪くないという判断。
　カフェの入り口が目の前に来たところで、中から気配がした。想定通り仮面を被ったエージェントが仮面越しにもわかる笑顔でドアを開けた。出会い頭に目が合う。
「？　……皇紀さん！　おはようございます！　いらっしゃいませ！」
　一瞬彼を見て理解が追い付かなかったようだが、すぐにもう一度笑顔になり挨拶をする。彼女の後ろからもうひとつ気配がした。
「皇紀さん？　……お、本当だ！」
　それは阿形だった。彼もこの時間にカフェに来るのかと、漁港でバイトをしていることを思うと若干違和感を覚えた。その答えをエージェントはすぐに開示す

る。
「皇紀さん、今日は阿形さんのお誕生日なんですよ！」
　皇紀が人の、自分も含めて誕生日を祝う人間ではないことは十分承知している。けれどもエージェントは機会あらば皇紀に誕生日の話題を伝えることをやめなかった。
　皇紀は、懲りない奴……と思いながらも目の前にいる話題の男を下から上へと眺めた。阿形がその視線にたじろぐ、けれど。
「……成長はしたようだな」
「本当か？！　……皇紀さんにそう言ってもらえると自信になるよ」
「良かったですね」
　想定より色好い言葉をもらえて喜ぶ二人。彼が誕生日だから時間を見つけて仮面カフェに来ていたのかと納得が行った。
　阿形は通知があったライダーフォンを見て、名残惜しいがと前置きした。
「今から漁港に戻らないと。皆から早く来いって連絡が来た。エージェント、本当にありがとう」

「はい。今日は主役ですからね！　楽しんでください」
　帰っていく阿形へ手を振り見送る。彼の背中が見えなくなったところで、皇紀は仮面カフェに入った。遅れてエージェントも入る。仮面カフェの中は二～三人の客がいるだけだったが、皇紀は迷わずＶＩＰルームの扉を開いた。
　エージェントはラミネートされたモーニングメニューを差し出す。
「今日のモーニングは臨時でお刺身付きますよ。阿形さんはさっきまで沖に出てたんです。そのお魚を届けてくれました」
「喰う。Ａセット」
「はい！　今レオンが捌いてますから、お楽しみに！」
　エージェントは注文をキッチンへ伝えに行き、水とサービスのカットメロンを持って戻ってきた。オレンジ色の艶が美しいカットメロンにフォークを刺して食べる。甘さが広がり、十分に熟していて確かな頃合いだとわかる。
　メロンを食べている途中で、足元とソファの間に小さくて四角い紙が落ちていることに気づいた。つまんで見てみると、紙吹雪の残りのようだった。
「すみません、さっきまでここで阿形さんのお誕生日パーティーをしてたから

……片づけたつもりだったけどまだ残ってたんだ」
　エージェントが手を差し出してきたのでその小さな手のひらに乗せる。紙吹雪を握り混んだエージェントの、とても優しい記憶を語るような横顔。
「阿形さんは日付変わる前から漁港に来て、夜の海に出てたんです。すごいですよね、一年とちょっとでもう夜の海に連れていってもらえるなんて」
　信頼ですね、と嬉しそうに話すエージェント。皇紀は先程観察した阿形の体躯を思い出す。
「年を重ねてさらにいい肉質になってきた」
「そうですね。出会った頃から既に成人男性なのでしっかりした身体付きでしたけど、一年でもっと……がっしり、したというか」
　うんうんと頷くエージェントを横目に、皇紀は楽しみを見つけたと言わんばかりの密かな囁きで、溢れ出た胸の内を口にした。
「一度捌いてみるか……？」
「……」
　まさかの言葉にエージェントは唖然とするが、すぐに呆れの目付きに変えた。

September 5, 2025 at 4:28 AM

すあみ🍋

@koyone.bsky.social

雑高でらんきりしんと絡む話。所々下ネタありです。 #新書ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/shinsho.html

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
以下は本文の内容です。

　「え、学級新聞で私の特集？まぁ…城の秘密とかじゃなきゃいいけど…」

学園長先生に呼ばれ、お茶を飲んでいる私、雑渡昆奈門のところに嵐のように現れた、らんきりしんの３人。
話を聞くと壁に貼る新聞を順番に作っていて、なかなかネタが思いつかなくて、
たまたま私を見かけて思いついたらしい。
新聞は私への２０の質問らしい。
それって面白いのか…？まぁいっか。
良い子たちの質問にしっかり答えていきましょうかね。

部屋を変え早速始まった。
「こなもんさん！質問です。」
「昆奈門な。え、このやりとり毎回やるの？」
「お約束かなーと思って…ふふふ」
意地悪そうに乱太郎くんが笑う。
まぁ可愛いからいいけど。

「雑渡さんの身長と年齢を教えてください！」
「１８０センチで年齢は３６歳だ。」
「雑渡さんの好きな食べ物は？」
「最近は雑炊かな。団子も好きだよ。」

質問がかなり可愛い。
まぁ、一年生だしそんな感じかな？

「雑渡さんの好きなタイプは？」
「黒髪、白い肌、私と変わらない身長で私を１番に慕ってくれる子。」
「好きな人にはなんで呼ばれたいですか？」
「そうだねえ…雑渡様とか組頭って呼ばれるけど、やっぱり昆奈門さまって呼ばれたいかな。」
「お付き合いするなら歳上？歳下？」

「歳下かな。２４歳くらいがいい。」
「今まで雑渡さんがお付き合いした人は何人くらいですか？」
「１人だよ。陣左だけ。」

これは本当だ。
今まで一夜だけはそれこそ男女問わずたくさんあるが、それはお付き合いに入るのかというと違うと思っている。
だからね、１人だけなんだよ。

「好きな仕草は？」
「細ーい眉毛が八の字になること。可愛いんだ。」
「好きな服装は？」
「なんでも好きだけど着流しの時はドキドキするね、妖艶だから。」
「キュンとする瞬間は？」
「たくさんあるけど、まだ洗ってない魔羅に顔を寄せられる瞬間かな。」
「その時になんて言われたいですかぁ？」
「洗ってない方が昆奈門さまの匂いが強くて好きです。かな。」

これは昨日の出来事。
先に戻っていた陣左が私が帰るなりすり寄ってきたのだ。
今思い出しても……おっといけない。

「好きな人とやりたいことは？」
「デートからの目合いかなー」
「雑渡さんは何フェチですか？」
「陣左フェチ。」
「好きな人にされて嬉しいことは？」
「魔羅を勃たせて、上に乗って腰を振られることかな」

「浮気は許せますか？」
「陣左がするわけがない。……え、どうしよう…されたら……私耐えられないかも…まぁ、相手の男の命はないだろうね……」

ひええええええ！！と３人が震え上がる。
しまった、つい殺気を出してしまった。
落ち着け落ち着け。

「好きな人にされて悲しかったことは？」
「私に内緒で山田伝蔵殿に火縄銃の稽古をつけてもらったって聞いたことかな。まぁその夜たっぶりお仕置きしたけど。」
「好きな人の可愛いなって思うところは？」
「全部。非の打ち所がない。とにかく全身どこも可愛いし、乳首なんて本当に可愛いんだから。」
「好きな人に直してほしいところは？」
「もう少し見目の美しさを自覚してほしいね。私と一夜共にしたあとはホントすごいんだから。あれは歩くフェロモンだよ。」
「好きな人と結婚したい？」
「もうしてるよ。陣左は私の奥さん。」
「好きな人のズバリ名前は？」
「え、何度も言ってるけど陣左。高坂陣内左衞門。」

ふぅ、意外と２０問って長いものだな。
次が最後か。
最後の質問者はしんべエくんだ。

「究極の質問ですっ。」
「はい。」
「お団子味のおうどんとおうどん味のお団子。どっちが食べたいですかぁー？」

最後の質問が良い子！！良い子すぎる！！

「おうどん味のお団子かな。」
「質問は以上ですぅー！ありがとうございました！雑渡さん！！」

こんなことならいくらでも協力するさ。
と、そろそろお暇するか陣左に会いたくなったし……

後日新聞ができた頃だろうと思って見に行くと貼られておらず。
代わりに山田殿と土井殿に

「良い子にこんな内容を話すなー！！！」と怒鳴られた。

え、これって私が悪いの？

September 3, 2025 at 8:48 PM

すあみ🍋

@koyone.bsky.social

雑高で学園長の突然の思いつきに振り回される二人。🔞要素は少しだけ。 #新書ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/shinsho.html

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
以下は本文の内容です。

「忍術学園の良い子たちに私の目合いを見せる…ということですか。」

突然のお茶の誘いかと思いきや、思いついたぞーー！といきなり大声で言われ、現在に至る。
正直意味がわからない。

「雑渡殿、どうか引き受けてくれんか？」
「はぁ……何故私なのでしょうか。」
「先生同士でも良いのだが彼らは生徒に近すぎる存在じゃ、でも雑渡殿であれば適度な距離感でもあり…あとは経験豊富とお見受けするが…？」
「なるほど…まぁ一理ありますな。してどのようにすれば良いので？相手は？」
「お主、今あの美丈夫の男以外を抱いておるのか？」
「………よくご存知で。もちろんうちの高坂以外は毛頭私は興味がないですし抱く気はございませぬ。」
「ならその高坂殿と雑渡殿の目合いをうちの四年生、五年生に披露してくれんかのぅ。」
「うちの陣左…高坂に相談してみますが…」
「頼んだぞ。良い返事を期待しておるぞぉー」

あの陣左が果たして承諾してくれるだろうか…
ダメだと言ったらキッパリ断ろう。
そう思いながら忍術学園を後にした。

「そうなんですね。わかりました。」

帰ってすぐに自室に戻るとすでに着流しで寝床を準備してくれていた陣左。
すぐに私の装束を脱がし、包帯を取ってくれる。
それとなく早速学園長殿のお願いを相談してみようか

な。と思ったら…なんともあっさりとした返事が返ってきた。

「えっ、そんなすぐに…いいの？」
「はい、お相手が昆奈門様、見せるだけですよね？
何か問題ございますでしょうか？」
「はぁ、男らしいねぇ。」

こう言うところが月輪の血筋なんだなと相変わらず思うところではある。
それを言うと陣左は気分を悪くするので言わないけれど。

「昆奈門さま、今日はいかがなさいますか？」
「もちろん、お前を抱きたい。野暮だよ、その質問は。」
「申し訳ございません。準備はできてます故お許しを…」

帯を解き、生まれたままの身体を晒す。
陣左の身体はまるで南蛮由来の陶器のようだ。
滑らかで所々傷はあるものの、私の指に吸い付くようだ。
そして美しい桃色の乳首と使い込まれておらず真っ直ぐ細長い魔羅は男を興奮させる材料でしかない。

ん？男を興奮？
は？興奮？
この美しい陣左の身体を子供とはいえ飢えた男たちの前に晒すのか。

「ダメだ！やっぱりダメだ！！」
「へっ！？昆奈門さま？……何か陣左に問題でも…？！」
「陣左の身体を他の者に見せるなんて考えただけで気が狂いそうだ。」

切れ長の目が丸くなり、そして優しく微笑む。
私だけの美しい陣左は…誰にも見せたくない。

「昆奈門さま、今回の件、私もお断りさせていただきたくなりました。だって男らしく猛った昆奈門様の魔羅……陣左だけのものですから…」

褌を取ると先端を直ぐに口に含む。
舌で全体を包み込むように愛撫を繰り返し、
そして先端の窪みをグリグリと舌を尖らせてくる。

「陣左は美味しそうにしゃぶるねぇ…」
「だって……何よりのご馳走でございますから…」

手でゆるりと握り上下に擦るのも忘れない。
下から上、そして裏筋に、玉にも、喰らいつく。

全て私が幼き頃から教え、仕込んできた私好みの魔羅への愛撫。
従順で可愛くて私だけの美しい陣左。

「陣左、愛してる、お前だけに嫉妬深い私を許しておくれ」
「昆奈門さまっ……子種を…いただきとうございます……」

立ち上がり激しく魔羅を擦ると
大きく開いた陣左の口の中と舌に向けて先端から白濁の液を放つ。

コクコクと喉を鳴らしながら嚥下する姿は何よりも興奮する。

「陣左、さぁ次は中に注いであげよう。」
「うれしゅうございます。私だけの…昆奈門様……」

結局その後学園長の要望には申し訳ないがお断りを入れた。
そうすると誰でも良いから目合いの授業を！！と言われたので

最近くのいちの恋仲ができた尊奈門に白羽の矢が立った。

が…あまりの視線の強さに耐えきれず
尊奈門は勃起することができず、すごすごと退散してきた。

それから自信を失い、彼女に振られてしまったとかで………

尊奈門、すまん！！！

September 1, 2025 at 3:45 AM

シェル紫

@10000byakuren.bsky.social

#dkmn夢
皇紀さんとエージェントと、時々慈玄。
続き。夏祭りイベントの内容そのままです。
そうです、これが古の手法『原作沿い』…
その手が綺麗なうちに引き返せるならその方が良いって思ってないかな？ないか。 #文庫ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/bunko/index.php

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「@10000byakuren」と記載されています。
以下は本文の内容です。

　背中を押す　後編
　
　
　中止のはずの花火が打ちあがる。人込みの中、駆からもらった情報で不審な男の足取りは掴めた。花火の明かりで明るくなった道の中で、慈玄は犯人と思われる特徴の男の腕を取った。
「四年前の虹顔花火大会……！」
「！」
「その顔を見間違えるわけがねぇ。あの夜、俺の妹を傷つけたのはお前だな？！」
「妹……？　へぇ、覚えてるやつがいたのかよ。くそ、俺はまだ捕まるわけにはいかないんだよ！」
　顔に傷のある男は、四年前の傷害事件を仄めかした。慈玄の目の色が怒りと憎しみに変わる。
「……俺は、きっとこのために生かされていた……！！　あんたを殺さないと、自分を一生許せる気がしねぇ……！」

「……」
　死んではいない。妹は今も生きていて、寧ろ元気に生活している。皇紀は目の前の光景を一歩引いた場所から見ていた。『蒲生』の名字から、四年前の情報を調べればすぐにわかった。両親も健在で、今も失踪した息子を探している……
　蒲生慈玄は何一つ失ってはいなかった。妹を傷つけられた事実は消えなくとも、自らの人生を投げ捨ててでも犯人を殺すほどの動機を、彼は持ちえていなかった。光の道へ帰れる。今なら、まだ。
　彼と違う道を――
　しかし皇紀はその真実を伝えない。代わりにその背に触れるように。
「そうだ、殺せ。そうすれば妹も少しは浮かばれる」
　詭弁だ。犯人を殺して浮かばれる妹などいない。それでも皇紀は、慈玄の背中を押した。
「罪を罰するな。お前も罪を犯すんだ」
　彼がこのまま落ちていくのか、力の限り抗うのか。今がその分かれ道。
「絶対に許さねぇ……！　俺の妹はあんたのせいで……死んだんだ！」

「……」
　蒲生君をお願いします、と聞こえた気がした。先ほどの林で、様子の違った慈玄を心配そうに見つめる彼女が瞼裏に蘇る。
　黙って見てろ、幻聴を振り払うように目の前の慈玄に集中した。答えはもう、わかっている。
「……違う。違う、違う、違う……駄目だ！！
　回りが見えなくなって、自分自身すらも見失っちまったら……誰かを助けることなんて出来ない……」
　ここで殺さない事、法の下の裁きを受けさせること。それはつまり復讐を果たせないということ。その決断には痛みが伴う。
　皇紀は、いくらウィズダムシンクスとして生きる覚悟を決めていたとしても、あのハロウィンの夜に仇を取らなかったことに全く未練がないかと言われると、答えは否だった。殺してしまいたかった。終わらせてしまいたかった。だとしても、これが今自分の選んだ道。
　仇を法に委ねた痛みを引きずって、今がある。

「……過去は変えられない。俺たちは、今を……明日を生きるしかねぇ」
「皇紀……」
　どうしてこうも手がかかる……皇紀は、犯人を殺さず警察に突き出した慈玄の背中を見て、ため息を吐いた。
　しかし、間に合うと言うことはこういうこと。間に合わずに復讐の道へひた走った彼、とは違う道を、慈玄は歩み始めた。
「（夕方に見かけたのが悪かったか……）」
　彼女と直接的な言葉などほとんど交わさなかった。けれどもずっと側に居付いていた気がした。慈玄を心配する、エージェントが。
　皇紀は今回のことで、エージェントから何か報酬でも貰わないとやってられない気になった。自分が望む何か珍しい食材でも……いっそ理不尽なまでに注文してしまおうか。
　
　――皇紀さんはたくさん頑張ってくださいましたから、何でもご用意しますね！　蒲生君のこと、ありがとうございました！

August 21, 2025 at 12:29 PM

あおやま

@august-5.bsky.social

韓国映画『キングメーカー　大統領を作った男』を配信で見た。
故イ・ソンギュンはどんなに悪どい台詞を言っても「声が…いい…😍」という感想になってしまうので困るw
ソル・ギョングも、大物になっていく候補者なのが最初の登場シーンからちゃんと分かる。すごいなあ
youtu.be/Tw9cM_-k_2k?...

映画『キングメーカー　大統領を作った男』予告編

YouTube video by シネマトゥデイ

youtu.be

August 18, 2025 at 2:36 PM

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