特攻隊員の青年は神隠しにあった少年Kに導かれながら許嫁への思いを抱えながら遠野を彷徨う。
青年と許嫁はバレエ、遠野の異形は舞踏と森山さん、少年Kは歌舞伎。
遠野物語(青森とかも)って、日常のごく近くに異界や死があるというイメージなんですが、異界を異界としてスパーンと分けちゃってるなぁと。舞踏手の皆さんは本当に素晴らしかったですが、ザ・物理!って感じで怪異が現れるので、青年の地獄巡りか百鬼夜行遭遇記に。
生と死のはざまの世界観を一番感じさせたのは尾上眞秀くん。大人ダンサーたちをものともしない抜群の存在感で、ばちっと舞台を締めていました。
特攻隊員の青年は神隠しにあった少年Kに導かれながら許嫁への思いを抱えながら遠野を彷徨う。
青年と許嫁はバレエ、遠野の異形は舞踏と森山さん、少年Kは歌舞伎。
遠野物語(青森とかも)って、日常のごく近くに異界や死があるというイメージなんですが、異界を異界としてスパーンと分けちゃってるなぁと。舞踏手の皆さんは本当に素晴らしかったですが、ザ・物理!って感じで怪異が現れるので、青年の地獄巡りか百鬼夜行遭遇記に。
生と死のはざまの世界観を一番感じさせたのは尾上眞秀くん。大人ダンサーたちをものともしない抜群の存在感で、ばちっと舞台を締めていました。
2025.9.20-12.7
25年目の名品選
府中市美術館
www.city.fuchu.tokyo.jp/art/tenranka...
2025.9.20-12.7
25年目の名品選
府中市美術館
www.city.fuchu.tokyo.jp/art/tenranka...
かわいおもしろためになった。藤田嗣治の猫がかわいいね〜ってだけじゃなく、彼が猫を描いたことに、美術史上どんな意味があるのか一緒に考えさせるような展示だった。あと、タイトルは「フジタ」だけど、プロローグとしての菱田春草や後輩の猪熊弦一郎の作品の存在感も大きく、盛りだくさん。木村荘八の猫の絵も、あ、この人こんなユーモアのある絵描くんだと発見。
府中市美術館はいつも学芸員が真摯に頭をひねった跡の見える企画で、応援したくなる。今回は物販の充実も危険。
かわいおもしろためになった。藤田嗣治の猫がかわいいね〜ってだけじゃなく、彼が猫を描いたことに、美術史上どんな意味があるのか一緒に考えさせるような展示だった。あと、タイトルは「フジタ」だけど、プロローグとしての菱田春草や後輩の猪熊弦一郎の作品の存在感も大きく、盛りだくさん。木村荘八の猫の絵も、あ、この人こんなユーモアのある絵描くんだと発見。
府中市美術館はいつも学芸員が真摯に頭をひねった跡の見える企画で、応援したくなる。今回は物販の充実も危険。
『フジタからはじまる猫の絵画史 藤田嗣治と洋画家たちの猫』
西洋の伝統上、動物をテーマに据える、ましてや猫そのものの可愛さをポイントとする絵画は存在しなかったという視点から
西洋画の中に猫を主たるモティーフとして登場させたのは藤田嗣治からだというコンセプトに基づいて展開
フジタ以外の西洋画、日本画の中で猫が登場する作品も多数
朝倉文夫の造る関節と筋肉の靭やかさ
ピエールボナールの描く俊敏さ
スタンランの描く造形美
猫は好きでないと公言してた菱田春草ですら描いてる折りたたまれた関節の多さ
これら全てと別次元にある藤田嗣治の描く猫の不思議
『フジタからはじまる猫の絵画史 藤田嗣治と洋画家たちの猫』
西洋の伝統上、動物をテーマに据える、ましてや猫そのものの可愛さをポイントとする絵画は存在しなかったという視点から
西洋画の中に猫を主たるモティーフとして登場させたのは藤田嗣治からだというコンセプトに基づいて展開
フジタ以外の西洋画、日本画の中で猫が登場する作品も多数
朝倉文夫の造る関節と筋肉の靭やかさ
ピエールボナールの描く俊敏さ
スタンランの描く造形美
猫は好きでないと公言してた菱田春草ですら描いてる折りたたまれた関節の多さ
これら全てと別次元にある藤田嗣治の描く猫の不思議
藤田の猫をたっぷり見られてホクホク。東京国立近代美術館の《五人の裸婦》も。そういえば、猫いたね。藤田の乳白色の下地のまったりしっとり滑らかで美しいこと…!
ポスターの《猫の教室》は、擬人化が巧みで洋服なども凝っている。オムツをした猫が床に転がっていて可愛い。
藤田以外の猫作品も充実。菱田春草の猫も(永青文庫の有名な黒猫ではないけれど、可愛い黒猫)。猪熊弦一郎の猫も、スケッチ的なものから抽象的な表現まで色々。
フジタからはじまる猫の絵画史
藤田嗣治と洋画家たちの猫
2025.9.20– 12.7
藤田の猫をたっぷり見られてホクホク。東京国立近代美術館の《五人の裸婦》も。そういえば、猫いたね。藤田の乳白色の下地のまったりしっとり滑らかで美しいこと…!
ポスターの《猫の教室》は、擬人化が巧みで洋服なども凝っている。オムツをした猫が床に転がっていて可愛い。
藤田以外の猫作品も充実。菱田春草の猫も(永青文庫の有名な黒猫ではないけれど、可愛い黒猫)。猪熊弦一郎の猫も、スケッチ的なものから抽象的な表現まで色々。
フジタからはじまる猫の絵画史
藤田嗣治と洋画家たちの猫
2025.9.20– 12.7
2025.11.19(水) – 29(土)
不忍画廊
日本橋室町の不忍画廊にて。色々な猫がいて、猫好きさんいらっしゃい、な展示。
絵画だけではなく立体作品もあって、ヴァラエティ豊か。可愛らしいだけでなく、絵画はマティエールがそれぞれ面白く、物質感も魅力的。鎧を着た猫、とか発想も楽しい。表情もちょっと人間っぽかったりして良い味わい。
2025.11.19(水) – 29(土)
不忍画廊
日本橋室町の不忍画廊にて。色々な猫がいて、猫好きさんいらっしゃい、な展示。
絵画だけではなく立体作品もあって、ヴァラエティ豊か。可愛らしいだけでなく、絵画はマティエールがそれぞれ面白く、物質感も魅力的。鎧を着た猫、とか発想も楽しい。表情もちょっと人間っぽかったりして良い味わい。
今回、新発見の応挙と若冲の合作屏風が目玉の一つでした(以前大阪で展示していましたが、東京では初公開)。二曲一双屏風の左隻を若冲、右隻を応挙が担当した作品で、見比べると描写の違いが顕著で面白いです。というか、若冲は鶏の尾っぽのうねっとした描写だけで、あ、若冲、と分かる。若冲と並べると、応挙、本当にかっちりしてるなと思います。
写真は全て応挙の(カワイイ)虎。虎の毛皮をスケッチ的に描いた屏風も出ていたので、ある程度虎を参照していたんでしょうけれど、どうにも猫みが強いです。
今回、新発見の応挙と若冲の合作屏風が目玉の一つでした(以前大阪で展示していましたが、東京では初公開)。二曲一双屏風の左隻を若冲、右隻を応挙が担当した作品で、見比べると描写の違いが顕著で面白いです。というか、若冲は鶏の尾っぽのうねっとした描写だけで、あ、若冲、と分かる。若冲と並べると、応挙、本当にかっちりしてるなと思います。
写真は全て応挙の(カワイイ)虎。虎の毛皮をスケッチ的に描いた屏風も出ていたので、ある程度虎を参照していたんでしょうけれど、どうにも猫みが強いです。
2025.8.26-12.7
資生堂ギャラリー
宇宙、重力、地質、光学など科学にまつわるテーマ、モティーフと、細やかな手仕事が無理なく共存しています。見る際に理系の知識があると楽しいかも、とは思いますが、ヴィジュアル的にとても綺麗なので、文理関係なく楽しめると思います。
本を積み重ねて地層に見立てたインスタレーション《Strata》が秀逸。地層とは、大地の歴史、記録(記憶)。積まれた本は人類の知や記憶が長い年月をかけて累積していく様を可視化しているようにも見えます。
全体、物の置き方のセンスが良く、詩的な印象のある展示です。
2025.8.26-12.7
資生堂ギャラリー
宇宙、重力、地質、光学など科学にまつわるテーマ、モティーフと、細やかな手仕事が無理なく共存しています。見る際に理系の知識があると楽しいかも、とは思いますが、ヴィジュアル的にとても綺麗なので、文理関係なく楽しめると思います。
本を積み重ねて地層に見立てたインスタレーション《Strata》が秀逸。地層とは、大地の歴史、記録(記憶)。積まれた本は人類の知や記憶が長い年月をかけて累積していく様を可視化しているようにも見えます。
全体、物の置き方のセンスが良く、詩的な印象のある展示です。
1925年の通称アール・デコ博覧会関係の資料もあって、お勉強的にも◎。
国内の美術館、個人からの借用がほとんどかな?国内メインでこれだけ華やかに仕立てられるんだ、という驚きも。たとえば、指輪は国立西洋美術館の橋本コレクションから。
アール・デコの服飾は今でも着られそうなものが多くて、現代の眼から見てそうかけ離れた感じがしないデザインのものが多いのも楽しい点。シャネルとか普通に欲しくなってしまう。
アール・デコとモード
京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に
2025年10月11日- 2026年1月25日
三菱一号館美術館
1925年の通称アール・デコ博覧会関係の資料もあって、お勉強的にも◎。
国内の美術館、個人からの借用がほとんどかな?国内メインでこれだけ華やかに仕立てられるんだ、という驚きも。たとえば、指輪は国立西洋美術館の橋本コレクションから。
アール・デコの服飾は今でも着られそうなものが多くて、現代の眼から見てそうかけ離れた感じがしないデザインのものが多いのも楽しい点。シャネルとか普通に欲しくなってしまう。
アール・デコとモード
京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に
2025年10月11日- 2026年1月25日
三菱一号館美術館
2025年10月3日–10月26日
ポーラミュージアムアネックス
鈴木のぞみさん、以前見たポーラ美術館の展示「The Mirror, the Window, and the Telescope」が秀逸でした。
テーマは視覚と記憶。
今回も近いテーマで、窓や鏡、扉のガラス面に、物に宿る記憶として、そこから撮ったイメージを写真の技法で焼き付けています。誰かが窓から、鏡で見たものの記憶を、窓や鏡を通して、時間を超えて眺める。ノスタルジックで、時間軸が歪むような不思議な感覚があります。
2025年10月3日–10月26日
ポーラミュージアムアネックス
鈴木のぞみさん、以前見たポーラ美術館の展示「The Mirror, the Window, and the Telescope」が秀逸でした。
テーマは視覚と記憶。
今回も近いテーマで、窓や鏡、扉のガラス面に、物に宿る記憶として、そこから撮ったイメージを写真の技法で焼き付けています。誰かが窓から、鏡で見たものの記憶を、窓や鏡を通して、時間を超えて眺める。ノスタルジックで、時間軸が歪むような不思議な感覚があります。
With a programme of works by Brahms, Donghoon Shin, Mozart and Ravel, the concert was live streamed and you can watch it on our website 🥳
📺 www.wigmore-hall.org.uk/whats-on/202509171930
With a programme of works by Brahms, Donghoon Shin, Mozart and Ravel, the concert was live streamed and you can watch it on our website 🥳
📺 www.wigmore-hall.org.uk/whats-on/202509171930
新国立劇場からも出てるかな?
youtube.com/watch?v=KZFK...
ちょうどKAAT神奈川芸術劇場の個展がはじまったところで、名古屋から戻ってすぐ行ってしまった…。
ちょうどKAAT神奈川芸術劇場の個展がはじまったところで、名古屋から戻ってすぐ行ってしまった…。
昨今の芸術祭では植民地主義や帝国主義の振り返りや反省がトレンド、というかマストですが、イギリスは特大反省会でしたね。この辺、(元)大国ですが何か?というドヤ感もとい矜持を大いに感じました(褒めてる)。
昨今の芸術祭では植民地主義や帝国主義の振り返りや反省がトレンド、というかマストですが、イギリスは特大反省会でしたね。この辺、(元)大国ですが何か?というドヤ感もとい矜持を大いに感じました(褒めてる)。
捕鯨船が南極海から鯨肉を塩漬けにして持ち帰っていた戦後の食糧難の時代には、常滑では、鯨の脂と血に染まった塩を土管向けの安価な釉薬として用いていたそう。名古屋港に漂着したマッコウクジラの骨、土管、骨を模した塩の陶作品等を組み合わせて、鯨の全身骨格を表現しています。その上に吊られた布に刺繍された鯨と合わせて、剛柔のバランスが良い展示。
捕鯨船が南極海から鯨肉を塩漬けにして持ち帰っていた戦後の食糧難の時代には、常滑では、鯨の脂と血に染まった塩を土管向けの安価な釉薬として用いていたそう。名古屋港に漂着したマッコウクジラの骨、土管、骨を模した塩の陶作品等を組み合わせて、鯨の全身骨格を表現しています。その上に吊られた布に刺繍された鯨と合わせて、剛柔のバランスが良い展示。
ドイツ鉄道トップ、ルッツがついに解任されることになった。彼は2010年から役員幹部、2017年から社長、将来を見据えずまだ大丈夫、まだ大丈夫、と国外や新しいものばかりに目を向けていたツケがいまに。
前政府が初めた修復、どの路線がどれくらいの頻度で使われるのか、貨物・旅客・時刻表の見直し、などなど抜本的な改革が必要そうだ。2036年になんとかマシになりそうという見通し。オリンピックや万博、磁気浮上式鉄道なんて言ってる場合じゃない。
#本日気になったドイツニュース
www.sueddeutsche.de/politik/bahn...
ドイツ鉄道トップ、ルッツがついに解任されることになった。彼は2010年から役員幹部、2017年から社長、将来を見据えずまだ大丈夫、まだ大丈夫、と国外や新しいものばかりに目を向けていたツケがいまに。
前政府が初めた修復、どの路線がどれくらいの頻度で使われるのか、貨物・旅客・時刻表の見直し、などなど抜本的な改革が必要そうだ。2036年になんとかマシになりそうという見通し。オリンピックや万博、磁気浮上式鉄道なんて言ってる場合じゃない。
#本日気になったドイツニュース
www.sueddeutsche.de/politik/bahn...
2025.4.12~8.17
世田谷文学館
最終日に滑り込み。ほどほどの混雑で少し拍子抜け(もっとお客さん来ても良いような?)。
展示は原画を中心とした構成。士郎正宗、絵がうま過ぎてヤバい。編集者の方が見所として絵の上手さをあげていたけれど、生原稿を見て、うわこれは確かに上手いわ、と。建物もメカも完璧に決まっている。線が見事だしカラーも絶妙。
世界観の作り込み、細部の描き込みが尋常ではない…。一体何を食べると士郎正宗ができあがるのか?電脳世界、国際情勢、一体何をどうするとあの時代にああいう世界が描けたのか、参考図書が並んでいたけれど、とにかく謎。
2025.4.12~8.17
世田谷文学館
最終日に滑り込み。ほどほどの混雑で少し拍子抜け(もっとお客さん来ても良いような?)。
展示は原画を中心とした構成。士郎正宗、絵がうま過ぎてヤバい。編集者の方が見所として絵の上手さをあげていたけれど、生原稿を見て、うわこれは確かに上手いわ、と。建物もメカも完璧に決まっている。線が見事だしカラーも絶妙。
世界観の作り込み、細部の描き込みが尋常ではない…。一体何を食べると士郎正宗ができあがるのか?電脳世界、国際情勢、一体何をどうするとあの時代にああいう世界が描けたのか、参考図書が並んでいたけれど、とにかく謎。
展示室ではない空間を縦横無尽に使った展示で、あ、ここにも作品が!という驚きも。展示されている写真のプリントや形状、サイズも多彩で物量も半端無い。写真というメディアの、そして写真の展示の無限の可能性を感じる展覧会でした。
WOLFGANG TILLMANS
NOTHING COULD HAVE PREPARED US – EVERYTHING COULD HAVE PREPARED US
展示室ではない空間を縦横無尽に使った展示で、あ、ここにも作品が!という驚きも。展示されている写真のプリントや形状、サイズも多彩で物量も半端無い。写真というメディアの、そして写真の展示の無限の可能性を感じる展覧会でした。
WOLFGANG TILLMANS
NOTHING COULD HAVE PREPARED US – EVERYTHING COULD HAVE PREPARED US
街中でバグパイプの音が聴こえるのも、スコットランドに来たなぁとしみじみ感じられてとても良かったです。セント・ジャイルズ大聖堂の近く、あとは国立博物館の近くで吹いている方がいました。
エディンバラ、ものすごい観光地で、国際フェスティバル期間中、バカンスシーズンでだいぶワサワサしていたんだろうと思いますが、落ち着いた品が感じられて、居心地も良かったです。
街中でバグパイプの音が聴こえるのも、スコットランドに来たなぁとしみじみ感じられてとても良かったです。セント・ジャイルズ大聖堂の近く、あとは国立博物館の近くで吹いている方がいました。
エディンバラ、ものすごい観光地で、国際フェスティバル期間中、バカンスシーズンでだいぶワサワサしていたんだろうと思いますが、落ち着いた品が感じられて、居心地も良かったです。