#芸術と哲学
森博嗣さんの『ジグβは神ですか』読了。
Gシリーズの8作目。

宗教団体の施設(表向きは芸術家の集まる芸術村)でていねいにラッピングされて棺に入れられた遺体が発見される。クローズドサークルものというのでしょうか。

シリーズが進むにつれて真賀田四季の存在感がどんどん強くなっている。

そして、今作は特に哲学的に感じる。「異常を平均したものが常識という幻想だといっても良い」「異常という言葉で片付けることは、人間か安定した存在であり、それに反する状態であってはならない、と無理に思い込むことと等しい。その思い込みから脱するためには、問い続けなければならない」
#読了#読書
November 5, 2025 at 8:36 AM
クローズドな関係性が、哲学的・精神的な深みと広がりを持って1つの完成を迎える日。
深い結びつきによる自己変容。

月は牡羊座。そろそろ満月ムード。
金星・木星のスクエアで贅沢な楽しみや優雅な時間を過ごす感じの日。芸術鑑賞後のリッチなティータイム感。
直感的に飛び込まず、深呼吸し冷静にモノを見ること。
November 2, 2025 at 9:51 PM
深夜の #飯テロ

木製の器に収められた、色彩の調和が際立つ握りの数々。
艶やかなマグロの赤、清純なイカの白、豊穣を象徴するウニの黄金色が、まるで日本画のように配列されている。

ネタは薄すぎず厚すぎず、米との一体感が計算されている。
シャリはふわりと解け、米酢の香りが優雅に鼻腔を抜ける。

特にイクラの粒立ちの良さからは、選定における妥協の無さが窺える。
これは単なる食事ではなく、季節の移ろいと職人の静かなる哲学が凝縮された、静謐な芸術である。

口に運ぶたび、海の深淵なる恵みに感謝せずにはいられない。

#今日は何の日 #すしの日
#Gemini #AIart 飯テロメーカー
November 1, 2025 at 2:59 PM
"難解な思想を理解するための、最初の一歩"

✔あらゆる経験は記憶され、脳とは別の場所に保存されている。
✔知性は、真理の認識のためではなく、サバイバルのための能力に過ぎ
ない。
✔自由行為は芸術作品に似ており、多くの人は自由行為を行なわないまま一生を終える。…

"独創的で、刺激的で、ときに奇矯な哲学者を丁寧にひもとく入門書!!"

村山達也 『ベルクソン入門』
www.seidosha.co.jp/book/index.p...
青土社 ||哲学/思想/言語:ベルクソン入門
www.seidosha.co.jp
October 30, 2025 at 10:32 AM
3章は「思想としてのスローフード」。有りがちな議論やアメリカ(のとりわけ歪んだ食文化)に固有な話題が多くて退屈気味だが、土地の環境が食材に与える影響(テロワール)に関する議論や、地産地消の義務に関する議論についてローカリズムとコスモポリタニズムの対立を紹介しつつも、この話題ではつい道徳的な論点が先行してしまい、食材の「味」や食べ物が生活の中で持つ文化的側面への「気づき」や「理解」という美学的な論点が忘れ去られてしまいがちだという指摘がされる。

4章「偽装と真正」は、芸術哲学的な論点や「鑑賞」に関する美学的な議論を掘り下げ。アレン・カールソンによる環境美学の議論が紹介されるのもありがたいです。
October 28, 2025 at 12:54 AM
一方で芸術論は『わかる!ニーチェ』ではほぼ扱われていなかったので補完的な読書にもなった。「アポロ的」と「ディオニュソス的」に関する議論、学部生の頃にちくま新書の『ニーチェ入門』を読んだ時から印象に残っていたけど、ニーチェは前者を否定して後者を讃えているイメージだったがもっと複雑でしっかりした議論をしていましたね(「ギリシア文化の輝かしい勝利は、ディオニュソス的エネルギーの破壊的な力を媒介し融和する一連のアポロ的形式を見いだしたところにある。ギリシア文化の退潮は、アポロとディオニュソスの離別とともに、そして理性というアポロ的な概念がソクラテスの哲学において高められると共に始まった。(p.70))
October 20, 2025 at 10:48 PM
センスの哲学 / #千葉雅也#読了
センスとは、深く考えず総合的に、直観的にわかること。意味や目的から離れて、ものごとそれ自体をリズムとして楽しむ。身近な日常もリズム的に捉えることで、芸術的感覚を活性化し新たな彩りなるとのこと。世界の見え方を変える、新たな視点を示してくれた一冊。
October 16, 2025 at 11:02 AM
我が部屋の脱構築された【本棚】(脱構築されているので棚らしい棚はない)を一念発起して久しぶりの大整理、せめて哲学・倫理学・法哲学・心理学・歴史・経済・政治・芸術くらいのカテゴリに分けてそれぞれの棚=山に仕分けなおすぞと頑張ったが、脱構築と増殖が過ぎて棚や山というよりもはや迷宮に迷い込んだかのような錯覚を抱き…
October 11, 2025 at 10:11 AM
<6F>文芸書・芸術書・思想・哲学・歴史・宗教・教育書
<7F>児童書・学習参考書・語学書・洋書

丸善名古屋本店の2フロアが下の階に縮小され、6階7階にはいま駿河屋が入っている。
October 10, 2025 at 11:03 AM
アモローゾ ジョアン・ジルベルトの人と音楽

「ボサノヴァの父」と呼ばれるジョアン・ジルベルトの生涯と芸術哲学を、音楽批評家ズーザ・オーメン・ヂ・メロが丹念に描いた評伝。彼の内省的な創作姿勢、革新的なギター奏法、そしてボサノヴァ誕生からブラジル音楽への影響までを克明に追う。膨大な資料と関係者証言をもとに、完璧主義者としての孤高な姿と、音楽における「静寂」の美学を浮かび上がらせる。巻末には詳細なディスコグラフィーも収録され、ボサノヴァ研究・音楽史の重要資料としても価値が高い一冊。

amzn.to/48UvvFK
October 9, 2025 at 6:18 AM
アモローゾ ジョアン・ジルベルトの人と音楽

「ボサノヴァの父」と呼ばれるジョアン・ジルベルトの生涯と芸術哲学を、音楽批評家ズーザ・オーメン・ヂ・メロが丹念に描いた評伝。彼の内省的な創作姿勢、革新的なギター奏法、そしてボサノヴァ誕生からブラジル音楽への影響までを克明に追う。膨大な資料と関係者証言をもとに、完璧主義者としての孤高な姿と、音楽における「静寂」の美学を浮かび上がらせる。巻末には詳細なディスコグラフィーも収録され、ボサノヴァ研究・音楽史の重要資料としても価値が高い一冊。

https://amzn.to/48UvvFK
October 9, 2025 at 1:33 PM
【狂気の遺産】 ユングの魂の記録! 赤の書(図版版)で無意識の深淵へ旅立つ! 心理学、夢、神話が交錯する究極の芸術書! 緻密な手稿と壮麗な曼荼羅が世界の真実を暴く。哲学と自己探求のルーツを知るための必携の単行本!

心理学の根源へ――ユングが自らの「狂気」と対峙した記録…
【狂気の遺産】 ユングの魂の記録! 赤の書(図版版)で無意識の深淵へ旅立つ! 心理学、夢、神話が交錯する究極の芸術書! 緻密な手稿と壮麗な曼荼羅が世界の真実を暴く。哲学と自己探求のルーツを知るための必携の単行本!
心理学の根源へ――ユングが自らの「狂気」と対峙した記録 20世紀の偉大な思想家であり、分析心理学の創始者であるカール・グスタフ・ユング。彼の生涯において最も個人的で、最も謎に包まれていたのが、この『赤の書』です。約16年間もの間、厳重に保管され、その存在すら公にされなかったこの書物は、ユングがフロイトとの決別後、自らの「無意識の深淵」へと降り立ち、「狂気」と紙一重の内的な探求を行った、魂の記録です。 『赤の書[図版版] 単行本』は、その巨大で豪華な原本の迫力を可能な限り再現し、ユング自身が手描きで記した緻密なテキストと、鮮烈な色彩で描かれた図版を余すところなく収録しています。これは単なる心理学の資料ではありません。それは、哲学、神話、宗教、そしてアートが融合した、人類の精神史における一つの奇跡であり、ユングの思想のすべてが生まれた「起源の書」です。 図版が語る、無意識の曼荼羅 本書の最大の特徴は、ユングが自らの内的なヴィジョンを具現化した、圧倒的な迫力を持つ図版です。 彼は、夢や幻想の中で出会った「魂の分身」や「古代の賢者」、「神秘的な象徴」といった無意識のアーキタイプ(元型)を、中世の写本を思わせる壮麗な装飾文字と、鮮やかな色彩の絵画としてこの書に描き残しました。 特に、繰り返し登場する「曼荼羅(マンダラ)」の図は、ユングの自己探求のプロセス、すなわち「個性化の過程」を視覚化したものです。無秩序な自我が、いかにして中心へと統合され、全体性を取り戻していくかという、彼の心理学の核心が、この図版を通じて直感的に伝わってきます。 文字だけでは理解しきれなかったユングの深層が、この図版を通して、生々しく、そして美しく私たちに語りかけてくるのです。 自己探求と現代の精神世界への影響 この『赤の書』を読むことは、ユング心理学を理解する上で不可欠なだけでなく、現代の精神世界や自己探求のルーツを知ることにも繋がります。 ユングは、この探求を通じて、集合的無意識、元型、個性化といった、後の心理学、思想、文化に計り知れない影響を与える核となる概念を確立しました。この本に記録された内なる旅は、現代人が抱える心の病や、生き方の迷いに対する普遍的な答えを見つけるための、深遠な地図となるでしょう。 理性と非理性、意識と無意識の境界線をさまよい、人間存在の最も深い部分と対峙したユングの勇気と探求の記録。 心理学、哲学、芸術、オカルトなど、精神世界の真理を求めるすべての人にとって、この『赤の書[図版版] 単行本』は、あなたの無意識の扉を開き、新たな自己認識へと導く必携の書となるはずです。
cururin.com
September 30, 2025 at 5:59 AM
分析美学の哲学者のノエルキャロルは『批評について 芸術批評の哲学』では(うろ覚えですが)、
「批評家の仕事は作品に価値付けを行うことであり、価値付けがなければ「どのようなものであるか」を論じることにたどり着かないため、必要不可欠な作業である」
としていて、
価値付けの基準として「作者がその作品で達成しようとした目論見が、どの程度成功しているか」としています

つまり、在野で自分の好きな作品を批評することとは別に、
アカデミアの場で、特定の作品にたいして、賞を与えたり、〇〇のジャンルの歴史みたいなのに組み込んで語るためには、前提として価値付け作業が必要であり、その作業がなければ、
創作物の批評、「それがどのようなものであるか」という方向の読みだと興味深く聞けるんだけど「もっとこうできただろ」という方向だとなんだか興味がわかないのは、人の創作物をあまり目的論的に見てないからだろうか。
September 28, 2025 at 10:07 AM
『マルティン・ハイデガー(シリーズ現代思想ガイドブック)』 ティモシー・クラーク

www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-978...

先週土曜日に旅行読書で読み始め、金曜日に読み終わり。

文学を専攻する学生向けの入門書、というコンセプトなのでハイデガーのオーソドックスな哲学の話は2章まで、3章~6章ではハイデガーの芸術論や文学(詩)論が詳しく紹介される、という構成が特徴的な本。

しかし哲学の話をしている2章だけでも実に面白くまとまっているし、芸術論も他ではなかなか読めない話題なだけに楽しく興味深い。
シリーズ現代思想ガイドブック マルティン・ハイデガー
西洋思想の根底にある征服・把握・占有という収奪的態度を拒絶するハイデガーは、存在を開示する言葉そのものの語りに耳を傾ける。人間の知の条件を根源的に問い直す、言語思想・芸術論への誘い。
www.kinokuniya.co.jp
September 27, 2025 at 12:11 AM
映画の中のアンビエント

ロシアを代表する電子音楽作曲家/映画音楽の巨匠 Eduard Artemyev (エドゥアルド・アルテミエフ)は、ソ連における電子音楽の先駆者よして知られている。。特にアンドレイ・タルコフスキー監督との共同作業が有名で、『惑星ソラリス』(1972)、『鏡』(1975)、『ストーカー』(1979)のサウンドトラックは映像と不可分の存在感を放ち、幻想的かつ哲学的な世界観を支えた。映画芸術と音響表現の可能性を拡張した功績は今も高く評価されている。
September 15, 2025 at 12:44 PM
ドゥルーズと芸術ということでいうと、現代の代表的ドゥルージアンであるアンヌ・ソヴァニャルグの博士論文が若手ドゥルーズ研究者たちの手によって邦訳されて出ますね 相当手ごわい本のようですが
そして翻訳に携わったひとりの福尾匠氏(『シネマ』論を若くして発表した)も同じようなタイトルでドゥルーズの芸術哲学について本を出すようだし(博論とは別なのかな?)、共訳者のひとり黒木秀房氏も『ノヴァ・フィグラ ジル・ドゥルーズの哲学と芸術』という博論本を出している
May 1, 2024 at 5:56 AM
【本日発売】4/5
センスとは何か、センスの良さを変えることはできるのか。絵画、小説、映画、美術など諸芸術を横断しながらその本質に迫る芸術入門!
『センスの哲学』(千葉雅也)
books.bunshun.jp/ud/book/num/...
『センスの哲学』千葉雅也 | 単行本
あなたのセンスが良くなる本! 哲学三部作のラストを飾る一冊がついに誕生 センスとは何か、センスの良さを変えることはできるのか。絵画、小説、映画、美術など諸芸術を横断しながらその本質に迫る芸術入門!
books.bunshun.jp
April 5, 2024 at 12:05 AM
どんな学問も突き詰めていくとなぜだか哲学とか宗教とかぽくなってくる気がするんですよね。表面物理やってる知人の論文のネタの話聞いてたら宇宙の真理みたいな話になったし、考古学やってる知人も我々はどこから来てどこへ行くのかみたいな話してた。
学問に限らないのかも。スポーツとか芸術とか。人間の活動というのは、そもそもそういう性質のものなのかも。
August 14, 2024 at 12:52 AM
"本書では、テュービンゲン大学、ケルン大学での講義を基に、ドイツ観念論と京都学派という思想史上の双峰を同時に見ることで、西洋哲学を哲学そのものと同一視する図式に問いを投げかけ、京都学派の新たな位置付けを試みる。歴史・自然・芸術・ 法・知・宗教というテーマから、ドイツ観念論の中心概念「絶対者」と京都学派の「絶対無」の遠さと近さを表出させ、現代世界の問題としていまだ効力を有する思想を見る":目次あり

大橋良介 『ドイツ観念論と京都学派の哲学 ケルン大学・テュービンゲン大学講義録』
comingbook.honzuki.jp?detail=97846...
『ドイツ観念論と京都学派の哲学』
本書では、テュービンゲン大学、ケルン大学での講義を基に、ドイツ観念論と京都学派という思想史上の双...
comingbook.honzuki.jp
March 23, 2025 at 7:40 AM
"霊感への信仰"。──芸術家たちは、突然の思いつき、いわゆる霊感が信じられることを、いわば芸術作品・詩の理念、哲学の根本思想が恩寵の光のように天から射しこむと信じられることを得としている。本当はすぐれた芸術家または思想家の想像力は、
たえずよいもの・普通のもの・悪いものを生産しているのであるが、極度にとぎすまされ練られた彼らの"判断力"が、捨てたり、選び出したり、結び合わせたりしているのである、今ではベートーヴェンのノートから、彼がもっとも壮麗なメロディーを次第にとりまとめて、
May 4, 2025 at 9:00 AM
いい視点ですね。
確かに、**チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)**の文章は「読みにくい」と感じる人が多いです。理由はいくつかあります。

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🌊 読みにくいと感じる主な理由

1. 翻訳の影響  彼の代表作『フロー体験―喜びの現象学』などは、英語の構文がそのまま訳されている部分が多く、文が長くて抽象的です。
 → 日本語として「ねじれた」印象を受けやすいです。

2. 原文自体の難しさ  チクセントミハイ自身が心理学・哲学・芸術論を横断して書いているため、概念が多く、説明も論理的に重層的。
 → 原文からして学術寄りで、平易ではありません。

November 2, 2025 at 9:04 AM
購入したもの①
◆左右社
松田行正『デザイン異人伝』
ティム・インゴルド『生きていること 動く、知る、記述する』
ティム・インゴルド『メイキング 人類学・考古学・芸術・建築』
小田龍哉『南方熊楠と土宜法龍の複数論理思考』
◆亜紀書房
ティム・インゴルド『応答、しつづけよ。』
工藤顕太『ラカンと哲学者たち』
牟田都子『文にあたる』
筧菜奈子『いとをかしき20世紀美術』

#神保町ブックフリマ
May 19, 2024 at 7:39 AM
とある、男女半々でいわゆる進歩的なテーマ設定でやっているキュレーションについて、拾っている作家が、女性アーティストはずっと身体やコミュニケーションや日常の違和感などマイクロ政治のことをやってて、男性アーティストはなんか哲学的で抽象的なインテリ芸術でときっぱり色が二分されてて、しかも男性批評家がつまらん哲学的長文でそれぞれを解説してるのがあって、「"そういうとこ"なんじゃないですかね」みたいな感想を言ったことがある
July 19, 2024 at 3:58 AM
もし現代にハイデガーの後継者を自認する人が現れるなら、『お金と時間』という1000頁超の哲学書書いてほしい。マジで。

ハイデガー↓
『存在と時間』
『技術への問い』
『芸術作品の根源』
『現象学の根本問題』

哲学史上1位、2位を争うほどのタイトルセンスのなさだと思う笑 色気がゼロ…… 副題くらいつけたらいいのにねえ🥹
October 23, 2023 at 3:38 AM