【レビュー】塗らなくても映える、組むだけで惚れる/「エアフィックス 1/72 ウェセックス HC.2」がもたらす最高のヘリ模型体験。 #キットレビュー #軍用機・旅客機 #nippper #プラモデル
【レビュー】塗らなくても映える、組むだけで惚れる/「エアフィックス 1/72 ウェセックス HC.2」がもたらす最高のヘリ模型体験。
ヘリコプターの飛行機というと、僕はこれまで5機くらいしか組んだことがありません。そんなヘリコプタープラモ体験の中でもぶっちぎりに楽しくて、パーツを眺めるたびに「カッコ良すぎる!」と唸ってしまったのが、この「エアフィックス 1/72 ウェストランド ウェセックス HC.2」です。英国のプラモデルメーカー・エアフィックスが、2025年に完全新規金型で送り出してきたバキバキのプラモデルになります。 まずはこの本体パーツの佇まいを見てください。これまでのエアフィックスの良さでもあるメリハリある彫刻は健在なのですが、決して野暮ったさはなく、彫刻に深さもあることからさらに立体感が増しています。この存在感によって、パーツを眺めるだけ・パーツをそのまま貼って素組みするだけでも最高にかっこいいヘリコプターがあなたの机上に爆誕します。塗る人だけがスケールモデルのかっこよさを表現・体感できるヘリコプタープラモではありません。 こちらはキットのバージョンとは異なりますが、イギリス・ヘンドンのロイヤルエアフォースミュージアムで見たウェセックスHCC4。胴体先端にあるエアインテーク部分がチャームポイント。このヘリコプターはアメリカのシコルスキー S-58を、英国がライセンス生産したもの。運用しながらイギリス独自の改修が加えられ、多方面で活躍したことにより、英国でも認知度の高いヘリコプターとなったそうです。 キットは、ローターおよび機体尾部を折り畳んだ状態も選択可能。そのため展開状態と折り畳み状態用のパーツが混在するので、パーツ数は多く見えます。実際に組んでみると、使うパーツは限られてくるので、見た目よりもカロリーは低いです。 内部のパーツも素晴らしく、その中でもこの椅子はシートの皺の雰囲気まで表現されています。キャビン内に多数の椅子をセットした瞬間、このヘリコプターはこんなに人乗せられるんだ! と椅子が教えてくれるのです。 展開状態のローターは、自重で弛んだ形状で成形されています。この絶妙なカーブが、組み上がったヘリの色気を加速させます。 窓のクリアーパーツの透明度も抜群! 本体同様、クリアーパーツにもめっちゃメリハリある彫刻が施されています。これは塗り分ける人にとってもガイドになって嬉しいですね! 横並びの2人席の合いもピッタリ。コクピット内のパーツがカチカチと合わさっていくので、左右の胴体を貼り合わせるときもガタついたりしません。スイッチ部分のディテールも最高ですね。 そしてアイコンとも言えるエアインテークパーツは、別パーツとして分割されています。このパーツが、胴体にピタリと合わさって、まさにイギリス味を感じるへリコプターのシルエットが爆誕します。インテークのネットパーツは彫刻で表現されています。細かな彫刻によってパーツの情報量がここだけすごく上がっています。プラスチックのパーツだからこその味わいがある部分だなと思っていて、個人的にすごくかっこいいと思っているポイントです。 尾部の部分は折りたたみ箇所で分割されています。ここは接着面積が他のパーツに比べて狭いので、慎重に接着しましょう。 完成!! ローターや尾部の折り畳みのほかに、窓の開閉なども選択できるので思い思いのシルエットをや情景を追求できます。 でも、何よりもこの組んだだけでも非常に存在感あるプラモデルの佇まいに僕は一瞬でやられました。この状態で今部屋のお気に入りスポットに展示しています。2025年生まれの最新エアフィックスの旨みが凝縮されているプラモ。このヘリコプタープラモからエアフィックスの味を知ることができる幸せな人が1人でも増えることを願っています! 最高なのでぜひ!!
nippper.com
November 9, 2025 at 12:00 PM
【ブックレビュー】「映画に模型で対峙する」ということ/スケールアヴィエーション『王立宇宙軍 オネアミスの翼』特集号 #ロボット・アニメメカ #軍用機・旅客機 #雑誌と書籍 #nippper #プラモデル
【ブックレビュー】「映画に模型で対峙する」ということ/スケールアヴィエーション『王立宇宙軍 オネアミスの翼』特集号
模型雑誌の特集と言ったらテーマに沿った作例の数がそろえば成立していると捉えるのが通例なんだけど、ちょっと今回の『王立宇宙軍』特集号はそういう次元じゃない完成度。好きなアニメの特集だからとかそういうことではなく、パラパラとめくっても気分よく、じっくり読んでも面白い「この先繰り返し読み返すことになる」一冊に仕上がっていると思う。 毎月出ることになる月刊誌における"偶発的にできてしまった傑作号"というわけではない。企画段階から「際立った特集をやるぞ」という気概で作られているのが石塚編集長の所信表明のようなイントロダクションからもそれがわかる。SA誌は誌面全体をシックな雰囲気にまとめてくる雑誌なので、表紙をめくってからこの所信表明のようなイントロまで気分を乱さずシームレスにつないでくれる。 また、他の雑誌の作例記事フォーマットに慣れていて、今回初めてSA誌を買う人は驚くかもしれないけれど、基本的に各作例にはいわゆる”担当モデラーによる製作文”は存在しない。 作例記事は完成写真をひとしきり見せた後に置かれる各部アップや製作途中写真とそれに対する短いキャプションで構成される。担当モデラー毎の「自分もこれには思い入れあるんですよ」といったタイプのテキストは全くない。パラパラと流し見したときに見える本文は、実は製作文ではなく「この作例がどういうモチーフのどういう魅力を表現するべく作られたものであるか」という編集部による解説文なのだ。 おかげで一貫した視座で各作例を読み解いていくことができる。あくまでも『王立宇宙軍』という映画を模型雑誌の特集として、当時映画を見ていない層まで含めた万人に向けてキュレーションするという態度でできているのだ。 「自分は好きだけど誰でも知ってるヒット作品とは言えないような立ち位置の作品」をどうやって提示するのか?しかも雑誌を丸々費やす規模の特集で……という難題に、今号はみごとに回答してみせている。好きなタイトルでも初見の感動には何を見てもかなわないとか、自分も歳をとったからとか、もう模型誌でこんな満足を得られないだろう……とあきらめていたところに青天の霹靂。模型雑誌ってメディアにまだまだ期待を抱いていいものなんだなと思えて、それが嬉しかった。 自分が紹介するまでもなく方々で評判であるがゆえ、月刊誌なのに重版までかかったそうだ。だから重版が並んでまだこの雑誌が書店の棚に刺さっているうちにもうひと押ししておきたいと思ったんだ。この映画が好きな人にはぜひ読んで欲しいし、まだ見ていなくてこの本を読んだなら映画を見てほしい。一本の映画とそれを模型を通して対峙し、一冊の紙の本にまとめる在り方というのを考えてみてほしい。これはそういう当てられかたをしてしまう熱量にあふれた号だから。
nippper.com
October 30, 2025 at 1:00 PM
【ブックレビュー】「映画に模型で対峙する」ということ/スケールアヴィエーション『王立宇宙軍 オネアミスの翼』特集号 #ロボット・アニメメカ #軍用機・旅客機 #雑誌と書籍 #nippper #プラモデル
擬人化元の会社が「ボロボロの会社を高値で売りつけるのに成功した」とか言われているのでMD組は(弊擬設定では合併後もボ一イングに食われるまで旅客機部門のDと軍用機部門のMとして2人でひとつの存在やってた)両方自分の弱さを隠すのがうまいのですが、内訳は主(株主・オーナー)から虐待(企業擬人としては「経営のことちゃんと考えてくれない」などが虐待に含まれるという認識がある)されるようになっていく中でうまい取り繕い方を身につけたDとそんなDを模倣しているMです。
October 28, 2025 at 2:44 PM
擬人化元の会社が「ボロボロの会社を高値で売りつけるのに成功した」とか言われているのでMD組は(弊擬設定では合併後もボ一イングに食われるまで旅客機部門のDと軍用機部門のMとして2人でひとつの存在やってた)両方自分の弱さを隠すのがうまいのですが、内訳は主(株主・オーナー)から虐待(企業擬人としては「経営のことちゃんと考えてくれない」などが虐待に含まれるという認識がある)されるようになっていく中でうまい取り繕い方を身につけたDとそんなDを模倣しているMです。
【工具レビュー】モデルアート監修!ステルス機専用の水性ホビーカラー「ライトニンググレー」が新発売!/ライトニンググレー2レビュー #軍用機・旅客機 #筆塗り #水性塗料 #塗料 #nippper #プラモデル
【工具レビュー】モデルアート監修!ステルス機専用の水性ホビーカラー「ライトニンググレー」が新発売!/ライトニンググレー2レビュー
スケール模型雑誌「モデルアート」が監修した、ステルス機を塗るのにぴったりの専用色「水性ホビーカラー ライトニンググレー1」、「ライトニングレー2」が発売となりました! 水性ホビーカラーを愛用しているフミテシとしては嬉しい限り! 専用色ってやっぱり安心できるので、この塗料のおかげでステルス機の世界へと気軽に飛び込んでいけますね。前回の「1」に引き続き、今回は「2」の特徴をレビューします! GSIクレオスHM02 水性ホビーカラー MODEL Art ステルス機カラー ライトニンググレー2 「ライトニンググレー2」の最大の特徴はメタリック塗料であること。ソリッドなグレーの他に、F-35の表面に見えるうっすらとした粒子感あるグレーを、メタリック塗料で表現しようと開発されました。実機の雰囲気を塗料で表現するために、メタリック感はとってもマイルドになっていて、まもなくソリッドな塗料になっちゃうんじゃないの!? ってくらい抑えられています。 蓋を開けてみると、アイスクリームのクッキー&クリームのような表情でお出迎え。しっかりとグレーになるまで撹拌してから使用します。 塗料を出してみると……「え? 本当にメタリック塗料なの???」と一瞬ドキッとします。塗料を少し垂らしてみると、メタリックの粒子がキラキラと見えてきました。そこまでしないとはっきりとメタリックの粒子が見えてこない塩梅で調整しているのです。 まずはグレーのパーツに筆塗りをしてみます。確かにパーツの角などに金属粒子が多く引っかかって、キラキラと輝いているのがわかります。 エアブラシで均等に吹き付けてみると……とっても綺麗なライトグレー……。 曲面の多いズゴックに吹き付けてみます。曲面に反射している光も柔らかく、メタリック塗料でありながら、半光沢よりもつや消し寄りのツヤ感になっている印象。タミヤのフラットアルミのメタリック感をさらにマイルドにした塗料といった感じです。関節のグレーなどに使用すると、マイルドなメタリック感がアクセントになってくれそうですね。 本塗料を監修したモデルアートの記事を読むと、F-35に使うなら、塗装した上から半光沢でコートしてあげるとより実機の雰囲気に近くなるそうです。最後の1手が大事な塗料なんですね。 半光沢でコート。すると先ほどよりも光を反射するようになり、メタリックの粒子感もより目に入ってくるようになります(それでもまだかなりマイルド)。この絶妙なニュアンスが表現できるからこそ、ステルス機らしい塗面を表現できる「ライトニンググレー2」は、これまでのメタリック塗料には無かった表情を、調色無しで楽しめます。ぜひ1本手元に置いて、あなたの好きな模型に塗ってみてください。
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October 19, 2025 at 12:00 PM
花金だ!仕事帰りに買うプラモ。現代の最強艦載機を最新キットで気軽に味わえる幸せ「タミヤ 1/72 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII」 #キットレビュー #軍用機・旅客機 #花金プラモ #nippper #プラモデル
花金だ!仕事帰りに買うプラモ。現代の最強艦載機を最新キットで気軽に味わえる幸せ「タミヤ 1/72 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII」
週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は、今現在1/72スケール飛行機模型において最高の組みやすさとかっこよさを体感できるプラモデル「タミヤ(TAMIYA) 1/72 ウォーバードコレクション No.94 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII」をご紹介します。タミヤ 1/72 F-35シリーズのトリを飾る存在です。 急にこのF-35Cを作りたくなった理由が先日、編集長のからぱたとライターのけんたろうと事務所で打ち合わせをしていた時に出た「F-35Cって謂わば現代版の最強トムキャットなんよ」って言葉……。確かに艦載機(機体各部を航空母艦上で運用するために開発した機体。船に乗せるって大変だ!)だし、1機でさまざまな役割もこなせる。しかもステルス機……。そんな風に見ていると、このF-35Cの魅力をもっと知りたいと思えてきたのです。だったら、「タミヤのプラモを組むのが一番早い」。そう、知りたいモチーフがあったらプラモを組む……これはタミヤが教えてくれた最短の方法なのです。 F-35Cのキットの中には印刷物がたくさん! 説明書の他に、機体解説の冊子も入っています。F-35ってA型(空軍向けが通常の滑走路で使う)、B型(STOVL(短距離離陸/垂直着陸)を可能にしたタイプ)、そして今回のC型と3タイプあるのですが、この冊子ではC型を中心に他のタイプと何が異なっているのか? F-35の艦載機仕様ってどんな特徴があるの? ということが記載されています。組む前に読んでも組んでから読んでも、F-35Cという飛行機と仲良くなれるようになっています。 ステルス機の表面は、通常の飛行機とは異なる表情を見せています。しかも意外と塗り分けのパターンが細かいです。それをサポートしてくれる秘密兵器として、原寸のカラー塗装図がセットされます。コピーしてカットすればマスキングシートにもなりますし、筆塗りでF-35Cを塗る時は、塗り分け箇所を指差し確認して筆を進めていけます(タミヤのくっきりとしたディテールなら、筆塗り時もマスキングはほぼいらないでしょう)。さらにキャノピーなどのクリアーパーツ塗装を一気に快適にしてくれるマスクシールも付属! これはありがたいですね。 本キットは初手から僕たちに翼を畳むのか、展開するのかという「嬉しい選択」をもたらしてくれます。胴体と主翼の間に設けられた小さな桁。これをカットすると「畳んだ状態」、カットしない場合は「展開状態」になります。個人的にはF-35Cならではの翼をたたんだ状態を作りたいので、今回はカットしました。おかわりしたら、展開状態を作ろうと思います。F-35Cは他のタイプよりも大面積の翼となっているので、展開状態はその迫力をより楽しめます。 翼を畳んだ状態を選択すると、かっこいいヒンジパーツを使用できます。細かな彫刻がいけてますね! 折りたたんだ翼を、しっかりと固定できるように、翼内部には専用パーツがセットされます。この切り欠きが軸穴となり、翼をしっかりと支えてくれます。左右を間違えないように「R」と刻まれているのも嬉しいですね。 1/72スケールですが、内側の構造も見ながら本体を貼り合わせていけます。エアインテークからのメインノズルまでの道をあなた自身の手でシンプルに体感できるのです。 そして内側のパーツが入っていても、外側はピッタリと合う精度。さらに翼の各パーツをセットするために用意された無数の切り欠きもピッタリと合わさり、この後の工程になる翼パーツの取り付けにも一切支障は出ませんでした。気持ち良すぎる組み味です。 内側の取り付け軸に「スコン」とハマるとがっちりと固定される脚部。誰もが正位置で、強固に取り付けられるおもてなしがされています。 この未来的形状のパーツは、お腹側に搭載されるステルス性を備えたガンポッド。最新装備に触れられるのも、最新鋭機のプラモならではですね。 動翼部分も差し込むだけで正位置が確保されます。絶妙にカーブした曲面など、F−35の複雑な三次曲面と、主翼各部の動きが織りなす美しい姿を本キットは味わえます。 コクピットは最後の工程にやってきます。F-35Cの形が完成してから、アニキを搭乗させる瞬間はまさに完成の儀式。しかもシートやパイロット、計器盤は接着しなくてもある程度固定されるので、塗装した後に接着することも可能となっています。 艦載機ならではの翼の折り畳み、着艦・発艦をサポートする力強い脚などF-35Cならではの魅力満載な本キット。本格的に運用が開始されれば、「これからの空母の景色」を担っていくことになるでしょう。ぜひこの週末は、タミヤの1/72 F-35Cを楽しんでください。最高に楽しい飛行機模型です。それでは!
nippper.com
October 10, 2025 at 3:00 AM
チェンソーマン映画の飛行機のシーン何?って感想を見かけるけど、あれはレゼが祖国を想ってるシーンだと思う
ピンポンでウェンガが故郷を想う時に入る飛行機と同じ感じ
1回目は工作員である自分を再確認する空想シーン(超低空を飛ぶ軍用機)で、2回目は任務失敗で故郷に自分の居場所がなくなったことをその時上空を通った旅客機を見て想ってる(自分は乗れない関係ないという意味で高高度を飛んでる)
ピンポンでウェンガが故郷を想う時に入る飛行機と同じ感じ
1回目は工作員である自分を再確認する空想シーン(超低空を飛ぶ軍用機)で、2回目は任務失敗で故郷に自分の居場所がなくなったことをその時上空を通った旅客機を見て想ってる(自分は乗れない関係ないという意味で高高度を飛んでる)
October 5, 2025 at 3:16 PM
チェンソーマン映画の飛行機のシーン何?って感想を見かけるけど、あれはレゼが祖国を想ってるシーンだと思う
ピンポンでウェンガが故郷を想う時に入る飛行機と同じ感じ
1回目は工作員である自分を再確認する空想シーン(超低空を飛ぶ軍用機)で、2回目は任務失敗で故郷に自分の居場所がなくなったことをその時上空を通った旅客機を見て想ってる(自分は乗れない関係ないという意味で高高度を飛んでる)
ピンポンでウェンガが故郷を想う時に入る飛行機と同じ感じ
1回目は工作員である自分を再確認する空想シーン(超低空を飛ぶ軍用機)で、2回目は任務失敗で故郷に自分の居場所がなくなったことをその時上空を通った旅客機を見て想ってる(自分は乗れない関係ないという意味で高高度を飛んでる)
【レビュー】飛行機模型としての魅力が嬉しいバンダイスピリッツ「風の谷のガンシップ」プラモデルを徹底解説! #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #軍用機・旅客機 #ジブリ #nippper #プラモデル
【レビュー】飛行機模型としての魅力が嬉しいバンダイスピリッツ「風の谷のガンシップ」プラモデルを徹底解説!
展開状態と収納状態を選択できる緻密な彫刻の着陸脚のパーツを見た瞬間に「あ、精密な飛行機模型だ!」という気持ちが一気に膨らみました。バンダイスピリッツの1/72スケールモデル、「風の谷のガンシップ」です。求めやすい価格でいつでも模型店の棚にあるからこそ、なんとなく買わないでいたのがすごくもったいない。そう言えば『風の谷のナウシカ』のプラモデルは「メーヴェとナウシカ」しか作ったことがありませんでした。 考えてみれば、メーヴェというのは「動力付きの小さな全翼機の上に人間が乗る」というかなりプリミティブで恐ろしい乗り物。あくまで風を利用して飛ぶ凧のような機体だから、車輪の付いた着陸脚はなくてヒゲのようなスキッド(橇)で地面に接しています。ガンシップはメーヴェと比べるとれっきとした飛行機に見えます。現代ジェット戦闘機と比べたらずいぶん小柄ですが、それでも設定の全幅18m(模型では25cmでジャスト1/72スケールなのがわかります)と零戦の1.5倍はあります。 着陸脚の複雑な造形に加え、さらに飛行機模型らしさを演出してくれるのがパイロットフィギュアです。前席に乗るナウシカと後席のミト爺は指先ほどのサイズで、1/20スケールのメーヴェで豊かな造形を見せてくれたナウシカとは対象的な小ささ。前席は左右の張り出した丸窓からも中が覗けるのでナウシカは両腕を分割して全身が再現されていますが、ミト爺は腰から下を大胆に省略して機体内部に据え付ける設計となっています。 コクピットを組み立て、左右に分割された胴体で挟み込み、そこに主翼を突き刺して完成……という流れもきわめて飛行機模型的。架空のものであってもあくまで飛行機を模型にしているんだから飛行機模型っぽい体験になるのは当たり前、と言ってしまえばそれまでなのですが、しかしバンダイスピリッツの色分け済みプラスチックと接着剤を使わないスナップフィットで細かいパーツを取り付けていくのはなんだか新鮮です。 完成してみると薄黄色のポテッとした機体が目の前に現れます。表面のディテールはそこまで多くないのでどうしてものっぺりとした印象になってしまいますが、しかし飛行機模型を作ったことがある人ならばスミ入れや汚しと言った味付けでより飛行機らしい表情に仕上げる方法を知っているはずです。もちろんそうでない人にとっても、いまならさまざまなツールやマテリアルで実感のある表面仕上げの方法が用意されています。安価でシンプルな構成でありながら、飛行機模型らしい組み味と良好なフォルムが手早く味わえるプラモデルとして、もっとたくさんの人に作られ、さまざまな仕上げで語られるべきプラモデルだと感じました。みなさんも、ぜひ。
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October 5, 2025 at 1:00 PM